レース前なのに調子が上がらない時
この週末は、いびがわマラソン、来週は埼玉国際マラソンと金沢マラソン、その翌週はつくばマラソンや大田原マラソンなどと、いよいよ秋のフルマラソンシーズンが本格化してきます。
そのレースで目標達成するために、暑い夏も、雨が降ってもトレーニングし、順調に来ていたのに、この時期になって調子を崩すと誰でも焦ります。
実際そのような方は多いと思います。私自身も何度も経験してきました。本当悔しいやら、情けないやらでした。
頑張っていなければ悔しいとは思いません。頑張ってきたから悔しいのです。そのようなランナーに向けて、少しでも参考になればと書きます。
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その1 体調を整えること
調子が良かったのに、レースを前にして調子が落ちてきたケースの多くは疲労が原因です。場合によっては風邪をひくなど病気により体調不良になることもあります。その場合はまず病気を治しましょう。当たり前のことですが、マラソンは運動ですから、病気の状態で良い走りなどできるはずがありません。私も喉からくる風邪をひきやすいので注意してます。
話を戻して、疲労について書きます。
疲労にも3種類あると思っています。
まず、長い距離を走ったり、スピード練習をしたことによる筋肉疲労です。例えば30キロ走をしたり、マラソンを走れば、そう簡単に疲労は抜けません。もちろん個人差はあります。その2で書く、周りと比較しないというのも疲労回復には個人差があるという意味もあります。
筋肉疲労はストレッチや、ジョグ、などで抜く方もいれば、スポーツマッサージ等で抜く方もいます。もちろん両方しっかり組み合わせている方もいるでしょう。セルフケアをしている方で中々張りが抜けなかったり、痛みが取れなかったりしたら、治療院等に行ってみてください。故障を未然に防ぐことになるかもしれません。
同じ項目にしてしまいましたが、筋肉疲労以外に、内臓系統からくる疲労もあります。今の私はこの状態に近いです。スパルタスロンで内臓系のトラブルで初めてリタイアしましたが、その後ずっと疲労感が残っています。ハセツネはスタートして5キロも行かないうちに、100キロ走ったような疲労を感じたとレース後に書きましたが、内臓系統の疲労は回復までに時間がかかるとともに、その状態になるとすぐに疲れます。そして疲れるから走るのが嫌になってきます。
私のようなウルトラマラソンのレースでなくても、フルマラソンまでがメインのランナーがフルマラソンを走れば、当然のごとく内臓は疲弊します。その状態で打ち上げで暴飲暴食したら、良いわけありません。
また、夏に頑張った方は、疲労が蓄積したことで、今になり疲労が出てくることもあります。
こればかりは、即効性はないので、まずは長い距離を走ったら、その後しばらくは無理しないで疲労を抜き、慢性疲労のような状態を作り出さないことです。
すでに、なってしまったら、栄養と休養、十分な睡眠をとってリズムを取り戻すしかありません。レースが近い方なら無理に調子を上げようと焦ってポイント練習を組み込むことなく、調子を上げていきましょう。
疲労の3つ目は、精神的な疲労です。
この部分はその2以降と重なるのでそちらで書きます。
その2 周りと比較して焦らないこと
その1で書いた通り、疲労回復のスピードは同じランナーといっても様々です。年齢的なものももちろんありますが、それ以上にそれまでの経験や、身体の強さなどによっても違います。
ですから、同じレースを走った周りの仲間が、次のレースに向けて調子を上げているのに、自分は調子が上がらないと焦る必要はまったくありません。
ちょっと話は逸れますが、レース1週間前に周りは◯◯の練習をしてるから、自分もするというのも考えものです。私は5年位前までレース一週間前に、足柄峠を走るのを定番にしていましたが、レース当日まで疲労が抜けないのです。その頃はタイムが停滞していましたがスタートラインについた状態で疲れているのだから良いタイムが出るわけありません。サブスリーしたのはその定番練習を止めてからです。
もちろん峠走が悪いわけではありません。私自身、今でも峠走はします。何がいけないかというと、私は1週間では峠走の疲労が抜けないカラダなのに、周りがするから、定番だからと続けたことです。1週間前に峠走をしても綺麗に疲労が抜ける方もいるでしょう。体は一人一人違いますし、疲労の抜け具合も一人一人違うことを理解した上で、レースまでの1週間は過ごした方が良いと思います。
疲労回復以外にも、自分より遅いと思っていた友人が急激に伸びて抜かれそうになったり、周りがみんな自己ベストを更新している中で自分だけタイムが伸びないと、取り残されている感じがして焦ることは誰しもあると思います。
私自身、そのような焦りを何度となく味わっています。
周りが頑張って伸びているのだから、自分も負けずに頑張れる方なら、ライバル心を燃やして頑張れば良いと思います。ただ、誰しもそんなに強いわけではありませんし、焦りを払拭するような練習ができる環境にない方もいるのです。
優勝争いをするような競技者は、周りに負けないよう一生懸命頑張れば良いと思います。ただ多くのランナーは周りの友人と比較するのではなく、自分自身の目標に向けてコツコツと頑張った方がきっと楽しいし、長く続けることができると思います。
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その3 走ること、目標達成を義務にしないこと
ほとんどのランナーにとってランニングは仕事ではなく趣味です。もちろん趣味だからこそ一生懸命頑打ち込めるのかもしれません。そんな好きで始めたランニングが時間の経過とともに、目標達成が義務のようになってくることがあります。勝手に自分はこのくらいで走れるランナーだから、体調はどうあれ、このレースはこのくらいで走らねばならないって感じにです。そうなると詰まらないです。
生活するための仕事でないのに、わざわざ疲れることをして、お金を使って、時間を使ってまで、ストレスを溜めることはないと思います。
そんな気持ちになれた時に、それまで壁になっていたタイムがあっさり崩すことが出来たりするものです。
私自身、3時間15分を切るレベルの頃に、次はサブ3と毎回狙っていました。サブ3以外価値はないとさえ思っていました。もう完全に義務化していました。その結果、毎回ハーフを過ぎたあたりからペースダウンし、結果的に3時間15分前後になるというレースが続いていました。
その私が、つくばマラソンで軽い肉離れをし、回復しないまま2週間後の青島太平洋マラソンを迎えましたが、その時に初めて3時間10分を切りました。義務感なく走れた結果です。
また、レース1週間くらい前から強烈な緊張感を感じる方もいると思います。緊張感自体は一概に悪いことではないと思います。頑張って練習してきたから緊張するのです。
ただ、強い緊張感によって力を発揮する方もいれば、出せない方もいます。
緊張して結果がでない時に、気持ちが弱いとか、本番に弱いから自分はダメだと思うのは簡単ですが、大人になってから簡単に性格は変わりません。自分の性格や緊張すると力を発揮できないことなどすべて含めて自分自身であると受け入れることが大事だと思います。
別の言い方をすると、それが「自分の個性」だと思うようにするのです。
すべてを受け入れた上で、緊張すると力が発揮できないのであれば、自分自身が100%の力を出さないと達成できないような目標タイムを考えないことです。
自分の実力にあったタイムを基準にしたペースであれば緊張感は和らぐと思います。また「目標達成できたらいいな。」くらいの緩い気持ちで走れば良いかもしれません。
もちろんプレッシャーがかかれば、かかるほど力を出すタイプの人は、難しい目標タイムを設定し、周りに公言して強いプレッシャーの中で走ってください。
その4 走るって気持ちいいって思い出すこと
最初は、何カ条的な感じにしようと思っていましたが、内容が連動しているので難しいので、少しかぶる話も出てきますが、調子が上がらない時って多くの方が、プレッシャーを感じたり不安を感じたりして、「走ることは気持ちいい」「走ることは楽しい」って気持ちを忘れていると思います。
もし、不調が長引いているなら、気分転換が大事だと思います。走る場所を変えるとか、走る時間を変えるとか、走るスピードを変えるとか、走る時のアイテムを変えるとか、走る仲間を変えるとか、いろいろやってみてください。何かが変わるかもしれません。
その5 過去を後悔しないこと
不調の明確な原因が分からないこともありますが、はっきり分かっていることもあります。あの時、調子に乗って練習しすぎたとか、調子に乗って飲み過ぎたとか、食べ過ぎて太ったとか、練習をサボったとか、いろいろあると思います。でもレース前にそんなことを後悔してもどうにもなりません。反省は反省として繰り返さないよう気をつけることにして、目前に迫ったレースは自分にできる走りをしましょう。気負いがない分だけ良い走りができるかもしれません。
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最後に
今年のフルマラソンシーズンが終わってから、ウルトラマラソンシーズンに向けて、青梅高水トレイル、チャレンジ富士五湖、野辺山ウルトラ、サロマ湖100キロ、上州武尊トレイル、つくば連山トレイル、スパルタスロン、ハセツネと続いた私は、この週末、いわい将門の10キロを走り、来週はさいたま国際マラソンを走ります。
先週のハセツネは走る気にならないくらいの状態でしたが、諦めずに完走しました。
それから、水曜日に軽くジョグをし、木曜日にキロ4分半で5キロ走ってから、1キロ4分で走りましたが、疲労は抜けてきたような気がします。10キロレースはタイムを狙うのではなく調子を上げるために頑張り、ラスト1週間で疲労を抜いてさいたま国際マラソンを走ります。
ハセツネをエントリーした段階で、さいたま国際マラソンでタイムを狙うのは厳しいと思っていましたが、可能性を捨てずに自己ベスト目指して頑張ります。
少なくとも今の体調は、ハセツネを走る前より良くなっています。
最後になりますが、調子が上がらないと気持ちは落ちてきますが、諦めずに頑張りましょう。私も頑張ります。