閾値(いきち)について

私が練習会に行く時に大きなリュックを担いでいるのはウルトラプロジェクトのメンバーなら知っていると思います。

一時は肩や背中の張りが激しくなるので、カートにしましたが、駅の階段などがカートだと面倒なので、結局はリュックを使うことが多いです。

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かなりモノが詰まっているからズシリと肩に食い込む程の重さです。

何が入っているかと言えばこんな感じです。重さもザックリです。

マックブック    ケース含めて2.5kgくらい

シューズ    0.5kg

ウェア・タオル、シャンプーなど    1kg

ラダー2本   1.5kg

アスリチューン 60個(1人2個)    3kg

ミネラルウォーター    0.5kg

スマホバッテリー、コード、筆記用具   0.5kg

リュック    1kg

かなりアバウトだけど10kg超えてます。今度体重計で測ります。

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ちょっと話を変えてから戻ります。

閾値(いきち)という言葉を知っている方、聞いたことはある方、初めて聞いた方など様々だと思いますが、市民ランナーにとっては聞き慣れない言葉だと思います。しきいちとも呼ばれています。

wikipediaを読むと、例えば、画像処理においてある基準の濃度を超える色を黒、それ以外を白にする2値化処理をするなら黒とするための最小限の濃度を閾値と呼ぶ。とあります。ようは境界線、境目です。

ランニングにおいては、閾値はスピードを上げるなどしてかけた負荷が、ある数値を超えると急にキツくなった時の境界線です。

例えば、走る速度を上げれば疲労度は高まります。疲労度を測る場合に乳酸が溜まるという方もいますが、走りながら乳酸値を測ることは現実的ではないので心拍数で考えてみます。

例えば5’00/kmから4’50/kmにペースアップすれば心拍数も上がりますが、サブ3.5レベルならまだ余裕はあると思います。さらに4’40/kmにあげるとさらに心拍数は上がり徐々に苦しくなっていきます。そのようにペースを上げれば心拍数も上がりますが、ある心拍数に上がると急に苦しさが増大し、一気にペースダウンしたくなる値が閾値と考えると分かりやすいでしょう。

ペースと心拍数をグラフにすると直線になると思いますが、ある値を超えると一気に直線が崩れるポイントです。

以前、野辺山ウルトラマラソンの記事で、キツイ坂は心拍数が165を超えたら歩くようにして、155まで落ちたら走り始めるようにしたと書きましたが、その当時は閾値に基づいてそのようにしていたわけではなく、心拍数が160〜165辺りを超えると急激に疲労度が増すことが経験上分かっていたからです。

心拍数の閾値はだいたい以下の計算式で算出できます。

(最大心拍数-平常時心拍数)×0.75+平常時心拍数

最大心拍数は 220-年齢 と書いている記事が、Facebook広告に載ってタイムラインにあらわれますが、この計算式は普段ランニングをしている人にはバラツキが大きくて使えない数値だと思ってます。

私は50歳ですから、220-50=170となりますが、実際は195〜200です。

最大心拍数に関しては精緻な数字をとろうとしないで、自分にとってかなりキツイインターバルや坂道ダッシュをした直後の心拍数を最大心拍数にしたら良いと思います。40歳以上の方は、それでも220-年齢をはるかに超える方は多いでしょう。逆に20代の方はそこまで最大心拍数が上がらない方もいるでしょう。

そもそも年齢で最大心拍数を決めるのはアバウト過ぎなのです。

前置きが長くなりましたが、私の心拍数の閾値はこんな数値になります。(平常時心拍数は60です。)

最大心拍数195の場合

(195-60)×75%+60=161

最大心拍数200の場合

(200-60)×75%+60=165

私が苦しくなるポイントの160〜165とほぼ一致します。

私はこの数値を超えると長くは走れません。そのため心拍数が上がりにくい100キロマラソンなどは比較的速く走れますが、アップダウンの激しいトレランは苦手なのです。

週末開催のハセツネは、野辺山ウルトラ100キロのタイムと同じくらいと言われてます。確かに優勝タイムなども近いし、どちらもサブ10するのを目標に頑張るランナーもいます。

私は野辺山でサブ10していますが、ハセツネでサブ10する自分は想像できません。もちろんトレイルのテクニック的な面もありますが、一番大きいのはトレイルで心拍数を一定の数値に抑えながら走る技術がないからです。

だから、私がトレイルでロード並みの順位で走れるようになるには、トレイルで心拍数を一定の数値に抑えながら長く走り続ける練習が必要ですが出来ていません。

話が逸れそうなので戻します。

心拍数のおおよその閾値は上記のように掴むことが出来ますので、まずは把握してください。その数値が掴めたら、その閾値にならないギリギリの心拍数で出来るだけ長く走る練習をすれば強くなります。

また、体調や気温にもよりますが、4’30で走っている時の心拍数や、4’20で走っていて時の心拍数など記録していくと自分がフルマラソンを走れる心拍数や、ペースなども掴めてきます。

そのペースでは目標達成できないのであれば、どうすれば良いのかを考え、練習メニューを組んで行けば良いのです。

すごく大事なことだと思います。

ここまで書いて、

最初に書いたリュックの話に戻ります。

リュックの重さにも閾値はあります。

当然4kgより、5kgは重たいけど、どちらも背負って歩くなら大差はない。もちろん走るなら違います。

それが6kg、7kgと重くなり、最終的には担げない重さになるのでしょうが、担げなくなる重さが最大心拍数のようなものであり、担いでいるのが嫌になる重さが心拍数の閾値のようなものです。

リュックの場合の閾値は8〜9kgくらいでしょうから、何かをはずせば良いのでしょう。

境界線になると、一本ペットボトルを追加しただけで急に重たくなったりします。

練習会時のリュックの重さは、メンバーのために用意するアスリチューンの重さ、ラダーの本数など、メンバー数が増えたことによる責任の増大に比例するので、閾値を越えないように運営していきます。

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