今週に入って富士登山競走の歴代ランキングを分かる範囲で作りました。まだインターネットも広まっていない時代の記録もあり、当時走ったり、応援した方々の記憶がなくなれば、当時の様子も分からなくなってしまうと感じました。
富士登山競走はエントリーするのも難しい人気大会ですが、参加した3000人を超えるランナーの中で佐々木和子選手が3回もサブ3をしたことを知っている方はごく僅かでしょう。
今回、そのようなレジェンドの存在を多くのランナーに知ってもらえたことは意味があると思います。
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さて、今年の24時間走世界選手権では、石川選手が優勝、高橋選手が4位に入り、男子は団体優勝。女子選手も素晴らしい走りをしました。この結果は、選手はもちろんサポートスタッフ含めたチームの力だと思っています。
日本のウルトラマラソンは世界的にも非常にレベルが高く、100km世界記録は男女とも日本人が保持し、今年のサロマ湖では板垣選手が歴代2位の好タイムを出し、現在世界ランキング1位です。昨年の100km男子の世界ランキング1位は世界選手権優勝の山内選手です。
これら最近の活躍は様々なウェブページやSNSに掲載されているので、活躍した選手の知名度は高まっていますが、富士登山競走の佐々木和子選手のように、SNSなどがまだ普及していない時代に活躍したレジェンドがウルトラマラソンの世界にも多数存在しています。
ウルトラマラソンと言っても様々な距離がありますが、まず最初に24時間走について調べてみました。
24時間走には、ゆめのしまや平塚のような非公認大会もありますが、今回は、DUVウルトラマラソン統計(通称 DUVサイト)の年度別ランキングに掲載されている公認記録のみ掲載させていただきました。
ウルトラマラソンをしている方は、DUVサイトで自分の記録を調べてみてください。サロマ湖など走った方であれば、自分は世界ランキング何位なのか分かりモチベーションが高まります。
今回は、250km以上にしたのは、近年の日本代表選考レースで上位に入り、代表に選出される目安が250kmであるからです。
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*以下出典はDUVウルトラマラソン統計(通称 DUVサイト)です。
歴代順位-記録-名前-開催年-(250km以上の回数)
(2017年12月17日現在)
- 285.366 Yoshikazu Hara 2014 (2)
- 275.684 Ryoichi Sekiya 2007 (17)
- 273.708 Shingo Inoue 2010 (3)
- 271.750 Masayuki Otaki 2004 (2)
- 270.870 Yoshihiko Ishikawa 2017 (3)
- 269.225 Takayoshi Shigemi 2013 (2)
- 264.506 Nobuyuki Takahashi 2017(2)
- 264.389 Yuji Sakai 2008 (2)
- 262.238 Seigi Arita 1994 (2)
- 261.605 Toshiro Naraki 2017 (6)
- 259.708 Tetsuo Kiso 2013 (2)
- 257.634 Masahiko Honda 2012 (2)
- 256.861 Shuhei Odani 2012 (2)
- 255.487 Ryo Abiko 2012
- 255.303 Mami Kudo 2011 (2)
- 254.856 Kenji Okiyama 2001 (3)
- 252.324 Yuya Fujita 2013
- 252.230 Yasutoshi Oshima 2014
- 252.177 Takahisa Furukita 2011
- 250.873 Muneharu Kuroda 2005
DUVサイトによると、250km以上を走った日本の選手は20人(内 女子選手1人)です。最近活躍中の選手とともにウルトラマラソンのレジェンドというべきウルトラランナーが名を連なっています。まさしく歴史を作ってきた選手です。
トップの原選手の285.366kmは世界歴代2位の記録でが、24時間の平均ペースは5’02/kmです。このペースでマラソンを走ると3時間32分55秒になり、100km走ると8時間24分36秒になります。原選手はUTMF優勝などウルトラトレイルでも活躍しています。
2位の関家選手の275.684kmも凄い記録ですが、それ以上に今回記録を集計して驚いたのは250km以上を17回も達成しているのです。(DUVサイト掲載記録のみ集計)最初に達成したのが2002年で最後に達成したのは2012年とトップを維持し続けたウルトラランナーです。また、24時間走世界選手権で4回優勝した他、スパルタスロンでも2回優勝しています。関家良一サイト に大会記録など掲載されています。
また、15位の工藤選手の記録は現在でもトラックの世界最高記録保持者であり、今年の世界大会(ロード)で破られるまでトラック・ロード合わせた世界最高記録保持者でした。昨年の神宮外苑24時間チャレンジの記録に当てはめたら、石川選手の263.127kmに続く2番目の記録なのです。
このように上位選手の戦歴を少しづつ追記していけたらと思います。
近年は、ウルトラマラソンを走るランナーが増えてきました。また石川選手が世界選手権で優勝したことからマスメディアに取り上げられる機会も増えてきました。そのような時だからこそ、その礎を作ったランナーのことをもっと知って欲しいと思います。
私自身、上で掲載した記録を2009年以前に出している、関家選手、大滝選手、境選手、沖山選手、黒田選手の偉大な記録と存在は知っていますが、1994年に262.238kmを走った有田せいぎ選手のことは今回初めて知りました。13位にランクされている小谷選手に聞いたら、面識はないがフランス在住のウルトラランナーだと聞いたことがあると教えてくれました。
1994年と言えば23年前で、まだフルマラソンを走る市民ランナーでさえ極めて少ない時代に有田選手は262km走っているのです。氏名+αで検索したところ、『田中義巳のジャーニーランクラブ』というページに有田さんがまとめたウルトラマラソンについての記事のタイトルが掲載されていました。非常に興味深い内容なのでクリックしたところ、残念ながらリンク切れを起こしていて読むことは出来ませんでした。ただ今回調べたことで、有田せいぎ選手という凄いランナーがいたことを知ることができました。
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ウルトラマラソンと言っても、距離は様々です。50kmレースで求められるモノと、250kmレースで求められるモノは違いますから、練習も違ってくるでしょう。また練習などアプローチの仕方も様々であり正解は一つではありません。20人のアプローチに共通することはあるでしょうが、全く違うこともあるでしょう。ただ250km以上走った方々は、それぞれ自分にあったアプローチ方法を手に入れた方々だと思います。それぞれのアプローチを聞く機会があれば紹介していきたいと思います。
7番目にランクされている高橋選手とは今晩会うので、まず聞いてみたいと思います。
世界レベルで結果を出してきた方々がどのようなことをして力をつけてきたのかを発信していけたら、よりウルトラマラソンに興味をもつランナーが増えてくると思います。