11月12日に、来年の大阪国際女子マラソンの開催要項についてこのような記事を書きました。
<スポンサーリンク>この中で、2022年以降の予想なども書いていますが、主たる内容は2021年1月の参加資格が3時間10分以内から2時間50分以内に変更されたことです。
マラソン : 2時間50分以内
30km : 1時間58分以内
ハーフマラソン : 1時間17分以内
10000m、10km : 35分以内
この20分は非常に大きなタイム差であることはランナーであれば分かると思います。
2020年大会は515名のエントリーがありましたが、今回発表された資格タイムをクリアしているのは80名と15%程度の選手しか走れないことになりました。
毎年参加しているランナーや、多少資格タイムが上がっても参加できるかもしれないと思っていたサブ3ランナーなどガッカリしたランナーは少なくないでしょう。
この記事を書いて数週間経ったこの週末に、Facebookに「大阪国際女子マラソンの資格とりました。」という投稿が何件か上がってきて、最初「??」でしたが、以前より大阪国際女子マラソンの参加資格を得るための大会として一部ランナーには知られている公認30km大会の大阪ロードレースが開催されていたのです。
私自身、募集されていたことも、またコロナ禍の真っ只中の大阪で開催に踏み切ったことも知りませんでした。
参加者最大数は150名と絞った大会で、参加資格は上記リンクに掲載されていますが、男子に比べて女子は参加しやすい設定になっています。例えばマラソンのタイムだと男子は2時間45分以内で、女子は3時間45分以内です。
この大阪ロードレースに大阪国際女子マラソン参加の最後の望みをかけて走った兼松 藍子さん(TEAM R×L)に話を聞きました。
兼松さんは100kmと24時間走の世界選手権日本代表選手で、2018年の100kmは5位入賞で、2019年の24時間走は6位入賞です。両種目で入賞した選手は男子含めてもほとんどいないと思われます。
2018年IAU100km世界選手権
1 ŠUSTIĆ NIKOLINA 07:20:34
2 ALDER-BAERENS NELE 07:22:41
3 藤澤 舞(札幌エクセルAC) 07:39:07
4 太田 美紀子(京都炭山修行走) 07:39:45
5 兼松 藍子(TEAM R×L) 07:44:58
6 楠瀬 祐子(東京陸協) 07:49:33
この時の日本代表4選手は3位から6位を占めて団体金メダルをとりました。
2019年IAU24時間走世界選手権
1 HERRON Camille(USA) 270.116km
2 ALDER-BAERENS Nele(GER) 254.288km
3 BEREZNOWSKA Patrycja(POL) 247.724km
4 SMITH Pam(USA) 246.290km
5 REX Stine(DEN) 243.749km
6 兼松 藍子(TEAM R×L) 242.440km
この大会にエントリーしたきっかけ
<スポンサーリンク>大阪ロードレースという大会があることは知っていましたが、大阪国際の開催が決まっていなかったときには、今年開催されるのかもわからず、出場する予定もありませんでした。
11月11日、たまたまその日に30km走を行い、調子が良かったこともあり1時間59分台で走ることができました。
その練習帰りに以前のマラソン恩師とたまたま話す機会があり、「せっかく調子が良いことだし、大阪ロードレースが開催決定しているから出場して記録を残しておいたら?」とすすめていただきました。
このコロナ禍に公認レースが開催されるのは珍しく、それならば参加してみようと思いました。なんとその話を聞いたその日に、大阪国際の参加資格が2時間50分へ繰り上がり開催されるとの発表がありました。
私はフルマラソンで2時間50分以内のタイムを持っていません。
30kmの参加資格は1時間58分以内
練習で出したタイムを約1分縮めれば参加資格が取れる。
大阪ロードレースで資格を取りにいきなさいということなのだと思いました。
今期は夏から取り組んできたスピード強化が実を結んで、ハーフマラソンで自己ベストを更新、30km走も理想のペースでこなすことができていました。
多くの大会が中止になる中、これという目標もなく練習を積み重ねてきましたが、逆算するとこの大阪ロードレースのための練習に見事にはまっていたように思います。
結果
1時間56分28秒 5位(大阪国際女子マラソン資格タイムクリア)
レース詳細は兼松さんのブログ「走れ〜あいこのウルトラン生活」をお読みください。
走り終えて
走り終えた時は、とにかく目標タイムをクリアできたことへの安堵感でいっぱいでした。そしてせっかく掴んだチャンスを本番で必ず生かしたいと思いました。自分の力を試せることが楽しみです。
大阪国際女子マラソンとは
実業団も市民ランナーも1年間いろいろなことを乗り越えて練習を重ねてきた女性ランナーたちの集大成のような大会だと思います。(例年は)沿道の応援も非常に大きくて力をもらえます。
また、非常にピリピリした雰囲気の大会ですが、今年は資格タイムが上がり、さらにその空気は強くなると思いますが、今の私なら逃げずに戦えるはずだと信じています。
アールエル
今回の足元はアールエルのゲイターと五本指ソックスTYPE-G。ゲイターの程よいサポートで脚が軽く感じます。ソックスは滑り止めにより速いスピードでもしっかりと地面を踏み込めて安定感を感じます。
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最後に
兼松さんの練習に関する投稿はずっと見ていますが、目標とする大会はなくても、日々の練習の中で小さな目標を見つけてクリアしていく。その自分自身の成長を楽しんでいると感じていました。
そしてスピードがグングンついていることにも驚いていました。
サロマ湖ウルトラマラソンをはじめ目標としてきた多くの大会が中止になる中で、そのようにモチベーションを保ち続け練習を積み重ねてきたからこそ、今回の結果があります。
自分にコントロール出来ないことはたくさんありますが、出来ることを精一杯するかしないかは本人次第です。目標がなくなったなら作ればいい。そしてその目標に向かって進んだら、その先にはきっと成長した自分がいるはずです。
そんなことを兼松さんの取り組みを聞いて改めて思いました。
こちらは2017年に初めてエントリーした神宮外苑24時間チャレンジ前に聞いて書いた記事です。合わせてお読みください。