2012年サロマ湖100kmウルトラマラソン完走記『初めてのサブ9』

サロマ湖

レース前の気持ちなど

今回の目標はサブナイン(9時間以内)は必須で、天気や調子次第では8時間半切りを狙っていました。ちなみに今までのベストタイムはチャレンジ富士五湖ウルトラマラソンで出した9時間29分20秒です。ハードルは高いけどサブナインは長年の夢だからなんとか達成したかった。 昨日の天気予報では気温は最近が8度で最高でも13度。そして曇の最高の予報でした。しかし起きたら雨でした。。。気温は8度より低かったようです。しかし暑いよりは100倍いいです。終盤には少し暑くなってきましたが気になるような暑さではありませんでした。

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レース展開

9時間で走るには5キロ27分ペースであり8時間半で走るには5キロ25分ちょいのペースです。中盤以降にはアップダウンがあるし、ワッカは見てないけど細かいアップダウンが続くようなので、このペースで走るのは難しい。私は少しお腹の調子が悪かったので、8時間半が狙えるペースで序盤走りながら厳しいようならサブナインをきっちりできるペースに切り替えるように走りました。

スタートするとみんな凄く速いけど私はキロ5分を少し切るくらいで走った。道路にみずたまりがあり結構靴が濡れた。

0:48:56

10キロは予定通りのペースだったのでそのまま20キロも同様のペースで走った。お腹は大丈夫そうでした。

0:49:41

最初の折り返しを過ぎると向かい風になり走りにくい。ちょっとペースが落ちる。そしてトイレに行ったので少しロスタイムしました。

0:51:07

30キロを通過したあたりでは調子よく、これなら8時間半切りも行けるかな?と感じたが、40キロ手前で、靴の中に違和感が生じてきた。小さな小石が入ってる感じでチクチクするのです。両足に石が入るわけないから、雨に靴が濡れてソックスが濡れたので血豆が出来始めてるいるのだと思った。ただ手のうちがないからそのまま走った。

0:51:26 

足底の違和感からペースは落ちたけど、フル通過は3時間33分くらいと予定通り。50キロ通過は4時間15分とそのままで走れればギリギリ8時間半ペースでした。しかし違和感がだんだん痛みに変わり、この痛みを我慢してキロ5分少々では走れない。残りはまだ半分あるわけでこれ以上痛みが激しくなったらサブナインどころか完走も危うくなってくる。

0:53:36

この辺りは登り坂があるのでペースも落ちるが、それ以外に痛みが出にくいペースに落として走った。序盤の貯金があるから10キロ55~56分でもサブナイン行けると計算したのです。

0:55:31

しかしペースを落としても痛みは激しくなってきた。しかしサブナインをするにはこれ以上ペースを落とせないから我慢して走る。早い段階でキロ6分で走ってもサブナインできるとこまで行きたいと考えていた。80キロ手前のワッカへ曲がる地点に7時間で到達して、8時間で90キロ地点に到達すればラスト10キロは気楽に走れる。

0:56:58  

そして80キロ地点には7時間3分と予定通り到達した。

0:56:36

車両では入れないのと、凄く綺麗な場所と聞いていたのでレースで初めて見た方が感動が大きいと下見をしませんでした。コースの高低図をみても小さなアップダウンはあるけどまったく問題ないと思っていました。しかしいきなり結構キツい坂が待っていました。こんなのが続いたらとてもじゃないけど10キロ56分では走れない。と不安が襲ってきましたが、アップダウンが激しいのは最初だけでその後は比較的フラットでした。いろんな野生の花が咲き誇り、その向こうには北オホーツク海が見えて笑っちゃうくらい綺麗でした。この辺りはかなり気温も上がってきたけど、綺麗な風景を見てモチベーションが上がったのかまったく気になりませんでした。そしてすれ違うたくさんの仲間の気合いはいった走りを見てると足底が痛いなんて言ってられないと思った。もう20キロ切ってるからサブナインしたいという気持ちだけです。その甲斐あり7時間59分で90キロ地点に到達した。

0:55:51

残り10キロはキロ6分を超えてもサブナインは達成できる。サブナインを確信した時に一瞬、右足から力が抜ける感じがしました。それは一回だけだったけど過去に経験したことがなかったので少し怖くなり、ペースアップは可能だけどペースを上げずに淡々と距離を稼ぎました。ラスト頑張るか頑張らないかで10分くらいタイムが変わるかもしれないが8時間50分でも8時間59分でも今回の私には大きな違いはない。それならより確実にサブナインをできる走りをしようと思ったのです。

ワッカを抜けるとラスト2キロ。まだ歩いてもサブナインできるとこまでは来ていないので淡々と走る。ランナーに抜かれても気にしない。そしてラスト500mになり、もう体にトラブルが発生し歩いたたとしても間に合うと確信して、最後くらいしっかり膝の上がったフォームで走ろうと思った。脚は痛いけどやはりしっかりしたフォームだとスピードが上がるから私を抜いていった方々を軽く抜かしていた。順位なんて関係ないけど。

このあたりからいろんなランナーの友達の顔が浮かんできました。

そしてUTMFのゴールはイジけていたので感動のゴールではなかったので、今回は思い切りガッツポーズをしてゴールしました。

0:56:35

ゴールタイムは08:56:17でした。

自己ベストを33分3秒更新しました。

サロマ湖 サロマ湖

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レース後の気持ち

サブナイン出来たのは孤独ではなく、たくさんの方々の応援のお陰だと思ってます。特にウルトラマラソンは長い時間走るからいろんなトラブルが起こるしレースを止めたい誘惑にもかられる。そんな時に自分を応援してる人がいるって思うと頑張れるものです。

最後にサロマの運営については素晴らしいと思いました。特に三カ所あるスペシャルドリンク置き場と荷物預けエイドではタイムロスを覚悟しましたが、エイド手前でスタッフが無線で通過ランナーのゼッケンを伝えて用意してくれてます。ホント感謝です。来年も出たいです。

レース後の体

レース翌日は休みがとれたので自宅でゆっくり過ごしてます。サロマに一泊二日はキツいと思ったけど月曜日に仕事の予定が入るとレース自体行けなくなるから正解と思っています。朝起きて身体の痛みをチェックしたら想定より激しい痛みはない。膝を中心に全身が痛いけど普通のスピードで歩くことが出来ます。

全身の痛みが緩和されてるには理由があります。昨日のゴール後は歩く度に痛みが全身をはしりました。そして帰りの飛行機で筋肉が固まり立つのも大変でしたが、羽田空港から京急線、山手線、京王線を乗り継いで自宅に帰りました。京急線では行き先の違う電車に乗ってしまったことから余計な歩きがかなり入りました。エスカレーターのない場所はキャスターバックを持って階段を上り下りするわけですから疲れた身体にはハードでした。しかしそれだけ動いたから痛みが和らいだと思ってます。

自宅に戻った時にはレース中からずっと痛かった足裏を見るのが怖くてそのまま寝ました。朝起きて大きな肉刺ができているだろうと触ったらマメがなかったので驚きました。あの痛みは肉刺ではなかったのか??と思って足裏を見たら、やはり形跡はありました。。汚いけどお見せします。たいしてヒドくないけどね。

サロマ湖

両足とも同じ箇所の拇指球の横の凹んでるとこに同じように跡がありました。過去にこの場所が痛くなったことないです。雨にソックスが濡れて少しよれた生地が凹んだとこに入って擦れたのだと思っています。こんなの大したことはないと思われる方も多いと思いますが本当痛かったのです。

当時を振りかえって

当時は仕事が多忙な時で練習不足の中走りましたが、念願のサブ9ができた記憶に残る大会でした。

レース翌々日にはこんなブログを書いていました。このような振りかえりはレースマネジメント能力を高める上で大事なことだと思います。

サロマを走って二日目です。痛みは昨日より収まっています。今日はセミナーに行く予定なので明日軽くほぐしジョグを入れようと思います。6月12日のブログにサロマの目標ペースを書きましたが、一回も走ったことも見たこともないコースなのであくまでもこんな感じで走りたいという希望的なペースでしたが、結果的にゴールタイムはほぼ一緒なので途中のペースがどうだったのかを比較してみました。

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《レース前設定ペース》

05キロ迄 25分30秒

10キロ迄 25分30秒

15キロ迄 25分30秒

20キロ迄 25分30秒

25キロ迄 25分30秒

30キロ迄 25分30秒

35キロ迄 25分30秒

40キロ迄 25分30秒

45キロ迄 25分30秒

50キロ迄 25分30秒

55キロ迄 27分00秒/3分

60キロ迄 25分30秒/3分

65キロ迄 25分30秒/2分

70キロ迄 25分30秒/2分

75キロ迄 25分30秒/2分

80キロ迄 25分30秒/2分

85キロ迄 25分30秒/2分

90キロ迄 25分30秒/2分

95キロ迄 25分30秒/2分/2分

100キロ迄 25分00秒/2分/2分

その他トイレ休憩4分。

スラッシュ以降は後半の落ちとかアップダウンとかを勘案した時間です。(詳細は6月12日のブログをご参照ください。)

10キロ毎に置き換えると。

10キロ 51分

20キロ 51分

30キロ 51分

40キロ 51分

50キロ 51分

60キロ 58分30秒

70キロ 55分

80キロ 55分

90キロ 55分

100キロ 58分30秒

別途トイレ4分

《実際のタイム》

10キロ 48:56

20キロ 49:41

30キロ 51:07

40キロ 51:26

50キロ 53:36

60キロ 55:31

70キロ 56:58

80キロ 56:36

90キロ 55:51

100キロ 56:35

レース前はトイレ休憩を4分と考えてペースを組み立てました。実際ゴールタイムは8時間56分くらいなのでそのままペースを比べます。

20キロまでは少し速いけど想定内です。20~40キロまでは予定通り。40~50キロは足裏の痛みからペースダウンをしましたが、50~60キロでは荷物の受取が短時間でできたのと、すぐにスタートしたので予定より少し速く前の10キロの遅れをカバーしました。60~90キロは予定より10キロあたり1~2分遅れたけど、序盤の少しの貯金とラスト10キロは予定より少し速かったのでカバーできました。

結果的に足底の痛みって想定してなかったトラブルはありましたが、ほぼ予定通りのペースで走れました。まあ足底の痛みは想定外でしたが、身体の痛みは想定通りでした。

走ったことのないコースであっても、高低差とか気候とか自分の調子とかをベースにして考えればある程度のペース表は作れるということです。

ちなみにフルマラソンのタイムの2.97倍でした。また長い距離を一度に走る練習を積めば2.8倍くらいで走れるようになれると思いました。あとサブテン以内の友達のタイムを見てもだいたい富士五湖より30~40分速いタイムでした。

30~40分速い理由は、まず信号待ちの有無です。ここで15分は違います。あとアップダウンと気温で15~25分です。

来年サロマ走られる方は富士五湖を走るとサロマの設定タイムが見えてくると思います。設定タイムが見えてくればペース配分も決められます。

出したいタイムを目標タイムにするか、出せるタイムを目標タイムにするかは人それぞれです。

出したいタイムを目標タイムにする方は周りが驚くようなタイムを出す反面、途中リタイアとか、目標タイムに遠く及ばないレースになることが多いです。また故障するリスクも高いです。

逆に出せるタイムを目標タイムにする方は少しづつ自己ベストを更新できて楽しく走れると思います。その方が結果としてタイムは伸びていくと思います。

今回で100キロは6回目ですが、最初の9時間54分から毎回自己ベストです。(2回目の磐梯高原は誘導ミスで103キロレースになりタイムは9時間57分ですがタイム修正を行い自分では9時間40分と考えています。)

友達や先輩から私は目標が低い。もっと走れるランナーだからもっと頑張れとは言われます。。。このような期待はもちろん嬉しいです。でも市民ランナーは絶対的なタイムよりも自己ベストをクリアする喜びを何回も味わうことが大事だと私は思っています。それに出せるタイムを確実に出すって簡単なことではないしね。

これで今年の100キロは終了です。次は来年の富士五湖になると思います。そこでは今回の8時間56分を1分でも更新してサロマでは8時間30分を切れるように頑張りたいです。

以上のように2012年サロマ湖ウルトラマラソン2日後に書いていました。今回紹介している目標タイム設定やペース設定の考え方と大きくは変わっていないと思います。