レース終盤きつくなった時に思い出して

明日、大阪マラソンなど走られる方は、頭の片隅に置いていただき、そのような状況になったら思い出してください。

この記事は3年前に書いたブログを読み返したところ、私自身がこの気持ちを忘れてはいけないと思った記事です。多少修正してご紹介します。

参考までにこの頃の私の環境としては、部署が変わり忙しくなり始めましたが、第1回UTMFを完走し、サロマ湖100キロで初めてサブ9(8時間台完走)し、10月開催の神宮外苑24時間チャレンジでは初めての200キロオーバーを達成しました。(205キロ 16位)しかし、その疲労が抜けきらずにフルマラソンシーズンに入ってしまいました。その頃の記事です。

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レース終盤は時計に縛られない

ランナー

マラソンの打ち上げでチームメイトと話をしていて最近の私に欠けていたこと、忘れていたことに気付きました。

そのチームメイトは大田原で自己ベストを大幅に更新して2時間43分台で走りました。目標は2時間41分台でしたが、終盤ペースを保てなくなり苦しんだとのことです。そのとき彼は時計を見るのを止めて、前のランナーをパスすることだけを考えて走り、○人抜いたら2時間42分を切れると信じて走ったと聞きました。結果は目標には少し届かなかったけど次に繋がるレースができたと話していた。

その話を聞いて、青梅マラソンのことを思い出した。折り返してからの長い上りを終えたあたりで苦しくなり、頑張ってペースを上げたつもりでガーミン見るとたいして上がってなくてガッカリした。その時、私は時計を見るのを止めて目の前にいるランナーを100人抜こうと決めてペースを上げました。最初はきつかったけど、ランナーを抜いてるうちに気持ちよくなり次第にペースも上がり、最終的に100人以上抜いて目標タイムで走れました。

抜かれてると気持ちが落ちてくるけど、抜いてると気持ちが盛り上がってくきます。周回路をぐるぐる走る時間走も一緒です。抜かれるとパワーを吸いとられます。

ほとんどのランナーにとって、マラソンは自分との戦いであり、自分の過去のタイムとの戦いです。しかしマラソン大会は本質的には順位を競う競走なのです。上位入賞者以外にとって順位は大した意味を持たないかもしれないけど、競走であるからには大事なことです。

私自身もそうだけど、目標タイムをなんとか達成したいと走っている時には、ペースが気になってきます。特に設定ペースを保てなくなり、序盤の貯金を食いつぶす展開になると、今どのくらいのペースで走っているか気になって仕方がなくなります。

時計を見て、ペースが遅いと気づいてペースアップできるなら、時計を見るべきですが、もうペースアップをする余裕がないなら時計は見ないほうが良いです。時計を見たって速くはなれないし、フォームが崩れるかもしれない。またペースが落ちてくると精神状態がネガティブになります。時計を見てさらにネガティブになる必要はありません。

序盤はオーバーペース防止のために時計を確認するのは有効ですが、終盤に入り、疲れてきてペースが落ち始めたら、時計は見ないで前のランナーを一人づつ拾ってく走りをしてください。

その効用はいくつかあります。


1.しっかり前を向いて走るのでフォームが良くなる

2.前のランナーを抜いて行けば気持ちが盛り上がる

30キロ過ぎて自分のレースペースで走れば抜きまくりでしょう。参加人数の多い都市型マラソンで、3時間半とか4時間くらいの方なら1000人抜きだって出来るかもしれません。

3.リズムが良くなりペースが上がる


前のランナーを抜いていけば、不思議なもので、それまで落ちまくりのペースが徐々にキープできるようになり、ビルドアップすることもできます。

何より時計に支配されて走らされてるより、よっぽど楽しいと思います。沿道の応援もより目に入ってくるし、終盤抜きまくって頑張っているランナーへの応援はさらに強くなる。そしたらさらにパワーアップできます。

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その時ついていけなければ後はない

ランナー

私は2012年のつくばマラソンは2時間55分から3時間のペースで進みましたが、次第にペースが落ちて何回か集団に飲み込まれて置いていかれました。

中盤までは抜いていく集団のペースが少し速いと無理に追いかけはしませんでしたが、25キロ過ぎに飲み込まれた集団に、置いてかれた時には、もうサブスリーギリギリのペースであった。この集団に付いていかなければサブスリーは難しいと分かっていながらついていかなかった。

もちろん、相当キツかったのだけど、先のことを考えなければ、その時点ではついていくことは可能だった。ただ終盤大崩することを考えたのか、キツいことを先送りしたのだと思う。

もしくは、終盤ロングスパートすればギリギリサブスリーは出来るかもしれないと考えていたのかもしれない。

でも、終盤下り基調だとか、追い風になるとか何かしらのプラス要素がない中で、その時点で4分15秒ペースについていけないランナーが、さらに疲れてる終盤に4分ペースで走り続けることは難しい。

だから、キロ4分15秒のイーブンペースで走っている集団(サブスリーへの貯金なし)に追い付かれたなら、その時粘らなければほぼサブスリーは絶望になる。逆についていけば可能性は残る。目標を下方修正するなら構わないけど、その時は最低でもサブ3だったのだから、頑張るしかない局面でした。

また、ギリギリサブスリーの集団に置いていかれると、その後ろのランナーはサブスリーの夢が破れたランナーばかりになるので、サブスリーペースで走るランナーはいなくなるので周りの遅いペースに馴染んでしまう。そのうちに3時間5分切りを狙うランナーが追いついてくる。そうなると5キロ22分ペースでさえ速く感じるし、目標を失ったことから精神的にもきつくなってくる。


1.自分の目標タイムで走る集団に飲み込まれたら、辛くても先のことを考えずについていかなければ99%目標には届かない。

2.集団が去った後に残るのは夢破れたランナーばかりで遅いペースになっている。

3.タイムの下方修正はキリがない。

ペースが保てない時の最後の手段

ランナー

これは、ペースが保てず目標達成がほぼ絶望になった時に思い出してください。

下方修正しても満足なタイムでゴールできるのなら、そのまま粘りましょう。

絶対にサブスリーしたい、もしくは、3時間13分を切って大阪国際女子マラソンの資格タイムをクリアしたいという方にとっては、下方修正はありません。

例えばサブスリーを狙って序盤は4'10ペースくらいで走ったが、次第に4'15も保てず、4'20ペースになり、序盤の貯金を使い果たして、残り距離は4'15ペースに引き上げねばならない状況とします。

4'20ペースも保てない状況ですから、4'15ペースに引き上げるのは難しいです。でも上げなければ目標は100%夢と消えます。

その時に上記のことをまず実践して欲しいのですが、それさえもキツくなった時には、4'20が速いなんて思い込みだと1キロだけ頑張って、4'15ペースではなく、4'05とか4'00ペースに上げてみてください。

集団に追いついたら、ついて行かずに、そのまま抜いて行ってください。

常識的に考えれば4'20ペースから20秒も上げるのは困難なことですが、意外と走れてしまうのです。もちろん苦しいけど、4'20で走っているのとキツさは変わらないなんて時もあります。

なぜ、キツくないかというと、スピードを一気に上げたことで、フォームを立て直したのです。それまでペースがダラダラと落ちているときは腰が落ちたり顔が上がったりと悪い癖が出ている可能性が高いです。それをスピードを上げたことで修正したのです。

2013年のサロマ湖での出来事ですが、50キロを過ぎてキツくなった私は60キロ辺りではキロ6に近づいていました。でもそのままキロ6を保てば9時間30分は切れるなんて弱い気持ちも出てきました。でもその時自問自答し、そんなのダメだ!と私を抜いていったランナーを追いかけ、追いついたらそのまま抜きました。その時私のペースはキロ5まで上がりました。不思議だったのはさっきまでキロ6でもキツかったのに、キロ5が楽に走れるのです。そこからはZONEに入ったように前のランナーを抜きまくり8時間53分の自己ベスト(当時)を出しました。もしあの時、9時間30分でも良いと考えたら10時間も切れなかったかもしれません。


この走りは、ラストスパートではなく、終盤のロングスパートですから大失速するリスクもありますが、100か0のレースであれば思い出してください。

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