山=レイヤリングに固執しない

今年の信越五岳は気温が高かったこともあり、熱中症や胃腸障害に苦しんだ方が多かったようです。その結果比較的完走しやすいと言われている110kmの完走率が5割を切る厳しいレースになりました。

リタイアした方々の投稿を読むとガッカリ感が伝わってくる以外に、対策は万全だったはずなのに序盤から走れなくなった理由が分からないといったのもありました。

個別に話を聞いたら、完走出来なかった理由や、その時々どうすれば良かったのかをアドバイスできますが、気温が高いレースでやりがちなことはだいたい経験しているので、こちらの記事にまとめました。

信越五岳110km〜気象データなど2019年との比較〜

私が走るならこのようなことを気をつける。10個のアドバイスも付けましたが、特にこの部分が原因の方少なくないと思っています。

山では通常汗冷え対策としてインナーを着用しますが、少なくとも第2関門までは着用しません。非常に蒸し暑く、いかに体温を下げるか工夫すべき状況で、水かぶりをしても身体が冷やせないのでは熱がこもります。お腹を冷やしたくないのであれば腹巻タイプを使用します。またインナーウエア自体は小さくなるのでザックに入れて途中冷えそうなら着用する。

登山ではウェアのレイヤリングは基本中の基本です。そして山を走るトレランに関しても同様だと私も考えます。

なぜレイヤリングは必要か?

その上で、なぜレイヤリングが必要なのかと言えば、天候や運動量に応じて脱ぎ着することで衣服内を快適に保ち体温調節するためです。

こちらはファイントラック・ドライレイヤーはですが、ウェアの下に着用することで、汗や雨でウェアが濡れても肌に貼り付かず汗冷えなど防ぐことができます。私も状況に応じて着用します。

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メーカーの公式ページに性能についてこのような記載があります。

柔らかな着心地の極薄メッシュ生地に、強力な撥水性をプラス。かいた汗を肌から素早く遠ざけ、肌をドライに保ちます。

人は暑い時に汗をかくことで身体を冷やしますが、ドライレイヤーを着用することで、かいた汗を素早く外に出すことで体温低下を防ぐアイテムです。

ただ、今回のように蒸し暑く体温が上昇する時には着用しません。なぜならスタートから暑い時間が続くので熱中症リスクが高まります。その暑さにどうやって対処するかが求められている時に、身体を冷やさないアイテムを使う理由はなんでしょう?

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私も同様の失敗を経験している

2018年に出場した『うつくしま、ふくしま。ジャーニーラン』では結構標高の高いところを通り気温が低い予報だったのでドライレイヤーを着用してスタートしました。しかし、予報とは違ってスタートから暑い。脱ぐのは面倒だったのと夜間になり標高が上がれば涼しくなると脱がなかった。その結果、熱中症気味になり、胃腸がおかしくなり前半からキツいレースになりました。標高の高いところでドライレイヤーを脱いだら驚くほど涼しく快適になり復活したことがあります。その時は最終的に4位でフィニッシュできました。

その時の記事です。

ウルプロメンバーの気付き

今回完走出来なかったウルプロメンバーにメッセージして今回書いた記事を送りました。おそらくドライレイヤーなどを着ていたと思っていましたが予想通りでした。こちらはメッセージの一部を抜粋して紹介します。

基本的な総力不足に加えて、インナーを2枚重ねていたことが熱がこもる原因となったようです。ファイントラックのドライメッシュの上にアンダーアーマーのヒートギアを着た上に、スリーブレスの出立ちでした。汗が抜けやすいと考えていたのですが、原因はウェアリングにありそうです。

思い起こせば、笹ヶ峰まではスリーブレス1枚でよかった、若しくは途中でインナーを脱ぐことに頭が回らなかったのも敗因の1つですね。整理して次に繋げます。

おそらく、ドライメッシュが原因とは思っていないでしょうから、それに気付かないと、今後も同じような気象条件のレースで繰り返してしまいます。

念のため書いておきますが、ドライメッシュやドライレイヤーが悪いわけではなく、気象条件や運動強度に合わせて使わないと、良かれと思ったことが大きなマイナスになってしまうのです。

メンバーは、途中で脱ぐことも考えなかったとありますが、今回のことで次回以降、暑いと感じたら途中で脱ぐといった選択肢も浮かぶでしょう。

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理由・原因が分からないと先に進めない

思うように走れなかったと感じていても、その理由が分からないままだと、次に向けて何をしたら良いか分かりません。

単純に走力不足の方もいれば、ウェアリングの問題、補給の問題、ペース設定の問題、レース前の睡眠などコンディショニングの問題、そしてレース中の状況判断の問題の方もいるでしょう。その辺りは自分で考えても原因の本質に辿り着けないことはありますが、何が起こっていたのかを掘り下げていくことで見えてくるものです。

今回、スッキリしないと次に進めない方は、パーソナルレッスンを通じて、その辺りを一緒に振り返り、何が原因だったのか?何をしたらよかったのか?を明確にして次に繋げるお手伝いは可能です。

オンラインでも可能ですので、ご希望の方はFacebookページのメッセージでお問い合わせください。

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