<スポンサーリンク>
2月16日に東京都青梅市で開催された第54回青梅マラソンで、東京オリンピック女子マラソン日本代表に内定した前田穂南(てんまや)が1時間38分35秒の日本記録で優勝した。
従来の記録は野口みずきが2005年ベルリンマラソンの30km通過タイムで出した1時間38分49秒。
大会記録は2004年開催の第38回大会で、おなじく野口みずきが出した1時間39分9秒だった。
青梅マラソン30kmのコースは概ね前半が上りで、後半が下りであるが、小刻みなアップダウンがあり選手の脚を削っていく。
そのコースの大会記録を出した前田選手の5kmラップはこちらです。
16:18-16:18-16:48-16:22-16:37-16:12
20km通過が1時間5分46秒ですから、21.0975kmは1時間9分台でしょうが、上り基調でこのタイムは凄いの一言です。
前田選手のハーフマラソンベストは2019年12月15日に開催された山陽女子ロードレースで2位(日本人では1位)になった際の1時間9分08秒てす。この時の20km通過は1時間5分33秒ですから高低差を考えたら今回の方が速くハーフマラソンを走りつつ、30kmまでほぼイーブンペースで走りきったのです。
<スポンサーリンク>
注目すべきは、野口みずき選手が2004年青梅マラソンの大会記録を作った翌年の2005年ベルリンマラソンで2時間19分12秒の日本記録を出し、その前の大会記録保持者である高橋 尚子選手が2001年大会で1時間41分57秒を出した直後のベルリンマラソンで2時間19分46秒の当時の世界記録を出したことです。
偶然青梅マラソンと世界屈指の高速コースで開催されるベルリンマラソンの比較になりましたが、気象コンディションやレース展開など違うのを承知で比較してみました。
野口 1:39:09→2:19:12 約1.404倍
高橋 1:41:57→2:19:46 約1.371倍
ちなみに30kmとフルマラソンの距離は約1.407倍ですから、野口選手は青梅マラソン とベルリンマラソンはほぼ同じペースで、高橋選手に至っては距離の長いベルリンマラソンの方が速いペースなのです。
今回の前田選手の1時間38分35秒を野口選手と同じ1.404倍すると2時間18分24秒。高橋選手と同じ1.371倍すると2時間15分9秒。
2時間15分台はともかく、2時間18分24秒は高速コースで気象コンディションに恵まれれば達成可能でしょう。
女子マラソンは2005年から日本記録が止まっていますが、ようやく日本記録更新が期待される選手が現れました。
女子の世界記録は2001年に高橋選手が2時間19分46秒で初めて20分を切ると、その年にケニアのキャサリン・ヌデレバが18分台を出し、翌年2002年には英国のポーラ・ラドクリフが2時間17分18秒を出し、さらに2003年に不滅の記録と言われた2時間15分25秒を出しました。
そこでしばらく時間は止まりましたが、2019年シカゴマラソンで、ケニアのブリジット・コスゲイが、2時間14分04秒の世界記録を出し、その記録がナイキの厚底シューズ規制論議の契機になったとも言われています。
<スポンサーリンク>
前田選手の自己ベストは2年前の2018年1月の大阪国際女子マラソンの2時間23分48秒で、世界記録とは約10分の差がありますが、現在はここまでの差はないでしょう。
こちらは青梅マラソン公式ページに掲載されたフィニッシュ時の動画です。
伸びやかで素晴らしいフォームです。
あなたの予想が本当に正解しましたね!!
2時間18分59秒
野口選手と高橋選手からの予測の間に入りました。
川内選手のように最大酸素摂取量が飛び抜けて高い選手なのでしょう。
オリンピックでは、メンタル面でどれだけ平常心を保って走れるかが鍵でしょうね。