丸亀国際ハーフマラソンの結果から神野大地のマラソンタイムを予測?

マラソン解説者の金哲彦氏がNumber Webで書いた

神野大地はマラソンでも神なのか。五輪代表3人に勝利した異常な粘り。

は非常に読み応えのある内容でした。ぜひお読みください。

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私はレースを見ていないので、素人は素人目線で、数字だけで考察して見ました。以下長文ですが数字の好きな方はお読みください。

2月5日に開催された丸亀国際ハーフマラソンを自己ベストで走り、オリンピック日本代表選手の大迫傑、設楽悠太、村山絋太選手より先着した神野大地選手の結果を見ると、フルマラソンでかなりの好記録が出るのではないか?と素人目線から考えてみます。(以下 選手など敬称略)

私は丸亀国際ハーフマラソンの中継やニュースは全く見ていないので、フォームが終盤まで崩れずれていないから、マラソン向きだとか、マラソンを走れる走りになっていないなど、解説者が話すようなことは書きません。そもそもトップアスリートの走りについて、私ごときが語る資格はありません。

数字だけから素人目線で考えてみます。

まず今回の上位選手と注目されていた選手の記録は以下のとおりです。

1位:60:00 カルム・ホーキンス
2位:60:58 アツセド・ツェガエ
3位:60:59 ジョエル・ムァゥラ
4位:61:00 アブラハム・キプヤティチ
5位:61:04 神野大地
6位:61:13 大迫傑
7位:61:19 設楽悠太
8位:61:27 ケネス・キプケモイ
9位:61:56 田村和希
10位:62:07 ジョナサン・ディク

11位:62:23 市田孝
12位:62:23 川端千都
13位:62:24 押川裕貴
14位:62:31 片西景
15位:62:32 其田健也
16位:62:33 田口雅也
17位:62:34 伊藤和麻
18位:62:34 髙久龍
19位:62:35 上野渉
20位:62:36 堀合修平

29位:62:46 塩尻和也
32位:63:00 宮脇千博
57位:64:32 村山紘太

村山紘太は本来の力を発揮できませんでしたので除外して考えますが、大迫傑や設楽悠太らのスピードランナーを振り切って神野大地が日本人のトップでゴールしたのには驚きました。

というのも、10000mの記録を比較すると、神野大地は大迫傑や設楽悠太と比べるとかなり格下です。

村山紘太 27’29
大迫傑 27’38
設楽悠太 27’42
神野大地 28’17

10000mで神野は大迫より39秒遅いわけです。大迫のタイムは平均2’45/kmですから、100m16.5秒です。ということは大迫がゴールした時に、神野はまだ半周以上残っているのです。

これほどのスピード差がありながらも、ハーフマラソンで先着したのだから神野大地はかなり持久系のランナーだと思います。

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数値で考えてみます。もちろん目安です。

市民アスリートランナーには馴染みのある、ダニエルズ係数で神野大地の今回のハーフマラソンのタイムから、マラソンのタイムと10キロのタイムを出してみました。

マラソン 2時間07分50秒
10キロ 27分43秒

2時間07分台の素晴らしいタイムが出てきました!このタイムは日本歴代9位に相当する記録になります。

参考までにマラソン歴代10傑+αです。(所属は当時です。)

①高岡寿成(カネボウ)2.06.16
②藤田敦史(富士通)2.06.51
③犬伏孝行(大塚製薬)2.06.57
④佐藤敦之(中国電力)2.07.13
⑤児玉泰介(旭化成)2.07.35
⑥今井正人(トヨタ自動車九州)2.07.39
⑦谷口浩美(旭化成)2.07.40
⑧藤原新(東京陸協)2.07.48
⑨油谷繁(中国電力)2.07.52
⑨国近友昭(エスビー食品)2.07.52

11諏訪利成(日清食品)2.07.55
12伊藤国光(鐘紡)2.07.57
13森下由輝(旭化成)2.07.59
14前田和浩(九電工)2.08.00
16早田俊幸(アラコ)2.08.07
19川内優輝(埼玉県庁)2.08.14
20中山竹通(ダイエー)2.08.15
23瀬古利彦(エスビー食品)2.08.27
25中本健太郎(安川電機)2.08.35

錚々たる選手です。

ちなみに今回の丸亀国際ハーフマラソン前のハーフマラソン歴代10傑です。

①佐藤敦之(中国電力)1.00.25
②高橋健一(富士通)1.00.30
③菊地賢人(コニカミノルタ)1.00.32
④村山謙太(駒澤大学)1.00.50
⑤宮脇千博(トヨタ自動車)1.00.53
⑥茂木圭次郎(旭化成)1.00.54
⑦宇賀地強(コニカミノルタ)1.00.58
⑧小林雅幸(三井海上)1.01.04
⑨高岡寿成(カネボウ)1.01.07
⑩永田宏一郎(鹿屋体育大学)1.01.09

マラソン日本記録保持者の高岡寿成のハーフマラソンのタイムを、今回神野大地は抜いたのです。

ダニエルズ係数で予測した2時間07分50秒も凄い記録ですが、私はもっと行くと思っています。

ダニエルズ係数は平均的なランナーを基準にしてますが、ランナーにはスピード型と持久型の選手がいますので、そこを加味して考えます。

例えば市民ランナーで

マラソンを3時間以内で走るには、ダニエルズ係数から算出するとハーフマラソンは1時間26分、10キロは39分という数値が出ます。もちろん1時間26分より5分以上速く走るランナーでもサブ3出来ないランナーはいますし、1時間27分でもサブ3するランナーはいます。

この時、1時間26分よりかなり速くハーフマラソンを走るのにマラソンが3時間であれば、そのランナーはスピード型のランナーであり、1時間27分なのに3時間で走るランナーは持久型のランナーと言えます。

10キロとハーフマラソンの比較も同様です。

神野大地の10キロ(10000m)の記録28分17秒をダニエルズ係数に入れると出てくる数値は

ハーフマラソン 1時間02分08秒
マラソン 2時間10分13秒

一般的に今回の1時間01分04秒で走るために必要なスピードは27分43秒です。

大迫傑や設楽悠太くらいのスピードが必要なのです。

もちろん、神野大地はスピードをつけて、丸亀国際ハーフマラソン当日には10000m 27分43秒くらいの力があったのかもしれませんが、10000mのタイムは変わっていない前提で考えるとこんな風になります。

10000m 28分17秒のハーフマラソン予想タイムは1時間02分08秒 実際は1時間01分04秒

これは予測タイムの98.283%に相当します。

標準的なランナーより持久型だということです。距離が長ければ長いだけ、標準的なランナーのタイムより速くなるということです。

グラフを書くと10000mでは大迫傑や設楽悠太にかなり負けてるけど、ハーフマラソンではほぼ同じくらいで走れるということは、30キロ、マラソンと距離が伸びれば神野大地が差を広げていくのではないかと、数値だけ見るとそう予測できます。

では、マラソン予想タイムはどうなるか?

もちろん予想タイムの2時間07分50秒より速くなるのは当然としてどこまで行くか?

理論上の持久係数を計算すれば良いのでしょうが、私にはそんな計算式は浮かばないので、仮に先ほど算出した、98.283%を使います。そんなおかしい数値ではないと思います。

2時間07分50秒×98.283%=2時間05分38秒

かなりザックリですが、日本記録を破るタイムが出てきました!

ただハーフを61分で走り、持久型だったらあながち無理なタイムではないと思います。

例えばハーフ87分でマラソンを3時間で走るランナーは、ハーフのタイムの2倍とマラソンのタイムを比較すると、こんな感じです。

180÷174=1.0345

神野大地の今回のハーフのタイムを2倍して、1.0345をかけて出てきたタイムは2時間06分20秒です。

わずかに日本記録には及びませんが、かなり近いタイムです。もちろん世界と比べるとまだまだ大きな差がありますが、神野大地のような持久型のランナーが、10000mで27分40秒を切るスピードを付けてくると世界の強豪と戦えるでしょう。

机上の計算ではありますが、凄く期待してます!!

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ちなみにダニエルズ係数でハーフのタイムを62分にして計算するとマラソンは2時間09分47秒です。

大学生にはハーフ62分で走るランナーはたくさんいるのですから、もっと2時間10分切りのランナーが出てきても良いと思います。

もちろん実際のレースは計算通りには行きませんが、日本記録を出せるくらいの力を持ったランナーはたくさんいるのだから、駆け引きをして日本人一位を狙うのではなく、まずは日本記録を更新するようなチャレンジをしてくれたら、陸上ファンとしてはワクワクしながらテレビ中継を見ることができます。



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