開催前からFacebookで神野選手や鏑木選手が走るということで話題を集めていた、『山道最速王決定戦 2017@箱根ターンパイク』にはウルトラプロジェクトメンバーも何人か参加しました。
私自身興味ある大会でした。
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が、大会について、Facebookにはいろいろネガティヴな感想が書かれていました。
(画像はランネットのキャプチャー画像です。)
ランネットの大会レポ
を読むと、一部の方が思ったのではなく、多くの方が不満を感じているのが分かります。リンク先の口コミを読んでみてください。ちょっと怖くなります。
コースは箱根ターンパイクを駆け上るコースで、頑張れば走れるから苦しい大会です。
距離が13.6kmで、累積標高が981mD+ですから、山北駅から万葉公園までより傾斜は厳しいと思いましたが、山北駅から万葉公園までのコースは、前半6キロくらいは緩い登りで、そこから徐々にキツくなり、地蔵堂から一気にキツくなりますが、そこと比較すると、平均的に走れる傾斜が続くようです。下記はメンバーの計測データです。
富士登山競走を走った方は、『このコースの10kmまでは中ノ茶屋~馬返しくらいの傾斜の登りが延々と続いた』と話してました。
参加者は6000人募集でしたが、1500人程のエントリーだったようです。
と言うことは、運営者が考えていたキャパシティの25%しか集まっていないことになります。当然ながら余裕を持った運営ができると思うのですが、そうではなかったようです。
ランネットの口コミで、45.6点はかなり低いです。(先ほど見たらもっと低い点数になっていました。)
ちなみに、不平不満が相次いだ2016さいたま国際マラソンは55.7点です。
さいたま国際マラソンで改善をして欲しいことでも紹介しましたが、55.7点はかなり改善点のある大会です。それより10点以上低いのですから、ランナーの不満は大きいです。
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今回はランナーから絶大な人気を誇る、神野選手と鏑木選手が後方から参加者を抜いていくので、トップランナーのスピードが体感できたとポジティブな感想が多い中で、この点数になってしまったのです。
その不満は、『書き切れないほどある』と口コミに投稿されていましたが、私が危ない。と思った点について書きます。
このコースはスタートとゴールが違うワンウェイコースです。
スタートして、981m登ったらそこがゴールです。
当たり前の話ですが、山に登ったら、下りなければ家に帰れません。
参加案内には、スタート前からゴールまでの導線は書かれていますが、下山の説明が書かれてないことに参加したメンバーは多少不安を感じていたようです。
その不安は現実になってしまったようです。
そして、その不安は不満に変わりました。
メンバーはこう語っていました。
かなり待ってようやくバスに乗れた後も、まだたくさんのランナーが震えながらバスを待っていたようです。
ターンパイクは一週間前には積雪により滑り止めを付けないと通行できない規制がされるほど気温が冷え込む場所です。
昨日は幸い天気は良かったので大きな事故もなかったようですが、雨が降ったり風が強かったら低体温症のリスクは非常に高くなったでしょう。
バス以外にも不満はたくさんあったようですが、口コミを見るとバス6台をピストン輸送させていたようですが、バス1台50人として1ピストンで300人。1500人下ろすには5ピストン必要です。
13.6kmの往復なら27.2kmです。どのくらいのスピードで走るのかは分かりませんが、乗車、下車の時間も考えると1ピストンで40分はかかるのではないでしょうか?そうなると最初の輸送を除いた残り4回で160分かかります。ざっくりした計算でも2時間40分です。
口コミを見るとこんなコメントもありました。
(*上で1ピストン40分と書きましたが、実際そのくらいだったようです。)
もし、定員の6000人集まったらバスは24台にしたのでしょうが、寒い中で2時間以上待たされるのは相当危険です。
もし運営経費の関係からバスの台数を増やせないのなら、スタート地点より1000m近く標高が高くなることから非常に気温が低くなるので防寒対策を強く勧めたり、バスは乗るまでに2時間程度待つ場合があるなどの注意喚起は絶対に必要です。
ちなみに100m高度が上がると0.6℃気温は下がり、風速1m増すと体感温度は1℃下がり、衣類や身体が濡れているとさらに体感温度は下がると言われてます。
となると昨日は暖かい日だったので、スタート地点の早川付近の気温が12時で15℃程度あったとして、ゴール地点は標高が1000m高いのだから計算上 6℃下がり計算上9℃になります。(15時、16時になれば気温はさらに下がります。)時間経過による気温低下はなかったとしても、風速10mの風が吹いていれば体感温度は-1℃です。さらに汗や雨で濡れていたら・・・。
今回、保温用のブランケットなどがどのくらい用意されていたのか気になります。
スキー場などの不整地を走るバーチカルレースでは、ゴール地点が山の頂上の場合が多いので、防寒対策はしっかり呼びかけています。
山の気象変化を理解している方が多いバーチカルレースでもそのようなことは徹底しています。今回のレースにもトレランを楽しんでいるランナーもいるでしょうが、大半はトレイルを走らないロードランナーでしょう。
であれば、より一層の注意喚起をするべきです。
しかし、6000人集まって開催され、中止にならない程度の悪天候で、雨に濡れ、風に体温を奪われた数千人単位のランナーが低体温症になったとしたら、どう救助するのか想像出来ません。
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この大会のようなエンターテイメント性の高いレースが、これからも増えて欲しいと思いますが、参加者を危険に晒さないことを重点課題にした運営は必要不可欠だと思います。
もし来年も開催されるのであれば、ゴール後の動線を見直してランナーの安全に配慮し、「快適で楽しいレースだった」と参加者が話すような大会になって欲しいと思います。