カテゴリー別アーカイブ: ウルトラマラソン

サロマ湖ウルトラへのアクセス

サロマ湖ウルトラマラソンへのエントリーは大変でしたが、エントリーできた方が考えなければならないのは、いかにスタートラインに着くかです。

質問を受けているので簡単ですが紹介します。

ツアーもあるので、多少費用がかかっても構わない方は、それを利用したら良いと思います。

私は初めて走った2012年から可能な限り費用を抑えようとツアーは使っていないので、ツアーの利便性は分かりません。あれこれ考える必要がないので楽だと思います。

今回、紹介するのは羽田空港からのアクセスです。

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1.羽田空港⇄オホーツク紋別空港(湧別泊)

土曜日

10:50 羽田発

12:35 オホーツク紋別空港着

無料バスでスタート会場付近まで行って受付をして湧別の宿舎へ

日曜日

5:00 湧別スタート

18:00 常呂町最終ランナーゴール

マラソンバスでスタート会場に戻り、湧別に宿泊

月曜日

オホーツク紋別空港へ無料バス利用

13:15 オホーツク紋別空港発

15:05 羽田空港着

◇メリット

  • レンタカーが不要
  • スタート地点が近いので睡眠時間を確保しやすい

◆デメリット

  • オホーツク紋別空港行きは悪天候により着陸できないリスクが女満別空港に比べて高いように感じる
  • 1日1便しかないので予約が取りにくい
  • 湧別付近の宿泊場所が少ない
  • レース翌日に観光する時間ははぼない

*紋別空港付近に宿泊して、レンタカーなどでスタート会場へのアクセスを確保すれば、その他は上記と同じ。しかしスタート会場付近の駐車場は少ない

2.羽田空港⇄女満別空港(網走・北見に宿泊)

土曜日

何便かあるので、現地に到着したらレンタカーを借りて前日受付なら湧別へ。ゼッケン事前送付の方は、そのまま宿泊する網走や北見に向かう。

日曜日

2:30 レンタカーで常呂町のゴール会場到着

3:00 マラソンバスでスタート会場へ

4:00 スタート会場到着

5:00 スタート

18:00 最終ランナーゴール

レンタカーで網走や北見へ移動し宿泊。

速いランナーならレンタカーで女満別空港に向かい当日帰りも可能。

月曜日

宿からレンタカーで女満別空港に向かい、羽田空港へ

◇メリット

  • オホーツク紋別空港に比べて着陸しないリスクは小さいように感じる
  • フライトおよび宿は取りやすい

◆デメリット

  • 3時のマラソンバスに乗るために2時前には宿を出なければならず睡眠時間を確保しにくい。
  • レンタカーなど移動手段が必要になる。

*運転免許がないなどレンタカーを使えない方は、事前ゼッケン送付が前提になるが、女満別空港から網走や北見にバスで向かい宿泊。当日タクシーでゴール会場に向かい、ゴール後もタクシーで女満別空港に向かうことでその他は同じ

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3.羽田空港⇄千歳空港・旭川空港など

オホーツク紋別空港や女満別空港のフライトが取れない場合は、この空港を使わざるを得ないが、その場合はレンタカーで長旅になります。

宿泊場所などにより上記を参考にしてください。

◇メリット

  • フライトが取りやすく、安いチケットも入手しやすい

デメリット

  • とにかく移動が疲れる

4.羽田空港→オホーツク紋別空港→女満別空港→羽田空港

湧別に宿泊場所を確保できるなら、紋別空港から無料バスで湧別に入り、手荷物はスタート地点で預けてゴール地点からタクシーなどで、網走や北見に向かい宿泊する。当日帰りならタクシーで女満別空港へ

注意点

荷物預けの袋のサイズは小さいので、主催者に確認ください。入らない場合はスタート地点付近のコンビニから自宅に宅急便で送るなど必要。

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5.羽田空港⇄女満別空港(湧別泊)

土曜日

女満別空港に着いたらレンタカーを借りて湧別へ

日曜日

5:00 スタート

18:00 最終ランナーゴール

ゴール後はマラソンバスで湧別へ 湧別泊

月曜日

レンタカーで女満別空港へ向かい、羽田空港へ

◇メリット

  • 便数の多い女満別空港が使える
  • 宿がスタートに近いので睡眠時間を確保できる
  • 前日にレンタカーでコースの下見ができる
  • レース翌日に観光する時間が取れる

◆デメリット

  • レンタカー代・ガソリン代がかかる
  • 湧別地区の宿泊が取りにくい

その他のルートや組み合わせなどもあります。

私は2012年から数年は、2のパターンでしたが、その後は5のパターンと1のパターンになりました。

宿泊は確保できるけど、フライトが取れない場合で、休暇を取りやすい方なら、金曜日発のフライトは安いチケットが残っている場合が多いのでオススメです。

2017年にレンタカーに乗れるだけのメンバーで行った現地セミナーは、実際にコースを見て走って解説をして、レース前の準備などアドバイスしましたが、これは5のパターンで行いました。これだと月曜日に落ちてるゴミを拾いながらワッカを散歩し疲労抜きができます。

今年は予定したフライトが取れるかにもよりますが、このパターンで行こうと考えています。

また、サロマ湖ウルトラ対策セミナーは何回か開催予定です。

こちらは昨年書いたサロマ湖関連の記事です。

第33回サロマ湖100kmウルトラマラソン関連記事一覧

 



望月千幸 宮古島ワイドーマラソン三連覇〜アスリチューン・アグレッシブサポートランナー〜

今年の宮古島ワイドーマラソンは男女ともアスリチューンサポートランナーが優勝しましたが、女子は、望月千幸が8時間40分16秒で走り三連覇達成しました。

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レース直後に望月選手が送ってくれたレース展開など紹介します。

スタート前

宿泊先から会場まで2km程だったのでアップがてら走って会場まで向かいました。

アップの出だしから『あ~...体軽すぎる...』と体の状態を知りました。

私は『ちょっと重たいな~』というくらいが丁度よいのです。

風が少しあるけど暖かくアップで少し汗をかきました。会場について自販機でポカリスウェットを飲みながらスタートまでゆっくりしました。

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レース展開

この大会は来間大橋→伊良部大橋→池間大橋→東平安名崎灯台→下地公園(スタート/ゴール)と宮古島をぐるっと1周するレースで長崎県に似たアップダウン中心のコースです。

実業団時代によく距離走や坂のインターバルなので使っていたコースなので、この後はどんなコースになるか知り尽くしていたし平坦を走るよりアップダウンが多いコースが好きな私にとって宮古島ワイドーマラソンはとても楽しみな大会です。

スタートから男性の第3グループ(全体10位以内グループ)の男性集団の中で走らせてもらいました。体の軽さは変わらずでグイグイ前に行けそうでしたが体が軽い時の経験から逆に「ペースを落としてじっくり行かないと最後まで続かない。」と判断し、15㎞程行ったエイドで集団から離脱し後半に備えてちょうど良いペースでレースを進めました。

天候は風が少しだけあって去年、一昨年と違って少し涼しく感じましたが、湿度が高かったのか55㎞のエイドでテレビ取材を少しだけ受けつつ、おでこの辺りを触ったらザラザラと汗が塩に変わっていました。帽子をかぶっていたので暑さを感じなかったのかもしてません。

すれ違う選手の皆さんが声をかけて下さったり、知人も多く100㎞に出ていたのでお互いにエールを送って後半戦に突入しました。50㎞以降からもアップダウンが続き後半は暑さがまして、東平安名崎灯台あたりから向かい風と空も曇りだし少し寒く感じました。ペースは落ちましたが落ち着いてしっかり「上る。下る。」を意識しながら走りました。

85㎞手前の宮古島海宝館では宮古島のお母さん、子供たちが出迎えてくれて子供たちからも沢山元気をもらいました。子供たちがエアサロンパス?(スプレー)を1人1本持っていて「これ使って~!!」と差し出してくれたので迷わず「使わせてもらうね(笑)」と言ってふくらはぎ、太ももにスプレーをしました。今まで、レースの途中でスプレーを使うことは1度もなかったのですが「あれ?これ良いかも(笑)」と思いながら足も少しずつ回復してきたのでまた少しずつペースを上げていきました。

90㎞でもしっかりエイドに寄って宮古島の方と少し話してゴールに向かいました。最後のエイド95㎞でもお母さん、子供たちが出迎えてくれて、持ってきてくれた水分をしっかり取って「ありがとう!!」とお礼を言って、95㎞からの最後のアップダウンをしっかり走りきりゴールに辿りつきました。

3年間で一番遅いタイムでしたが、今年もアップダウンの連続した宮古島のコースを昨年同様に楽しく走れたので満足しています。

  • 2017年 8:12:25
  • 2018年 8:28:43
  • 2019年 8:40:16

今回、気温も25℃まで上がるという天気予報だったので、朝から顔、首、手(腕)、足と2度塗りしました。

走っている時の肌のジリジリ感は全く感じませんでした。

走り終わった後には、スキンケアークリームをしっかり塗込みアフターケアーもバッチリです!

アグレッシブデザインについてはこちらをご参照ください。

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補給について

私はレース中の補給量は少なく、今回もアスリチューン・ポケットエナジー(オレンジ味)を4本持ちましたが、2本しか使いませんでした。

摂取タイミングは、1時間に1本とか、何キロに1本と決めていると方が多いように感じますが、私は走ってる時の身体の状態を確かめながら取っています。

今回、25℃まで気温が上がるという事前情報があり、アップダウンが多いコースなので、エネルギー消耗が早いと感じまず20㎞で1本とりました。

その後は70kmで1本の合計2本です。その間、エイドの梅干しとオレンジと、気温が上がった時にメダリストのファストウォーターを粉末のまま取っただけです。

私は味がしっかりしているジェルが好きなのでポケットエナジーのオレンジ味を使っていますが、1本とるとずっと口の中に味が残るので次から次へとジェルを取らなくても走り続ける事ができるようです。

レース前/ENERGAIN×1本(赤)
レース中/POCKETENERGY×2本(オレンジ)
レース後/SPEEDCURE×1本(青)

Q10クリーム

以前トレランの講師として箱根に行った時にアグレッシブデザインの方に、肌の乾燥に悩まされていることを伝えたところ提供いただいたQ10クリームは、今回の宮古島だけではなく、普段の生活でもお風呂上りに500円玉くらいの大きさの量を出して使っています。その効果から乾燥肌が少しづつ潤ってきました。また柑橘系の香りは大好きなのでちょっとしたストレスも解消されています。

 

レース中のエナジージェルなどの必要量は人それぞれで、100kmレースでも20個とるランナーもいれば、望月選手のように2個で走りきってしまうランナーもいます。体内に貯めたグリコーゲンだけでは走れないので、よほど脂肪の燃焼効率が良いのでしょう。冒頭の『ちょっと重たいな~』というくらいが丁度よい というのも軽い時は体内の糖質をメインに使ってしまうからでしょう。

駅伝やマラソンが中心だった望月選手は、その後100kmに挑戦するやサロマ湖で優勝しIAU100km世界選手権で2位になりました。最近はロードよりトレイルに魅力を感じているようですが、今後の活躍が楽しみです。

 

宮古島ワイドーマラソンの男子優勝は大林選手でした。

アスリチューンサポートランナー 大林僚 宮古島ワイドーマラソン二連覇



アスリチューンサポートランナー 大林僚 宮古島ワイドーマラソン二連覇

アスリチューンサポートランナーの大林僚が宮古島ワイドーマラソンで二連覇しました。

(画像提供:大林選手)

こちらは大林僚がサポートランナーになった際の記事です。合わせてお読みください。

ウルトラランナー大林僚選手がアスリチューンサポートランナーへ

優勝 7時間11分31秒

 

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レース後に展開などについて大林はこう語りました。

(画像提供:大林選手)

6時間台を狙った

今日の宮古島ワイドーマラソンは終始1人でレースを進めることになりました。

前日から大勢の方に6時間台を期待する声をかけていただきました。あまり気にしないようにしたかったのですが、そうはいきません。

気象条件次第では不可能でないと思っていたので、ペース設定は無理のない4分05秒〜10秒/kmを考えていました。

(画像提供:大林選手)

しかし、前半から勢いに乗ってしまい設定より速いペースで進めてしまいました。ペース確認するタイミングがなかなか掴めず、45km辺りで疲労を感じてきました。

その後60kmを過ぎてから登り坂もあって、5分00秒/kmペースまで落とすことになりました。

80km地点で完全に脚が動かなくなるも、どうにか5分00秒/kmを維持することに必死でした。

24℃の気温に加え、湿度も高く、冬の本州とのコンディションの違いにかなり苦しみました。

多くのランナーが内臓をやられてリタイアしていましたが、おそらくこの気象コンディションの違いが大きいと思います。

僕もあまりのキツさに加え、意識が朦朧とする中、ひたすらゴールに向かって脚を動かし続けました。

昨年は石川くんと一緒に走ったことで、ペースを抑えられたところがありましたが、今年は久し振りに開放感あふれ、初歩的なミスを犯してしまった形です。

 

コースイメージが掴めないと思うので、3年前に作成した記事で紹介したこちらの記事に、ウルプロメンバーが自作した高低図が掲載されています。

宮古島ウルトラマラソンの計画と結果検証

高低図の見ると、60km以降のアップダウンが厳しいのがよくわかります。しかも気温はグングン上昇してくる時間帯ですから、過酷さは容易に想像できます。その中を失速しながらも7時間11分31秒でまとめるのだから強いランナーです。

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アスリチューンは飲みやすかった

今回もアスリチューンを中心にエネルギー補給しました。白と黒は50kmまでは10kmに1個間隔ですが、後半は短い時は5kmぐらいで摂ることもありました。

飲みやすいアスリチューンのおかげで、後半も気持ちが楽にエネルギー補給できました。高温で味が変わってしまう心配もありましたが、その辺りも気にせず飲めたのは良かったです。

 

高温多湿の厳しい条件では、胃腸トラブルにより、固形物やジェルどころか水分さえ受け付けなくなることもあります。大林選手自身も意識が朦朧としたと話していますが、そのような状況でもアスリチューンはストレスなく飲めたようです。

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(撮影:阪井さん)

次のレースは富士五湖118km。石川選手へのリベンジです!

 

昨年の宮古島ワイドーマラソンで石川佳彦選手に勝つも、チャレンジ富士五湖118kmでは敗れました。そのようなライバルがいるから強くなるのでしょう。

ウルトラランナー紹介 大林 僚 〜ライバルが自分を強くする〜

昨年競い合った石川選手は今年はアメリカの100マイルトレイルレースで優勝しました。

石川佳彦 100マイルトレイルでも優勝〜COLD WATER RUMBLE100〜

また宮古島ワイドーマラソンの女子優勝は望月選手でした。

望月千幸 宮古島ワイドーマラソン三連覇〜アスリチューン・アグレッシブサポートランナー〜

 



石川佳彦 100マイルトレイルでも優勝〜COLD WATER RUMBLE100〜

今や世界最強のウルトラランナーを名乗っても文句が出てこないほどの実績を積み上げてきた石川佳彦を知っていますか?

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隔年開催の2017年IAU24時間走世界選手権、2018年IAU24時間走アジア・オセアニア選手権、そして2018年スパルタスロン優勝者であり、過去4回走った24時間走では負け知らずのウルトラランナーです。

その石川は今年から100マイルのウルトラトレイルへのチャレンジを決め、初挑戦となったCOLD WATER RUMBLE100で優勝しました。

100 mile men

    1. Yoshihiko Ishikawa (石川佳彦)18:39:27
    2. Uli Stuwe 19:07:04
    3. Carsen Kidwell 19:45:08

今回のレースについて石川はこう語っている。

■COLD WATER RUMBLE100について

100マイルトレイル初挑戦

そもそもアメリカに行くのは初めて。Youtubeで大会の様子を見て海外トレイルレース特有の盛り上がりやコースの雰囲気を楽しめればと思っていました。アリゾナ州フェニックスで開催されたCOLD WATER RUMBLEはいわゆる”走れるトレイル”と聞いていて、24時間走やスパルタスロンに比べれば距離も時間も短く、ガレ場やアップダウンさえ対応出来れば、優勝争いに加われるのではないかと考えていました。ただ、初挑戦の100マイルトレイルレースでありトラブルやケガで完走できないという事だけは避けたいと慎重に入りました。

*石川は、中国・ゴビ砂漠で開催されたゴビ国際100kmトレイルへ出場し3位入賞した経験はあります。

走れるコース


1周約32 kmの国立公園内のトレイルコースを5周。適度にアップダウンがあり、ほぼ歩く事なく走り切れました。足下はガレ場がほとんどで一部気持ち良くスピードを上げられる土や足を取られる砂場の区間がありました。コースマーキングもしっかりされていて、よっぽどの事がない限りロストの心配もありません。夜間が不安でしたが、ヘッドライトを点けていると、マーキングが光って昼間より分かりやすいくらいでした。1・3・5周目は右回り、2・4周目は左回りに走る設定になっており、同じコースを走ると言っても朝、昼、夜で見える景色も変わり、アメリカのトレイルの雰囲気を肌で味わえました。

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■レース展開

朝7時の薄暗い中のスタート。序盤はアメリカ人選手が先頭を引っ張り、二番手でレースを進めました。ただ、上り下りを物凄い勢いで走ってフラットになると極端にペースが落ち、走りづらさを感じていました。1周目は様子を見て、2周目から三番手の選手が前に出たので、それに合わせる形で二人がトップになりました。

この選手はフラットと下りは速いですが、上りになると歩いてしまい、どうも走りづらさを感じてしまいました。結局、2周目の半分くらいでペースを上げて、そこから独走になります。3周目終了時点で、かなり後ろを引き離せたと思っていましたが、最終的に2位に入った選手が3分差まで迫っていた時は、ロードのウルトラとは違うレース展開の難しさを感じました。

しかし、不安要素だった夜間に入る4周目、5周目のトレイルは寒いくらいに気温が下がった事もあり予想以上に走れ、リードを保ったまま勝つ事が出来ました。

■補給物など

昼夜の寒暖差激しいアリゾナ

昼間は20度以上に上がり、夜間は5度付近まで気温が下がります。約8kmに1回給水や軽食のエイドがあり、スタート地点に戻る32kmに1回個人サポートが受けられ、そこでヘッドライトやウェア、メインの補給物を受けとる形です。

基本的に330mlの腰に差せるタイプの給水ボトルとアスリチューン3個を持ってスタート。給水はエイドごと、アスリチューンは1周終わるごとに補充という流れにしていました。

ただ、トレイルは頭(脳)が疲れる印象でロードよりもエネルギーの消費が激しく、エイドではオレンジやチョコなど普段より多めに取りました。アスリチューンとの併用で内臓トラブルなどなかったのは良かったと思います。また、アリゾナは日差しが強く、太陽が近くでずっと照らされていましたが、アグレッシブデザインの日焼け止めをたっぷり使い、肌が赤くなる事もありませんでした。

■シューズについて

過去走ったゴビ国際100kmトレイルでシューズの重要性を感じており、今回はOnのトレイルシューズ「Cloudventure」以外履く予定はありませんでした。

ガレ場ではクッションがサポートしてくれ、下りではグリップの効いたソールが威力を発揮。軽さもあるトレイルシューズで全く問題なく走れました。普通のランニングシューズでは完走出来ていなかったと思います。

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■今後について

今回初めて100マイルトレイルを走らせていただいて運良く勝つ事ができましたが、もっと高低差の激しいテクニカルなレースに対応できる自信があるのかと言われれば、今は正直ありません。ただ今後、やり方次第ではアメリカのレジェンドランナーのスコット・ジュレクのようにロード、トレイルの両方で活躍できるような方向性に持っていけるのではないかという手応えも感じました。

色々なレースを走りたいですし、COLD WATER RUMBLEでは「スパルタスロンチャンピオンの日本人だろ?」や「YOSHI!!」と選手やエイドのスタッフの方に声を掛けていただき、走る事でこんなにも世界が広がっていっているという充実感がありました。もっと充実感を感じて走りたいですし、そう在り続ける為にはトレイルランニングというカテゴリーは自分の中に必要なコンテンツになるだろうなと思えました。本当に良い経験が出来た今回の初めてのアメリカ遠征、初めての100マイルトレイル。もっと強くなってもっと多くの景色と自分に出会ってみたいと思います。

 

*画像は石川さんとサポートの松島さんから提供いただきました。

冒頭紹介した大会について書いた記事も合わせてお読みください。

石川佳彦選手 スパルタスロン優勝〜本当の強さとは何か?と自問自答し続ける〜

調子が上がらない時どう戦うか。〜24時間走チャンピオン石川佳彦の言葉にヒントあり〜

24時間時間とケンカしても絶対勝てない〜IAU24時間走世界選手権優勝の石川選手の走り〜

 



サロマ湖ウルトラマラソン エントリーに思うこと

昨日はサロマ湖ウルトラマラソンのエントリー開始日で、私自身かなり緊張する時間です。

私は30分前からパソコンやスマホで繋がりを確認したり、注意事項のチェック漏れがないかなど確認しながら20時を待ちました。

運良く5分でエントリーは完了しましたが、今年は待機画面からエントリーボタンのある画面に変わってボタンを押すと、また待機画面になるなど繰り返し、まさかエントリー出来ないのでは?と焦ってきました。

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例年はエントリーボタンのある画面から、待機画面に戻る経験はありませんでしたが、今年はアクセスが多かったのでしょう。

以前はこのようなことは当たり前でしたが、最近はだいぶ改善されたと感じているので、今回は意外でした。

ただ、10分でエントリー人数に達しようと、40分で達しようと、募集人数より申込者が多いのだから、当然ながら全員は走ることはできません。

私自身、絶対に外せない大会ですから出来る準備をしてエントリーに備えましたが、運悪くエントリーできないことだってあります。今回も運が良かったと思っています。

10回完走したサロマンブルーかつ3回連続完走しているランナーや、昨年上位者には優先エントリー権がありますが、その他のランナーはこのクリック競争に勝たねばスタートラインにつけません。

この点に関しては、以前からサロマ湖ウルトラマラソンであれば良いのですが、その大会名の後に、兼世界選手権代表選考会という単語が続く年はダメだと思っています。

現在の仕組みだとマラソンのトップランナーがサロマで世界記録を狙おうと思ったら、まずはこのエントリーをクリアしないとスタートラインにつけません。

現に、日本代表の有力候補になるであろうランナーがエントリー出来ない自体も度々発生しています。今年も私が知る限りで日本代表経験者がエントリー出来ませんでした。

速けりゃいいのか?という議論ではなく、例えば100kmの定員3,550人の別枠で男女合わせて100人ほどエリート枠を作れば私のような一般市民ランナーの出場枠を奪うこともありません。

参加標準記録は何人分の枠を用意するかで、変わってきますが、例えば男子なら100km 7時間30分以内やマラソン2時間30分以内といったレベルの基準なら100人に収まると思います。

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また、今回エントリーできなかった方も、まだ出場するチャンスはゼロではありません。

ほとんど出てこないと思いますが、ゆずれーるです。

昨年も参加できなくなったメンバーがゆずれーるに出しましたが、その権利を譲られた方は、諦めていたサロマ湖出場の希望が叶ったのです。

このように出られなくなった方の貴重な出走権を無駄にしない仕組みは良いと思っています。ちょっと気付いたことがありますが、それは機会があれば紹介します。

さて、大会まであと5ヶ月ほどですが、フルマラソンシーズン真っ盛りの今は、まずフルマラソンで良いタイムを出せるよう頑張りましょう。それがサロマにも繋がります。

昨年サロマ湖ウルトラに関して書いた記事の一覧です。それ以前の年にもたくさん書いていますので、私のサイト内検索で知りたい情報を検索してみてください。

第33回サロマ湖100kmウルトラマラソン関連記事一覧

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楠瀬祐子 神宮外苑24時間チャレンジ優勝〜キツイ時間帯をどう乗り切ったか?〜

神宮外苑24時間チャレンジから1ヶ月が経過しました。レース中やレース後には24時間走はもういいかな。と思ったことのある参加選手は少なくないでしょう。私自身も24時間走はもういいかな。と走った直後はそのように思います。

でも、そのキツかった記憶も徐々に薄れてきて、来年はどのように走ろうかなんて気持ちになっていくのです。

ウルトラマラソンの人気上昇にともないエントリーが難しくなっている大会もありますが、レース直後に来年のエントリーが始まったならクリック競争にはならないような気がします。

苦しくても最終的に完走できたレースなら、苦しい、キツイ、耐え難い記憶が徐々に薄れ、達成感や、充実感などの記憶が残るから、またエントリーしちゃうのでしょう。

だからそのレースや距離を嫌いにならないためには、しっかり準備をして、またキツイ時間帯をいかに耐え、乗り越えることが大事です。

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今回紹介する神宮外苑の優勝者 楠瀬祐子さんに一番聞きたかったのは、キツイ時間帯をどう耐えたのかです。

■キツイ時間帯には、どんなことを考え耐えましたか?

感情を爆発させていました。

「つらいー!」「苦しいー!」「痛いー!」「もういやだー!」

マイナスな言葉を発するのは、気持ちが内向きになるので良くないという意見も聞きますが、私の場合、思いっきり声に出し、大泣きしたりすることで発散でき、何を言っても突き進むしか道は無いんだから〜、と前を向くことができます。

そして、後ろ向きな言葉を発した後は切り替えて、「やめるわけないじゃん!」「絶対世界に行く!」と、これまた大声で言ってました。

24時間走は苦手で、どうしても冷静さを欠いて感情的になってしまうので、コントロールできるようになりたいと思っています。

ランニングネックレスKernelを使用しています。)

24時間走は深夜も走るので、単調になると睡魔に襲われどうしようもなくなるので、楠瀬さんのように声を出して発散していくのも一つのレースマネジメントだと思ってます。

またネガティブな言葉を発し続けると負のスパイラルに巻き込まれますが、ネガティブな言葉を発した直後にポジティブな言葉を発することで気持ちをポジティブな方向に向かわせているのが楠瀬さんのコメントから分かります。

逆にポジティブな言葉で気持ちを奮い立たせた直後に、ネガティブな言葉を発したら、気持ちは上げた分以上に落ちるような気がします。

ネガティブな言葉→ポジティブな言葉  ⭕️

ポジティブな言葉→ネガティブな言葉  ❌

また、今回苦しい時間帯に耐えることが出来たのは絶対に達成したい明確な目標があったからです。明確な目標は時間が長くなればなるほど大事になってきます。

そのあたりについて聞きました。

目標について

今回、優勝は特に考えておらず、世界選手権に向けたポイント獲得と自分の目標距離を追って走りました。

後半まで2番手を走っていましたが、それほど差は開いていなかったため、このままトラブルなく走り切れれば、2番でも累計ポイントでは世界に行ける。だから大丈夫と気持ちに余裕がありました。

今回は強い選手が欠場、体調不良、故障からの復帰と言うことで、私はたまたま優勝できただけです。

この3選手や世界の強豪選手と比べたら私はまだまだ力不足なので、優勝して嬉しいという思いはあまりなく、目標距離に到達できず、もっと頑張らなきゃと言う思いの方が強く感じました。

また、後半までトップを走っていた土居綾さんの走りを間近で見ていて、ここまで強くなっていただなんて!と焦りとともに、私も強くならなきゃと感じました。

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準備が大事だと書きましたが、それは目標達成に向けた継続的な練習をするのは当然ですが、レース中の補給計画や、気象変化へ対応することも大事な要素です。特に今回は序盤は日差しが強く、途中から雨が降ったり急激に冷え込み選手を苦しませました。

この点についてはこう答えてくれました。

補給

アスリチューン・ポケットエナジーが握られています。)

スタートから8時間くらいまで、ハンドラーが仕事の都合で来れず、一人で走っていたため、アスリチューン・ポケットエナジーをポケットにいっぱい入れて、1時間〜1時間半に1度取っていました。

それ以降は、ハンドラーにモルテンドリンクを出してもらって飲んでいたので、アスリチューンは力が入らなくなった時に摂取していました。

日差し対策

暑さ対策には日焼け止めは必須ですが、レース中に塗り直す余裕はありません。24時間の間で2回、日差しの強い日中があり、今回は夜に雨が降る(暑かったので上着着ずに半袖で走ってました)と言う環境の中でアグレッシブデザインの落ちない日焼け止めは強い味方でした。

また、最近のレースで帽子をかぶらず暑さにやられたことが多かったので、頭を守るには帽子が必須と感じました。

 

夜はかなり冷えたと多くの選手が話す中で楠瀬さんは暑かったと話しているのには驚きました。これは一定のペースで止まらずに走れていたからです。それは大きなトラブルを起こさないようしっかり準備できていたからです。

楠瀬さんに自分自身の強みを聞きました。

私の強み

いっぱいあります!

強靭な肉体と健康な身体。

前向きで苦しさもすぐ忘れられる単細胞な脳みそ。

練習の継続は強さにつながります。走れない日が長く続くほどの故障はほとんどしたことがありません。健康な身体に産み育ててくれた両親には、本当に感謝しています。

加圧トレーニングでの肉体強化や、定期的に堀口クリニックで検査とアドバイスを受けていることも、今の健康な私を作り上げる上での必要な要素になっています。

また、苦しさをすぐに忘れられるからこそ、苦しいウルトラマラソンという競技内で、辛さに負けずに頑張り続けられると思うので、前向きで楽観的な性格も強みだと思っています

 

最初に私が書いた苦しいことはすぐに忘れることができる。これはウルトラマラソンを走り続けるためには大事な要素だと思います。苦しんでもまたエントリーするランナーはこの要素が強いのだと思います。

また、楠瀬さんも自身のブログで振り返りをしていますが、その時の記憶と記録にしっかり残しておくことはとても大事なことです。苦しさと一緒に大事な気づきも忘れてしまっては同じ失敗を繰り返します。

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神宮外苑24時間走の女子選手の結果はこちらです。

  1. 楠瀬祐子 221.993km
  2. 松本ゆり 217.974km
  3. 土居 綾 216.528km

また、JUA 日本ウルトラランナーズ協会の公式ページに掲載されていますが、2018年12月3日現在の、2019 IAU 24時間走世界選手権代表選考ポイント獲得状況は以下の通りです。抜粋して掲載します。

【男子】

  1. 96 pt (36 + 60) 高橋 伸幸(東京陸協)
  2. 57 pt (16 + 41) 井上 真悟(東京陸協)
  3. 55 pt (30 + 25) 石川 佳彦(日亜化学)
  4. 30 pt (21 + 9) 楢木 十士郎(糟屋郡陸協)
  5. 21 pt (7 + 14) 安孫子 亮(SONY Atsugi RC)
  6. 19 pt (0 + 19) 高橋 健吾(東京陸協)

【女子】

  1. 55 pt (24 + 31) 松本 ゆり(クラブR2東日本)
  2. 55 pt (15 + 40) 楠瀬 祐子(東京陸協)
  3. 39 pt (27 + 12) 兼松 藍子(TEAM R x L)
  4. 29 pt (18 + 11) 青谷 瑞紀(24時間走チームJAPAN)
  5. 25 pt(0 + 25) 土居 綾(東京陸協)
  6. 9 pt (9 + 0) 青木 奈和子(埼玉陸協)

まだ正式決定されていませんが基本的に男女各4名が選考されるが、記録によっては少なくなることも、最大6名になりこともあると要項には書かれていましたが、要項の補足事項に以下の一文があります。

2018年の選考指定競技会において男子250km、女子230km以上の記録を出しながら総合ポイントで4名の基本代表枠に入らなかった場合は追加選出の検討を行うが、必ずしも選出を前提とすることは意味しない。

2018年の神宮外苑24時間チャレンジで男子250km以上、女子230km以上の記録を出したけど、4人目までに入れなかった選手は+2名づつ追加するかもしれない。でもこれはあてにしないでください。ということです。

これは5-6名になる場合の説明ですが、要項だけでは分からないのが3名になる場合です。もしかすると2017年代表選考には、男子はS標準(240km) 女子はB標準(200km)突破が前提でしたが、2019年代表選考もこの基準は最低条件なのだと思います。

その要項から判断すると、今回は基本代表枠の男女4名づつが順当に選出されるでしょう。

そうなると、2018年12月に開催され男女とも個人・団体とも優勝したIAU24時間走アジア・オセアニア選手権の代表メンバーに、神宮2位で元世界選手権優勝者の井上真悟選手と、楠瀬祐子選手が加わることになります。

正式に発表されましたら、また紹介させていただきます。

(画像提供:楠瀬祐子さん)



ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜前編

この文章は、私が半年間通った、宣伝会議 編集者・ライター養成講座の卒業制作です。これから編集者やライターになりたい方だけではなく、現在出版社で仕事をしていたり、フリーライターをしていたりと、とにかく書くことが好きな方々が100人以上集り講義で学んだことを生かして卒業制作にチャレンジしました。

まだ全部は読んでいませんが、非常にレベルの高い記事もありますし、私が全く知らない、興味のない分野の記事を読むことで、こんなことがあるのか!など新たな気づきもありました。

その提出された卒業制作を、この業界で著名な方々が選考委員となり最優秀作品2点、優秀作品8点を選考しますが、私のこの記事も優秀作品に選ばれました。

最優秀作品になると、宣伝会議や他のメディアに掲載されることから、このページで掲載することができなかったかもしれませんが、優秀作品はその限りではないので紹介します。

提出物は雑誌に掲載するような縦書き3段でしたが、WEBページは横書きなので、少しイメージが変わるかもしれません。またWEB用に少し修正します。

優秀作品に選ばれた時に書いた記事はこちらです。ぜひこちらを読んでからお読みください。

10本目の金の鉛筆〜3年前の忘れ物が私の手元へ〜

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ランナーズハイは意図的におこせるのか?

〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜

プロローグ

2013年6月、私は北海道で開催されたサロマ湖100キロウルトラマラソンの65キロ地点を走っていた。

自己ベスト(8時間56分)更新を目指しスタートしたが、中間点を過ぎると徐々にペースは落ちはじめ、自己ベストどころか9時間を切ることも難しくなった。激しい疲労感から気持ちはネガティブになり、言い訳ばかり考えていた。

「練習できてないから9時間半でも十分」と脳裏に浮かんだが、「それで良いわけない!」とすぐに打ち消した。弱すぎる自分に腹が立った。その怒りがバネになり、私を抜いていったランナーを追いかけ追いつくと、さらに前のランナーを追いかけた。速いペースなのになぜか苦しさは消え、力が漲ってくる不思議な感覚だった。ランナーを抜き続けることでその高ぶりは加速していき、気づくと絶望的だった自己ベストも見えてきた。

その時は記録より元気に走れていることが嬉しく、この瞬間をできるだけ長く感じていたかった。中盤まで感じていた身体の痛みや疲労感も消え去った。このままゴールまで、いやゴールを突き抜けてどこまでも走ることができる。自分が鉄人にでもなったかのような高揚感に包まれていた。

残念ながら、それは89キロ付近でスイッチが切れたように終わってしまった。それは折り返し場所を間違えそれに気付いて引き返した瞬間だった。そこからは痛みと苦しさに耐え8時間53分でゴールしたが、自己ベストを更新した嬉しさより、あの感覚をまた味わいたいという気持ちに駆られた。

□フルマラソン完走者は人口の0.5%

2007年にスタートした東京マラソンがキッカケになりランニング人口は増加しフルマラソンを走るランナーも増加した。2017年4月から2018年3月にフルマラソンを完走したランナー数は約37万人(ランナーズ2018年7月号別冊付録 第14回全日本マラソンランキング)であり、10年前と比べると3倍になった。

ただ、その対象を20歳から64歳にしぼりこむと約36万人になるが、これは直近の総務省統計局発行の人口推計(平成30年10月22日発行の平成30年5月1日確定値)の同じ年齢区分の人口約7千万人と比較すると0.5%程度。人口200人あたり1人にしかいない計算になる。

それでもこのテーマを選んだ理由は、ランナーであれば少なからずランナーズハイに興味を持っているが、言葉だけが一人歩きしていると感じることがあり科学的なアプローチによって突き詰めたかった。そして何よりあの感覚をまた味わいたいと思ったからだ。

私は何度かランナーズハイを経験しているので、どのような時に発生しやすいのか私なりの仮説はある。そこに脳科学者の本田学氏の科学的見解と、ウルトラマラソンで日本代表経験のある小谷修平氏の経験を加えることにした。

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□脳科学者の本田学は208キロレース完走者

まず、国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 部長の本田学氏にインタビューを行った。本田氏の専門は神経科学、神経内科学、感性情報学で、脳の情報処理の側面から心の病に迫る「情報医療」の開発に取り組んでいる。そして200キロを超えるウルトラマラソンを完走している。

ランナーズハイのメカニズムとは。

ランナーズハイについて本田はこう話した。

ランナーズハイは、厳しい身体的条件で走っている時に、気分が高揚し、普段では出せないような力が出たり、本当なら辛くて仕方ないはずのことがありえないくらい楽しく感じられたり、幻覚が見えたりするような現象のことだと思います。こうした現象は、精神変容物質(覚醒剤や麻薬、脱法ドラッグなどを含むいわゆるドラッグ)に非常に近いと考えられます。おそらく、厳しい身体条件についての感覚を和らげるために、脳のなかに脳内麻薬という快感を発生させる物質が大量に放出されるために起こると考えられます。

 

そしてこう続けた。

ドラッグと同じと聞くと危険な気がしますが、実はそうではありません。快感を感じる神経回路は、脳の中に〈報酬系神経回路〉として元々インストールされており、そこに働きかける脳内麻薬は自分で生産する化学物質なので、神経に作用して快感を発生させると、即座に分解されたり再吸収されたりして副作用を発生しません。

この神経回路を脳内麻薬とは似て非なる人工的な化学物質で強制的に興奮させるのがドラッグです。脳内麻薬とドラッグの関係は、いわば鍵と偽の合い鍵のようなものです。鍵のようにはまるが、偽の合い鍵なのでうまく外れず、そのことによって深刻な副作用や常習性が発生してしまう、というように理解していただければよろしいかと思います。

言い換えると、ドラッグによって得られる快感自体は、人間は自ら作り出すことができるものであり、快感自体は決して悪いものではない。例えば、お祭りの中で演者やそれを観る人がトランス状態になって、すごい快感を感じるような現象が地球上のさまざまな文化で広く観察されます。彼らの多くは、ドラッグはもとよりアルコールすら使いません。

ランナーズハイも基本的にはそれらと同じ現象で、厳しいランニングという身体条件によって脳の中で生産された脳内麻薬が、報酬系神経回路に働きかけることによって発生する現象だと思います。

こうした快感を自力で作り出せなくなった人が、努力をせずに化学物質で安直に快感を得ようとするのがドラッグと言って良いと思います。そういう意味では、ランナーズハイは、脳の快感をつかさどる神経回路を、化学物質を使うことなく、〈運動情報〉という人類本来の方法を使って、人類本来の快感を発生させる手段の一つと言うことができるかもしれません。

 

ランナーズハイを調べると脳内麻薬、エンドルフィンといった言葉が出てくるので、心身に悪影響が起こらないか不安であったが、本田の説明を聞いて安心した。

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□ランナーズハイはモルヒネの30倍以上効く

 ランナーズハイは、どのような時に発生するか質問した。

ランナーズハイの発生にはさまざまな条件が関与するので一概に言えませんが、一つ大きいのは肉体的苦痛の存在です。たとえば出産のような大きな痛みが身体に加わるとき、その苦しみによって脳が壊れてしまわないように、脳は快感物質を放出することで自覚的に感じる痛みを軽減しています。

そのときに産生される物質はエンドルフィンと呼ばれる物質ですが、これはモルヒネと同じ神経回路に働きかけて鎮痛効果を発揮しモルヒネの30倍以上もよく効くのです。したがってランナーズハイは、極めて強い肉体的な負荷(疲労や眠気なども含む)が長時間続いているときに起こりやすいことは確かです。

またランナーズハイを引き起こす脳内のメカニズムが報酬系神経回路の活性化であることを考えると、報酬系神経回路を発生させ易い条件で起こりやすいだろうと予想されます。それには音や光などの視聴覚情報も関係します。例えばお祭りでトランス状態になりやすいときに使われる視聴覚情報としては、重低音や衝撃音、16ビート、ミラーボールのような目を射る光、薪のようなゆらぎをもった光などがあります。実は私が研究している人間の耳に聞こえない高い周波数の音の存在もそのうちの一つです。虫の声や自然環境音に豊富に含まれます。

また自分の中でどのようなことを考えるかというのも大きいと思います。自分がゴールする瞬間や優勝して表彰台に立つ姿など、嬉しく楽しいシーンを想像することも役立つ可能性が大きいと思います。つまり、いかに報酬系を活性化させるかが鍵になると思われます。

 

本田の話の中に興味深い一文があった。それは肉体的苦痛の存在が必要だということだ。そもそも終始調子良く走れているならランナーズハイは発生しない。私が経験したのも全て苦しんだ後だ。

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編に続く

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編



チャレンジ富士五湖対策セミナー〜フルマラソンPBとウルトラマラソン目標達成に向けて〜

今は、フルマラソンシーズン中ですが、既に来年のウルトラマラソンにエントリーしている方は少なからずいると思います。

何回も走ったことがある方であれば、フルマラソンシーズンからウルトラマラソンシーズンに繋げるか分かっていると思いますが、初めて100kmなどウルトラマラソンを走る方は不安があると思います。

特にチャレンジ富士五湖は4月中旬の開催であり、フルマラソンを3月いっぱい走るとウルトラマラソンに向けた走り込みをするタイミングがなかなか難しくなります。

今回のセミナーではその辺りについても時間を重点的に使おうと思っています。

またフルマラソンで目標達成するために必要なことはそれぞれ違うと思いますが、その辺りについても一緒に考えていこうと思います。

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チャレンジ富士五湖セミナーとしていますが、ウルトラマラソンを走る上での準備や組み立てをお伝えしますので、チャレンジ富士五湖ではなく、野辺山やサロマなどにでる方にとっても参考になる内容にします。

開催日  12月17日(月) 19:00-21:30 
開催場所  カフェ Vita@stile (東京都中央区月島1−14−7 旭倉庫内)

□セミナーの内容

・フルマラソンPBに向けて
・フルマラソンシーズンからウルトラマラソンへの繋げ方
・100キロマラソンを走るための練習
・チャレンジ富士五湖のコース説明
・目標タイム設定
・ペース設定について
・富士五湖特有のコース対策
・ウエア・シューズなどおすすめアイテム
・補給計画について
・ウルトラマラソンでよくあるトラブルとその対応

セミナーの進め方は、実際に現在の走力に応じて目標タイムを考えていただき、スタートラインからゴールまで、コースを走るイメージを持ってもらえるようワークショップ形式で開催します。

*100kmの部を中心にセミナーを進めますが、71km、118kmの参加者には目標タイム設定やペース設定を個別にお渡しします。

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□対象者

・ウルトラマラソン初挑戦の方
・過去リタイアしている方
・サブ9、サブ10など目標タイムで完走したい方
・今後、ウルトラマラソンにチャレンジしたい方

□参加費

・一般価格:4,000円
・ウルトラプロジェクト会員価格(レギュラー会員:2,500円、ビジター会員:1チケット+1,500円)

*当日ウルトラプロジェクトに入会された方は、会員価格となります。

□サンプル提供

  • アスリチューン エナゲイン 1個
  • アスリチューン ポケットエナジー(オレンジ味) 1個
  • モルテン ドリンクミックス160 1個
  • スマッシュウォーター 1包(500〜1000cc用)

□募集人数 15名程度

□会場限定価格商品販売

アスリチューン、モルテンドリンク、スマッシュウオーター、カーネルなどウルトラマラソンで武器になるサプリメントやアイテムを会場限定価格で販売します。

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□ご注意事項

・会場内で撮影した画像などはウルトラランナーへの道ウエブサイトやFacebookで使用します。

・ウルトラプロジェクトメンバー以外は会費の支払いをもって参加確定となります。お支払いただいた会費は参加者都合による欠席などの際は返還できません。資料やサンプルはご送付いたします。

参加ご希望の方は、Facebookページのメッセージにてお問い合わせください。



調子が上がらない時どう戦うか。〜24時間走チャンピオン石川佳彦の言葉にヒントあり〜

IAU24時間走アジア・オセアニア選手権で石川佳彦が2017IAU24時間走世界選手権に続き優勝した。

画像提供:松島美紀さん

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大会前に何度か連絡をとったが「調子がイマイチなのですが、あと一週間しっかり調整してアジアチャンピオン目指します!」「台湾暑いです。記録は狙えないと思いますがしっかり勝負にこだわって頑張ります!」とそれぞれ話していた。

スパルタスロン以降調子を崩してそれが戻っていないようだった。

それでも、アジア・オセアニア選手権を制したのだからホント勝負強い。

今回、調子が上がらない中で本番を迎え不安な気持ちが湧き上がる中で、それをどう乗り越えたのか聞いた。

質問の意図はいろいろあるが、さまざまなレベルのランナーにとっても参考になることがあると思ったからだ。

今回暑いのは想定していましたが、あれだけ暑くなるのは予想外だったので記録は話になりませんが、スパルタスロン以降の状態を考えれば上出来の走りでした。

もっと練習の段階で仕上げられていれば、後半伸ばせたと思いますし、レース後に意識が飛んでしまい、表彰式に出れないといった失態を犯す事もなかったと思います。

【スパルタスロン~アジア-オセアニア選手権までの不調】

スパルタスロンを狙い通り勝つ事ができ、次のターゲットレースはアジア-オセアニア選手権でした。毎回毎回ピークを合わせるのは体の負担になるのは分かっていたので、アジア-オセアニア選手権での記録はそれほど意識せずトレーニングを再開しました。抑え気味でやっていたと思っていましたが、体の状態は自分で思っている以上に悪く、レース2週間前のポイント練習も走り切るのがやっとという不安な状態で本番を迎えました。

レース当日、気温が上がる事は事前に分かっていましたが、スパルタスロンに向けて、暑い夏に誰よりも走った練習から暑さへの耐性には自信がありました。むしろ暑さで記録が全体的に低調に終われば、不調な状態でもチャンスがあると思えました。

【暑さ対策】

日差しが強い中でもアグレッシブデザインの日焼け止めはかなり役立ちました。帽子とネッククーラーを着けていたのは参加選手の中でもかなり少なかった(男子は自分だけ?)ので、この辺りも準備の差かなと思っています。

画像提供:松島美紀さん

逆に普段なら積極的に摂るアスリチューンも日が出ているスタート6時間までは出来るだけ摂らないよう意識しました。内臓トラブルを防ぐためです。給水を積極的に摂り、アスリチューンは6時間で3個程度に抑え、涼しくなる夜間帯に数を増やしました。最終的には40個以上摂取しましたが、最後まで補給物はアスリチューンでした。

 

思った通り、石川の言葉の中にいろいろヒントがあった。

  • 全てのレースを最高の状態に仕上げようとしない。
  • 自分の体調把握をしっかり行い、出せるパフォーマンスを客観的に認識する。
  • 暑いという走る上ではネガティブな状況を自分にとって有利だ。とポジティブな方向に気持ちを変えていく。
  • 日差し対策などその時出来る準備を全部する。
  • レース中もトラブルの未然防止に取り組んだ。

これらは24時間走に限らず、さまざまなレース、さまざまなレベルのランナーにやってほしいことだ。

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また、日本代表として戦うという事についてこう話した。

今回二度目の日本代表戦という事でプレッシャーはありました。ただ、一番最年少の自分は個人のレースのように自由に走らせていただき、チーム全体の事を考える余裕はなかったですし、今後もその余裕が生まれる事はないと思います。

画像提供:松島美紀さん

そんな中で井上監督はレース中の声かけを最小限に抑えてくださり、サポート組も走りやすいように淡々とサポートしていただきました。誰にでも出来る事ではありません。

チームキャプテンの楢木さんは常にチーム全体の事を考えてくださり、良い雰囲気で戦う事ができました。

画像提供:松島美紀さん

神宮から3週間での参戦となった高橋さんは自分の事より団体戦の事を一番に考え、走られていました。同じ事をしろ、と言われても絶対に出来ません。

女子選手3人も誰一人として万全ではない中、チームの事を考え、止まる事なく走り続けていました。

画像提供:松島美紀さん

普段一人でずっと走り続けている環境だからこそ、今回のチームに対する選手の熱い気持ちを強く感じられたのかもしれません。

ですが、あくまで自分の気持ちとして個人での世界タイトル獲得が最大の目標になります。色々な考えがあると思いますし、色々な意見を見聞きしますが、団体戦を見据えた走りがどんなものなのか自分には分かりません。頑なにトップを狙い続けた結果が最終的にチームの力になれば、これ以上嬉しい事はないと思っています。

画像提供:松島美紀さん

今回の厳しい戦いを糧に来年10月フランスでの世界選手権に向け、さらに強い自分を作っていこうと思います。

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24時間走 全記録

2016.12
神宮外苑24時間チャレンジ 優勝
263.127km(2016世界ランキング1位)

2017.7
IAU24時間走世界選手権 優勝
270.870km(2017世界ランキング1位)

2017.12
東呉24時間ウルトラマラソン 優勝
266.938km

2018.12
IAU24時間走アジア・オセアニア選手権 優勝
253.420km

4戦4勝、そしてアベレージ263.599kmという記録が意味することはたくさんあるが、ただ強いというだけではなく、様々な気象条件や体調に応じて、その時のベストな走りができるよう準備しているからこそできることだろう。

 

今回の大会結果についてはこちらにまとめました。

日本が個人・団体とも金メダル〜IAU24時間走アジア・オセアニア選手権〜



日本が個人・団体とも金メダル〜IAU24時間走アジア・オセアニア選手権〜

日本時間の12月1日午前10時から2日午前10時にかけて台北で開催されたIAU24時間走アジア・オセアニア選手権で、男女個人・男女団体とも日本が優勝しました。

男子優勝の石川佳彦選手(画像提供:松島美紀さん)

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【個人】

男子

1位 石川佳彦(日本)253.420km
2位 高橋伸幸(日本)252.301km
3位  HOSAHALLI NARAYANA, Ullas(インド)250.371km

女子

1位 松本ゆり(日本)219.112km
2位 JONES, Tia (オーストラリア)218.177km
3位 兼松藍子(日本)212.700km

女子優勝の松本ゆり選手(画像提供:松島美紀さん)

【団体】

男子

1位 日本 752.474km

石川佳彦 253.420km
高橋伸幸 252.301km
楢木十士郎 246.753km

2位 オーストラリア 675.354km
3位 インド 645.936km

女子

1位 日本 620.818km

松本ゆり 219.112km
兼松藍子 212.700km
青谷瑞紀 189.006km

2位 オーストラリア 599.654km
3位 ニュージーランド 563.443km

男子4位の楢木十士郎選手は今回のチームキャプテン(画像提供:松島美紀さん)

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優勝したアスリチューン・サポートランナー石川選手のレース直前のメッセージには「台湾暑いです。記録は狙えないと思いますがしっかり勝負にこだわって頑張ります!」とありましたが、最後は高橋選手とノーマークだったインド人選手と僅差の争いになりましたが、昨年の世界選手権(隔年開催)に続き優勝を飾りました。

2位の高橋選手は11月10-11日開催の神宮外苑24時間チャレンジで、現時点世界ランキング2位の268.783km走り優勝した3週間後にこれだけの走りをしたのだから素晴らしいです。

男子2位の高橋伸幸選手(画像提供:松島美紀さん)

高橋選手は神宮外苑24時間チャレンジ前にこの2大会をこのように考えていました。

「ハンドラーののりさんや周りの支えがあってですが、神宮は個人の挑戦、アジアは団体戦に貢献する走りと思っています。アジアも個人の記録が出ることが最終的に団体戦の貢献に繋がりますが、チームを意識して走るアジアは神宮とは違うと思っています。

神宮はもちろん今できる自分の力をだしきります!周りにでる選手と一緒に頑張りたいし、応援してくれる人にも恥ずかしくないように。肉体的な面や直前の調整を考えれば絞った方がいいのかもしれないですが、精神的な面で神宮をきちんと走れることがアジアにも繋がる、プラスになることはあると思っています。」

 

まさにメッセージ通りの2レースになりました。

また団体戦は各国上位3人の記録の合計のため、3人しか派遣されていない日本は全員の力が必要になります。個人4位に入った楢木選手の走りもすごく2位のオーストラリアを77kmも引き離しました。

青谷瑞紀選手の団体金メダルを支える走り(画像提供:松島美紀さん)

女子は松本選手が終盤にトップに立ちオーストラリア人選手と僅差の戦いになるも競り勝ちました。途中トラブルで走れなくなった兼松選手、青谷選手も距離を伸ばし2位のオーストラリアに20km以上の差をつけて団体優勝を果たしました。

今年のIAU100km世界選手権も男女共団体優勝していますが、兼松選手はこの時のメンバーでもあります。

100km世界選手権に続き団体金メダルを支えた兼松藍子は女子3位(画像提供:松島美紀さん)

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来年フランスで開催される世界選手権への派遣選手はまだ決まっていませんが、現時点の選考ポイントから考えると、この6人が軸になり、そこに男女とも強力な選手が加わるものと思われます。

2019年24時間走世界選手権開催決定と代表選考について①

昨年の24時間走世界選手権は石川選手が優勝し、男子は今回同様、高橋選手、楢木選手の活躍により団体優勝しましたが、ヨーロッパ選手だけではなく、今回のアジア・オセアニア大会には参加していない中国にも強い選手がいます。

また女子はヨーロッパ・アメリカ選手が強く、世界選手権では250kmオーバーの争いになっています。

世界選手権まであと10ヶ月

IAU24時間走世界選手権で石川佳彦選手が優勝  さらに男子団体金メダル獲得   〜世界一の意味〜