クリール・シューズトライアルで21足履いてみた感想〜シューズ別ペース〜

4年半前に参加して以来、久々にクリール・シューズトライアルに参加しました。参加費1,500円でたくさんのシューズを履いて感触を確認できるという魅力的なイベントです。

前回は20足履き比べてこのような記事を書きました。

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イベントの流れ

このイベントの流れを簡単に説明すると、会場には各メーカーがテントなど構え、そこでシューズについて説明をしてくれたり貸し出しをしてくれます。そのシューズを履いて自分が納得いくまで走って試すことができるのです。そして受付で渡されたチェックシートに自分の感じたことをその都度書きます。後でまとめて書こうなんて思うと記憶はどんどん薄れてしまいます。イベント終了後にそのチェックシートを受付に提出して終了です。

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シューズを履く前に主観で評価した

今回私はシューズを履く前にシューズの評価をしました。

どのような評価をしたかというと、受付でもらったシートに掲載されたメーカーや品名、シューズ画像を見て、直感的に気になるシューズをA、興味がないシューズをC、それ以外をBと書き込みました。気になるシューズ(A)には理由があります。例えば友人が履いていて評判が良かった、メーカーページを見て気になっていたなど露出が高く以前から試したいと思っていたシューズだけではなく、今回初めて知る(露出の少ない)シューズだけど形状やスペックなどから気になったモデルです。当然ながらブランドイメージもあります。CはブランドやモデルのPRが少ない。ブランド戦略が私にはピンと来ない。過去良いイメージがないブランドや、タイプのシューズなどです。

これは私の主観であり、今回参加した人それぞれ主観は異なると思います。

なぜ事前評価をしたかというと、ランニングショップに並んだたくさんのシューズの中で、Aのシューズは真っ先に手に取るシューズであり、時間があればBのシューズを手に取り、Cは店舗スタッフや一緒に行った友人から薦められないと手に取らないシューズだと思ったからです。

この記事を書きつつ思ったことですが、シューズメーカーとして莫大なコストをかけて開発し、自信を持って販売したシューズであってもユーザーがショップで手にとり足を入れてもらえなければ、その良さを伝えることはできません。そもそもショップ目線に立つと売れそうにないシューズを仕入する余裕はないので、ユーザーの目に触れるケースはさらに限られるので結果として埋もれてしまいます。もちろん素晴らしいシューズであれば口コミで人気は広がりますが、多数のブランド、多数のモデルが次々と発売する中でそれは稀です。

それらの感覚は、トライアル会場で、実際にシューズを手に取り履いてしまうと変わってしまうので、その変わる前のイメージを残す意味で事前評価したのです。

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1周690mのタイム計測をした

全部のシューズをじっくり試したいと思っても、時間は限られているし、体力にも限度はあります。またフィット感、接地感、安定性、反発など主観的なことはもちろんメモしましたが、前回同様客観的要素として1周690mを同じ運動強度・努力度で走ってタイム計測しました。当初はモーションセンサーで計測しようと思ってましたが、バッテリーの充電不足で断念しました・・・。ただモーションセンサーを1回1回計測していくのは結構面倒臭いのでバッテリーが残っていてもおそらく途中でやめたと思います。

タイム計測の前提など

タイム計測した理由は、同じランナーが同じ努力度で走り、違いはシューズだけで客観的数値であるタイムがどれだけ変わるのか調べるためです。

今回は直前に100km走ったばかりのリカバリー期間中なのでキロ5をやや切る努力度にとどめましたが、試したシューズの中にはキロ4、もしくはもっと速いペースで走らないとシューズの特徴を生かせないシューズもあります。そしてもっと長く走れば長いだけ良さが出てくるシューズもあるでしょう。

そもそもレースで速く走るためのシューズではなく、脚を鍛えるシューズもあるので、タイムが速いから良いシューズだとは思わないでください。

今回は690mといっても21足履けばそれなりの距離になります。日差しが強く暑い中、疲労が残っている身体で走るのだから、終盤に行くほどタイムは遅くなる可能性がありましたが、一覧にしてみるとその点は問題なく走れました。

計測は690mですが、メーカーのブースからスタート・フィニッシュ地点への往復でもシューズの特徴などチェックしたので 平均して900mほどはシューズを履いたようです。

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結果一覧

こちらが今回履いた順に一覧にしたものです。サイズも忘れないように都度メモしたのでサイズ感の参考になると思います。こ「画像イメージ」というのは上で書いたチェックシート掲載の画像を見て書いた事前評価で、「走行後評価」は試し履きした後の総合評価です。

走行後評価はあくまで私の評価であり、参加した一人一人異なるでしょうし、私の疲労が抜けている時に走ったら評価は異なるでしょう。またシューズの足型が私に合わないシューズの評価は当然厳しくなります。

走行後評価でAおよびA-は5モデルで、前半から後半まで満遍なくあるので、試し履きの順番によって評価が変わるようなことはある程度排除しました。

また今回走ったペースを考えると、サブ3.5レベルのランナー目線になろうかと思います。

一番速かったシューズは?

今回一番速く走れたのはALTRA バニッシュカーボンでした。2番目はYONEXセーフランエアラス。3番目はALTRAトーリン5。4番目はMIZUNOウエーブエアロ20+Rです。上位シューズの走行後評価はB+が3つとAと高評価ですが、画像だけみて書いた第一印象はバニッシュカーボンがAだったのに対して、その他3モデルはCでした。

上で書きましたが、この4モデルのうちバニッシュカーボンはショップにあれば手に取り足を入れてみようとするシューズですが、それ以外の3モデルはショップで薦められない限りは履くことのないシューズだったのです。

シューズの個別レビューは追って感じたことをそのまま紹介しますが、この4モデルはフィット感など含めて総合評価が高い上にタイムも速く走れていることになります。

5番目に速かったアンダーアーマーUAフローベロシティウインド2の走行後評価は今回唯一のCでした。これはシューズが悪いのではなく私に合わなかったのです。まず幅が狭く小指側が擦れてしまいたった690mでも痛くなりそうでした。足幅が狭い方ならそのようなことはないでしょう。またスピードを出せば評価は変わるかもしれませんが、例えばアルファフライやヴェイパーフライより速く走れるイメージはありません。

アンダーアーマーUAホバーマキナ3は画像イメージはCでしたが、想像していた以上に良いシューズで走行後B+がつきました。アンダーアーマーの2足は事前評価が逆転しました。

一番タイムが遅かったのはカルフ フュージョン オルティックスで、一番速かったシューズとキロあたりペースで32秒も違いますが、その最大の理由は26cmからのラインナップで私の適正サイズがなかったことが影響しています。サイズの合わないシューズでは速く走ることはできません。それでも面白いコンセプトのシューズだと感じました。

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努力度補正(心拍数補正)

努力度が高ければペースは上がりますが、今回一番気をつけたのは同じ努力度で走ることです。ただ長丁場になるので多少なりとも努力度は変わってきます。また転がりの良いシューズだと自然にペースだけではなく心拍数も上がってしまい努力度を高めてしまいます。そこで今回は平均心拍数も調べ掲載しました。その上で一覧を見渡すと最低が135で最高が146とほぼ140前後にまとまっているので努力度を変えないよう走ったことは伝わると思います。その上で平均心拍数をベースにしてペースの補正してみました。

ざっくりですが、平均心拍数が140なら補正なし。140より低ければ補正ペースは上がり、140より高ければ補正ペースは下がります。

例えば一番速かったALTRAバニッシュカーボンの実際のペースは4’32/kmで平均心拍数は142だったので、平均心拍数140で走れば多少ペースは落ちたと思います。そこをざっくり補正して算出したのがHR修正ペースで、4’36/kmという数値になります。(計算式は4’32/ km×平均心拍数142÷140です。)

同様に全てのモデルを補正し直して並び替えをしたのが上の一覧表です。それなりに順位変動はありました。

一覧を見て気づくと思いますが、ALTRAは1位のバニッシュカーボン以外は全て下位です。下位8位のシューズメーカーはALTRAが3モデル、サイズがなかったカルフ、そしてOnは4モデル全て入ってしまいました。

ALTRAに関しては、バニッシュカーボンは従来のALTRAとは一線を画すモデルですが、元々速く走るためのシューズではなく脚を鍛えるシューズというイメージがあるブランドなので、感覚通りのペースで走れたら良いモデルです。Onに関しては今まで試し履きで短時間履いただけのブランドで、なおかつシューズ自体のコンセプトなど他のブランドとはかなり違う独自路線のブランドです。したがってどう走れば良いのか身体が分かっていなかったのが理由でしょう。もう少し具体的に書くと、接地の反発のタイミングが他のシューズと若干違うのだと感じました。

最近発売したクラウドモンスターの補正タイムは下から4番目ですが、今回5モデルしかなかったA(A-含む)評価で気に入ったモデルです。速く走るためのモデルではありませんが走っていて気持ち良いモデルでした。なぜそう感じたかは個別レビューで書きます。

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シューズのクオリティー高くなった

今回、1足あたり、たったの690m+αの距離しか履いていませんが、集中して走っているので色々感じたことはあります。(もちろん、これだけの距離で分かることは限られます。)全体を通して感じたのは、各ブランドが試し履きとして用意したシューズのクオリティーがどんどん高くなっているということです。ランナー一人一人評価は異なるし、私自身でもコンディションによって評価は異なります。また、目的によっても選ぶシューズは変わってきます。その意味では今回履いた中には普段のジョグなど練習で使いたいシューズもありましたし、100kmマラソンで使いたいと感じたシューズもありました。

そして、履く前と履いた後で評価が大きく変わったシューズもたくさんありました。事前評価CからA(A-含む)にジャンプアップしたシューズもあります。私が良いと思ったシューズを、この記事を読んだ方が良いと感じるかどうかは分かりませんが、私の事前評価Cのシューズは知名度も低い傾向にあります。頭の片隅に置いていただきショップで目にしたら手にとってみてください。

今回、全体的にフィット感の良いモデルが多く、ミズノやデサントなど国内ブランドは流石にザ・日本人の私の足には合いました。

また、サッカニーエンドルフィンプロ2のアッパーは柔らかく非常に気持ちよかったのは記憶に強く残っています。ABCマートに行ったら是非履いてみてください。この感覚は言葉にしにくいけど履けば分かると思います。

YONEXの2足もカーボンシューズですが速く走るためのカーボンではなく脚を守るためのカーボンというコンセプトは面白いと感じました。

シューズそれぞれについて感じたことを書きましたら、こちらにもリンクを貼っていきます。

また、クリール・シューズトライアルは、今まで出会うことがなかったシューズに出会うチャンスの場です。ランナーにとってシューズは非常に大事なアイテムです。「メジャーなブランドではない。」「ブランドはメジャーだけどランニングシューズはメジャーでない。」に中にも素晴らしいシューズはあるし、そのシューズとの出会いがランニングを変えるかもしれません。

シューズを履いた直後に感じたことはこちらです。

21足を履いた感想

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