(2019年7月10日)2017年、2018年にアップした下記記事に2019年のサロマ湖ウルトラマラソンの結果を追加しました。
サロマ湖100kmウルトラマラソンの参加定員は3,550人と決して少なくはありませんが、それがエントリー開始とともに30分も経たずに定員になるほど100kmを中心としたウルトラマラソンの人気は高まっています。
ウルトラマラソンはゆっくり長く走るイメージが定着しています。実際、制限時間内の完走を目指すランナーの大半は歩きを交えてゆっくり走りますが、トップランナーは驚くようなスピードで100kmを駆け抜けます。
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日本のウルトラマラソンは世界的にもレベルが高く、今回紹介する100kmマラソンの世界記録は男女とも日本人が保持しています。2017年のサロマ湖ウルトラでは板垣選手が歴代2位の好タイムを出し優勝(2017年世界ランキング1位)し、2016年のIAU世界選手権では山内選手が優勝(2016年世界ランキング1位)しました。
これら最近の活躍は様々なウェブページやSNSに掲載されているので、活躍した選手の知名度は高まっていますが、富士登山競走の佐々木和子選手のように、SNSなどがまだ普及していない時代に活躍したレジェンドがウルトラマラソンの世界にも多数存在しています。
ウルトラマラソンと言っても様々な距離がありますが、まず最初に24時間走について調べてみました。
24時間走 250KMオーバーの日本のウルトラランナー一覧
今回は、100kmマラソンの公認記録についてDUVウルトラマラソン統計(通称 DUVサイト)の歴代ランキングと年度別ランキングに掲載されている公認大会の記録のみ掲載させていただきました。
ウルトラマラソンをしている方は、DUVサイトで自分の記録を調べてみてください。サロマ湖など走った方であれば、自分は世界ランキング何位なのか分かりモチベーションが高まります。
今回は、6時間40分以内にしたのは、近年の日本代表選考レースであるサロマ湖ウルトラで4位以内に入り、代表に選出される目安が6時間40分以内であるからです。また6時間40分で走るためには平均4’00/kmペースです。
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*以下出典はDUVウルトラマラソン統計(通称 DUVサイト)やサロマ湖100kmウルトラマラソン公式ページです。
歴代順位-記録-名前-開催年-(6時間40分以内の回数)敬称略
- 6:09:14 風見 尚 2018(2)
- 6:13:33 砂田 貴裕 1998(3)
- 6:14:18 板垣 辰夫 2017(3)
- 6:18:22 山内 英昭 2016(6)
- 6:20:49 早坂 光司 2018(2)
- 6:22:08 三上 靖文 1999(6)
- 6:22:55 行場 竹彦 2018(2)
- 6:23:00 佐々 勤 2004
- 6:23:21 渡邊 真一 2007(2)
- 6:26:23 近藤 公成 1995(2)
- 6:26:29 中村 泰之 2019(2)
- 6:28:35 川内 鮮輝 2018
- 6:30:21 中西 健二 2007(2)
- 6:31:06 長谷川 清勝 2011
- 6:33:11 安部 友恵 2000
- 6:33:30 原 良和 2012(2)
- 6:33:38 仲川 栄二 1994
- 6:35:49 能城 秀雄 2012(6)
- 6:36:34 小島 成久 1992(3)
- 6:36:39 永田 務 2015
- 6:37:15 内芝 修司 2000(2)
- 6:38:06 小林 義明 2003
- 6:39:13 吉原 稔 2017
- 6:39:32 豊永 哲央 2019
*赤の下線を引いた選手は2018年6月30日以降、6時間40分以内のタイムを出した選手
DUVサイトによると、6時間40分以内で走った日本の選手は20人(内 女子選手1人)です。最近活躍中の選手とともにウルトラマラソンのレジェンドというべきウルトラランナーが名を連なっています。まさしく歴史を作ってきた選手です。(2019.7時点では24人 女性選手1人含む)
(2018.6月追記)
トップの風見選手の6時間09分14秒は1998年に砂田選手が出したロード世界記録を抜くとともに、あまり知られていませんが、トラック競技の100km世界記録である6時間10分20秒(1978年イギリス Don Ritchie選手)も抜きました。
また15位にランクされている安部選手は女子の世界記録ですが、女子選手で6時間台で走った選手は世界で安部選手ただ一人です。また女子の世界歴代2位は櫻井教美選手の7時間00分28秒です。
また砂田選手や、近年素晴らしい結果を出している選手のことはウルトラマラソンをしているランナーであれば名前は聞いたことがあると思いますが、6番目にランクされている三上選手の記録を見ると驚きです。タイムも速いけど、6回も6時間40分以内で走り、サロマ湖ウルトラマラソンでも5回優勝しています。
そして15番目にランクされている能城選手も6回 6時間40分以内で走り、サロマ湖ウルトラマラソンでも3回優勝しています。
近年は、ウルトラマラソンを走るランナーが増えてきました。また今年のサロマ湖で板垣選手が世界記録に迫る走りをしたことや、24時間走世界選手権で石川選手が優勝したことからマスメディアに取り上げられる機会も増えてきました。そのような時だからこそ、その礎を作ったランナーのことをもっと知って欲しいと思います。
能城選手は、2017年のサロマ湖ウルトラマラソンは6時間52分08秒で走り8位でしたが、2001年に初めて6時間台を出してからこれほど長期に渡って6時間台で出しているランナーは世界でもほとんどいないと思われます。日本を代表するウルトラマラソンのレジェンドの一人です。
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また能城選手はウルトラマラソンを始めてから十数年経った2014年に2時間24分46秒と初めてフルマラソンで2時間25分を切りました。よくウルトラを走るとフルが遅くなるという方はいますが、私が知る限りでも、能城選手以外に、上記一覧表掲載の砂田選手、板垣選手、山内選手、永田選手は、ウルトラを走ってからフルマラソンの自己ベストを出しています。
ウルトラマラソン走るとフルマラソンが遅くなる??
マラソン走ると5000mや10000mが遅くなる・・・という話も聞きますが、このように何かをすると何かが遅くなるとネガティブに捉えるのではなく、どうすれば相乗効果が出せるかと、考えて練習を組み立てるならいろいろ気づきはあると思います。
もちろん、記録が順調に伸びている時にあえてアプローチを変える必要はないと思いますが、記録が停滞している時に同じようなアプローチで練習しても結果は変わらないことが多いでしょう。
マラソンを速くなるためにバーチカルレースにチャレンジする効果を元上武大学コーチでスカイランナーの星野さんから教えていただきましたが、ウルトラマラソンを走ることも、フルマラソンを速くなるためのアプローチの一つです。
2018年のサロマ湖ウルトラマラソンの結果についてはこちらをご参照ください。
2019年のサロマ湖ウルトラマラソンの結果についてはこちらをご参照ください。
女性で8時間以内を記録した歴代選手はこちらです。