2020別府大分毎日マラソンの気づき

2020年2月2日に開催された別大マラソン走ってきました。

昨年11月から年明けまでは体調が今ひとつだったが、1月12日のハイテクハーフあたりから目に見えて体調が回復してきたのを感じ、そもそも脚の状態は良いので、これは久々に良いレースができそうと思っていた。日差しが強くなる予報が気になったが、風はさほど強くなく、暑いと感じたら早めに水をかぶること、経口補水パウダーを早めに摂取することなど考えスタートを待った。

今回は心拍ベルトを付けたが、これはレース中に見るためではなく客観的なデータをとるため。最近は見なくても165を超えたあたりから自分の心拍数をほぼ正確に分かるようになってきた。そのデータから私の閾値は170でこれを超えると急激にキツくなる。理想は165前後で、この心拍数を保ってどこまで走れるかが鍵だと考えていた。10km以内なら170を超えても耐えることができるので、少なくとも32kmまでは170未満をキープしたいと考えていた。

ペースの目安は序盤4’06-10/km。このペースなら中間点までは心拍数を165以内にコントロールして走れる。ロスタイム25秒(昨年は21秒)として、このペースだと中間点を1時間28分前後で通過するので、30km以降多少失速しても3時間は切れる。そのままペースを維持できれば自己ベスト更新も狙えると考えていた。

(28km付近)

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結果は、スタート直後から思い通りにならなかった。

ラップタイム(順位)平均心拍数

 

ロス 00:37 (1645位)
5km 20:52 (1597位) 167
10km 21:19 (1684位) 167
15km 21:12 (1700位) 169
20km 21:24 (1693位) 169
25km 21:29 (1678位) 170
30km 21:20 (1577位) 173
35km 22:07 (1459位) 173
40km 23:07 (1405位) 172
Finish 10:19 (1399位)  171

ハーフ通過 1:30:03(1694位)

Finishタイム 3:03:46(1399位)

記憶しているレース展開を簡単に書きます。

昨年はスタートロスが21秒で今年も同じような位置からスタートした。

今年は、私の前にペーサー・視覚障害者部門のランナー除いて1,730人のランナーがエントリーしている。タイム順整列のため例年驚くほどスムーズにスタートラインを抜けることができていた。

しかし、今回は前で転倒者がいたのか、2度ほど急ブレーキがかかり、危うく多くのランナーが将棋倒しになりそうになったが、幸い目に入る中で転倒者はいなかった。そして37秒後にスタートラインを越えた。

序盤は周りのランナーとの間隔が近いので、ペースを作りにくいが、最初の5kmのラップはロスを除けば20’52とほぼ予定通りのペース。しかし5kmを前にして既に心拍数は165を超えていた。通常であれば、このペースではここまで心拍数が上がらないが、スタート前から胃がムカムカしていたことが原因。

正午スタートのレースは朝食をとってから時間があくので、今回は7時過ぎに朝食をとってから、会場についた10時頃軽く補食した。過去この程度であれば気持ち悪くなることはないが今回はしばらく胃腸の調子を崩していたことに加えて、レース前の緊張感から胃腸の機能が悪かったのではないかと思う。結果論になるが、今回に関しては食事は少し足りないくらいが良かったと思っている。

胃のむかつきは走っているうちにおさまると思っていたが、時間の経過とともにおさまるどころか気持ち悪さは増大し吐き気も出てきた。

ランナーズアップデートを見ると、前半はサブ3ギリギリのペースに抑えて走っているように見えるが、これは抑えているのではなく、頑張ってギリギリ保っていたのだ。

気持ち悪さからペースが落ちた5kmから15kmまでに100人ほどに抜かれた。当初予定では5kmを20’30-20’50を考えていたので、それより30秒ほど遅いのに余裕がないことは想定もしていなかった。しかし気持ち悪さがおさまればペースアップできるかもしれないと希望を捨てずにギリギリのラインにしがみつくかのように走った。

15kmを過ぎるとサブ3ペースの5km21’16からも数秒づつ遅れ始めたので無理してでもペースを保とうとペースアップすると心拍数も上昇してきた。この辺りで心拍数は見てないが、170前後には達していると感じた。(レース後に確認するとラップ平均で169)

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また気温は少し高い予報だったが、それ以上に日差しがキツく体感温度は上昇したので給水のたびに身体に水をかけて冷やした。

こちらは、気象データを調べてみたので掲載する。

私に限らないが、誰しも暑いと心拍数は上がりやすい。暑さに強い・弱いと言われることがあるが、フルマラソンにおいては、心拍数の上がりやすいランナーは暑さに弱く、心拍数が上がりにくいランナーは暑さへの影響は小さいように感じている。

今年はコンディションが良く、仲間は自己ベストを出しているのに自分はダメだった。と思っている人は少なくないと感じたので、私の感覚ではなくデータを調べた。これは気象庁のデータですが非常に分かりやすい。(キャプチャーを掲載する。)

今年

昨年

昨年の18℃を超える気温を考えれば、今年の12℃台は涼しいはずだが同様に暑く感じたのは昨年は日照時間が0から0.2(1時間のうち0分から12分日照あり)に対して、今年はずっと1.0(1時間のうち1時間日照あり)です。全天日射量も昨年はスタート時1.04で3時間後には0.31に落ちたが、今年はスタート時は2.23でその数値が続いている。ようは昨年は曇だったが、今年は快晴だったということ。

気温が高くないから電解質補給の準備が不十分で、結果として脱水により気持ち悪くなったり、足攣りで走れなくなったランナーは少なくないと思う。

20km過ぎても気持ち悪さは増してくるから、今日はダメだと気持ちはネガティブになってくる。今回ばかりはカフェイン入りのジェルをとっても吸収がよくないからか覚醒感はほとんどない。胃薬を持っていたから飲めば良かったのだが、そのことにも頭は回らない。でも気持ちは切らさないようにした。
25kmでラップを見ると5kmでサブ3ペースより10秒以上遅れているので、ここで上げねばとペースアップすると当然苦しくなったが、ここで落とせばもう挽回出来ずズルズル落ちてしまうと耐えた。体感的には21分には戻したつもりが30kmでラップを見ると21’20。少しは ペースを戻せたが、もう一段階上げようとすると今でさえキツイ心拍数がさらに上がり続ける。先天性の不整脈のある私にとってはこれ以上は危険域なのでここからは心拍数を上げずに走れるペースでギリギリ粘る展開となった。

30-35kmは22’07と落ちたが、それでもレース後に応援ナビを見ると前半から35kmまでに250人抜き、35kmからフィニッシュまでさらに60人抜いている。みんな苦しんだのだ。

30kmから35kmまでは、幾度となく自分自身との葛藤が続いた。ここからスパートすればギリギリ間に合うかもしれないという気持ち、サブ3以外は同じという気持ち、過去レース中に何度かドックンという危ない鼓動をうった時の恐怖心など入り混じった。

その中で、心拍数をこれ以上上げることなく、どうすればペースを保てるかを試行錯誤しながら走った。

(競技場直前の下り坂)

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フィニッシュ後は倒れ込みはしなかったが、少し歩いては立ち止まり膝に手をつき休むを繰り返しながら荷物預けの体育館に向かうほど疲弊していた。

今回は良い走りができると思っていただけに、序盤から思うような走りが出来なかったことにガッカリしたが、一方で序盤から厳しい状況になりながらも何度も何度もペースアップし(5kmごとラップには現れない)出し尽くしたこと、そして思うように走れない中で試行錯誤し、身体に大きなダメージを残すことなく無事完走したのだから十分だという気持ちもあった。

複雑な気持ちだが、

結果には満足してないが過程には満足している。

という感じだ。

そもそもの原因は、胃腸を含めてまだ完全な状態ではないのに、良い状態になったと過信したことだが、この経験は先々生きると思っている。

また、最近の練習で試しているランニングフォームを、キツくなってきた時に意識的に行ったら身体が進んだ。今回苦しみながらも30kmまで保たせることができたのだから、状態が良い時ならもっと効率よく走れると実感した。

何を意識したのかを簡単に書くと、ヘソ(下腹部)が斜め下を向くようにすること。私は上体が起きやすく、起きてしまうとペースが保てなくなるが、この意識を持って走ると身体が起きにくい。今回はお腹の調子が悪くほとんど意識できなかったが、接地の際に逆の脚が反動で上がる時に膝と腹を1cmでも近づけるようにすると楽にストライドが伸び、足捌きがよくなるので練習で定着をはかっている。この意識はスピードを出すと上体が立ち・後傾しやすいランナーには有効だと感じている。

これは心身ともに精根尽きた38km付近で知り合いが動画撮影してくれたものだが、この頃のフォームを客観視したかったので送っていただいた時は嬉しかった。

ヴェイパーフライネクスト%の効果がほぼない走りだが、ヘソの辺りを下に向けて脚をその場に下ろすことだけを意識したところ、もうフィニッシュまで身体を運ぶだけの心身の状態でも5km23分に踏みとどまることができた。動画を見ると、目線はもっと近くを見たら良いと感じたが、それも客観視できたから気付けたこと。

レース翌日の身体の状態は胃腸はまだ疲れている他、尻や太もも、腹筋はかなり使ったのか張っている。またシューズの影響なのかふくらはぎやスネは大丈夫だが、寝てる時に何回か足底が攣りそうになった。また足の指先が痛い。

今週は負荷を落としてリカバリーをしっかりして状態を良くすることはもとより、今回のレース中に気づいたことを負荷がかからない範囲で確認し定着をはかりたい。

今回に限らないが、終わったことを悔やむのではなく、なぜそのような状態になったのか考えることが大事だと思っている。そして、考えるだけではなくいかに結果に繋げるかが大事。



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