2015年野辺山ウルトラマラソン レース展開

7年前の2015年に100kmを走った直後に書いた記事ですが、多少追記して紹介します。
野辺山ウルトラマラソンは2020年、2021年は中止で、2019年は林道の一部が崩壊したことでコース変更がありました。今年は2018年までのコースに戻ったようです。(関門は変更あり)

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野辺山ウルトラでサブ10達成

5月17日に開催された野辺山ウルトラマラソンは何とかサブテンすることが出来ました。

初めて走るコースなので目標タイム設定や区間タイムシュミレーションに書いたとおりギリギリサブテンが出来るかどうかと自分自身感じていました。ブログでは9時間45分を目安にすると書きましたが、9時間45分を出したかったわけではなく、知らないコースなので多少の想定外があるだろうと少し速い設定にしたのです。特に累積標高2000mを超えるコースのため、高低図に表れないアップダウンの連続と1900mを超える最高標高による酸素の薄さなどは不安材料でした。

ということで自分自身の目標は最高でも最低でもサブテンでした。

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10kmごとラップ

まず10キロごとラップを書きます。ガーミン920xtjの距離とコースの距離表示は若干の差はありましたがさほど不自然さはありませんでした。序盤は登りが厳しいのでガーミンの距離は短く出るため30キロの表示でガーミンは29キロでした。それ以降はほぼ1キロマイナスで進みましたが70キロの表示は明らかにズレていました。65キロの表示から5.4キロ地点くらいでしょうか。安全対策上仕方のないことで位置をずらしたのでしょう。またラスト10キロは300m以上距離が長かったと思います。サブテンが際どい状況だったのでこの距離の長さは辛かったです。

10キロラップタイムはガーミンとランナーズアップデートの数値をベースに修正しました。だいたいこのくらいと思ってください。

  • 51’45
  • 65’09
  • 55’54
  • 55’46    フル通過  3時間59分45秒
  • 48’42    50キロ通過  4時間37分16秒
  • 58’58
  • 65’52
  • 72’30
  • 53’50
  • 69’09

9時間57分35秒

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計画していたラップ

当初予定9時間45分で設定したラップはこんな感じでした。

  • 52’35
  • 59’07
  • 53’34
  • 53’01
  • 50’30 
  • 59’14   
  • 63’14
  • 70’16
  • 56’00
  • 67’28

9時間45分

序盤は苦戦したが焦らず力を温存した

シュミレーションと実際のタイムを比較しながらレースを振り返ります。

【スタート〜10キロ】予定 52’35 →結果    51’45

スタートからの5kmはほぼフラットなコースです。少し速いと感じながらも心拍数が160を超えないようペースを調整しました。5キロ過ぎから徐々に標高が上がり、心拍数が高くなり抑えるのに苦労しました。この区間のラップは予定より約1分速いが、スタートして感じたのは調子は悪くスムーズに走れていないということ。先が思いやられると不安でした。

【10〜20キロ】予定 59’07→結果    65’09

この区間は林道なので力が伝わりにくく走りにくい。約19キロの最高地点まで一気に登ります。ここまで結構前を走っていたので周囲は速いランナーばかりで、みんな当然のようにこの辺りは走っていました。ただ、標高が上がるにつれ心拍数がグングン上がっていき抑えられないので、走れないことはないけど心拍数が165を超えたら早歩きに切り替え、155に戻ったら走るようにした。当然、たくさんのランナーに抜かれるし、序盤突っ込んで潰れたみたいでかっこ悪いけど、ここを無理したらヤバそうな気がした。

歩かないでタイムを狙えるならもちろん歩かないで走るけど、私は歩くとか歩かないとかにこだわりがまったくない。目標タイムに向かって自分の体力、走力、気力とコース全体の設定などを総合的に判断して歩いた方が良いと思えば歩きます。また私はロード区間の登りは淡々と登れるが、トレイルの登りは滑るからか効率よく力を伝えられないのか無駄に疲労が増すのを感じました。

また予定より6分遅れでしたが、走っていても6分速くは走れなかった。その要因は高地特有の酸素の薄さだと思いました。

繰り返しになるけど、歩かないでゴールすることに価値を見出す方は歩くより遅くても歩いたらいいし、走るより歩いた方が良いと判断したら歩けば良いと思う。

ただ歩くならダラダラ歩き続けないことです。私は心拍数で判断して165を超えたら歩き、155に戻ったら走り始めると決めたから、一回に歩いた距離は短いです。

*心拍数ではなくキツイと感じたら30秒とか50mだけ歩くとか決めても良いでしょう。

【20〜30キロ】予定 53’34→結果 55’54

19kmで最高点を越えると下りになる、林道には拳大の石がゴロゴロしているから接地場所を注意しないと捻挫します。私も一回足を捻りそうになり、それから慎重に下りました。

また序盤の下りは飛ばすなとブログ等に書いている方がいますが基本賛成です。ただ飛ばすと漠然と書いてることが多いのが少し気になります。私はフルマラソンのレースペースよりキロ15秒くらい遅い4分30秒くらいで走りましたが足場の悪いところはさらに抑えました。ただ速く走るとか抑えて走るという観点よりピッチ数を増やすことを意識しました。なぜならピッチ数を増やせば身体が宙に浮いてる時間は少なくなり接地時のダメージが小さくなるからです。この10キロも設定より2分以上遅いけど原因は高低図に出ない小さなアップダウンが予想以上に厳しかった。

*無理にブレーキをかけてペースを落とすと脚への負担が大きいので、キロ○分とか決めず負担がかからないよう注視して走ったら良いでしょう。ここで周りのランナーを抜こうとかペースを上げて貯金を作ろうとか考えない方が良いです。

【30〜40キロ】予定 53’01→結果 55’46   

この区間も苦労しました。稲子湯前の登りは長くキツイ。かなり歩きを入れて登り切ってからの下りに備えました。この辺りから徐々に日差しが強くなってきました。

*大会ページに掲載されている高低図は全くあてになりません。特に20-40km区間は小刻みなアップダウンが続きキツイ傾斜もあります。

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ここで上げないとサブ10できない

【40〜50キロ】予定 50’30→結果 48’42    

42kmの荷物預けを受け取りながらもこの10キロを48’42だから結構ペースアップしました。ただここで稼がないとサブテンは絶望的になると思いペースアップしたのです。フルマラソン通過はほぼサブフォーだったので、終盤に馬越峠やラスト10キロのダラダラ登りがあるから相当厳しい状況でした。関門からの下りを頑張ったので50キロ通過は4時間40分弱とサブテンの可能性は残しました。

*この長い下りは舗装路で傾斜もさほどキツくなく走りやすいのでペースアップしやすい区間ですが、100kmなどウルトラマラソンの経験が少ない方は、ペースアップを考えない方が良いです。ここでペースアップしようとすると60km以降で脚が終わるリスクが高まります。私がこの時ペースアップしたのはここで上げないとサブ10は絶望的になったからです。

【50〜60キロ】予定 59’14→結果 58’58

この区間は非常に暑くなり苦戦しました。エイドごとに頭から水をかぶって体温を下げました。また高低図に表れない小刻みなアップダウンが続いて精神的にもキツかったです。またコース唯一の折り返しがあり、この先何キロで折り返しかは分からないけどすれ違う仲間を見つけてだいたいの差を図りました。

*この区間は標高が最も下がる場所であり、また時間的にも日差しが徐々に強くなります。日差しを遮るものもないので直射日光を浴びながら走ることになります。2015年も暑かったけど、2016年、2017年はさらに暑かったです。(両大会は71kmに出場)

【60〜70キロ】予定 63’14→結果 65’52

暑さはますます酷くなり、給水しても1キロいかないうちに喉が渇いてきました。エイドは4〜5キロに一箇所はありましたが、とてもじゃないけど足りず私設エイドに助けられました。馬越峠前に貯金を作りたかったけどそれどころではなかった。

*私が60km通過が10時36分で、70km通過は11時42分とまだ正午にもなっていませんが、それでもこれほど暑いと感じたのだから、14時間以内完走を目指す方はもっと暑い時間帯を走ることになります。

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ラスボスの馬越峠は精神的に楽だった

【70〜80キロ】予定 70’16→結果 72’30

走る前からもっともキツイと聞いていた馬越峠がある区間です。70キロ地点がだいたい標高1100mで78キロ辺りの最高点が1620mだから8キロで500m以上登ります。しかも暑さでかなりダメージが蓄積したところでの登りです。レース前には嫌な区間と考えていましたが、馬越峠を目にすると不思議と嫌な感じはしなかった。

何故ならそこまでは日陰がない道を延々と走っていたので、多少なりともコースに日陰が増えてきたからです。またこの区間は計画段階から歩きを織り込んだタイムを設定していたので精神的にも楽でした。

ただ、ここの走り方次第でサブテンが絶望的になるのでのんびりはできません。心拍数をチェックしながら走りと歩きを織り交ぜながら進む。結構歩きましたがそれでもかなりのランナーを抜いた区間になりました。

途中でコーナーの標識が42になると登りは終わると二人で走るランナーに教えてもらいました。その時は53だったのでホント長い登りです。(数字が小さくなっていきます。)

そして最高点に到着すると一気に下ります。最高点についた時は貯金を使い果たしていてラスト10キロの登りに備えて再び貯金を作らないとサブテンは出来ない状況だったので下りに入ると一気にペースアップしました。脚の筋肉は大丈夫だったけど、ずっと水を被り続けたことでシューズが濡れて爪を痛めたようで一歩一歩が痛い。(水を被る時は気をつけて被っていたけど、それでも多少は濡れる。その多少が積み重なった)スピードを落とせば痛さは収まるかもしれないが、ここで頑張らねば後悔すると痛みは忘れることにした。また爪先に負荷がかからないように踵接地を意識したりもした。

*ここでいう貯金とはサブ10は平均キロ6(時速10km)なので、80kmで8時間だと貯金ゼロです。最後の10kmが登り基調なので70分はかかるので、90kmを8時間50分以内で通過したいと考えていました。

終盤はサブ10ギリギリの展開

【80〜90キロ】予定 56’00→結果 53’50

この区間は標高が引くなったことと直射日光を遮るものがほとんどないからかなり暑かった。最後の10キロで苦労したくないからこの区間は出来るだけ速く走りたかった。

*下り基調とはいえ、終盤に10km53’50で走れたのは、脚が残っていたからです。また序盤の林道の登りから無理せず心拍数が上がれば積極的に歩いたので、エネルギー消費も抑えることができました。序盤の林道や、稲子湯あたりの急傾斜で歩いている私を走って抜いていったランナーの多くを、後半戦に入ってから抜き返しました。

【90〜100キロ】予定 67’28→結果 69’09

下りを頑張ったことで90km通過は8時間48分26秒。残り10kmはキロ7分でも間に合う。90キロ手前から登り坂が始まりキツくはなっていたけどキロ7分では走れていた。キロ6で走ればその分貯金が出来ると頑張るが、頑張ると一気に苦しくなって歩きが入ったりした。最後はかなりキツイ坂だと聞いていたのでそこまでに貯金を残しておきたかった。またラスト10キロからの距離表示が少し長く、特にラスト5キロが長かった。走ったり歩いたりでキロ6分半ペースでは進んでいるのに97kmで10時間まで残り21分しかなく結構ギリギリだった。そしてラスト2キロでガーミンは9時間45分を回っていた。最後の坂はどれだけキツイのかは分からないが苦しくてもスパートをかけて絶対に間に合わせる。そしてそこからペースアップした。

*頑張ると一気に苦しくなったのはエネルギー切れです。この時は気づいていないけど終盤はエネルギー補給が足りなかった。

ゴール会場のマイクの音がだんだん大きくなりゴール地点に左折するところで係員に残り距離を聞いたところ、曲がったらすぐだと教えてもらいようやくサブテンを確信した。

最後の坂はたいして厳しい登りではなくスパートしてゴールを駆け抜けた。

 9時間57分35秒と滑り込みセーフという感じではないが距離にして400mくらいの余裕しかない。

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高低図

こちらは2015年大会で計測したデータです。大会ページに掲載している高低図と比較して、20kmから40km手前のアップダウンが結構厳しいことが分かるでしょう。

意地でもサブ10したかった

今回走っていてたくさんの方に声をかけていただいた。まったく余裕がなかったから面倒臭そうな対応だったかもしれません。そうであったら申し訳ありません。ブログを読んでいるとか、ペース設定や補給参考になりますとか、アスリチューン使ってますとかホント嬉しかったです。

そんなブログを書いたのだから意地でもサブテンしたかった。途中厳しい時もあったけど可能性が残っているかぎりは頑張ろうと諦めなかった。また可能性を潰さないように大事に走った。

ゴールしてメダルをかけていただいた時には立っていられないくらい消耗していました。チャレンジ富士五湖も頑張ったけどこれ程のダメージはなかった。また今回も固形物はほとんどとらなかったけど最後まで走れたのはアスリチューンの効果だろう。

ゴールして何杯もコーラや水を飲んでから豚汁をもらったとこで女子優勝の楠瀬祐子さんと一緒に写真を撮った。 疲労困憊の私と違って彼女は爽やかな笑顔だった。

彼女もアスリチューン ポケットエナジーを使っている。ジェルが苦手な彼女にとって飲める貴重なジェルだと話している。またこう話している。

『アスリチューンは甘すぎないので、あっガス欠になるかも…って思った時に、水が無くてもすぐ飲めちゃうところも気に入ってます♪』

そして、ゴールしてからも、たくさんの友達に有言実行だねっと言われて嬉しかった。

次はサロマ湖ウルトラマラソンです。野辺山は自己ベストを狙うレースではなかったけど次は狙うレースです。

自己ベストは8時間53分台だけど、アップダウンの厳しい4月の富士五湖を8時間54分台で走れたから8時間20分くらいは視野に入っている。どのくらいを狙うか疲労が抜けたらじっくり考えます。

走られた方お疲れ様でした!!

*翌月のサロマ湖ウルトラマラソンは、8時間26分45秒で自己ベスト更新しました。

オンラインセミナーのご案内

2022年5月16日に野辺山ウルトラ直前対策セミナーをオンラインで開催します。もう走力は伸ばせないけど、完走の確率を高めることは可能です。

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