ウルトラマラソンを走ったことがある方なら、レース後どのくらいで疲労が抜けてくるかの目安はお持ちだと思います。
疲労の抜け方は個人差が大きく、またレースの気象状況や展開によっても変わってきます。
私は以前に比べてダメージが残りにくくなってきたと感じていますが、最低でも1週間は負荷をかけないようにしています。
また、レース間隔も4週間はあけるようにしていますが、チャレンジ富士五湖から川の道254kmは中10日です。エントリーする時から少し負荷が大きいと思っていましたが、ゆっくり休憩しながら行けば大丈夫と考えエントリーしましたが、最初から早めの展開で走り脚を痛めてしまいました。
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私の場合はこのスケジュールではリカバリーは難しいということです。
だいたい1週間は負荷をかけずにリカバリーをして、翌週から徐々に負荷をかけて、レース前1週間は調整期にしたいので、少なくとも中3週間は必要だと改めて感じました。
もちろん私はそうだけど、石川選手や楠瀬選手のように2週連続100kmで結果を出すランナーはいます。非常に個人差は大きいのです。
最近は魅力的なレースが多く連戦したくなる気持ちは分かりますが、無理して出て思うような走りが出来なければ楽しくないし、故障する可能性も高まるので、おススメしません。
ウルプロメンバーから、2週連続して100kmにエントリーしようとおもうが、と相談されるケースはありますが、相談する時点で不安たっぷりなのです。またそのメンバーの走力なども考慮してアドバイスします。エントリーするかしないかは本人が決めることですが、なぜエントリーするのか?何を求めているのか?など質問して、考えてもらってます。その結果、どちらかに絞るケースが大半です。
中には今後さらに長いレースにチャレンジするための準備として疲労が溜まった状態で走る方もいます。
例えばステージレースに出るのであれば、2週連続どころか、土日続けてウルトラマラソン走るのもありだと思います。例えばゆめのしま6時間走を走ってから翌日に東京柴又や奥武蔵ウルトラを走るとか。。
今回、川の道254kmにエントリーした理由には、純粋にこの大会を走りたい。という気持ちだけではなく、今年は長めのレースを定期的に入れて、神宮外苑24時間チャレンジで自己ベスト更新するための力を付けていきたいとも考えていました。
出たいレースは全部出るのではなく、出たいレースから一番出たいレースを吟味して出る。ように考えを変えていけばよりランニングを長く続けられると思います。
今回紹介するのは3週連続ウルトラマラソンを完走したウルトラプロジェクトメンバーのIさんです。
野辺山ウルトラ100km→みちくさ65km→奥武蔵ウルトラ78kmを全て完走しました。
Iさんが3週間のウルトラマラソンにエントリーした理由は単純に走りたい。というだけではなく200kmを超えるジャーニーランにもチャレンジするためにいろいろ試したいと思ったからです。
まず、Iさんはマラソンで4時間15分切りたいと2年ほど前にウルプロに入会しました。当時のタイムは4時間44分40秒です。なぜsub4ではなく4時間15分かと聞いたら、「そんなタイムで走れるはずがありません。」と答えました。
そのIさんは2016年11月にネットでsub4して、2017年1月にはグロスでsub4しました。
こちらは2017年の東京マラソン後に書いた記事です。
Iさんは、フルマラソンの走力が付いたことでいろいろな楽しみ方が出来るようになったと話してます。
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今年野辺山ウルトラマラソン100kmにエントリーしたのも走力が付いてきたからです。フルマラソン4時間44分の走力では完走は極めて困難です。
そしてウルトラセミナーに参加してレースやコースをイメージ出来る万全の準備をして走った結果、12時間台で完走しました。
野辺山を制する者はウルトラを制す。と言われていますが、2年前のIさんには想像出来なかったことだと思います。
その翌週にIさんはみちくさマラソン完走しましたと投稿してました。
2週連続なんて、故障しちゃうよ。って思っていたら、なんと奥武蔵ウルトラにもエントリーしていたのです。
そして全て完走したのです。
Iさんに、なぜウルトラマラソンを連戦したのか?聞いたところこのように答えてくれました。
□連戦した理由
□連戦で気づいたこと
走っている最中は苦しい場面が何度もありましたが、最後の最後で粘って足が前に出る自分に気付いたらとても嬉しかったです。
また、野辺山を走った時に傍にいた男性ランナーがこんな会話をしていました。「どんなにフォームが悪くて傾いた走りをしていても、淡々と走ってゴールする人を尊敬するよ」ウルトラマラソンの魅力は、長い距離だからこそ、いくらでも挽回のチャンスがあるという事です。
自分自身、最初と今では随分走り方が変わったと思います。最初の頃は、抑えて走る事が出来ず、ついペースを上げてしまい、何も考えず勢いで走るものだから、後半で足が止まったり、アップダウンの厳しいコースは、自分の走力に見あった走りが良くわからずに、ただただ苦しいだけでした。
□3週連続完走できた要因
3週連続ウルトラを走りきれた要因は、今迄のウルトラの大会や練習を重ねる中で、周りの人と比べず、自分はどういう走り方が出来るのか、向いているのか、アップダウンの厳しいコースは、どうしたら少しでも楽に走れるかを考え、試し、実践した結果だと思います。あと、自分より少しゆっくり目なペースで淡々と走るランナーを見つけて、その人をぺーサーにして走るやり方はかなり有効でした。
特に、ウルトラ屈指の厳しいコースの野辺山は、実際の峠走で、全て歩いてみる、キツい所は歩いて走れそうな所は頑張って走る、ギリギリまで我慢して走り足を止めて休む等、色々試しました。どの位の傾斜なら自分は走る事が出来るのか、その時のペースや歩幅、歩くスピードはどのくらいか、自分の走り方を模索して、数字で追った訳ではなく、体感に刷り込みました。結果、納得のいくタイムで完走する事ができ、大きな自信に繋がりました。
これから先、200km以上のジャーニーランに出来れば挑戦したいと思っています。ある程度の走力維持と、栄養面やストレッチ等、体のリカバリーにもっと気を付けていけば、まもなく55歳の私でも長い距離を楽しみながら走れると思っています。
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この記事を書きながら、Iさんが練習会に参加した頃のことが浮かんできました。神宮外苑で練習する中で、毎週徐々に速く走れていく自分に気づき『最近走るのが楽しくって仕方がない。』と笑顔で話していたIさんが、3週連続してウルトラマラソンを完走するようなランナーになるとは思いませんでした。
ウルトラマラソンの連戦は肉体的にも精神的にも負荷が非常に大きいので、私は多分しないと思いますし、周りにもすすめません。
ただウルトラマラソンを走ること自体、マラソン中心のランナーからしたらとんでもないことなのです。またフルマラソンを走ることは、ランニングをしない一般の方からしたらとんでもないことなのです。
心身の強さや回復力はランナー一人一人違いますし、ランニングをする目的や価値観も違います。ただ故障や慢性疲労などに注意して楽しんで欲しいと思います。
ウルトラプロジェクトメンバーの大会での走りなどこちらにまとめています。
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