LSD(キロ8分で走る)の効果とは??

女性ランナー

私は陸上経験はなく40歳を過ぎてから初めてフルマラソンに挑戦するなど全く分からないところからスタートしました。最初のフルマラソンはハーフ手前で両足が攣り対処できず困りました。

そんな悔しさから雑誌や練習会などで勉強しましたが、コーチによって真逆に感じるようなアドバイスがあり、最初は何を信じて良いのかまったく分からず苦労しましたが、試行錯誤するなかで徐々に自分の判断基準を作っていきました。

回り道をしましたが最初に苦労したからこそ、昔の私のように何を信じて良いのか分からないランナーの気持ちはよくわかります。そのようなランナーに向けて私が感じたことを発信していきます。

スポンサーリンク

LSD(キロ8分で走る)の効果とは??

女性ランナー

ここでいうLSD(ロングスローディスタンス)はキロ8分ペース等の極めてゆっくりしたペースで走ることとします。当たり前のことと思われる方も多いでしょうが私はゆっくり気持ちよいペース(例えばキロ6)で走るのもLSDと考えていました。その練習効果は高いと思いますし、これからも続けます。

この定義がズレてしまうとキロ6で走るLSDは脚作りに効果があるのに何言ってるの?となってしまうのであえて最初に書きます。

みなさんはランニングコーチやランニング仲間から『 LSDをやったほうがいい 』と、一度くらいは言われたことがあるのではないでしょうか?私も言われます。

私が最近言われる場面はだいたい初対面の方から言われます。そこでLSDの効果を聞くと『ゆっくり走れば速くなるって本もあるし、雑誌にも書いてあるから効果は大丈夫』的な漠然とした答えしか返ってきません。

私はランニングコーチであろうがなかろうが、競技経験があろうがなかろうが、私より速かろうが遅かろうが、良いと思うアドバイスは取り入れるし、良いと思わないアドバイスは取り入れません。特にその方の経験に基づいていないアドバイスは絶対に取り入れません。経験に基づいているかどうかは質問すれば分かります。

今回のように本に書いてあったとか、有名なコーチが言っていたからオススメだというのはダメです。せめて『有名なコーチが言っていたのでやってみたところ××が良くて、こんな走りに人には向くと思った。』というなら私も確かめてみようという気になります。

ちなみにLSDとはLong Slow Distanceのことで、長い距離をゆっくり走るトレーニングのことです。私がやらないのは効果に疑問があるからです。オリンピックでマラソンを走った選手がLSDで速くなったという話は知ってますが、ゆっくり走っただけで速くなったわけではないと思います。

女性ランナー

また走ることが仕事の実業団ランナーであれば時間はたっぷりあるから様々な練習ができますが、週に数回しか走れない市民ランナーがその環境の中で速くなろうと思ったら効果のある練習を優先すべきだと思います。

私が週二回の練習で効果を出そうと思ったら、時間のない平日は短時間で終わるスピード系の練習をして、時間のとれる休日は持久力を鍛えるためのペース走をします。ランナーのタイプによって異なりますが、私にとってはこの組み合わせの練習が効率的です。

正しいLSDはキロ7〜8分、もしくはもっとゆっくり気持ちが悪くなるくらいじっくり走ると言われていますが、これで20キロ走ったら3時間くらいかかってしまいます。そんな時間はないというランナーも多いでしょう。

またジョグとLSDを混在してるランナーが多いのも事実です。ジョグはペースを意識しないでゆっくり気持ちよく走ることだと私は認識してますが、そうなると私の場合はキロ5分半から6分くらいになります。サブフォーレベルのランナーならキロ6分半から7分くらいになるでしょう。フルマラソンをキロ3分20秒ペースで走る方ならキロ4分半くらいが気持ち良いかもしれません。

ランナーによってレースで走れるペースが違うように、気持ちよく走れるペースも違うのです。と言うことはゆっくりと感じるペースも違うのです。

LSDはキロ7〜8分、もしくはもっとゆっくり走るわけですから、サブ4レベルのランナーでも気持ち良くゆっくり走るペースより遅く感じるでしょう。

度を超してゆっくり走るのは非常に疲れます。それが練習になるし、筋肉を鍛えられるという話もありますが、本当にそうなのか疑問は残りますが、効果があるとしてもデメリットを考えてしまいます。

女性ランナー

なぜなら度を超してゆっくり走るとフォームが崩れます。無理にゆっくり走ろうとすると手脚の動きは小さくなります。腕振りも疎かになるし、尻や太ももといった大きな筋肉は使わずにふくらはぎなどの小さな筋肉を使って走ってしまう。そしてほとんどの方は体が起きてしまい腰の位置が落ちます。なぜならいつものように腰の位置を高くして走るとスピードが出てしまい、とてもキロ8分では走れないのです。

常にコーチにフォームチェックをしてもらえる選手なら腰が落ちてるとか指摘されながら練習出来るので悪いフォームにはならないと思いますが、市民ランナーがやると自然と腰の落ちた遅く走るためのフォームが身についてしまうと思います。

そのようなフォームが身についたら速く走ることは出来ません。また速く走るための必要な箇所に筋肉も付かないと思います。

そのようなことを考えると少なくともサブ3.5で走る市民ランナーにはキロ7〜8分で走るLSDは不要と感じるのです。

またサブフォーレベルならキロ7って気持ち良いゆっくり目のジョグになると思うので、一般に言われている本来のLSDではないと思います。

そうなるとLSDって本当に必要なのかと思えてくるのです。それならウォーキングで腰の位置を高めて四肢をしっかり使って速めに歩いた方がフォーム形成の上でも効果があるように感じます。なぜフォームが崩れる危険性を冒してまでゆっくり走る必要があるのか疑問は解けません。

女性ランナー

そこでLSDの効果ってなんだろうとネット検索したらいろいろ出てきました。その中の何点かを読んでみました。よくまとまってる記事もありました。特に概要、目的、取り入れ方と注意点、実践と項目ごとにまとめられた記事は参考になりました。でも取り入れる気にさせるような記事はありませんでした。

速く走るにはロスを減らし限られたエネルギーを効率よく使うことが求められます。そのために私はフォーム改善をしているのに効率をあえて悪くするくらいゆっくり走る練習をする意味が分からないのです。

またウルトラマラソンの練習としても極端に遅いペースの練習は不要だと思います。24時間走では終盤は頑張ってもキロ7とかキロ8になることはありますが、それをあえて練習する意味もない気がします。

もちろんこれは陸上競技経験のない私の考えですから正しくないかもしれません。ランニングのアプローチは様々ですから絶対に良いとか、絶対にダメはありませんが、ランニング仲間にLSDの効果を聞かれたら、その時間があるなら違う練習をすすめます。

スポンサーリンク

友人からのアドバイス

女性ランナー

以前そのようなブログ記事をfacebookに掲載したところ友人から参考になるコメントをもらったので少し抜粋して掲載します。コメントをいただいた方は元アスリート、コーチなど陸上に関して深い知識を持った方々です。

「私はLSDはありと思います。キロ5分でもLSDになりますから筋持久力を鍛えるためにもありだと思います。毎回ポイントだと飽きますし、私は学生の練習にとりいれてます。その人の力でLSDのペースは決めれば良いのです。」

(私の返信)キロ5とかキロ6でゆっくり長く走るのは今でもやってますし効果あると思っています。しかしそれはLSDではなくロングジョグだと言われたことがあるのです。ではLSDって何?と思い調べたらキロ7〜8、もしくはもっと遅く不快なほどゆっくり走るペースだと書かれてましたので、それはどうなのかと思ったのです。

(別の友人から)「確かに、気持ちよく走るジョグとはちょいと違いますね。ゆっくり走るしか教えない最近は、LSDとJOGが混同してます。LSDが注目されたのは20年前。毛細血管の経路拡張開のために、微弱な動きが必要というので急速に広まりました。私もその理論でずっときてますが、医学的観点や、現場的な観点から効果が変わっているかもしれません。ちなみにジョグでも回復ジョグと快調走の2種類あります。」

(私の返信)混同されてるケース多いと思います。また毛細血管の部分は実際どうなんだろうと感じます。気持ち良いくらいのジョグでは毛細血管は広がらないのかどうか?他にもっと効率の良い方法があるのではないか?とか。またキロ8分で走るLSDを強くすすめる方は本当に効果を感じているのか?デメリットはないのか?とか考えてしまいます。

女性ランナー

(別の友人から)「貧血の方には効果があるかもしれませんが、そうでない方は効果がわかりずらいかもしれません。もともと女子の選手が成功したトレーニングが発端ですから。もっと効率の良いやり方を探すのであれば、医学か福祉の論文を探すことでしょうか?実践して成功した例がないものがほとんどかもしれません。現在、医学的にも、現場的にも証明されているのがLSDだったわけです。複合的に考えて、今必要なトレーニングをすべきです。もし、トレーニングの質と量が今よりも上がって、極度の貧血に陥るようであるならば、その時にでも試してみると良いかもしれません。」

(さらに別の友人から)「LSDは太極拳だと思っています。ゆっくり動くことで基本的な動きを体に叩き込む。基本的な動きが身についていればいざ速く動かないといけないときもスムーズにその動きができる。だから、ペースを気にするより常にフォームを気にしないといけないと思うので、キロ何分以上かけないといけないと定義すること自体がナンセンスだと思います。自分がゆっくりした動きの中でしっかりフォームを意識していられるペースで、終わったときには全身ぐったりしてるぐらいの時間やればいいんじゃないかと思うのですが、そんなことするくらいならクロカン走ったり動き作りのドリルをやったりしたほうが効率がいいと思うのでやりません。血管の収縮うんぬんの話は難しくて自分はよくわからないので、よっぽどすごい効果が得られたという話を聞かない限りはやるつもりはありません。」

(さらに別の友人から)「まったく同感です。じっさい私も競技をしていた時代にLSDをした事は一度もありません。当時はゆっくりでも5分くらいでしたし、そのペースで90分〜100分のJogかクロカンしてました。母校の高校生ですら14分半より速く走る子達は5分以降のペースでやるとバランス悪くして必ずフォームが崩れてしまうそうです。何より、それだけの時間を捻出する事がいちばんしんどいですね。」

私の現時点における結論

女性ランナー

人によりゆっくりと感じるペースは違うのだからキロ7分とかキロ8分で走らないとLSDではないと定義付けることがそもそもおかしいと感じています。

フォームを崩さない範囲でゆっくり走ることは体への負荷も高く一定の練習効果はあると思います。また疲れた時にゆっくり走ると疲労が抜ける効果もあるのでレース後に取り入れていますが、あえてキロ7〜8分以上で走らないといけないと意識することはありません。

また速くなるためには「スピードを高める練習」「持続力を高める練習」「体を作るための練習」「疲労回復のための練習」などがあると思うので、速く走ったりゆっくり走ったりといろいろな練習をすることが大事だと思いますが、ランニングの練習にかけることができる時間はランナーによって様々です。

私はフォームを崩さない程度のスピードでゆっくり長く走る練習はこれからも続けていきますが、それはLSDではないというなら、その”本当のLSD”をすることはないと思います。

練習の方法や効果の感じ方は人それぞれですから自分の信じた練習をすれば良いのですが、もしキロ8分で走るLSDをすすめられたら、なぜキロ6分ではいけないのか? 、キロ8分で走ることによって得られる効果、フォームが崩れないかなど聞いてみてください。そこで納得のいく答えを得ることができたのなら、その方にとってキロ8分で走る練習は必要だと思います。

スポンサーリンク

(2016.6.23追記)ドクターランナー諏訪選手の見解

男性ランナー

1年前に書いた記事ですが、その後もグーグルなどで”LSD 効果”とか、”LSD 練習”と検索したのか、多くの方に見ていただいています。書いた当時と見解は変わっていません。また最近は周りでLSDという言葉自体を聞くこと減ってきたように感じます。

ただ、どのような練習が必要かはランナーそれぞれなので、絶対に良いとか、絶対に良くないとかはないと思います。大事なことは、現在の自分の置かれた環境の中で、走力を高めていくためにはどのような練習が必要かを考えていくことだと思います。意味が分からないでする練習ほど無駄なことはないと思っています。何のためその練習をするかを考えれば、必然と意識するべきポイントも見えてきます。


今回、ドクターランナーに私の記事を客観的に読んでもらって、コメントをいただきましたので紹介します。

諏訪医師は、【サポートランナー報告】ドクターランナー 諏訪通久選手 びわ湖毎日マラソン完走報告などで、紹介していますが、陸上経験がない中で、参加資格2時間30分以内のびわ湖毎日マラソンを完走した市民アスリートで、かつ医師という専門性を有したランナーです。

以下、諏訪医師のLSDに対する見解です。


『キロ7分とかキロ8分で走らないとLSDではないと定義するなら、私はLSD否定派です。確かに毛細血管の拡張効果のデータはありますが、意識してゆっくり走ることはフォームの崩れに繋がりかねません。各自の気持ちのいいペースでのjogで十分かと思います。
強いてLSDの効果を挙げるとすれば、長時間カラダを動かし続けることで“時間に慣れる”ことや“精神面を鍛える”というところでしょうか。マラソンの記録更新を目標とすれば私の考える優先順位は①ペース走(距離走)②インターバルやレペティションなどのスピード練習です。他の日は休足や疲労抜き“jog”でいいと思います。』