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ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜後編

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編 から続く

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ランナーズハイを意図的に起こすための10のヒント

ランナーズハイは最初から最後まで気持ちよく走れていれば発生しない。目標に向けてしっかりと準備ができていればランナーズハイなど必要ないのだ。

ただ準備をしていても予期せぬトラブルに襲われることはある。何らかの理由により思うように走れなくなった時にはこれから紹介することを思い出してほしい。

①復活を信じて諦めない

苦しい状況でも必ず復活はあると信じて決して諦めない。これはランナーズハイの入り口だと自分を奮い立たせる。

②苦しい理由を分析する

なぜ苦しいのか、客観的に今の状況を分析する。呼吸が苦しいのか、脚が痛いのか?など阻害要因を明らかにし改善・回復を試みる。

③抜かれたランナーを追う

ペースが落ち続けた時は自分を抜いたランナーを追ってほしい。短い距離でも効果的だ。なぜならペースが落ち続けている時は腰が落ちるなど効率の悪いフォームになっている可能性が高い。ペースを上げることで改善することがある。

④言い訳は考えない

目標を達成できない言い訳を考え始めると気持ちはネガティブな方向に進むので、その場をどう楽しむかを考える。

⑤誰かのために頑張る

自分を支えてくれる人・応援してくれる人のことを考える。また苦しくなったランナーをなんとかしてゴールまで導こうと引っ張ることで自己陶酔しランナーズハイになることもある。

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⑥苦しい時ほど笑顔で声を出す

調子が悪くなった時こそ、沿道の応援に大きな声で応える。そうすれば大きな声援が自分に届く。その声援が大きければ大きいほど元気になれる。

⑦音楽の高揚感・リズムを利用する

選手を応援する和太鼓やブラスバンド演奏を積極的に利用し、気持ちを高め、リズムを作り出していく。

⑧ライバルのことを考える

負けたくないライバルがいるなら、今の自分の状況をどう思うだろうと奮起させる。

⑨小さな成功を積み上げる

次の角まで頑張って走ろうとか、その時できる小さな成功を積み上げていく。そして小さな成功をした自分を褒めて気持ちを高めていく。

⑩自分を信じる

達成できると信じられる根拠を事前に頭に叩き込んでおき、苦しくなった時にできないはずがないと強気になる(小谷)

 

ランナーズハイをおこすための10個のヒントを書いたが、大事なことは諦めないこと。そして打開策を考えることだ。これがランナーズハイをおこす前提条件になる。ネガティブな感情をポジティブな感情に変えた瞬間に大きく状況は変わる。

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エピローグ

2018年11月11日11時直前、神宮外苑24時間チャレンジの応援に集まった方々の「速い!」「凄い!」という驚きの声が耳に入り始めると、私は徐々に集中力の高まりを感じた。すると少し前まであれほど走れなかったのが嘘のように身体が動きはじめた。ペースが上がるたびに歓声は大きくなり、その歓声に応えようとさらにペースを上げた。完全にトランス状態になり、ラスト30分以上、自分でもありえないペースで走った。最後の1周(1325メートル)は5分18秒で走りきった。いわゆるキロ4だ。

内臓の不調で走れない時間が長かったとはいえここまで170キロ以上走っているのに身体がぐんぐん前に進む。その時の私は誰かに勝ちたいとか、何キロ走りたいとかそんな気持ちはまるでなかった。ただ声援を受けて走ることが気持ちよかったのだ。

以上

こちらは神宮外苑24時間チャレンジを走ったあと書いた記事です。

2018神宮外苑24時間チャレンジの感想や気づき①〜記録は悪いが記憶に残るレース〜



ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜前編

前話はこのように終わった。

また自分の中でどのようなことを考えるかというのも大きいと思います。自分がゴールする瞬間や優勝して表彰台に立つ姿など、嬉しく楽しいシーンを想像することも役立つ可能性が大きいと思います。つまり、いかに報酬系を活性化させるかが鍵になると思われます。

 

本田の話の中に興味深い一文があった。それは肉体的苦痛の存在が必要だということだ。そもそも終始調子良く走れているならランナーズハイは発生しない。私が経験したのも全て苦しんだ後だ。

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□東大卒のウルトラマラソン日本代表

次に24時間走世界選手権日本代表経験のある小谷修平氏にインタビューを行った。

ランナーの学歴は高いと言われているが、小谷もその例外ではない。小谷は東京大学工学部卒業後、修士課程を修了した。現在はランナー向けの商品を販売する会社を経営している。

まずウルトラマラソンを始めたきっかけを聞いた。

私は高校までは勉強して真面目に過ごし良い学校に入れば人生は成功すると思っていた。それが東大に入ったら勉強ができるのは当たり前で、何か抜き出た部分がないと埋もれてしまい、周りから評価されないと感じ始めた。

当たり前のことだが気づくのが遅かった。自分がどんな人間なのか見つけることができず苦しんでいた時に出会ったのがウルトラマラソンだった。頑張れば何かを与えてくれると思い一心不乱に走り続け、目標にしていた日本代表になることができた。

 

□神宮外苑を24時間走る大会

小谷に以前から聞きたいことがあった。それは私も出場した2016年12月開催の神宮外苑24時間チャレンジのことだ。

その大会は翌年の世界選手権日本代表選考会であり強い選手が集まる。24時間走にはゴールテープはない。当たり前だが10キロの大会なら10キロ先にゴールがあり、100キロの大会なら100キロ先にゴールがあるが、この大会のゴールはスタートから24時間後だ。1周約1325メートルの周回コースをどれだけ走ったかを競う競技だ。

上位争いに絡まない私も常に上位選手の走りを見ながら走る。通常の大会であれば折り返しがない限り、スタート後に上位選手の走りを見ることはできないが、この大会はその一部始終をコース上にいる選手が共有する。上位選手であっても苦しい場面では、数十キロ後ろを走る選手に何回も抜かれる。この大会で小谷は倒れるのではないかという状態で走り続け3位に入り日本代表に選出された。

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□ライバルがいたから走り続けることができた

この時のことを小谷はこう話した。

18時間経過時点で上位4人に入っていたので、このまま順位を守れば代表になれるという気持ちがある反面、このまま24時間持つのか?後ろに抜かれないか?と不安で仕方がなかった。また単調なペースのためボーとし集中力も落ちてきた。さらに全身が鉛のように重く順位を守ることだけを考えていた辛い時間帯だった。

 

多くの人間は常に不安を作り出す。この時の小谷の不安はいつ後続選手に抜かれるかであった。意識は自分の後ろにあったのだ。

その小谷に変化が起こったのは、日本代表の楢木十士郎選手に抜かれた時だった。何度も死力を尽くし競い合った、絶対に負けたくないライバルが、小谷の前に出た直後に、「負けてたまるか!」とペースを上げた。そこから二人は24時間経過するまでお互いずっと見える範囲で走っていたという。

小谷はこう振り返った。

それまでは4位のラインばかり気にしていたが、楢木さんを追いかけてからはそのことは頭から消えた。とにかく彼だけには負けたくなかった。もう一度再現しようと思ってもできない、心身ともに極限状態の中でも身体を動かすことができた記憶に残るレースだ。

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誰かのためにという気持ちが限界を超えて走らせてくれる

楢木選手だけには負けたくないと話す理由について小谷はこう話した。

レース前に、私を24時間サポートしてくれる専属ハンドラーから楢木選手に勝ってほしいと言われたので、何とかその期待に応えて喜びを共有したかった。また2015年大会のラスト1時間は楢木さんとデットヒートを繰り広げ、会場に集まった応援の方々は興奮しお祭り騒ぎになった。真剣に走れば人の心を動かせるという陶酔感のようなものを感じた。そのようなことが重なり2016年神宮でも応援してくれる方の期待に応えたいと思っていた。

 

苦しい状態からスイッチが入り、心地よくどこまでも走れるようになるのが一般に言われているランナーズハイであるが、2016年の小谷は通常であれば動くこともできない疲弊しきった身体で最後まで走り続けた。小谷も一種のランナーズハイ状態だったと話している。

この時の記録は248キロで同年の世界ランキング15位。これは東京駅から浜松駅の距離を超える。浜松町ではない。

ランナーズハイを意図的に起こすための10のヒント

ランナーズハイは最初から最後まで気持ちよく走れていれば・・・

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜後編に続く

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜後編

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜前編

この文章は、私が半年間通った、宣伝会議 編集者・ライター養成講座の卒業制作です。これから編集者やライターになりたい方だけではなく、現在出版社で仕事をしていたり、フリーライターをしていたりと、とにかく書くことが好きな方々が100人以上集り講義で学んだことを生かして卒業制作にチャレンジしました。

まだ全部は読んでいませんが、非常にレベルの高い記事もありますし、私が全く知らない、興味のない分野の記事を読むことで、こんなことがあるのか!など新たな気づきもありました。

その提出された卒業制作を、この業界で著名な方々が選考委員となり最優秀作品2点、優秀作品8点を選考しますが、私のこの記事も優秀作品に選ばれました。

最優秀作品になると、宣伝会議や他のメディアに掲載されることから、このページで掲載することができなかったかもしれませんが、優秀作品はその限りではないので紹介します。

提出物は雑誌に掲載するような縦書き3段でしたが、WEBページは横書きなので、少しイメージが変わるかもしれません。またWEB用に少し修正します。

優秀作品に選ばれた時に書いた記事はこちらです。ぜひこちらを読んでからお読みください。

10本目の金の鉛筆〜3年前の忘れ物が私の手元へ〜

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ランナーズハイは意図的におこせるのか?

〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜

プロローグ

2013年6月、私は北海道で開催されたサロマ湖100キロウルトラマラソンの65キロ地点を走っていた。

自己ベスト(8時間56分)更新を目指しスタートしたが、中間点を過ぎると徐々にペースは落ちはじめ、自己ベストどころか9時間を切ることも難しくなった。激しい疲労感から気持ちはネガティブになり、言い訳ばかり考えていた。

「練習できてないから9時間半でも十分」と脳裏に浮かんだが、「それで良いわけない!」とすぐに打ち消した。弱すぎる自分に腹が立った。その怒りがバネになり、私を抜いていったランナーを追いかけ追いつくと、さらに前のランナーを追いかけた。速いペースなのになぜか苦しさは消え、力が漲ってくる不思議な感覚だった。ランナーを抜き続けることでその高ぶりは加速していき、気づくと絶望的だった自己ベストも見えてきた。

その時は記録より元気に走れていることが嬉しく、この瞬間をできるだけ長く感じていたかった。中盤まで感じていた身体の痛みや疲労感も消え去った。このままゴールまで、いやゴールを突き抜けてどこまでも走ることができる。自分が鉄人にでもなったかのような高揚感に包まれていた。

残念ながら、それは89キロ付近でスイッチが切れたように終わってしまった。それは折り返し場所を間違えそれに気付いて引き返した瞬間だった。そこからは痛みと苦しさに耐え8時間53分でゴールしたが、自己ベストを更新した嬉しさより、あの感覚をまた味わいたいという気持ちに駆られた。

□フルマラソン完走者は人口の0.5%

2007年にスタートした東京マラソンがキッカケになりランニング人口は増加しフルマラソンを走るランナーも増加した。2017年4月から2018年3月にフルマラソンを完走したランナー数は約37万人(ランナーズ2018年7月号別冊付録 第14回全日本マラソンランキング)であり、10年前と比べると3倍になった。

ただ、その対象を20歳から64歳にしぼりこむと約36万人になるが、これは直近の総務省統計局発行の人口推計(平成30年10月22日発行の平成30年5月1日確定値)の同じ年齢区分の人口約7千万人と比較すると0.5%程度。人口200人あたり1人にしかいない計算になる。

それでもこのテーマを選んだ理由は、ランナーであれば少なからずランナーズハイに興味を持っているが、言葉だけが一人歩きしていると感じることがあり科学的なアプローチによって突き詰めたかった。そして何よりあの感覚をまた味わいたいと思ったからだ。

私は何度かランナーズハイを経験しているので、どのような時に発生しやすいのか私なりの仮説はある。そこに脳科学者の本田学氏の科学的見解と、ウルトラマラソンで日本代表経験のある小谷修平氏の経験を加えることにした。

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□脳科学者の本田学は208キロレース完走者

まず、国立精神・神経医療研究センター 神経研究所 部長の本田学氏にインタビューを行った。本田氏の専門は神経科学、神経内科学、感性情報学で、脳の情報処理の側面から心の病に迫る「情報医療」の開発に取り組んでいる。そして200キロを超えるウルトラマラソンを完走している。

ランナーズハイのメカニズムとは。

ランナーズハイについて本田はこう話した。

ランナーズハイは、厳しい身体的条件で走っている時に、気分が高揚し、普段では出せないような力が出たり、本当なら辛くて仕方ないはずのことがありえないくらい楽しく感じられたり、幻覚が見えたりするような現象のことだと思います。こうした現象は、精神変容物質(覚醒剤や麻薬、脱法ドラッグなどを含むいわゆるドラッグ)に非常に近いと考えられます。おそらく、厳しい身体条件についての感覚を和らげるために、脳のなかに脳内麻薬という快感を発生させる物質が大量に放出されるために起こると考えられます。

 

そしてこう続けた。

ドラッグと同じと聞くと危険な気がしますが、実はそうではありません。快感を感じる神経回路は、脳の中に〈報酬系神経回路〉として元々インストールされており、そこに働きかける脳内麻薬は自分で生産する化学物質なので、神経に作用して快感を発生させると、即座に分解されたり再吸収されたりして副作用を発生しません。

この神経回路を脳内麻薬とは似て非なる人工的な化学物質で強制的に興奮させるのがドラッグです。脳内麻薬とドラッグの関係は、いわば鍵と偽の合い鍵のようなものです。鍵のようにはまるが、偽の合い鍵なのでうまく外れず、そのことによって深刻な副作用や常習性が発生してしまう、というように理解していただければよろしいかと思います。

言い換えると、ドラッグによって得られる快感自体は、人間は自ら作り出すことができるものであり、快感自体は決して悪いものではない。例えば、お祭りの中で演者やそれを観る人がトランス状態になって、すごい快感を感じるような現象が地球上のさまざまな文化で広く観察されます。彼らの多くは、ドラッグはもとよりアルコールすら使いません。

ランナーズハイも基本的にはそれらと同じ現象で、厳しいランニングという身体条件によって脳の中で生産された脳内麻薬が、報酬系神経回路に働きかけることによって発生する現象だと思います。

こうした快感を自力で作り出せなくなった人が、努力をせずに化学物質で安直に快感を得ようとするのがドラッグと言って良いと思います。そういう意味では、ランナーズハイは、脳の快感をつかさどる神経回路を、化学物質を使うことなく、〈運動情報〉という人類本来の方法を使って、人類本来の快感を発生させる手段の一つと言うことができるかもしれません。

 

ランナーズハイを調べると脳内麻薬、エンドルフィンといった言葉が出てくるので、心身に悪影響が起こらないか不安であったが、本田の説明を聞いて安心した。

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□ランナーズハイはモルヒネの30倍以上効く

 ランナーズハイは、どのような時に発生するか質問した。

ランナーズハイの発生にはさまざまな条件が関与するので一概に言えませんが、一つ大きいのは肉体的苦痛の存在です。たとえば出産のような大きな痛みが身体に加わるとき、その苦しみによって脳が壊れてしまわないように、脳は快感物質を放出することで自覚的に感じる痛みを軽減しています。

そのときに産生される物質はエンドルフィンと呼ばれる物質ですが、これはモルヒネと同じ神経回路に働きかけて鎮痛効果を発揮しモルヒネの30倍以上もよく効くのです。したがってランナーズハイは、極めて強い肉体的な負荷(疲労や眠気なども含む)が長時間続いているときに起こりやすいことは確かです。

またランナーズハイを引き起こす脳内のメカニズムが報酬系神経回路の活性化であることを考えると、報酬系神経回路を発生させ易い条件で起こりやすいだろうと予想されます。それには音や光などの視聴覚情報も関係します。例えばお祭りでトランス状態になりやすいときに使われる視聴覚情報としては、重低音や衝撃音、16ビート、ミラーボールのような目を射る光、薪のようなゆらぎをもった光などがあります。実は私が研究している人間の耳に聞こえない高い周波数の音の存在もそのうちの一つです。虫の声や自然環境音に豊富に含まれます。

また自分の中でどのようなことを考えるかというのも大きいと思います。自分がゴールする瞬間や優勝して表彰台に立つ姿など、嬉しく楽しいシーンを想像することも役立つ可能性が大きいと思います。つまり、いかに報酬系を活性化させるかが鍵になると思われます。

 

本田の話の中に興味深い一文があった。それは肉体的苦痛の存在が必要だということだ。そもそも終始調子良く走れているならランナーズハイは発生しない。私が経験したのも全て苦しんだ後だ。

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編に続く

ランナーズハイは意図的におこせるのか?〜脳科学とウルトラマラソンからのアプローチ〜中編



10本目の金の鉛筆〜3年前の忘れ物が私の手元へ〜

金の鉛筆って、純金で出来た鉛筆でもなく、金箔を貼った鉛筆でもありません。

ただ金色の塗装がなされた鉛筆です。

すっかりこの鉛筆のことは記憶の底に埋もれていましたが、今日あることをキッカケで当時のことがいろいろ浮かんできました。

正確には3年2ヶ月ほど前のことです。その当時はまだ、ウルトラプロジェクトがなかったのだからなんだか不思議な気分です。

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金の鉛筆とは、宣伝会議コピーライター養成講座の受講生が、さまざまな講師から出された課題にチャレンジし、120人前後の受講生の中から上位10人弱の優秀者を選び渡される賞状のようなモノです。

半年40回の講義のうち課題は15回ほどですから、平均したら一人一本もらえるかどうかの金の鉛筆です。

宣伝・広告業界に就職する際、役員面接で何本もらいましたか?と聞かれるほど、その業界ではメジャーな鉛筆です。

優秀で柔軟性のあるクリエイティブな20代が数多く集まるこの講座で私はほぼ最年長でした。最初の頃はかなり場違い感がありましたが、最初の課題で1番を取ると若い方からいろいろ相談を受けるようになりました。講義の内容だけではなく、学生から就活についてや、若い社会人から上司についての相談などを受けたりしました。

開校式で10本取れたら一流だ。とその業界のメジャーなクリエイターが話していましたが、結果的に9本の金の鉛筆をもらうことができました。

その本数はクラスで最高の本数でしたが、10本に届かなかったことと、卒業課題で優秀作に選ばれなかったのが心残りでした。

当時のブログはこちらです。

宣伝会議コピーライター養成講座修了

3年が経ち、今日は半年間受講した宣伝会議 編集者・ライター養成講座の卒業課題講評と修了式でした。

この講座は100人以上の受講者が集まり、歴史のあるコピーライター養成講座とともに宣伝会議の看板講座です。

受講者は、プロのライターであったり、出版やメディア関係の会社で働いていたり、この業界に転職したいなど、とにかく書くことが好きな方ばかりが集まりました。

私はこのページに記事を書いていますが、文章を書くことについて体系的な学習をしたことなく、出版業界で働いたこともなく、本を読むのが大好きなわけでもありません。

実際、ここ数年で買った本のうち、最後まで読みきったのは3割程度しかない始末です。

そんな私がこの講座を受講した理由は、自分の書いた記事を読むにつれ、いろいろ足りないと感じたからです。読者も増え月間PVも20万に近づいてきたのだからもう少ししっかりした、分かりやすい文章を書きたいと思ったのです。

こちらは昨日書いて記事です。

誰かのために頑張れば、自分も成長できる。〜健康運動指導士認定証届いた〜

誰かのために頑張れば、自分も成長できる。

このような考えから受講しました。

また出版業界の内側についてほとんど知らなかったので、この講座面白そうと思ったのです。

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土曜日午後に2時間の講義を2コマづつ受けました。全部参加したかったけど、サロマ湖やみちのく津軽ジャーニーランなど参加する日は別の日にビデオ補講で勉強しました。

何回か提出した課題に関してはコピーライター養成講座とは違って優秀作を選ぶような方式ではありませんが、酷評されることもありましたし、受講生の提出物を読むとみんな優秀だなーって思っていました。

私にはこんな切り口は浮かばないし、表現も出来ない。かなりの実力差を感じました。

でも、自信をなくすような年齢ではないので、ガッカリすることもありませんでした。

なぜなら100人以上の優秀な受講生がいるけど、私にしか書けない文章だってたくさんあると思っていたからです。

そして卒業課題を提出した時に書いた記事がこちらです。

編集ライター講座卒業制作とつくばマラソン

多くの受講生は提出1ヶ月以上前からコツコツと書いているようでしたが、私は中国行ったり、神宮外苑24時間チャレンジに出たり、またさまざまな記事を書く中で、文章を書くのに少々疲れ、卒業課題に中々手がつかず、提出日の数日前から集中して一気に書き上げました。

今日は提出された卒業課題に対して、二人の講師がそれぞれ良い点、悪い点などアドバイスをしてから、休憩を挟んで優秀作8点と最優秀作2点の発表がありました。

自分の書いた記事に関しては、ある程度自信はありましたが、優秀な受講生ばかりなので優秀作品に選ばれるのは難しいと考えていましたが、講師の講評ではかなり高い評価をしてくれたのでまさか最優秀作か?

なんて夢を見ましたが、それはやはり夢でした。。

ただ、優秀作に選んでいただきました。

優秀作と最優秀作に選ばれた10人に金の鉛筆が渡されましたが、これを見た時にコピーライター養成講座のことを思い出したのです。

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3年前、10本目が取れず心残りでしたが、それは今日この日への布石だったのではないか?なんて思いました。

また、私は何をしても一流(一番)にはなれないなーなんて思いましたが、それが私なのかもしれません。

そんな自分が嫌いではありません。

今回も素敵な方々と知り合うことが出来ましたし土曜の午後を潰すという思い切った決断をしたのは正解でした。

また、著名な編集者の方々に私の作品を選んでいただいたことを自信にして、より読者の心に届く記事を書いていきたい。

卒業制作で書いた記事についてはいずれ紹介しますのでお待ちください。ランナーだけではなくランナー以外にも意味のあることをお伝えした記事です。