観測史上最高気温のNAHAマラソンで役立ったもの その1
から続く
スポンサーリンク
その1をFacebookページにアップしたところ、大会を走ったランナーからこのようなコメントをいただきました。
男性ランナーAさん
発汗が多すぎてタブレットを何度も噛み砕きましたが20㎞過ぎから太股の痙攣が治まりませんでした。35㎞過ぎに追い越され着いていく事も出来ない状態でした。
男性ランナーBさん
私は初めて、30キロ過ぎにリバースしました(失礼)中間点手前からの給水がほとんど、吸収出来てなかった様です。何とか完走しましたが、足はそれほど疲れていなかったので、暑さにやられました。
二人とも、暑いレースで発生する典型的なトラブルに見舞われたようです。
私自身はAさんのような経験は初フルで味わいました。また、Bさんのような経験は数多くありました。
ありましたと過去形にしたのは、理由が分かってから気をつけているからです。
私自身、余裕でゴールしたわけではありませんが、ゴール付近でもこんな感じで走れたのは、対策が出来ていたからです。出来ていなかったら歩いてゴールを目指していたかもしれません。
スポンサーリンク
Aさんと、Bさんとは面識なくどのような走りをしたのかは分かりませんが、Aさんは少なくとも私より前を走っていたランナーで、20km過ぎから痙攣が治らない中で粘り続け、私が抜いたのは35kmですから、かなり速く経験豊富なランナーだと思います。
Aさんは
で紹介した足攣りの原因である
・筋力不足による筋肉疲労や、疲労物質の蓄積
・発汗による水分や電解質バランスの崩れ
・レース中の緊張感やストレス
・急激な体温低下
のうち、発汗による水分や電解質バランスの崩れ が特に大きな原因でしょう。本人もそう自覚していると思います。
レース中に塩分タブレットなどをとるのも良いのですが、合わせて、エイドでスポーツドリンクを取るのも足攣りのリスクを減らします。
記事の中で、びわ湖ランナーの諏訪医師はこうアドバイスしてます。
水分+電解質をしっかり補給しましょう。脳からの電気信号を伝えるには、体内で電解質と水分のバランスがとれていなければなりません。これを乱す要因が、発汗です。汗には水分だけでなく、電解質(ナトリウムやカリウムなど)も含まれているため、水だけ摂っていると、このバランスが崩れ(体内で水分の比率が通常よりも高くなる)てしまいます。多くのスポーツドリンクには、糖質だけでなく電解質も含まれています。レース前、そしてレース中も、なるべくスポーツドリンクを摂るようにしましょう。
ただ、今回Aさんは(塩分)タブレットを何度も噛み砕きながら走ったと書いてあります。それも20kmで痙攣が起きる前からとっています。
なぜか??
電解質が足りなかったのでしょう。
今回のような暑いレースだと1時間に1リットルくらい汗をかきます。
暑熱順化が済んだ鍛えられたランナーの汗は薄いので塩分は0.3%程度と言われてます。それでも1時間に1L程度の汗をかくと1000ml×0.3%=3gの塩分が出てしまうので、その分補充しないといけません。
Aさんがどのようなタブレットを飲んだのかは分かりませんが、例えばランナーに人気の塩サプリ100gに含まれるナトリウムは2.75gで、これは食塩で換算すると7g相当です。
しかし、1粒は1.25gなので、この7gをとるには80粒食べる必要があります。3gとるなら34粒です。
1時間に34粒食べるのは現実的ではありません。他の塩タブレットも似たような塩分量です。
レース中に塩分を自然に効率よくとるためには、スポーツドリンクを飲むことです。私は意識してスポーツドリンクを飲みます。
水だと塩分はとれませんが、スポーツドリンクなら1リットル飲めば1.2gくらいは摂取できるのです。
1時間に3gの塩分が体内から排出されてしまうと行っても、全量とる必要はありません。ゴールするまでもてばよいのです。Aさんが意識して水でなくて、スポーツドリンクを飲みつつ、塩タブレットを摂取していたら大丈夫だったかもしれません。
スポンサーリンク
また、汗で排出されるミネラル成分にはカリウムやマグネシウムも含まれています。
lumina.comのマグネシウムに興味深い記述がありました。
汗1リットルにマグネシウムは12〜60mg含まれている。
12〜60mgとは少し幅があり過ぎますが、中間値は36mgです。
スポーツドリンクは1リットルで6mg摂取できます。ちなみに塩タブレットは1個で0.4mg程度です。
ここでもスポーツドリンクを飲む必要性が分かると思います。
ただ、36mg必要となると、スポーツドリンクだけでは足りません。
そこで、私の走りを支えたのは1袋にマグネシウム25mg配合されたアスリチューン・ポケットエナジーです。
例えば1時間に36mg必要とするなら、そのうち25mg補充してくれるのです。私はスポーツドリンクも摂取しているから、ほぼ体外に排出された量を補充できたことになります。
長くなったので、続きは
観測史上最高気温のNAHAマラソンで役立ったもの その3
で紹介していきます。