STY区間タイム設定のお手伝い

トレイルレース

信越五岳トレイルランニングレース〜完走対策や、 ハセツネ区間タイム設定 を作ったところ、相談に乗って欲しいとの依頼が友人を中心に何件かありました。

レース前は不安なものです。特に走ったことがないコースは不安で仕方ないでしょう。そう言う私も、過去UTMFや信越五岳、ハセツネ、上州武尊を走るときは不安だったので、可能な限り下準備をしてレースに挑みました。今回のスパルタスロンも不安で仕方ありません。

そんな不安な気持ちが分かるので、このような記事を書いたのです。この記事の内容がすべての方に当てはまるとも思いませんが、多少なりとも参考になって、良い走りができて笑顔になれる方がいるなら嬉しいです。

今回は今年初めてSTYを走る友人から区間タイム設定について相談を受けたので、少しお手伝いしました。

私は第1回UTMFを走ったので、コースはある程度覚えていますが、今年は私が走った時と逆回りです。また毎年コースが変わっているのでどこまでお手伝いができるかは分かりませんが、私が下見なしで走るならという観点で一緒に考えました。

大会ホームページは こちら です。


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まずは第2回大会のリザルトを調べた

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富士山から見た景色ですが、この辺りが終盤戦になるのですね。


今年の第4回大会と同じく反時計回りであった第2回大会のリザルトを調べてみた。まずは上記表のように女子の上位10人の区間タイムや、エイド滞在時間などを調べた。

ここで調べるのは、どのくらいのペースで走ったかではなく、ゴールタイムに占める区間タイムの比率です。

今回走る友人は17時間目標であるので、上位選手のペースを知っても意味がありません。しかし上位選手の区間ごとの比率は非常に参考になります。

なぜなら上位選手は潰れることなく、上手にレースを走り切ります。もちろん終盤はバテるでしょうが、大崩れしません。また上位選手であっても、登りのきつい区間はペースが遅くなるし、走りやすいフラット区間や、緩い下り区間はペースが速くなるのです。

簡単にいうとコース全体の中の、区間ごとの走りやすさを調べたいのです。

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ただし、一人のランナーだけでは、登りが得意な選手、下りが得意な選手、序盤飛ばして後半落ちる選手、逆に序盤抑えて後半盛り返す選手などタイプにより、区間タイム比率は変わってきます。そこで今回は10人で計算しました。

SYTは7区間なので、目標タイムをその区間タイム比率で按分して出た、仮の区間目標タイムを眺めてから、修正しようと考えましたが、計算過程で大きな問題がありました。

それは、この画像を見ていただければお分かりになると思います。

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これは 大会ホームページ に掲載している2013年と2015年の高低図です。

ほぼ同じ場所を通るのですが、区間距離が結構違うのです。A6の太郎坊あたりからは近いのですが、前回の区間タイム比率を参考にするのは諦めました。

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友人の目標や設定など

実際に走る友人からいただいた情報は以下の通りです。

・2013年のリザルトを参考にしながら頭を悩ませていた。

・トレイルは下りが好きで登りが苦手です。これを克服しようと春から急登以外は小刻みに走れるように練習してきた。

・エイド滞在は10分以内で頑張る前提です。必ず行くであろうトイレにいけば20分近くかかるので、それも含めて、貯金を作りながら行く。

・直近のトレイルはロッキンベアー黒姫で36Kを5時間ちょい。3月のITJ(制限時間14時間)を目標12時間で臨んだが、20Kで足の甲の痛みが始まり結果13時間ちょい。


彼女に、まずは自分で考えてみることをすすめて、それを送ってもらいました。作り方としては、高低図や地図を見ながら、区間タイムを考えていくのです。例えば、区間内のコースがこんな感じだとします。緩い上り5キロ→急登2キロ→急な下り2キロ→緩い下り3キロの12キロ。

私なら緩い上り5キロを走りと歩きを織り交ぜるから平均してキロ9分で45分。急登はキロ20分で40分。きゅうな下りはキロ15分で30分。緩い下りはキロ6分で18分。合わせて12キロを2時間13分

こんな感じで積み上げていきます。この段階では努力要素などは入れずに、自分の力をフラットに入れていきます。もちろん夜間であるとか、暑い時間帯であるといったタイムに影響することは織り込みます。

努力目標や、余裕を入れるのは全体を作ってからです。この区間設定タイムでは目標タイムに全然届かないとなれば、エイドの休憩を削るとか、この登りは頑張ってペースを上げようと全体をみてから修正していきます。


彼女からきた区間タイムはこんな感じです。


Start → A5 富士山資料館 9.7K(1h30')

A5 富士山資料館 → A6 太郎坊 12.1K(1h30')

A6 太郎坊 → A7 すばしり 10.6K(1h)

A7 すばしり → A8 山中湖きらら 15K (3h30')

A8 山中湖きらら → A9 二十曲峠 6.2K (1h30')

A9 二十曲峠 → A10 富士山小学校 15K(3h30')

A10 富士山小学校 →Finish 11.9K(4h30')

 

トータル 17時間


彼女が一生懸命考えたタイムであるし、自分の力を知っているのは自分なのだから、この設定でいけば良いのですが、こんな感じで修正しました。

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第2回のラップタイムが使えずに、高低図や地図だけでは、例えば舗装路なのか、林道なのか、ダブルトラックなのか、シングルトラックなのかは分かりません。

もちろんネットで調べようとすればいくらでも分かるでしょうが、今回は大会ホームページに掲載しているトップとラストの予想通過タイムを参考にしました。

主催者やコース設計者が一番よく分かっていますから。

まず、トップとラストの区間タイムをエクセルに入力しゴールタイムに占める区間タイムの比率を出しました。

次に友人のタイムを入力し同様に比率を出しました。

計算しやすいようにすべて分単位にすると簡単です。

スピードのイメージが掴めないので、3つのタイムそれぞれにペースを計算しました。

ペースに関してな大まかなイメージが分かれば良いので、秒単位は出していません。例えば9.6分は9分36秒ですが、9.6のままです。

その上で、彼女の走力ではA5〜A6〜A7のタイムは不可能と修正しました。

なぜならA5〜A6の男子トップ選手が80分かかるところを、90分で行けるはずがありません。多分女子1位の選手も90分ではいけません。A6〜A7も同様です。

また最終区間は遅すぎです。いくらなんでもトップ選手の3.5倍はかからないでしょう。さらにラストの選手より80分も遅いです。

ちなみに彼女のタイムも、トップもラストのタイムもエイド休憩を含んでいますが、私は一旦除外して考えました。

彼女の目標にしているエイド休憩は、各10分の60分ですからそれはそのまま使いました。私なら30分以内に抑えたいところです。


私の修正した内容がベストだとは思いませんが、目安にはなると思います。また目標タイム設定も彼女の走力を考えればちょうど良い設定に感じました。あとは走りながら当日の体調や気候に応じてオーバーペースにならないように走れば良いレースになると思います。

頑張ってください。ギリシャから応援してます。

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