日本陸連は2020年東京五輪男女マラソン代表の選考方針を次のように発表した。
男女とも代表3枠のうち2枠は一発選考で上位2名を決めるが、そのために「マラソングランドチャンピオン(MGC)レース」を創設する。
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【開催時期】
2019年9月以降
【開催場所】
本大会同様のコース開催を目指す
その予選にあたるMGCシリーズを2017年8月から2019年3月まで開催し、設定のタイム・順位を満たした選手に出場権が与えられる。
今回は男子について紹介します。
【MGCシリーズ】
○福岡国際マラソン、東京マラソン、びわ湖毎日マラソン
2時間11分00秒以内かつ、日本人3位以内
または2時間10分00秒以内かつ、日本人4〜6位
○別府大分毎日マラソン
2時間11分00秒以内かつ、日本人1位
または2時間10分00秒以内かつ、日本人2~6位
○北海道マラソン
2時間15分00秒以内かつ、日本人1位
または2時間13分00秒以内かつ、日本人2~6位
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【ワイルドカード】
MGCシリーズで所定のタイム、順位をクリアしなくても出場権を得る選択肢が用意されました。
○2017年8月1日~2019年4月30日 開催の国際陸連公認大会
・2時間8分30秒以内
・上位2レースの平均記録が2時間11分00秒以内
○2017年ロンドン世界陸上8位入賞者
○2018年ジャカルタ・アジア大会3位以内
○MGCシリーズ各大会において、気象条件などによりMGCレースへの出場権獲得者が1人もいなかった場合に強化委員会が、出場資格ありと判断した選手
実例を出したら分かりやすいので、2015年北海道マラソンから2017年びわ湖毎日マラソンまでの記録を当てはめてみました。
【2015年】
北海道マラソン
1位 藤原 新 ミキハウス 2:16:49 ×
福岡国際マラソン
3位 佐々木 悟 旭化成 2:08:56 ○
5位 高田 千春 JR東日本 2:10:55 ○
【2016年】
別府大分毎日マラソン
4位 石田 和也 西鉄 2:12:25 ×
東京マラソン
8位 高宮 祐樹 ヤクルト 2:10:57 ○
びわ湖毎日マラソン
2位 北島寿典(安川電機)2:09:16 ○
4位 石川末廣 (Honda)2:09:25 ○
5位 深津卓也(旭化成)2:09:31 ○
6位 丸山 文裕(旭化成)2:09:39 ○
北海道マラソン
1位 木滑 良 MHPS 02:13:16 ○
福岡国際マラソン
3位 川内 優輝 埼玉県庁 2:09:11 ○
4位 園田 隼 黒崎播磨 2:10:40 ○
【2017年】
別府大分毎日マラソン
1位 中本 健太郎 安川電機 2:09:32 ○
3位 木滑 良 MHPS 長崎 2:10:30 ×
4位 大石 港与 トヨタ自動車 2:10:39 ×
5位 伊藤 太賀 スズキ浜松AC 2:10:52 ×
東京マラソン
8位 井上 大仁 MHPS 2:08:22 ○
10位 山本 浩之 コニカミノルタ 2:09:12 ○
11位 設楽 悠太 Hond 2:09:27 ○
13位 服部 勇馬 トヨタ自動車 2:09:46 ○
びわ湖毎日マラソン
4位 佐々木 悟 旭化成 2:10:10 ○
♢MGCシリーズから16人
♢2015年北海道マラソン と2016年別府大分毎日マラソン→強化委員会の判断次第
2015年8月から2017年3月の期間で見るなら20人くらいの参加者によって、マラソングランドチャンピオン(MGC)レースは開催されますが、若手が伸びてきているので2017年8月からのレースが楽しみです。個人的には40-50人くらいが出場権を得るくらいのレベルアップを期待しています。
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また、『MGCシリーズ各大会において、気象条件などによりMGCレースへの出場権獲得者が1人もいなかった場合に強化委員会が、出場資格ありと判断した選手』という条項を追加するのは良いと思うのですが、この条項があるのであれば、福岡国際マラソン、東京マラソン、びわ湖毎日マラソンの日本人上位3人は2時間11分00秒以内、別府大分毎日マラソンの日本人1位は2時間11分00秒以内という甘い基準にしないで、6位以内の選手同様2時間10分以内で良いと思います。
なぜなら2時間11分以内で出場資格を獲得できるのであれば、無難な走りをする選手が続出するのではないかと思うからです。
今回のような選抜レースを作り、一発勝負で決めるのは素晴らしい試みだと思うので、もっとシンプルに、福岡国際マラソン、東京マラソン、びわ湖毎日マラソン、別府大分毎日マラソンで2時間10分以内を出した全ての選手と、北海道マラソンで2時間13分以内を出した全ての選手、その他の国際陸連公認コースで2時間8分30秒以内を出した全ての選手、及び上位2レース平均2時間11分以内の全ての選手という基準の方が選手も明確な目標ができて走りやすいと思います。『MGCシリーズ各大会において、気象条件などによりMGCレースへの出場権獲得者が1人もいなかった場合に強化委員会が、出場資格ありと判断した選手』という条項に関しても、上記5大会に関してはタイムを問わず1位は確定としたら良いと思います。
また、今回の基準タイムを見るにつれ、2017世界陸上代表選考の派遣設定記録の2時間7分00秒以内は何だったのか?と感じます。
どちらにしろ最終的に東京オリンピック男子マラソン日本代表になれるのは3人です。強い選手が一堂に集まって繰り広げられる熾烈なトップ争いが楽しみです。