最近よく出てくるサプリメント広告について感じたこと

まず、私は今回気になったキャッチコピー(宣伝文句)のサプリメントを使ったことはありません。Facebook広告に、『3週間で1kmあたり27秒短縮』とあったので、どんな根拠に基づき書いているのかが気になり読んでみました。商品名は書きませんが、気になる方は上記キーワードで検索してみてください。

成分表を見ればそれなりに効果がありそうだと感じますが、それでも3週間で1kmあたり27秒短縮って気になります。

上記キャッチコピーの根拠は小さな文字で書かれていて、ここまで読み込む方がどれだけいるのか分からないし、読んだとしても意味がスッと入ってくる方はそれなりにランニング関連の多方面の知識のある方だと思います。

ちょっと難解な感じだったのと、コピペは嫌なので、概要について書き出してみました。

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クーパーテストについて

クーパーテスト(12分間の平均走行距離)からタイムに換算したとありますが、クーパーテストについては以前書いた記事をご参照ください。

広告に掲載されている試験について

一つ一つイメージしながら読んでみてください。

【試験の実施時期】

実施時期:2018年4月~6月
平均気温:18°C~22℃

【被験者】

冬季に屋外でのランニング量が比較的減少した期間を経て春季にトレーニングを再開する健康な被験者55名(平均年齢31歳士3歳)

(*いわゆる市民アスリート、プロアスリートを除くと掲載されている。)

【どんな試験か?】

被験者55名に当該サプリメントの成分を含むドリンクを1日4回(8時、12時、18時、20時)毎日摂取した上で以下のトレーニングを実施

【どんなトレーニングか?】

1日2回(10時~12時および18時~20時)30分間以下のトレーニングを3週間継続実施
内容は、ウォーミングアップ&ストレッチ、陸上トラックでクーパーテスト(12分間走)及び軽いランニング

【対照群は?】

上記被験者同様の健康な被験者61名(平均年齢31歳士3歳)
こちらは(当該サプリメントを含まない)水で希釈した電解質溶液を摂取群と同様のタイミングで摂取し、摂取群と同様のトレーニングを実施。

【実施前後の変化】

摂取前後(後は3週間後)におけるクーパーテスト(12分間走)の結果を平均タイムに換算したのがこちら

当該サプリメント摂取群
摂取前:5分55秒/km → 摂取後:4分59秒/km

対照群
摂取前:5分54秒/km → 摂取後:5分25秒/km

【結論】

摂取後のクーパーテストの平均走行距離において摂取群と対照群の間で有意差

理由は、3週間で27秒短縮(摂取群56秒短縮、対称群29秒、その差が27秒だから。)

あなたはこの内容をどう感じましたか?

私自身、様々なサプリメントを試してきました。非常に効果的だと感じるサプリメントもあるし、ほぼ効果を感じることなく使うことをやめたサプリメントもあります。

今回は、このサプリメントを使ったことがないので、この製品がどちらなのかは分かりません。ただちょっと広告が微妙だと感じるのです。海外で行われたと書いている試験についても違和感を感じるのです。どの辺りに違和感を感じたのかなど少し整理してみました。

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試験について感じたこと

・2kmの距離をキロ6でしか走れない31歳前後のランナーが市民アスリート??

・もっと速いランナーだったら、キロ27秒も短縮しないでしょう。

この2つは、読んだ方の大半の方が感じたと思います。

ここから先は私の見解です。商品を否定しているわけではなく、数字に惑わされないで欲しいのです。

まず、31歳前後の若さで2kmの距離を全力で走って平均キロ6でしか走れないランナーのことを『市民アスリート』とは呼ばないとは思いますが、そもそも『市民アスリート』の捉え方は千差万別ですがあえてここは反論しません。

今回まずイメージして欲しいことは、その年齢のランナーが日常的に練習していれば、2kmを走るのに12分もかかりません。(もちろん体力は一人一人違うので、そのような31才ランナーだっていますが、今回は試験の有効性を高めるために50人を超える規模で開催されています。)

=ほぼ練習していないランナーの集団であることが分かります。

その日常的に練習していない(と思われる)ランナーが毎日2部練を3週間もしたらそりゃ速くなります。また試験に関して故障しないようランニングコーチなどがウォーミングアップ&ストレッチを指導したのでしょう。

初心者レベルなら練習を増やせば速くなります。ただ独力でそれをすると故障リスクが高まりますが、今回の試験はその辺りを防止する措置を講じていると思われるので速くならないわけがありません。

これが、そもそも普段から継続して自分の課題克服のための練習しているサブ3レベルのランナーであれば、3週間この試験のためのメニューだけをしたら逆に遅くなるなんてこともあるかもしれません。

そして、当該サプリメントを使った摂取群も、それ以外のプラセボ群も平均タイムは伸びました。プラセボ群もタイムがキロ29秒伸びましたが、これはトレーニング効果です。

試験は、プラセボ群より平均タイムがキロ27秒伸びたのだから、それは有意な差があると結論づけています。

私もそれはサプリメントの効果だと思っています。

ただ、ここで考えて欲しいのは、元々あまり練習をしていない(であろう)ランナーが3週間連続して2部練したらどうなるでしょう?良い試験結果を得るために故障しないようにストレッチなどはしているのでしょうが、練習に見合った栄養がとれていなければ疲労は蓄積していきます。1日2回の練習以外に食事など含めてどのように生活していたのかは書かれていませんが、サプリメント摂取群は疲労回復に必要十分な量の栄養素を摂れるけど、プラセボ群はそのサプリメントの分だけ栄養素が不足する状態であれば結果は変わって当然です。

サプリメント摂取群が使用した、BCAAやアルギニンの疲労回復やパフォーマンスアップの効果はあると思いますが、プラセボ群が、他メーカーの同種のスポーツサプリメントを使うか、練習量に見合う栄養を食事で摂取したら27秒の差は生まれないように感じるのです。

このキャッチコピーを見た2kmを12分かかる31歳のランナーがいたとして、普段している練習(多分ジョグ程度)を変えないで、このサプリメントを3週間飲んでも、3週間後に大きな変化はないと思います。

と言うことは、今回タイムが伸びたのは練習効果であり、非摂取群の伸びが少ないのは、練習に見合った栄養素が足りないのではないかと思うのです。

また、そもそも2kmを12分でしか走れないランナーは、スピードを出さないでジョギングのみの方々です。その方々はどのくらいスピードを出せるのか分からないので初日は意識してか無意識かは別にして、本人のパフォーマンスからするとかなり抑えて走ったと思われます。(クーパーテストは簡易的にVO2maxをはかるテストであり、本来は全力で12分間走ります。)

それを1日2回、3週間も続けたら、自分はどのくらいのペースで走れるのか分かってくる(慣れてくる)から、タイムは少しづつ伸びていくでしょう。

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練習効果を高めるためのサプリメント

今回私が見た広告は、当該サプリメントを飲みさえすれば速くなるとは書いていません。広告を見た一定数の方が、使ってみたいと思えば、それで広告の効果があるので、ちょっとギリギリと思える表現をしています。

今回の試験にしてみても、練習量を増やすのであれば、同時にサプリメント摂取をすることでトレーニング効果が増大するという内容の広告に繋げるのであれば私も同意見です。

数字を使うと信頼性が高まる??

今回、一番お伝えしたかったのは、広告に数字(データ)が使われていたら、その根拠をチェックしてみてくださいということです。一般に数字を使うと信憑性が高まるように感じる方はいるでしょう。

私は、信頼できる公的機関が出した数字でも鵜呑みにすることはありません。数字はいくらでも作れるのです。嘘は書かなくても一部をフォーカスすれば、真逆の意味になることもあります。

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