今日の夜中は、IAU100キロ世界選手権で日本代表が大活躍したこともあり深夜まで記事を書いていました。
ウルトラマラソンは大手マスメディアに取り上げられることはほとんどなく、今回の快挙もほとんどの国民、またランナーも知らないで終わってしまうでしょう。
私が届けられる人数は微々たるものですが、選手の活躍を伝えたい。という気持ちがあれば一人でも多くの方に伝えることは出来ます。
今回、女子団体は金メダルをとりました。その中で四人が集団走を行い終盤の厳しい場面もペースダウンせずに乗り切り、5位、6位、7位、8位でゴールしました。
個々の力では日本より強い国はあったと聞いていますが、メンバーそれぞれが、仲間を信じ、仲間と一緒に金メダルをとりたいと走ったのです。
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そんな記事を書きつつ、今晩はウルトラセミナーを開催してきました。
今日の参加者は8人でした。
100キロ、8時間数分の方から、まだ完走出来ていない方まで様々なレベルのランナーが集まりました。
ただ参加者に共通しているのは、たくさん吸収してやろうという知識欲です。
結構、私のセミナーでは、私なりに考えたことは、その根拠を含めて話すのですが、根拠については、さほど細かく話す必要もないとは考えながらも、そこを理解しないと、他の大会用には活用できないので、基本的な考え方を理解してもらうために時間をかけて数字が苦手な方でも分かるように話しています。ただ、昨日参加した方はみなさんは1回の説明でスッーと理解できたようです。
例えば、チャレンジ富士五湖における目標タイム設定についても、過去に走った優勝者や上位選手、そして私自身が◯倍だからそうなんだ。なんて乱暴なことではなく、持久係数的な考え方や、累積標高や信号有無などコース形態により計算した数値など、いくつかの違った角度から検証した数値を使用しています。
ここが理解できれば、初めて走る100キロマラソンであっても自分でこのコースであれば自分はこのくらいのタイムで走れそうと大体の目安をつけることができます。
昨年までは100キロ中心に話していて、71キロなどについては数値は追って本人にお知らせしていましたが、土曜日開催を含めて今回は71キロ参加者が複数いたので、こちらも作りました。こちらは苦労しましたが、100キロ同様の観点から考察し作りました。
先日アップした記事のこの検証図自体は、71キロの資料を作るための自分自身の整理のために作ったものです。
もちろんこれらは理論値であり、コースにより高低差が異なり、開催時期が違うことから気象条件も異なり、信号待ちや踏切などの要素を織り込み調整する必要があります。
昨年71キロに参加し、今年100キロに参加する2人の女性は100キロを計算後に71キロで計算したところ、ぴったりであったと話していました。資料にする前に、その数値を検証するためにフルマラソンのタイムなど走力が分かっている上位選手などで検証していますが、走力に差はあっても使える指標です。
目標タイムが算出したあとに、その目標タイムを目指して、どのようなペースで入れば良いのかを算出してもらいました。
10キロごとの区間タイムはすべてイーブンペースで走ればゴールタイムの10%になりましたが、アップダウンや後半の落ち込みなどから凸凹が出てきます。それを把握するために数千人単位の参加者データを分析し、大きく潰れているランナーを除外し、比較的上手に走っているランナーの目安になる指標を提示し、参加者に計算してもらいます。
一般論ではなく、自分ごとですから、理解は深まります。
もちろんランナーにより前半は抑え気味に行きたい方もいれば、後半に余裕を持って走りたいなどスタイルがありますので、それは修正すれば良いのです。修正するにしても何もないところからでは修正もできません。
この計算をしていれば例えば11時間の目標タイムで走るには、自分は最初の10キロを65分で行けば良いのか。など目安が分かってきます。
そして参加者のほとんどは、その10キロごとラップをみて、これなら行けそうと感じていると思います。
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速いランナーは関門など気にならずに見ることもないと思いますが、心配な方は関門時間はチェックしています。
ただし、大会ページやパンフレットに掲載しているのは、関門地点の距離と関門閉鎖時間です。
関門間のペースを確認しておかないと、いきなり次の関門がきつくなったりします。
2015年のチャレンジ富士五湖100キロでは、648人がリタイアしました。
そのリタイア地点を分析すると、30キロを通過したが40キロを通過できなかったランナーが266人いました。なんと41%です。全出走者が1902人でしたから、その14%ものランナーです。
ちなみに38.7キロ地点の関門時間はスタートから4時間45分ですからフルマラソンを5時間以上かけても突破できるさほど厳しい設定ではありません。
100キロマラソンにエントリーする方の中にも、フルマラソンのタイムが5時間を超えている方がいるとは思いますが、7人に1人もいるとは思えません。
それなのに第2関門に捕まった理由は上記の画像を見れば分かります。
本来キロ7’21ペースで走れば第2関門は通過できますが、第1関門をギリギリ通過するくらいゆっくり走ってしますと、そこからキツイ登りがある区間をキロ7’06ペースに上げねばならないのです。
これはチャレンジ富士五湖に限らず、制限時間や、関門が気になるタイムのランナーは必ず確認すべきことです。
ウルトラセミナー 〜チャレンジ富士五湖セミナー〜 その2
に続く
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