キリアン・ジョルネ ―エベレスト単独・無酸素・固定ロープなし・26時間最速登頂の驚き 後編

 

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5月20日から21日の良好な気象予報を受けて、5月20日を5,100mのエベレスト・ベースキャンプのロンボク寺院からの出発日に決定した。今回の山頂制覇では、単独登頂・酸素及び固定ロープの不使用・最低限の装備携行を照準において実施された。いくつかのルートの状況を検討した上で、今回の通常ルートを選択する事となった。

午後10時に出発したキリアンの行く手には、アドバンスド・ベースキャンプまでの15.2kmに渡って氷堆石(モーレン)エリアが待ち受けていた。この区間の踏破に4時間35分をかけ、21日(日)午前2時35分にアドバンスド・ベースキャンプに到着し、次の出発まで2時間の休息を取った。

「登頂を遂げるには8,000m台に到達した際に万全の体調である事が重要だ。ここまでが最初のステージであり、終盤の追い込みのためにエネルギーを保った状況が必要になる」とキリアンは述べた。

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いくつかの装備をアドバンスド・ベースキャンプに残し、最もテクニカルな登攀区間へ向けて午前4時30分にいよいよ出発。

アドバンスド・ベースキャンプを出発後、キリアンは午前6時30分に7,000mのフィールド1エリアを踏破し、その後8時間に渡って登攀を続ける。7,600mから7,800mのフィールド2エリアでは、待機していた山岳遠征ガイドであり、ビデオカメラマンでもあるSalomonアスリートのセバスチャン・モンツァ-ロセットがキリアンの登攀を撮影し、そののちセブはアドバンスド・ベースキャンプに戻って状況のレポートを行った。

7,500mを超えた頃からキリアンは疲労と胃の痛みに襲われ始めた。このため8,300m付近のフィールド3エリアでは15分の休憩を余儀なくされる。

「気分は良くなく、歩みはとても遅くなった」と彼は語る。「数メートル進むたびに止まり、胃が痙攣して吐いてしまったけれども、なんとか体調を保ち登攀を続けた」。

そこからキリアンは最高難度区間を踏破し、深夜に登頂を成し遂げた。それは雲や風の無い、澄み切った夜だった。

「固定ロープなしでのエベレスト登頂は誰でも毎日のように出来ることではないと思う」と彼は言う。「ファンタスティックな夕日を眺めたあと、深夜に遂に山頂に到着した。山頂には他に誰もいなかったけれど、北面と南面の両方のルートからの登攀中のヘッドライトの光が目に入ってきた。そして一刻も早くアドバンスド・ベースキャンプへ帰還するべく下山を開始した」。

しかし、下りにおいても体調不良により、フィールド3エリアでさらなる休憩を余儀なくされ、アドバンスド・ベースキャンプに辿り着いた時には、チャレンジスタートから38時間が経過していた。そして体調を考慮して、エベレスト・ベースキャンプのロンブク寺院へ戻るまでを計画していた今回のチャレンジを、ここアドバンスド・ベースキャンプで終える事をキリアンは決めた。

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エベレストの頂上は、酸素濃度が7%と地上(海面高での酸素濃度は20.9%)の3分の1しかなく、酸素ボンベなしでは、数秒で意識を失い、呼吸困難や肺水腫、脳浮腫になり、生命を維持できないと言われていますが、高度順応を行って挑んだキリアンにしてもギリギリのチャレンジだったようです。

今回の登頂記録

エベレスト・ベースキャンプ (標高5,100m) – エベレスト山頂 (標高8,848m): 26時間 – エベレスト山頂 (標高8,848m)- エベレスト・アドバンスド・ベースキャンプ (標高6,400m): 38時間

 

このチャレンジに使用されたギアの中には、私たちが普段使っているアイテムもあります。その一つがソフトフラスクです。

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ほんの少しのトラブルが死に直結する限界のチャレンジにおいて信頼できるアイテムは必要不可欠ですが、普段のランで使っているアイテムがそのような特殊な環境でも使えるとは驚きです。

キリアンがどのようなアイテムを使用したのかを少しづつ紹介していきます。
(写真・文章提供 アメア スポーツ ジャパン株式会社)



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