ウルプロメンバー体調不良や故障を乗り越えて100km超トレイルレース完走 前編

ウルトラプロジェクトの創成期から在籍している北沢さんが、故障や貧血を乗り越えて、目標にしていた100kmオーバーのトレイルレースを素晴らしいタイムで完走しました。また3月の板橋シティマラソンでも自己ベストを更新しました。

<スポンサーリンク>


ウルプロには、驚くようなスピードで順調に伸びてるメンバーもいれば、北沢さんのように様々な苦悩を乗り越えて伸びていくメンバーもいます。

北沢さんの経験は多くの方の参考になると思ったので紹介させていただきます。

参加大会 トレニックワールド100mile &100km in 彩の国(100kmの部) 距離 106.3km  累積標高 6,065m
完走率 75%(出走者394人 完走者296人)
リザルト タイム 22時間33分37秒 総合43位 年代別21位

 

□今回のレースについて

「サポートしてくれたコーチ、家族、ファンのみなさんのおかげです!」

レース後、よくトップアスリートがコメントしますが、あの定型文、あながちウソじゃないと気づかされました。

応援しにきてくれる友だち、速報を気にかけてくれるSNS仲間、いつも激励をくれるコーチ、ボロボロの脚を治療してくれる先生、週末レースに出かけることを許してくれる家族…誰しもいるはずです。キツい時、足が動かない時、自分1人で戦っていたらすぐ諦める選択をしてしまうところだけど、こういう人たちのことを思い浮かべるだけで、次のエイドまで進む勇気と動機になる。

1人の選手としての器を広げるのは、自分の体を鍛錬することだけじゃない。自分をカタチづくってくれる周りの大切な人たちが、どれだけ多いかということも大事なんだ、と改めて気づかされたレースになりました。

<スポンサーリンク>


□100km以上のトレイルを完走したときの気持ち

3週間前にUTMF(富士山の周辺を走る100マイルトレイルレース)で選手サポートに入り、真近で見た友だちやその他の選手たちの奮闘に圧倒され、自分がとてもちっぽけなランナーに思えてなりませんでした。

自分が100km超のトレイルレースを走るのは初めて。これまでの最大は70km。試走もたった1/4しかできていない。噂に聞くこのキツい大会を、完走できるのかと不安100%になっていました。

この時100マイルを完走したチームメイトが教えてくれたのが、「レースの成否は90%が走る前に決まっている」という言葉。100%の不安を少しでも打ち消すために、事前の準備に勤しみました。

タイム・高低表の作成。ウェアリングのABCパターンの作成。効くと聞いた補給の購入。ドロップバッグのパッキング。ウルプロではおなじみのスマッシュウォーターで、1週間前から熱中症予防対策…などなど。UTMFのサポートで見たり学んだものを自分なりにアレンジして、刻々と迫る大会の準備だけはしっかり進めました。

ほぼ1日に渡るロングレース。天候、気温の大きな変化。それに伴う体の変調。それらを丸抱えして、すべてを受け止める余裕度がないと、動き続けることはできません。

実際、疲れと冷えから、突然動けなくなった時間、逆にそこで取り乱さず、たくさん抜かれても焦らずウェアを着込んで休んで、復活した時間もやってきました。

過去の戦歴と試走がない中、ウルトラセミナーで以前に教えてもらった、去年のリザルトでつくったタイム表が活きました。未踏の距離に至った後半、想定タイムより速く進んでいる好調さを受け入れ、完走目標に安寧せず、積極的に走り続けることができたのはこのタイム表おかげ。UTMFで見た友の激走には及ばないけど、自分なりに初100km超をチャレンジでき、想定タイムを上回ってゴールできたことは、大きな自信になりました。

 

<スポンサーリンク>


□故障・貧血に襲われた背景と対処法

当時は練習1つ1つ、大会1つ1つに一喜一憂しすぎていたように思います。いつも100%を求めていて、その時の体調や疲れを考慮せず、例えば設定タイムについていけないと、ものすごく落ち込んでいました。いま思えば自分が見えていなかった。

レースでもそうです。この大会でベストを出せるなら、その後故障してもいい!とさえ思っていました。みんな続々ベストを出している。自分も続かなきゃ情けないぞ!と。

そんな思いや偏ったプライドから、みんなと同じように、もしくはさらに激しい練習を積めば追いつける、負けないはずと、やりすぎていたように思います。

過度な練習は過去最大の故障(ヒザ内側痛)を招き、貧血も誘発。1年間まともに走れなくなり、以前のレベルに戻すまで、さらに1年を要してしまいました。

いまはもう少し大きな流れで、自分を見失わないように気をつけています。

とても役に立ったのが、疲労の「見える化」。自分は夜間勤務のため、ランニングをしていなくても疲労度が高く、さらにみんなと同じ夜の練習に出るには、ただでさえ少ない睡眠時間をもっと削らなければなりません。去年の秋から計り始めた「安静時心拍」で、いまどれくらい疲れているのかを知り、故障や貧血のリスクをできるだけ少なくすることができました。

ちなみに自分の場合は、

  • 70〜      :故障危険水域
  • 60〜69:疲れ最大(危険)
  • 55〜59:疲れ大
  • 50〜54:通常の疲れ
  • 40〜49:疲労なし 好調

自分にはどのくらいの練習量が適正なのか?やりすぎを抑えるだけでなく、逆にもう少しできたのでは?という指標にもなります。

実際、今回100km超のトレイルを走った週明け、月曜56→火曜50と思ったほど疲労度が高くないことを知り、水曜の練習会に参加しました。疲れて体が重いのは言うまでもありませんが、思った以上に走れたのは、この数字の示す通りでした。

大きな流れで、練習を途切れさせず続けられることが、何よりの走力アップへの近道だと思います。

 

北沢さんが貧血に悩まされていた時のことはこちらに掲載しております。合わせてお読みください。

男性ランナーも貧血にご注意を

□フォーム改善で何が変わったか?

一言で表すなら、いい意味で「手抜き」できるようになりました・・・。

 

後編に続きます。

ウルプロメンバー体調不良や故障を乗り越えて100km超トレイルレース完走 後編



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA