阿蘇ラウンドトレイル③〜100KM残して脚が終わっても出来ることはある〜 から続く
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前話ではレース準備が足りなかったことで生じたことを書いたが、今回は多くのランナーが苦しんだ暑さについて記憶を辿ろうと思う。
これから気温が高くなる時期に開催されるトレランだけではなく、今週末開催される野辺山ウルトラマラソン参加者も参考にして欲しい。
今回の暑さは想定外ではなく、予報通りなので想定どおりだった。
結論から書くと私も苦しんだが、事前準備や、都度対応が出来たので動けなくなるような事態は回避できた。
前話で書いたトラブルに、暑さによるトラブルが重なったらまずゴールは出来なかっただろう。
こちらは熊本の大会当日の天気です。
南阿蘇村のデータは確認出来なかったが、最高気温は土曜日28.5℃、日曜日29.6℃だった。気温は日陰で測定するため、直射日光を浴びる位置での体感温度は凄まじく高くなる。
また、今回は紫外線が非常に強かったので、日差し対策をしなかったランナーは激しく体力を奪われただろう。
私は宿を出る前にいつもよりアグレッシブデザインの日焼け止めを顔や首、腕、脚などに二度塗りした。ウルトラマラソンではウェアで隠れる背中にも塗るが今回はバックパックがあるからそこには塗っていない。レース中に激しく汗をかいたり、水を被ることが想定されるが、アグレッシブデザインの日焼けはほぼ落ちないので絶大な信頼を寄せている。
今回は土曜日7時スタートで、当初予定では日曜日の暑くなる前にフィニッシュ出来ると思っていたので、二日間に渡って凄まじい日差しに曝されることになるとは思ってもいなかった。
日差し対策の効果から、レース中だけではなく、レース後にヒリヒリするような状態にはなっていない。また同メーカーのリップクリームは朝塗っただけで塗り直しはしてないが、カサカサにはなっていない。
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スタート時はヒンヤリした気温であったが、走りはじめたらすぐに熱いと感じはじめた。熱いからと水分を摂り過ぎると低ナトリウム血症になるので、水分は摂り過ぎずに、経口補水パウダーを飲んで、またスマッシュウォーターを少しづつ飲んだ。
途中、身体から嫌な匂いを感じた。過去脱水になるタイミングで感じたことがある甘酸っぱい匂いだ。喉が渇かないようなペースで走り、水分補給・エネルギー補給も定期的にしていった。また途中に水場を見つけたら頭や身体に水をかけて体温上昇を抑える努力をした。
暑い時には、スポーツドリンクだけでは塩分が足りなくなるから、経口補水パウダーを定期的に飲むが、今回誤算だったのは、暑い時間帯に到着したエイドステーションにスポーツドリンクがなく、水とクエン酸飲料しかなかったことだ。
念のためスポーツドリンクの粉末もバックパックに用意していたが、それほどあるわけでもなく、水を飲まざるを得なかった。もちろんコンビニはないし、自販機も滅多にない。
この暑い中、スポーツドリンクを用意しないとは何を考えてるのか!とイラっとしたが、途中でランナーと話すと、最初はスポーツドリンクもコーラもあったが、前半のランナーが通過する頃には底をついたようだ。と話していた。
熱中症防止のために、特に暑い時間帯に通過するエイドステーションでは最終ランナーまでスポーツドリンクが十分に行き渡るよう次回大会での改善を望む。オモテナシ感ある食べ物なども有難いが、とにかくスポーツドリンクを切らしてはダメだと思う。
ないものは仕方がないから、エイドにある塩分量の多いポテトチップスを食べ、エイドを出てからは水を飲んだら塩分を含んだサプリメントなど取るようにした。
さらにバックパックに用意した空のソフトフラスクを取り出して、飲料用以外に水を入れて、頭や首筋にかけながら先に進んだ。
暑い→体温が上がる→喉が乾く→水分過多・塩分不足→低ナトリウム血症→気持ち悪くなり食べれない→ガス欠→動けない→リタイア
という流れにならないようにした。
くどいが、スポーツドリンクだけで必要な塩分すべてが賄えるわけではないがある程度賄える。
(参考)
『喉が乾く前に水を飲め』は危ない 〜運動関連低ナトリウム血症にご注意を〜
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エネルギー補給に関して、スポーツドリンクはカロリーが高いので比較的取れるが、今回のようにスポーツドリンクがないと、普段以上にエナジージェルをとらないと足りなくなる。そこで、アスリチューン・ポケットエナジーをいつもより短い間隔で摂取したが、それでも足りなかったように感じる。
例えば、ポカリスエット500ccのエネルギー量は125kcalだが、これはエナジージェル1本以上だ。通常1時間でポカリスエット500ccとエナジージェル1本で足りる方が、ポカリスエットを水500ccに置き換えるならエナジージェルを2本でも足りなくなる。
エイドステーションでの固形物も摂取していたが、キツイ上り坂になるとかなり心拍数が高くなったように感じるが心拍数は120とか低い数値を保っていた。これもガス欠のアラームと思い、そのような時はとにかく胃に入れた。
これだけ暑いと胃腸に何がしらの不調は出てくるが、我慢できなくなるくらい気持ち悪くなる前に対処した。
夕方になるとエイドで温かいコンソメスープが用意されたら飲むようにした。また持参したお吸い物をいただいたお湯に溶かして飲むなど胃の働きを保つよう気を使った。
直接の暑さ対策ではないが、今回はエイドでの滞在時間を少し長くした。いつもは水分を補充してエイドにあるフルーツなど食べたらすぐにスタートするが、今回は身体に水をかけて冷やしたり、終わりかけの脚をマッサージして少しでも動くようにした。1分1秒でも速くゴールしようという気持ちを捨て、とにかくエイドに到着した時より、回復してから次のエイドに向かうようにした。
想像すると苦しくなるほど遠く険しい道のりを考えるのではなく、10数キロ先のエイドを目指し、到着したら、また10数キロのエイドを目指す。その道のりも一歩一歩積み重ねていった。
阿蘇ラウンドトレイル⑤ に続く