315崩壊!! 名古屋ウイメンズマラソンエリート参加資格変更

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7月10日、女性エリートランナーに衝撃のニュースが流れました。名古屋ウイメンズマラソン・エリート参加資格が2016年大会から大きく変更になる発表はありました。なんと2015年大会までのマラソン3時間15分以内から3時間以内へと一気に15分切り上がったのです。

数年前まで女性ランナーが目標にしていた国際女子マラソンに出るための参加資格(いわゆる国際ランナー資格)は3時間15分でしたが、2015年大会から大阪国際女子マラソンが3時間13分以内に切り上がり、横浜国際女子マラソンの後継大会となったさいたま国際マラソンは逆に3時間30分以内と広がりました。

結果として現時点においては3時間15分以内を参加資格とする大会は消滅してしまったのです。

詳細は大会ホームページをご参照ください。

名古屋ウイメンズマラソン2016

名古屋ウイメンズマラソン2015

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名古屋ウイメンズマラソンエリートの参加資格

2016年大会の参加資格は以下の通りとなります。
(1) 2015年度日本陸上競技連盟登録者で、大会当日満19歳以上の女性競技者
(2) 次の項のいずれかに該当する者
(記録は2014年3月1日以降のもので、国内外の公認競技会で日本陸上競技連盟の登録者として出した記録に限る)
 イ. マラソン: 3時間00分以内
 ロ. 30km: 2時間02分以内
 ハ. ハーフマラソン: 1時間20分以内
 ニ. 20km: 1時間15分以内
 ホ. 10000m、10km: 35分以内
 ヘ. 日本陸上競技連盟が認めた競技者

申込期間は2015年12月1日(火)~2016年2月3日(水)必着

変更前後の資格タイム比較

大阪国際女子マラソンが3時間15分以内から3時間13分以内に変更になった時に、多くの女性エリートランナーは泣きました。たった2分と思われる方もいるかもしれませんが必死に練習してレースを走り3時間15分を切った女性にとってはとてつもなく大きな2分なのです。

今回の変更は15分ですから、その驚きは相当なものでしょう。

しかし、マラソンの資格タイム以上に、ハーフマラソンなどの資格タイムは厳しくなりました。分かりやすいように変更前後のタイム比較一覧表を作成しましたのでご覧ください。

種目2016年2015年タイム削減率
タイムはすべて以内
マラソン 3時間00分 3時間15分 ▲7.7%
30km 2時間02分 2時間13分 ▲8.3%
ハーフマラソン 1時間20分 1時間30分 ▲11.1%
20km、20,000m 1時間15分 1時間25分 ▲11.8%
10km、10,000m 35分 38分 ▲7.9%

参考までに変更後の資格タイムにおける1キロと5キロの平均ペースは下記の通りです。

種目基準タイム1キロペース5キロペース
マラソン 3時間00分 4分15秒 21分19秒
30km 2時間02分 4分04秒 20分20秒
ハーフマラソン 1時間20分 3分47秒 18分57秒
20km 1時間15分 3分45秒 18分45秒
10000m・10km 35分 3分30秒 17分30秒

上記表のペースを見たら分かりやすいと思いますが、マラソンのサブスリーはもちろん厳しいですが、特に10kmからハーフマラソンまでの変更はさらに厳しいものです。私のランニング仲間にも女性サブスリーランナーはいますが、ギリギリサブスリーならハーフマラソンのタイムは1時間26分台、10キロは39分台です。

ちなみに私はサブスリーですが、サブスリーをした時点の力では30kmの資格タイムはギリギリ可能ですが、ハーフ以下の種目ではまったく届きません。

ハーフマラソン以下の種目で資格タイムをクリアできるランナーは男性でも2時間50分程度のランナーでしょう。

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変更の背景について

私は大会関係者ではないので今回の大幅な変更の背景は分かりません。あくまでも私見です。以前横浜国際女子マラソンの参加資格が3時間以内に切り上がった時に当然ながら参加者数が激減したことから、翌年から参加基準が緩和されました。

同様に名古屋ウイメンズマラソンがまた緩和されるかと言えば難しいでしょう。なぜなら一般の部の参加者数は20,000人の枠を超えるエントリー希望者がいる人気大会ですから、少人数の参加者のための公道を使用することに対して問題視されにくい状況にあります。

また、今回の資格タイム変更についてヒントになる点があります。それは一般枠の定員変更を見れば一目瞭然です。

【参考】 JAAF 名古屋ウィメンズマラソン2015記録表(500位までのラップ掲載あり)

前年のエリート出走数は461人で完走者は452人

 
区分2016年定員2015年定員参加料
( )内は前年参加料
一般
(抽選)
7,000人
(▲3,000人)
10,000人 10,800円(10,500円)
チャリティー
(先着順)
3,000人 3,000人 15,800円(15,500円)
宿泊付き
(先着順)
4,000人 4,000人 10,800円(10,500円)
海外 3,000人
(+2,000人)
1,000人 10,800円(10,500円)
チャレンジ枠 3,000人
(+3,000人)
(2016年新設) 10,800円
エリート 150人(?) 461人 10,800円(5,000円)

2015年開催要項のとおり募集定員はエリートの部を除いて18,000人でしたが、2016年は開催要項の通り、エリートの部を除いて2,000人増の20,000人となりました。

また一般部門の参加費アップは消費税アップ分の影響ですが、エリート部門の参加費は倍増し一般部門と同額になりました。

ただ東京マラソンのエリート部門の基準はさらに高く、基準に関しては主催者が様々な観点から決定した事項です。都市型マラソンの大会運営には多額の運営費がかかることから苦肉の決断だったのだと思います。

ひとつ言えることは、名古屋国際女子マラソン(2011年に終了 ただし2011年大会は東日本大震災の影響で大会は中止)を引き継ぎ都市型市民レースとしてスタートした名古屋ウイメンズマラソンは2012年以降開催の4大会については、新たな女性だけの市民レースとエリートレースの併存という立場をとったと思われます。よって名古屋国際女子マラソンの資格タイムや参加費はそのまま引き継いでいたのでしょうが、2016年からは新たな方向に舵を切ったということだと思いました。


名古屋ウイメンズマラソン エリート参加資格が得られる大会はこちら→日本陸連公認大会一覧

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