信越五岳トレイルランニング結果と感想

 

9月18日5時30分に信越五岳トレイルランニングレースがスタートしました。

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そして、先ほど表彰式が終わりました。

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男女の上位選手は以下の通りです。

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男子

1    永田 務         9:57:46

2    杉本 諭       10:19:28

3    木村 大志   10:21:05

4    辻 友寛       10:28:12

5    田坂 洋範   10:31:52

6    竹之内正臣  10:34:49

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女子

1    高澤 真澄    13:22:17

2    上野 朋子    13:37:26

3    木村真由美    13:42:09

4    今田麻紀子    14:50:35

5    宮島亜希子    14:52:40

6    高島麻衣子    14:56:28

男子優勝の永田務さんはトレイルでは初優勝だと思いますが、100キロ日本代表選手です。記録などに関してはリンクを参照ください。

また、女子優勝の高澤さんは、昨年の斑尾フォレストで2位に入ったランナーですが、2年くらい前に何度か練習したことがありますが、その頃よりフルのタイムがかなり伸びたようです。

100キロ前後のトレイルであれば、もちろんトレランに必要なスキルも大事な要素ですが、メジャーな大会で入賞するには、男子ならフルマラソンを2時間30分程度で走る走力は必要ですが、女子でも同様でしょう。もちろんフルのタイムが速くないけど上位に入る選手はいますが、そのケースはそもそもフルマラソンを最近走っていないのでしょう。ウルトラマラソンも同様です。

ウルトラプロジェクトにもトレイルメインのメンバーがいますが、スピード練習などすることで、フルマラソンのタイムが伸びるとともにトレイルでもタイムを伸ばしています。こちらはメンバーの活躍についてまとめた記事です。

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今回入賞したランナーの中にも蜂に刺された方がいますが、レース中何度もポイズンリムーバーをつかっているランナーを見かけました。雨だから蜂のリスクは減ると思いましたが、あまり関係ないようです。前に蜂刺されの対策と対処についてまとめていますので合わせてお読みください。

トレイルランニングで怖いもの

今回私もレースを走りましたが、いろいろな経験をし、思うこともありました。その辺りについて少し書きます。

まず2012年、2013年に走った時のコンディションをベースに考えた目標は15時間を1秒でも切ることでしたが、結果は完走するのがやっとという結果に終わりました。

仮に15時間を切っても、全く上位に入れませんから、自己満足ですが、目標を持って走ることは凄く大事なことだと思います。

そこで15時間のペース表をもってスタートし、路面コンディションなどにより下方修正していくことにしました。

結果として、予定通りに走れたのは、1Aまででした。少し話は逸れますがスタートして10キロくらいの地点でしょうか?少し下り傾斜で左に曲がるコースを走っていると、前を走る男性ランナーが首を抑えて『痛!』と口にした。そして後ろから女性の慌てる声が聞こえた。蜂だと思い、まずは少し離れることにしました。50mほど行くとポイズンリムーバーをつかっているランナーが20人ほどいました。私は蜂を見えなかったけど、雨だから蜂のリスクは小さいと考えていたので、いきなりの発生に驚きました。

蜂に刺されてスタッフに声をかけコースを後にしたランナーも見かけました。私は刺されませんでしたがたまたま運が良かったのかもしれませんが、ウエアや帽子など蜂対策に効果のあるカラーなど意識しています。また帽子、テーピング、アームカバー、ゲイターなどで肌の露出部が少なかったのも影響あるかもしれません。この辺りについて近日追加の記事を書く予定です。

話を自分のレースに戻します。

1Aから2Aの間は、斑尾山を登って下るのですが、登りに入っていきなりズルズルの路面を目の当たりにしました。特定の箇所だけではなく全体的に滑りやすく、無駄な力を使うことになりました。また登りながら下りでこれは怖いと思いましたが、自分の想像以上にスリッピーでした。滑り台にオイルを流したら滑りますがそのような感じで、多少前後左右に傾いている箇所でも直立できません。雨が降って柔らかくなった土の上を多くのランナーが滑るように走り、路面をツルツルに磨いているのだから仕方がないのですが、気をつけても何回も転倒しました。腰や背中から落ちるとバックパックがクッションになり痛くはないのですが、そのまま滑り台のようにスイッチバックの終わりまで行ってしまいます、多くのランナーがそのような状態ですからますます磨かれます。

背中や腰から落ちた時は体のダメージがほとんどないのですが、谷側の足がズルッと谷に落ちた時や、片足を前に踏み出した時に、その足がズルッと前に出た弾みで股関節に痛みが走りました。また左側に倒れた時に痛めている左肩を強打したり、左手をついて強い痺れを受けたりしました。自然の中を走るレースであり、天候状態からそのような事態は予想がつくので、参加するからには全てを受け入れるべきなので、その時点では仕方がない。どろんこになるのを楽しんでしまえと考えるようにしました。

2Aに近づくと、多少滑りにくい路面状態の箇所になり、走るとさきほど痛めた股関節が痛い。私は股関節が硬いのですが、過去に痛みを感じたことがないので戸惑いました。痛いから自然と庇う動作になったのか走りがスムーズではない。ただ何回か打ち付けた左肩は思った以上にダメージはなく回復に向かっていると感じました。

しかしこの下りで数十回は転けましたが、この時点ではこの先ずっとこの状態が続くとは思いませんでした。

そして袴岳に向かいましたが、この箇所は比較的走れる登りですが、ここも滑りました。また踏ん張る動作をすると股関節が痛い。そのうち痛みは取れるだろうと走っていると長い下りに入る頃には徐々に痛みは取れてきました。この長い下りは走りやすく私の好きなコースポイントですが、この下りもズルズルな箇所がたくさんありましたが、滑らなそうなところを気持ちよく走っていると、身体が注に浮き左肩を思い切り地面に叩きつけられました。これはかなり痛くしばらく痺れていました。

斑尾山の下りでも、今日はかなり危険だから無理せずに行こうと考えて派手な転倒をしないように走っていたのに転倒してしまったこともショックでした。怪我をしたら練習会の運営にも影響でるし、これからのロードレースにも影響が出と考えました。またタイム面でも目標通りに走れる状況ではありませんでした。

さきほど、全てを受け入れると書きましたが、起こってしまったことは受け入れるしかありませんが、これから発生する重大なリスクは別です。

普段の私であれば、目標タイムが難しい状況になっても目標タイムを切り下げて、その時の自分にできる精一杯の走りをしますが、今日はそれではいけないと考えました。

精一杯の走りをしようとしたから、宙に浮く派手な転倒をしたのです。順位や記録がかかっていて絶対に◯◯で走りたいという場面では、多少のリスクには目をつぶりますが、今回は違うとおもいました。

今日の目標は、怪我をすることなく完走にしました。

そのために何をしたら良いかを考えました。

・痛めた股関節に負担をかけない。

・肩を痛める他、様々なリスクをともなう転倒を防ぐ。

・完走するためには、胃腸関係を万全にする。

・気持ちを切らさず、決めたことを淡々と行う。

転倒に関しては、気をつけて分かっていても転倒する場面があるので、転倒は仕方がないが大きなダメージにならないように走らないことにしました。

それを決めた3A前後は滑らないと思った場所は走りましたが、走ると股関節の痛みがでたので、そこからは基本全歩きでいきました。

関門時間はチェックしましたが覚えていませんでしたので、スタッフに教えてもらうと、その時点から全部歩いてもゴールできることが分かりました。ただ止まったり、早歩きを保てないと間に合わない。

途中ガンガン抜かれると多少は悔しいし、歩くより走ったほうが楽な場所もあります。ケガせず完走が目的と言ってもタイムが良い方が良いのは当たり前だし、タイムが悪いと心配する方もいます。

そんな時は、ここで走ることで、痛みが生じたり、転倒して完走できなかったら悔しいと思うことにしました。

また、せっかくお金と時間を使って参加しているのだから何かを掴んで帰りたいといろいろ考えました。考えればタイムや順位を狙うだけではなくいろいろあるものです。

目標タイムが難しくなったから。入賞できないからこれ以上走る意味がないと考える方もいます。これはその方の考えであり否定するつもりはないし、私もその方々の立場ならそうするかもしれないと思います。また、救急体制が整っているロードレースと違ってトレイルは体調が急変してもすぐに治療はできません。場合によっては命を落とすかもしれないので、途中で止める決断は大事です。今回私が先に進んだのは、ゴールまで歩き通す自身があったからです。

今回私が掴みたいと考えたのはこんなことです。他にもあります。

①長時間動き続ける練習

②こんな荒れた気象条件の中で山に入る経験は滅多にできない

③走れない(走らない)状態でのウエアリング

④信越五岳はほとんど歩いてもゴールできる証明

⑤中盤より遅いランナー目線でみた大会運営

⑥雨に降る真っ暗な山中や林道を 一人歩きながら自然を感じる

⑦睡魔対策

簡単にそれぞれについて触れます。

①長時間動き続ける練習

12月に神宮外苑24時間チャレンジを走る私にとって、長時間動き続ける練習な必要です。ただ練習で歩き続けるのは結構難しいことですが、今回は完走するという目標のための手段でもあります。動き続けるには補給が大事ですが、今回はほぼアスリチューンだけで動き続けることができました。またただ歩くのではなく、姿勢を意識したり、速く歩く方法など試しました。

②こんな荒れた気象条件の中で山に入る経験は滅多にできない

今回のようにスリッピーな区間のあるレースは過去経験があります。例えば第1回UTMFや、昨年走った筑波連山などもツルツルの区間はありました。雨が降ったら仕方がないと思っています。しかしUTMFにしても160キロのうちスリッピーな区間は限られていますが、今回の信越五岳はほぼ全域がスリッピーでした。ロード区間を限りなく極小化した裏返しだから仕方がありませんが、走りやすいトレイルの代名詞でもある信越五岳の違う顔を見たようです。参加した多くのランナーがこんなに滑って転倒したことはないと話していました。また5A〜6Aにある山は登山道に濁流が流れていました。登山道ですから体が埋まるほど深いわけはないと安心感はありますが、太ももくらいまでつかることもありました。また泥に足を取られることも多々有ります。激しい流れの沢を横切る箇所もあり、トレイルランというよりまさしくアドベンチャーレースと感じました。悪天候の中、それも夜間に山に入ることは通常はないので、キツさはありましたが楽しかったです。途中から水たまりを通るか、泥の上を通らねば先に進めない箇所が多々有りますが、迷うことなく水たまりを通りました。理由は滑らないからです。そんな中で20時間以上走ったレース中に足が水に浸かっている時間は非常に長かったですが、皮膚のダメージはほぼありません。その理由はアールエルのメリノウールソックスを履いていたからです。のちほど履いたソックスなどアップします。使用感は水に浸かっても、ずっとぐちゃぐちゃせずに、肌との摩擦が少ないのを感じます。また濡れてもメリノウールは潰れず一定の弾力をレース終了まで保ってくれました。

③走れない(走らない)状態でのウエアリングなど

今回は悪天候なので全身濡れるだけではなく、日が暮れると気温が下がりました。私も走れているときはレインウエアを着ないで走っていましたが、ウオーキングに入ってからはレインウエアを着ました。そして5Aのドロップバック地点で濡れたシャツを脱ぎ、来ていたファイントラックインナーの上に、メリノウールの長袖とウルトラプロジェクトTシャツ。そしてレインウエアを着用し、ボトムはザックに入れておいた薄いレインパンツを履いてスタートしました。これでも結構寒かったです。当面トレイルには出る予定はありませんが、小さく収まり万が一の際に助かるウエアリングを調べてみます。

④以降は追記します。

もちろん、自分の思うようなレースができなかったのは悔しいです。

でも、自分が置かれた状況の中で、何をすべきかを考え、自分にとってもっとも有益と思うことをしていけばそう間違いはないと思います。

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