低酸素トレーニングの効果とメカニズム その1〜低酸素トレーニングの効果〜

私の一番の伸びしろであると考え、昨年秋から取り入れた低酸素トレーニングについては、徐々に活用するランナーが増えています。

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前に書きましたが、私が初めて低酸素トレーニングを取り入れたのは2011年1月でそれから1年少し続けました。

しかし、当時はランニングに費やす時間が限られていたため、低酸素トレーニングをすると実際に走る時間がほとんど取れなってしまったので、やめましたが、始めた年に初めてsub3できたのだから効果はあったのだと思います。

ただ今にして思うと、なぜ低酸素トレーニングが有効なのかをしっかり把握して利用したらもっと効果的な練習ができたかもしれません。当時はオリンピック選手がボルダーなどで高地合宿をしてるからマラソンに効果はあるくらいのイメージでした。

低酸素トレーニングに限らず、ただ漠然と負荷の高い練習をするより、その練習の効果とメカニズムを理解することで効果は全く変わってきます。

そもそも、自分の目標達成に向けて必要なことは何なのか?を考え行うことは、特に時間の捻出に苦労している方々にはとても大事です。

私が低酸素トレーニングを6年ぶりに再開した理由は、3年できていないsub3に返り咲くには、心肺機能を改善することが必須条件と感じていたからです。

私が行った低酸素トレーニングについて、関連する記事はこちらに書いていますのでご参照ください。

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昨年12月12日に東京大学構内で開催された低酸素トレーニングのシンポジウムに参加し、その中で気付いたことなどを記事にしようと思ってましたが、医学的要素が強い内容なので、どのような形にしようか考えていました。

そのシンポジウムにはウルプロメンバーも複数きていましたし、いろいろ関わりのある方も来場していました。

その中に、このページに何回か登場しているドクターランナーの佐藤恵里さんがいました。そして私が通っているハイアルチリカバリー併設のケッズスポーツマッサージ(錦糸町が最寄り駅)の富岡院長と話していました。二人に立ち寄り、「知り合いだったのですね!」と話すと、佐藤さんもハイアルチリカバリー併設のケッズスポーツマッサージに通っていたのです。

その佐藤さんは低酸素トレーニングの効果を継続したところ、持久力向上を体感したそうです。そして、3月3-4日に開催された小江戸大江戸200km(204km 制限時間36時間)で大会記録の23時間44分47秒で走り優勝(男子含めて6位)しました。その点を含めて低酸素トレーニングについて医学的な効果など解説していただきました。

また低酸素トレーニングはまだトレーニング法としては歴史が浅いことから、トップアスリート育成レベルであっても、負荷や頻度、時間など試行錯誤しているとシンポジウムで話されていました。したがってこのページで書かれたことも、一つのアプローチとして参考にしてください。

まず低酸素トレーニングの効果とメカニズムについて佐藤さんに説明してもらいました。

□低酸素トレーニングの効果とメカニズム

通常の空気より酸素濃度を薄くした環境でトレーニングを行い、体内を酸素不足に追い込むことで、様々な効果が期待されます。

低酸素トレーニングが運動能力を高めるメカニズムはまだ解明されていない部分も多いのですが、具体的に得られる効果としては以下のことがわかっています。

1. エネルギー代謝能力改善(摂取した栄養を効率よく運動エネルギーに変換できる体質になる)

2.心肺能力向上

3. 貧血改善

 

それぞれについて具体的に説明してもらいました。

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1.エネルギー代謝能力改善

我々は糖質や脂質などの栄養素を体内に取り込み、それをエネルギーに変換して運動しています。それを行っているのが細胞内の「ミトコンドリア」という器官です。低酸素トレーニングを行うことでミトコンドリアが増加し、効率よくエネルギーを生み出せる体質になることがわかっています。

長距離を走る場合、糖質および脂質が主なエネルギー源になります。フルマラソンは主に「ちょっときつい」位のペース=乳酸性作業閾値「LT:lactate threshold」のあたりで走ります。一般の人において、このペースにおける糖質と脂質の使用割合は、糖質と脂質が半々~糖質がやや多く消費されます。(50%~70%程度)ウルトラマラソンにおけるペースは、フルマラソンよりさらにゆっくりですので、さらに脂質の使用割合が高まってくると考えられます。

低酸素トレーニングをすることで乳酸性作業閾値が向上すること、脂質代謝能力が高まることなどから「糖質を節約して脂質をより使える体質」になることができます。

2.心肺能力向上

酸素が少ない状況で運動をすると、臓器に酸素を届けるために呼吸数が増え心拍があがります。低酸素環境では軽い運動でも十分、心肺に負荷をかけることができます。低酸素トレーニングでは動脈血酸素飽和度(SPO2)を測定しながら、体に負担をかけすぎない範囲で運動強度を決めていきます。

低酸素環境でインターバルトレーニングなど強い負荷をかけると、心肺機能を効率的に高めることができます。逆にゆっくり走るだけでも心肺に刺激が入るため、故障中の方やレース直前に脚を温存したい方に適したトレーニングをすることができます。

3.貧血改善

低酸素環境では、体は酸素を運搬する赤血球を増やそうとします。その結果体内の「エリスロポエチン」というホルモンが多く分泌され、貧血の改善になることがわかっています。

ランナーの方には非常に貧血が多く、貧血になると通常のトレーニングで強い負荷をかけることが難しくなってしまいます。低酸素トレーニングでは心肺能力を維持しながら貧血改善にも良い影響を与えることが可能となります。ただし、鉄欠乏性貧血の治療には鉄の補充が必要なので、低酸素トレーニングだけですべて治療できるわけではありません。

 

冒頭で書いた私が低酸素トレーニングを行った狙いは、心肺機能向上でしたが、その点に関しては全身持久力検査でVO2maxの数値が向上したこと。そして3年3ヶ月ぶりにsub3達成したこと。から上手く結びつけることができたと思っています。
低酸素トレーニングの効果とメカニズム その2〜低酸素トレーニングをどう使うか?〜  に続く

低酸素トレーニングの効果とメカニズム その2〜低酸素トレーニングをどう使うか?〜



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