サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法 その6(暑さ対策・日差し対策)

サロマ湖ウルトラ

日本最高峰の100キロマラソンであるサロマ湖100kmウルトラマラソンについて、いろいろな情報をまとめていこうと思います。サロマ湖100kmウルトラマラソンの大会ホームページを見れば簡単に見つかるようなデータもありますが、それだけでは作る意味がないので過去走った経験等も含めて紹介します。


攻略法その1はこちら(気温と完走率等)

攻略法その2はこちら(ペース設定)

攻略法その3はこちら(目標タイム設定)

攻略法その4はこちら(補給計画)

攻略法その5はこちら(コース画像)

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天気予報

2015年サロマ湖ウルトラマラソン当日は現在の天気予報によると走りやすそうですが、変わりやすいので前日まで判断に迷うことになりそうです。

もし暑くなった時のために、暑さ対策について紹介します。以下の文章は先日の東京・柴又100Kに参加する仲間に向けて書いた文章です。そこのサロマ特有の事象を加えていきます。

地点天気
降水確率
最高気温最低気温
2015年6月23日 15:00現在
スタート地点

湧別町
くもり

30%
16℃ 10℃
ゴール地点

佐呂間町
くもり

30%
16℃ 10℃

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〜水分補給をしっかりは間違い!?〜

しばまたコース画像

画像は東京・柴又100Kの画像ですが、サロマ湖も同様に日陰がほとんどなく、日差しが強くなると実際の気温より10℃以上暑く感じるほど厳しいレースとなります。比較的涼しかった2012年大会でも時間帯によっては暑く、非常に完走率の低かった2014年大会に至ってはスタート時点からの蒸し暑さに加えて日差しが強くなる午前9時頃からは暑さとの戦いになりました。

さて暑い時に気をつけることというと、"水分補給をしっかり"とか、"喉が渇いてからでは遅い"とか、"無理しないで"等の言葉を聞きます。

その通りだと思います。

でもそんなこと分かっているけど熱中症になる人はなる。そもそもこの暑い中で開催されるウルトラマラソンに参加する時点でかなり無理しているのです。幸い私は過去すべてのレースで完走していますが、脱水症や熱中症、低体温症などになりかけたことはあります。

そんな私が暑い中を走る時に気をつけていることをお伝えします。

まずは水分補給について書きます。

暑い時期になると大会会場では水分補給をしっかりとスローガンのように流れ続けます。

先日走った10キロレースでもスタート前にマイクで水分補給をしっかりとずっと伝えていました。10キロやハーフなら飲み過ぎなくらいに飲んでも良いと思います。

ただウルトラマラソンになると少し変わってきます。

しっかり飲むの【しっかり】って受け取る側により相当差異があります。

しっかり飲めというとペットボトルをもって飲み続けるくらい飲めと感じる人もいるのです。

ロードレースのウルトラマラソンなのにハイドレ背負ってずっと飲んでる人もいます。ハイドレはどれだけ飲んでるか分からない怖さがあります。

そこまで行かなくても大会によっては3キロ間隔くらい頻繁にあるエイドごとに、水1杯とスポーツドリンク1杯、さらにコーラ1杯飲むなんて人もいます。

ちょっと計算してみました。

キロ6分半で走ると1時間に9キロくらい進みます。エイドが3キロごとにあるならその間に3回エイドがあります。一箇所で上記の3種類を飲んだらどうなるか?1杯150ccとすると1箇所で450cc

1時間になんと1,350ccです。

一般に1時間に胃が吸収できる水分は600ccとか800ccと言われている。もちろん身体の大きさや体質によっても違ってきますが、私の感覚では体重の1%程度のような気がします。

また水の取りすぎにより体液が薄くなることにより吸収が妨げられるので暑い時は水ではなくos-1のような経口補水液が良いと思うけどエイドにはないから、スポーツドリンク以外に少量の塩を舐めたり麺つゆ飲んだら良いかもしれません。この辺りを書き始めると広がりすぎるのでここでやめますので調べてみてください。

話を戻します。

仮に600ccしか吸収出来ない人が1,350cc飲んだらどうなるか?

750cc消化されずに胃に残ります。これが2時間続いたらどうなるか?

単純に2倍したら1,500cc溜まります。

そして3時間続いたら、3倍にはなりません。消化能力を超え続けると胃の機能がストップすることがあります。そうなると飲んだ分がそのまま溜まります。

私も経験したことがあります。

気持ち悪くなり吐いたら驚くくらい出続けるのです。初めてのゆめのしま6時間走や初めてのチャレンジ富士五湖では3リットルや4リットル出たのではないかというくらい出ました。測ったわけではないけど、大袈裟ではないのです。

この状態になるとジェルや固形物でエネルギー補給をしようとしても吸収されないわけだから、胃に溜まった水に溶けるか溜まるだけです。


まさしく【水の泡】です。


こうなったらガス欠も併発するので走り続けることは難しくなります。周りから見たら非常に顔色の悪い状態です。

こうなったら諦めるしかないかと言えばそんなことはありません。胃に溜まった水を出すことが出来れば復活はあります。ただ吐くことでさらに体調が悪くなる方もいるので無理に吐こうとはしないでください。走れないなら歩けば汗で水分は体外に出ます。トイレに行けば水分は体外に出ます。関門に余裕があるならしばらく休んだら良いです。


”諦めずに対処すれば復活するかもしれません。”


ただそうなる前に少し取りすぎと思った時から気を付ければ復活は早いです。喉が渇いているなら水を含んでから捨てるとか、それまで3杯一気に飲んでいたのを1杯をゆっくり飲むとか変えれば良いのです。

またエナジージェルは一般にベトベトしているので飲むためには多くの水を必要にします。これも水分取りすぎの原因になります。

通常は喉の渇きを癒すために飲む方でも、エナジージェルを飲むときはまずベトベトをなくすために飲んでから、喉の渇きを癒すためにも飲むわけですから必然的に水分摂取量が増えます。

そこでスペシャルドリンクや荷物預けが出来るサロマ湖なら水を飲まなくても渇きが癒えてエネルギーも摂取できるウィダーインゼリーとかカロリーメイトゼリーや、フルーツが入ったゼリーなどを活用すると良いと思います。

私は初100キロの富士五湖で70キロ過ぎに我慢できずに大量に水を吐き出した後に、ちびちびウィダーインゼリーを舐めながら進んだら回復して終盤ビルドアップしてサブ10しました。

また口の中でベタベタしない液状に近いアスリチューンを私は水なしで飲んでいます。水なしで飲めるメリットはガス欠かなって感じた時にエイドまで待たずにその場で飲めることです。

また私は野辺山で給水所までまだ距離があるけど、喉が渇いて困った時にアスリチューン・エナゲインを飲みました。半液状なので喉の乾きが多少和らぎました。(大会で初めて使わないほうが良いです。)


サロマ湖の給水はかぶり水用の水を飲めるなら2.5キロごとにありますので、一箇所でたくさん飲んでおこうとしないことをオススメします。特に危ないのはスペシャルドリンクと荷物預けエイドです。ここで自分が用意したスペシャルドリンクを飲む前に、ゼネラルエイドで水やスポーツドリンクを飲んでしまうことがあるからです。その後時間をおかずにスペシャルドリンクを走りながら摂取したら多分取りすぎになります。

かぶり水用の水は絶対に飲めないという方は、ボトルホルダー付きのウエストポーチを持たれたらよいと思います。その時はボトルを満タンにしないで200cc等少量の水にしてください。多少フォームが崩れる心配はありますが喉が渇く辛さを考えればよいかと思います。

ボトルホルダーが嫌いな方は中身がなくなると小さくなるサロモン等で販売しているチューブに水を入れてウエストポーチ等に納めたらよいでしょう。

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強い日差し対策

5月中旬に走った野辺山ウルトラマラソンは非常に暑く、エイドで給水しても1キロも走ると喉が渇くような状況だったのですが、最高気温は20℃なかったようです。ちょっと信じがたいけど大会ホームページに書いてあるのだから20℃なかったのでしょう。

ではなぜそんなに暑かったのかと言えば強烈な日差しです。

サロマ湖も同様なのです。上で書いているので繰り返しになりますが、サロマ湖は気温が低い時でも日差しは強烈と思ってください。曇っていて日差しが弱ければラッキーと思って対策だけはしたほうが良いです。

昔の兵隊さんが使っていたような帽子に付けるネックガードは私は嫌いなのですが効果的だと思います。ただ私は嫌なのでBUFFのような筒型の被るタイプを使っています。水をつけたら冷えるタイプなら最高です。

またサンバイザーより帽子がよいと思います。サンバイザーだと地肌が日焼けして頭皮が剥けます。それと帽子を被ることで使える技があります。バンダナでも出来ますが、オススメなのはエイドで氷をもらって帽子に入れて被るのです。じわりじわりと溶けて冷たい水が流れ落ち顔や首や肩を冷やしてくれます。

ウェアに関しては、日差しが強い時は長袖で肌を出さない方が涼しく走れます。私は長袖は袖がバタついて嫌なのでTシャツとアームカバーで走ることが多いです。ランシャツは肩や背中が日焼けするのでよほど速い方以外は避けたほうが良いと思います。日焼けするとホント体力を奪われます。

日差しが強くなってきて暑いと感じ始めたらエイドで水分補給しつつ、頭や体に水をかぶったら良いです。とにかく身体を冷やして体温を下げることがとても大事になってきます。

暑いから水を被るって原始的だけど効果絶大です。頭から被ると髪の毛ペチャリで嫌なら首や肩にかけるだけでも違います。

またボトル付きウエストポーチを使う方ならボトルの水を頭や体にかけながら走るのも良いと思います。サブ10ランナーーなら後半であっても2.5キロを15分程度で走れますから水かぶり地点を活用すれば不要ですが、制限時間ギリギリで走る方にとっては2.5キロの距離であっても時間がかかるため強い日差しに限りある体力を奪われるからです。


効果絶大な水かぶりにも注意点が二つあります。


暑い時は水かぶれという人やブログはあるけど注意点まで書いてあるのはあまり目にしませんが気をつけるだけで完走できる可能性が変わってきます。


一つ目はシューズには絶対にかけないように気をつけること。


気をつけてもかかりますが、気をつけないより確実に濡れません。実際は肩や首にかけたのが垂れてソックスに染み込むことありますがダイレクトに濡れるのとでは量がまるで違います。

私はシューズにかからないようにボランティアスタッフがかけてくれようとしたら断ります。なぜならシューズを濡らしてはいけないという認識がない方が結構いるからです。悪意はないのですよ。

また自分で被る時も脚を全開にして頭を前に突き出した格好で水をかぶったりしてます。

なぜそこまで気をつけるかというと、シューズが濡れるとソックスも濡れる。ソックスが濡れると皮膚との摩擦が増えるのか血豆が出来たり爪を痛めたりします。

ウルトラマラソンで血豆が出来たり爪を痛めたら残りの距離はホント辛いですよ。

そんなストレスもちょっと気をつけるだけで防ぐことができるのです。


もう一つ注意するのは、主にゴールまで時間のかかる方ですが、水を被りまくるほど暑かったのが日差しが弱くなると急激に冷えこんできます。

着替えをしましょうと言ってるのではありません。もちろんしても良いと思いますが私は無駄な時間だと思っています。

では何をしたら良いかというと、ウェアの下にファイントラックなどのインナーを着るのです。これを着ることで濡れたウェアが直接肌に着くのを防げるので体温が奪われません。山では常識です。

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