体重1kg落ちたら3分速くなる!?をVO2maxから考える 前編

ランナーなら、「体重1kg落ちたら、マラソンのタイムが3分速くなる。」という言葉を一度は聞いたことあると思います。

マラソンのタイムは、走力や体調に留まらず、コースや気象条件にも影響されるので、体重だけで決まるわけではありませんが、自分に置き換えると、体重が増えた時には思うようなタイムで走れないことから影響はあります。ただ、ホントに、1kg減ると3分短縮するのか?をVO2maxの観点から考えてみました。


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VO2maxは最大酸素摂取量の略で、1分間に体重1kgあたり最大何mlの酸素を取り込めるかを表す数値です。

マラソンなど持久系スポーツではかなり大事な能力の一つです。もちろん高ければ有利です。

最近VO2maxという言葉をFacebookなどSNS上で見かけることが増えてきましたが、これはGPSウォッチでVO2maxを簡易測定できるようになってきたからでしょう。高い数値が出たとFacebookなどに投稿する方もいますが、そもそも酸素の摂取能力である指標をGPSウォッチで測定できるのか疑問はありますが、心拍数や速度などから算出する簡易数値です。

そのため、その前提の心拍数自体が誤っていたら全く意味のない数値になります。と言うのも手首で計測する光学式心拍計はメーカー問わず人によって大きな誤差が出ます。

また、そのVO2maxと称する数値からフルマラソンや10kmなどの予想タイムが出るようですが、そもそも心肺能力であるVO2maxだけでマラソンのタイムが決まるわけでもありません。

自動車に例えると、VO2maxはエンジンの馬力のようなモノで高い方がスピードを出す上では有利です(正確には車重に対するエンジン馬力)が、サスペンションなどのセッティングやボディ剛性、タイヤのグリップなどがともなわないとパワーが効率よく伝わらずに速くは走れません。

ランニングも同様で心肺能力が高いのはアドバンテージだけど、ランニングフォームが悪ければそのアドバンテージを活かし切れていないということです。また筋肉がすぐに疲弊してしまったら走れなくなってしまいます。


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そこに着目したダニエルズ博士がVDOTという指標を作りました。私はこの数値はタイム予測というより練習負荷の目安にしてます。

VO2maxとVDOTを混同している人がいますが別物です。

またVO2maxを正確に測定するにはそれなりの費用がかかり測定場所も限られます。また呼気や心電図の数値を取りながらトレッドミルでスピードを上げていくと、速いランナーだとスピードが出過ぎて怖くなり限界まで追い込めないことから低めに出てしまうこともあります。

私も東京体育館で測定しましたが、そのVO2maxではフルマラソン3時間30分も切れないという数値でした。

参考までに、昨年と今年の冬に実施して、昨年はスピードが怖くなりストップしたので、今年はスピードが出過ぎないよう傾斜が上がる方式でしてもらいました。その全身持久力テストではまだまだ行けると思った時に終了され数値は52でした。終了の理由は心電図にST上昇が見えたとの安全上の理由なので仕方がありません。

そのような目安だという前提でお金をかけずに計測するなら、GPSウォッチの数値ではなく、12分間全力で走り、その距離からVO2maxを予想するクーパーテストなど試してみてください。

(12分間の走行距離– 504.9)÷44.73  で算出できます。

私はこの時間なら3’40/kmペースでギリギリ行けるように感じるので、このペースで計算してみると、12分間の走行距離は3,273mです。

これを計算式に当てはめると

(3273-504.9)÷44.73≒62

サブ3するにはVO2maxが62は必要と言われています。

Dr.Cooperが提唱した最大酸素摂取量とマラソンのタイム

そして、今年の私のタイムは2時間59分51秒です。

日曜日のウルプロ練習会で2920m走ったメンバーのVO2maxは54で、フルマラソン予想タイムは3時間23分で3月のフルマラソンのタイムと一致しました。その頃より力はついていますが、トラックが雨で走りにくい状態だったので、涼しい時に乾いたトラックで走れば+100mは行けるでしょう。

12分間走×8セット全員やりきった!雨にはやはりアールエルメリノウール。

そう考えるとクーパーテストのVO2maxの数値はあてになると感じました。

ただし、42.195kmを走る能力を3km前後のテストで決まるわけありません。

心肺能力だけではなく、ランニングダイナミクスや、筋持久力、レースマネジメントなど様々な能力の総合力により決まってきます。


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タイトルに中々行き着きませんが、ここまで前置きです。

まず、VO2maxの単位に注目してください。

ml/kg/min

体重1kgあたりの数値であることが分かります。

このことを理解していれば、VO2maxは子どもの時に決まって、それ以降は上がらないと書いている記事を見かけますが、それはおかしいということに気付くと思います。

仮に1分間に3600mlの酸素摂取出来る方が体重60kgならば、VO2maxは60ml/kg/minになります。

3600÷60=60 です。

この方が2kg体重が減り酸素摂取能力が変わらないとしたら、VO2maxは62ml/kg/minになります。

3600÷58≒62.1 です。

変わらないと書いている方は、酸素摂取能力は変わらないと言いたいのだと思います。

後編に続きます

体重1kg落ちたら3分速くなる!?をVO2maxから考える 後編



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