植村さんは、別府大分毎日マラソン以降も全く調子が上がらず5月までは、走れば走る程タイムが落ちると感じていましたが、『遅くなるのには必ず原因がある。速くなるのにも理由がある。』とゴールデンウィーク明けから練習方法を見直しました。
その効果はすぐにあらわれ、5月末の5000mでPB。6月にハーフマラソンで年代別初入賞、サロマ湖100kmウルトラマラソンで初100kmサブ10。そして7月には1500m、5000mでPB、富士登山競走五合目で1時間44分で1121人中47位と調子をあげ北海道マラソンを迎えることになりました。
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北海道マラソンの補給は、アスリチューンのオレンジ味1つとグレープ2つ、そしてオルガニックジェル1つを持って挑みました。
2017年8月27日 北海道マラソン
2:56’13”(2:55’55”)
(ロスタイム)0:18
5kmごとラップ
20:52 - 20:21 - 21:11 - 21:01
20:51 - 20:52 - 20:56 - 20:47 - 09:04
ハーフ通過 1:28:18
今夏の最大の目標の大会としていた北海道マラソンを心身共に絶好調で迎えることが出来ました。
半年前と同じ轍は踏まないと決めていたため、舞い上がらずに冷静にレースに臨むことが出来ました。
走っている間は、これまでガンバってきたからこそ、足が止まってしまわないか不安でいっぱいでしたが、初めてのネガティブスプリットでフィニッシュ。初めてのサブスリー達成しました。
初めてサブスリーを出来たことは嬉しかったのですが、それよりも努力したことが結果に繋がったことが本当に嬉しかったです。悔し涙しか流したことがなかったマラソンで、初めて嬉し涙が出ました。
去年は別府大分に連れていってくれて、今年は初めてのサブスリーをプレゼントしてくれた北海道マラソン。北海道マラソンは私のマラソンの転機となる大会です。
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第一話で書きましたが、北海道マラソンでサブ3を達成した直後に、植村さんから電話が掛かってきました。私は奥武蔵グリーンラインにいたので電波が悪く途中で切れたりでしたが、本人の嬉しそうな声が聞けて私も嬉しかったです。まだまだ目標は高いところにありますが、着実に積み重ねて行って欲しいと思います。
第五話までの植村さんの1年間以上の取り組みを書きました。レベルを問わず多くのランナーが陥りがちなことが多々あると思います。もちろんそれらを経験しクリアしていくのも良いことですが、故障などは場合により走れなくなってしまいます。
以下、第五話までにも盛り込んでいますが、植村さんが取り組んできたことをまとめてもらいました。色々な失敗をした中で感じたことですので参考になる部分もあろうかと思います。
●目標を達成するために取り組んだこと。
・自分で限界を決めない
自分の限界は自分自身が思っているよりも、もっと先にあることがほとんどだと思います。
自分には無理だと思わないことが大事です。
私も初マラソンの時は、サブスリーなんてどうやったら達成できんだろう。一生無理なんじゃないかと思っていましたが1年5ヶ月で達成することができました。限界を決めずに、どうしたら達成できるかを考えることが大事だと思います。
・あきらめないこと
ランニングをしている限り、記録が頭打ちになる時期が必ずきます。走歴1年5ヶ月の私でも記録が伸びない時期がありました。
今年の2〜5月は走る度に記録が落ちていきました。調子が悪いわけではないのに、どんどん遅くなっていきました。練習でも今まで付いていけたペースに付いていけませんでした。
そこで、練習内容や食生活等の見直しを経験のあるエリートランナーに相談に乗ってもらい実施しました。悲壮感があったと思いますが、「無理だ」とか「諦める」という考えは一切ありませんでした。
諦めずに考えて行動に移すPDCAのサイクルを繰り返すことで、6月以降大幅にタイムが上がりはじめ、1500m〜100kmまでの全ての距離で自己ベストを更新することができました。
(補足)自分には無理と思った瞬間に思考は止まります。大事なことは自分がしたいと思う目標があればどうすれば出来るようになるだろう。と考えることだと思います。本気で達成したい目標であれば、現在の実力とのギャップ(差異)をどうやって埋めれば良いか明確になってきます。その上でそのギャップを埋めるためのトレーニングなどが、体力や時間など現実的に困難であれば、ステップを踏んだら良いと思います。
・他人の意見に左右されない
ガンバっている人に対して、「無理だ。」とか「もう少し目標を落とした方がいい。」と聞いてもいないのにネガティヴなことを言ってくる人もいますが、全く気にする必要はないと思います。私も多くの人から「大口を叩いているだけ。」「絶対にできるわけがない。」等のことを言われてきましたが、そんな人には言わせておけば良いと気にしませんでした。
努力するのは自分自身で、他人ではない。
やるのは自分だからです。
(補足)これは第五話で書いたウルトラマラソン前の話にも繋がります。ウルトラ走るとマラソンが遅くなるとか、絶対にできるわけないとか、ネガティブな発言に迷わされることなく、自分がやりたいこと、目指したいことをしたら良いのです。
もし、そのようなアドバイスをされたら『なぜ?』を繰り返し聞いたら良いと思います。自分のことを思ってそのようなアドバイスをしてくれている方なら、そのような質問にも嫌がることなく丁寧に説明してくれるはずです。「そんなの常識でしょう。」とか、「とにかく無理なんだ。」「お前にはそんな力はない。」というようなことであれば全く受け入れる必要はありません。
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・自分に必要な練習を理解する
知り合いのランナーに練習方法を聞くと、①距離を稼ごうとしている人と、②既に出来る練習をする人 が多いです。
①については何のために距離を稼ごうとするのか私にはわからないのです。月末になるとSNS等で○△□km走ったという投稿をよく見かけます。走らないよりは走ったほうがいいに決まっているのですが、距離だけを追い求める練習は疲労も溜まるし、走らなきゃという焦燥感も出てくるしメンタル・フィジカルの両方に悪いと感じます。
月間150kmも走る力がないランナーなら、距離も目安にした方がよいと思いますが、それ以上のランナーなら距離を追い求めるより、走る距離を減らしてでも苦手な練習を試したら何か変わるかもしれません。
②については、インターバルやレペテーションの練習をする際に、なぜそのグループで走るのかを聞くと「ついていけるから」と回答する人がほとんどでした。色々な考え方があると思いますが、例えばスピードをつけるための練習なら、ついていけるかどうかで設定タイムを決めるのではなく、追い込めるかどうかで設定タイムを決めた方がスピードは付くと思っています。
何のために練習をしているのかを理解することで、必要な練習が見えてきます。そして必要な練習をすることが目標達成への近道です。
(補足)ランナーの数だけ目標や目的があると思います。置かれたランニング環境も様々です。目標タイムを目指して頑張りたいと思う方もいれば、健康のため、ダイエットのために走っている方もいますので、毎月○km走ろうと決めて目指す方もいるでしょう。走行距離が練習量の目安にもなるので決して距離の目標が悪いわけではありませんが、毎月○km走れば目標タイムを達成できると考えるのは違うと思います。距離を追い求めると、体調不良なのに月末に詰めて練習したり、本来疲労を抜く場面で練習したりとマイナス面が見えてきます。また既にできる練習・・・の部分は、無闇に設定ペースをあげて行くより、既に走れる設定であってもどのように走れば余裕度が高まるかなど考えて走ったり、その走れる設定で練習した上で、+αの1000mを走ってみるなどして行ったら良いと思います。
その練習はなんのためにしているのかを考えることは大事で、それは練習前だけではなく、練習が終わってから振り返ることも大事です。また設定タイムで走れたという数値的なものだけではなく、いつもより調子が良かった(悪かった)のはなぜだろうとか、どうすれば良かったのだろうとか言葉にしてください。きっと力になります。
ウルトラプロジェクト練習会日程や入会方法についてはこちらをご参照ください。