低酸素トレーニングの効果とメカニズム その2〜低酸素トレーニングをどう使うか?〜

低酸素トレーニングの効果とメカニズム その1〜低酸素トレーニングの効果〜

低酸素トレーニングの効果とメカニズム その1〜低酸素トレーニングの効果〜 から続く

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その1では低酸素トレーニングの効果とメカニズムについてドクターランナーの佐藤さんに説明してもらいましたが、その2では佐藤さんの体験談を紹介します。

□自分は低酸素(高地)耐性が弱い!?

低酸素状態には先天的に強い人と弱い人がいて、個人差が大きいことがわかっています。しかし弱い人でもトレーニングによって、ある程度低酸素に適応できるようになります。

私は2016年~2017年のシーズンで、狙っていたレースで2回大失敗をしました。富士山マラソン(フル)とチャレンジ富士五湖(100㎞)です。どちらのレースの時も、直前の調整は上手く行っていて、走る前は目標達成間違いなし!と思っていたのですが・・当日、普段なら楽に感じるはずのペースが、スタート直後からものすごく苦しいのです。それでも目標ペースを維持しようとしたところ、早々に大失速し、どちらも自己ワーストに近い記録になってしまいました。

レース終了後、なぜダメだったのだろう?と反省し問題点を考えていた時に、どちらも富士山の近くであったことに気が付きました。実はこの2つのレースの場所は平地よりやや標高が高く、酸素濃度が少しだけ薄いのです。この程度の酸素濃度の差であれば問題ない方がほとんどなのですが、もしかして自分は低酸素に弱いから、この程度の差でも苦しくなってしまったのではないか?と考えたのです。
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2017年5月、低酸素トレーニングを体験するため代々木上原のハイアルチへ。なんと、ランニングをしない普通の女性が楽にできるような軽い負荷でも極端にSPO2が低下、スタッフの方にも驚かれてしまいました。そして失敗したレースで経験した時と同じ、息切れ、疲労感、頭のぼーっとする感じ・・を体験することができました。自分が低酸素に弱い体質であるということはショックでもありましたが、ここは伸びしろになると考え、以降週に1-2回、30分の低酸素トレーニングを導入しました。継続することで少しSPO2は下がりにくくなりましたが、それでも普通のランナーよりは速く走ることはできませんでした。

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□筋肉低負荷・心肺高負荷を利用してレースのリカバリー

2017年夏はウルトラマラソンのレースを1~2週間おきに詰め込んでいたため、レースとレースの間は身体を休めることを優先しました。他のトレーニングはほとんどせず、ハイアルチで30分間、1㎞6~7分程度のゆっくりペースで走っただけです。それでも自分の場合心拍数が170~180/分程度まで上昇するので、筋肉に負荷をかけずに心肺機能に強い負荷をかけることができました。

その結果、2017年夏に初めて走った200㎞レース(みちのく津軽ジャーニーラン)で女子優勝、100㎞では白山白川郷ウルトラマラソン3位(10時間48分)など、徐々に結果が出てくるようになりました。

これは、その1で書いたエネルギー代謝能力改善と心肺能力向上が大きく関わっていると考えています。

 

低酸素トレーニングの効果とメカニズム その3〜低酸素トレーニングでスピードも持久力も向上〜 に続く



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