明日は奥武蔵ウルトラマラソンです。2014年に走って以来久々にエントリーしました。
練習ではコースの一部を走ってますが、大会だとまた別モノなので楽しみにしていましたが、阿蘇ラウンドトレイルの序盤に痛めた足首など右脚の状態がなかなかよくならないので、本命のサロマ湖のためにDNSもチラついていましたが、大会以来、ポイント練習はいっさいやめてリカバリーに徹したこともあり、木曜日にケッズトレーナーの担当者に聞くと、スピード出さなければ大丈夫とのアドバイスがあり走ることにします。
初夏の奥武蔵をのんびり楽しんできます。
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さて、最近奥武蔵ウルトラを走りはじめた方は知らないと思いますが、2014年は7月最終週、私が初めて走った時は8月第1週の非常に暑い時期に開催されていました。
2015年から真夏のオクムから、初夏のオクムに変わりましたが、開催時期を変える決断をした理由について、スポーツエイドジャパンの館山代表がこのように語っています。
「真夏のオクム」から「初夏のオクム」へ
私も走りかなり危険だと感じました。その時のことを書いた記事を転載・一部編集して紹介します。
*画像は今年の練習会で撮影したものです。
奥武蔵ウルトラマラソン無事ゴールしました。
こんなコースです。
2011年までは20キロまではあまりアップダウンがなくウォーミングアップ的に走れましまが、2012年にコース変更があり序盤から厳しくなった。
7時のスタート時点で汗が吹き出るくらい蒸し暑く今日は無理したら危ないと感じた。
スタートしてジョグペースで走ったが、状況はスタート前に感じていた危惧をはるかに上回っていた。
気温が高いだけではなく湿度が異常に高く体温がどんどん上がっていく。
身体の表面をサランラップで巻いたみたいと書いたら大袈裟だが体温の逃げ場がない。
4キロくらい走って砂利道になったあたりで心拍数が激しく上がり、これはマズいと歩きを入れた。。
過去にこんなことはなく、初めての経験だった。
グリーンロードに入れば日陰もあるので体感温度は下がると期待して鎌北湖までは無理しないで走ることにした。
序盤から歩いたらカッコ悪いとか考えずに上りで心拍数が上がったと感じたら早歩きに切り替えた。
スタート〜20キロ
4’53-5’31-5’35-6’55-4’51 27’48
4’51-4’57-5’02-5’32-5’41 26’05
5’38-8’35-7’11-6’07-5’13 32’47
4’35-5’04-5’37-5’47-6’48 27’54
(スタートから1’54’34)
ハーフ通過で2時間は切っていたから状況を考えたらまあまあ走れていた。
20キロ付近の鎌北湖エイドの救護室で速いウルトラランナーが手当を受けているのを見て
今日は無理しちゃいけない。序盤の判断は間違っていなかったと思った。
さらに鎌北湖からの激坂を登っていると、奥武蔵道場の速いランナー二人がリタイアして下ってきた。。
例年とは明らかに違う。
序盤抑えたつもりだけど既に激しく消耗している。
まだ55キロ以上あると思うと気が遠くなるけど進むしかない。
スタート前からタイムは狙えないとは感じていたけど完走も危うい。
でも絶対に完走はする。
私は速いランナーではないけどスタートしたらどんな状況でもどうすればゴールできるか考えてゴールを目指す。
この考えに賛同する人もいれば賛同できない人もいる。
歩いてゴールしても価値がないと言う人もいる。
ウルトラマラソンを走る意味や目標も人それぞれだから、私はその意見に対して賛成も反対もしない。
【自分がどうありたいか。】だけ
私はその日の状況によりどうすれば一番速くゴール出来るか考える。もちろん何があってもゴールするのは必須条件。
歩くだけでも熱中症になりそうな状態だから、自分に2つのことを課した。
【体温を上げない】そして【心拍数を上げない】
ホント命にかかわる。
そのために、全エイドで水を被る。そして緩く走れる上りも走らない。
上りを走るとゆっくりでも心拍数は上がるが、これが高温多湿状態では非常に危ない 。
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20〜30キロ
6’22-9’15-7’20-7’43-10’43 41’25
8’35-6’04-11’00-10’51-8’17 44’50
(スタートから3’20’49)
50キロまで上りメインのコースで上りは全歩きと決めたので当たり前のタイムだ。頑張って走ってる人にはガンガン抜かれたし、知り合いにも抜かれた。
途中応援している24時間走日本代表の知り合いがいる前ももちろん歩いた。カッコ悪いとか考えないようにした。
すべては自分で決めたこと。
ただダラダラ歩いた訳ではない。
腰の位置を高く保って腕をしっかり振ってリズミカルにガシガシ登った。
登りではいろんな人がいた。
リズミカルに走っていく人
よろけながらもゆっくり走る人
スピード上げて走ったと思うと立ち止まる人
走りと歩きを混ぜながら登る人
ダラダラ歩く人
ホントいろいろだった。
みんな暑さに負けずに必死に頑張っている。
私は上りでは体温と心拍数を上げないことを意識するとともに脚に疲れを残さないようにした。
なぜなら下りや平地は走るつもりでいたから。
下りになれば自分を抜いていった方々の大半を抜いた。
下りもスピードを上げようと思って走ったわけではなく腰の位置を意識してリズミカルに下った。
そして下りが終わり上りに入った際に、頑張らないと腰の位置を保って走れないという場所から歩きに切り替えた。
なぜなら腰の落ちたフォームは脚に大きな負担をかける。
30〜40キロ
7’10-8’40-8’55-9’05-8’27 42’19
11’02-8’34-8’57-9’58-8’51 47’25
(スタートから4’50’33)
39キロ過ぎて半分を超えたあたりで完走は出来るだろうけど10時間くらいかかるかも?なんて思った。
ただ途中のエイド手前で順位を数えてる人がいて229番と言われて驚いた。
これだけ歩いているのに229番なら最終的に200番以内には十分に入れると思った。
7時間50分で走った昨年の順位は200番くらい?
相当過酷な状況であることを再認識した。
奥武蔵ウルトラマラソンは50キロ過ぎて折り返しがあるので速いランナーともすれ違う。
とんでもなく速いランナーだと、有り得ない位置ですれ違うこともある。
今年は40キロ過ぎた辺りですれ違ったが例年とほぼ同じ場所だった。トップ選手も苦しんでいる。
40〜45キロ
9’30-5’31-8’33-7’03-6’20 36’59
(スタートから5’27’32)
この辺りで速い友達とたくさんすれ違った。
たまたま私が下りの時は走ってるからいいが、上りの時は確実に歩いてるから根性ないと確実に思われた。でも自分で決めたこと。
45〜50キロ
折り返しは50.8キロで到着は6時間少々。GPSは49キロを示していた。
8’30-8’33-7’03-6’41-5’23 35’44
(スタートから6’03’46)
エイドでかき氷を食べて、今回初めてトイレに行ってスタート。
ハーフ通過が2時間で50.8キロが6時間と言うことは、そこから30キロ弱を4時間。なんとキロ8分!
上りは歩きだから当たり前か・・・。
折り返し時の身体の状態は、安全に走ったことから脚にもほぼダメージはなく、熱中症の症状も、脱水症の症状も、ガス欠の症状もない。これは行ける!!と思った。
残り27キロは前半同様上りは全歩きで下りは走るつもりでいた。大半が下りだから走れる区間は長いから3時間半あれば戻れる。
9時間半は切れると思った。
とにかく完走できる目処はたった。
すると、折り返した直後に急に暗くなってきた。
その前からゴロゴロ遠くで雷鳴がしていたので、いよいよきたかと思った。
そして土砂降りになった。
身体が冷えて気持ちいい。
下り基調だからペースはどんどん上がる。
51キロ地点まできた脚はまだ残っている。上りはあるが距離は短い。最初は上りは無理しなかった。
50〜55キロ
4’51-4’51-5’17-6’23-6’12 27’35
(スタートから6’31’21)
身体が冷え、頭も冷えネガティブな考えも吹っ飛んだ。
折り返しで飲んだアスリチューンも効いてきた!
激しい雨で道路が水没してる箇所もあるのでスピードをコントロールしながら走った。
折り返しからは面白いように先行するランナーを抜いた。
折り返しまでは全てのエイドに寄って補給と水かぶりをしたが、雨で身体が冷やされたので折り返しからは給水は二回に一回もしくは三回に一回にした。
雷がかなり近づいてきた。
私の斜め上を通る電線がピカッと光った時は少し焦った。
雷は一方向ではなく前後左右で雷鳴を響かせている。そして稲妻も凄い。
でも不思議なくらい恐怖はなかった。
怖くないのだ。。
あちこちで落ちているのに恐くない。
熱中症や脱水症になっておかしくなった訳ではない。
日本における雷の被害者は毎年10数人。
こんな低い確率なのに私が感電死したなら、そこまでの人間だったと言う事。
そもそもこのレースにおける危険事象はこんな感じと思って参加しました。
【高温多湿】【交通事故】【落雷】【土砂崩れ・落石】【暴風雨】【熊、毒蛇】
高温多湿が一番怖い。
この一帯は熊も出るがレース中は出ないだろう。
雷はもちろん怖いけど、レース中に車にひかれるリスクの方が明らかに高い。
もちろん、周りの木に落ちて地面を通じて感電しないよう道路の端は走らないようにした。
駅のホームを歩いていたって、車を運転していても、建物の中にいても死に至る事故に遭うことはある。
だから恐れすぎてはいけない。
あの状況の最善策は速くゴールして体育館に入ることだと思った。。
55〜65キロ
6’36-5’08-4’42-5’45-5’27 27’38
4’56-5’23-5’27-4’58-4’32 25’19
(スタートから7’24’20)
しかし場所によっては、道路は川になり足首まで埋まってしまう。スピード出したくても抑えなければ危ない箇所も多々ある。
顔振峠の茶屋があるエイドを過ぎたらゴールまであと13キロ
スタートして65キロ地点なのにますます元気になる自分が面白かった。
65〜70キロ
5’21-6’43-5’07-5’03-7’20 29’36
(スタートから7’53’56)
顔振峠から先も下り貴重ではあるけど長めの上り坂もある。ただ上りも腰の位置を高く保ち腕をしっかり振ることで脚がグイグイ出ていく。今までにない感覚だった。
上り坂で加速する感覚も初めてだ。
たぶん最近気をつけている体重をしっかり乗せることが出来てきたのだ。
ゴールまで10キロを切り8時間30分切りも視野に入ってきた。
しかしユガテエイド手前で想定してなかった出来事が発生しました。
水溜りの中に段差があり足首を捻ってしまったのだ。幸い軽く捻っただけだったのでエイドで少し様子を見てスタートした。最初はゆっくり様子をみて走り始めたが問題はないのでスピードを上げた。
ただそれからは水溜りが怖くなり深そうなとこはスピードを落として通過した。
70〜75キロ
6’53-5’10-5’01-4’47-4’56 26’51
(スタートから8’20’47)
鎌北湖エイドを過ぎたらもう3キロない。
エイドを過ぎて前にいるランナーを数人抜いたらもう視界には一人も見えない。
あと1.5キロくらいはのんびり走ろうと思った。
8時間30分も確実に切れる。
そう思った矢先の緩い下りを下りきる手前で後ろから軽い足音が近づいてきた。
折り返してから一瞬抜かれても抜かれた人は全員抜き返した。負けず嫌いで抜き返したわけではなく普通に走っていたら自然に追いつき自然に抜いていたのです。
もうタイムも順位も関係ない。
迫ってきたランナーを見ると私より年上だけどランパン・ランシャツで脚の運びはスムーズでかなり速そうな感じだった。またかなり余裕がありそう。私と同じような走りをしたのだと思った。
サブスリーペースで走っているから、一気に抜かれた。
その瞬間に私もペースを上げていた。まさかこんな結末が待っていたとは思わなかった。
私はウルトラマラソンのゴール手前でのスプリント勝負は好きではないが、ここまで来て自分に余力が残っていながら抜かれたら悔いが残る。
ゴール前のスプリント勝負なら多分負けないと思うがその前に勝負をつけようとペースを上げて振り切った。
4’05-1’55(3’53ペース)
そしてゴール
8時間26分51秒
しかしラスト1.5キロになってキロ4分切って走るとは思わなかった。
総合順位 139位(40代順位 56位)
折り返し前に229位と数えて頂いていたからかなり順位は上がっていた。
タイムも昨年より36分遅いだけ。
最初は、完走も危ない。と真剣に思った。
そして、10時間は切れるかもと思い、上手く行けば9時間切れるかもと思った。
結果は8時間30分が切れた。
今回はいろんなことを学べたレースになった。
特に上り坂を楽に加速していく感覚を忘れないうちに再現してみたい。
最後に、今回は過去にない過酷なレースだった。
完走した人も、リタイアした人もこんな過酷なレースにエントリーしてスタートしたことは素晴らしいことです。またエイドのボランティアの方々をはじめとした大会スタッフには心より感謝している。ウルトラマラソンを走るランナーが何を飲みたいかを分かってる方々にはホント感謝。コーヒー牛乳やいちご牛乳なんて奥武蔵以外ではみたことない。
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私自身、一気に読むと、当時の記憶が呼び起こされました。
また、アスリチューンを大会で使ったのはこの大会が初めてでした。
アスリチューンはこの時点でエナゲイン(赤)とスピードキュア(青)の2種類が販売されていて、ポケットエナジー(黒)の試作品をこのレースで試しました。
今では、ポケットエナジーグレープ味(黒)に続き、ポケットエナジーオレンジ味(白)、そしてポケットエナジーブースト(金)が発売された。
そして、スポーツエイドジャパンの館山代表に、アスリチューンとアグレッシブデザインを紹介し、奥武蔵ウルトラだけではなく、スポーツエイドジャパンの主催大会に出店している。
さて、明日のアスリチューンブースでは、コーヒーゼリー味の新製品の試食や、会場価格で販売する。またアグレッシブデザインの日焼け止めをスタート前に塗ることもできます。
私もブース付近にいると思います。