2023年12月に開催予定のIAU 24時間走世界選手権(台北・台湾)の代表選考レースとして神宮外苑24時間チャレンジの出場者募集も終了しましたが、JUAより代表選考要項が発表されました。
2023 IAU 24時間走世界選手権代表派遣選手選考について
代表選考要項がこのタイミングでの発表になった理由は、2023年5月に開催予定の弘前24時間走が公認大会に向けて動いており、その見通しが立ってきたからです。
過去の選考方法と比較して、違和感のない、ほぼ予想通りの内容です。
私が予想した選考方法

私が予想していた選考方法はこんな感じでした。
『JUA主催大会である神宮外苑24時間チャレンジを優先すべきであり、この大会の男女上位2人は即時内定とする。3人目以降の選考については定められた期間内の公認記録により決定する。』
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JUA発表内容の概要
*2022.12.1にJUAから、以下の修正・補足が発表されたので概要も修正します。
2023 IAU 24時間走世界選手権代表派遣選手選考について(修正・補足)
JUAが発表した内容を要約すると以下の通りです。
【選考基準】
- 対象期間:2020年4月1日~2023年5月31日
- 公認記録は距離によりポイント化される
- 第15回神宮外苑24時間チャレンジ(2023年3月)を第1選考指定大会とし、記録ポイントに加えて順位ポイントが設定
- 第2回弘前24時間走(2023年5月・・・現在コース公認申請中)が公認された場合、第2選考指定大会として別途順位ポイントが設定
【代表派遣選手数】
原則男女各4名以内(最大男女各6名以内)
【ポイント】

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代表選考プロセス
代表選考プロセスは以下の順に行われるとあります。矢印以下は私の補足です。
① 2023神宮外苑24時間チャレンジ(2023.03.11-03.12)を第1選考指定大会として「記録ポイント+順位ポイント」が20ポイント以上の上位2名を内定とする。
→男子252km以上、女子222km以上で2位以内なら内定
「記録ポイント+順位ポイント」が20ポイント以上ということは、1位は順位ポイントが「10」なので記録ポイント「10」が獲得できる距離(男子250km、女子220km)、2位は順位ポイントが「8」なので記録ポイント「12」が獲得できる距離(男子252km、女子222km)
② 2023神宮外苑24時間チャレンジ(2023.03.11-03.12)において、「記録ポイント+順位ポイント」10ポイント以上を代表候補とする。 『※ ②、④は、それぞれの当該大会における記録と順位がリンクされたポイントとする。』の文言が追加された。
③ 2020.04.01~2023.05.31の公認記録によるポイントが30ポイント以上(修正前は10ポイント以上)を代表候補とする。
→記録ポイント10ポイント以上は公認大会で男子250km以上、女子220km以上でしたが、修正後の30ポイント以上は公認大会で男子270km以上、女子240km以上となりました。
現時点日本国内で公認大会は神宮外苑のみで2020年4月以降は開催されていないので、現時点では海外大会のみ対象となりますが、DUVサイトで確認すると該当する記録を出した選手はいません。その意味では今回の代表選考要項が発表された時点で該当者がいないのだから、これからの結果により決まるということです。
来月、台湾で東呉国際が開催され、発表されているだけでも石川佳彦、小野喜之、兼松藍子、楠瀬祐子選手が出場します。小野選手以外は、24時間走世界選手権に出場実績のある選手ですが、小野選手も初の24時間走として走った今年の弘前24時間で251.027kmで優勝しました。
また例年2月に台北で24時間走が開催されていますが、それらの海外レースと、神宮外苑、そして(公認大会となった場合の)弘前の結果で代表候補が決まります。
④ 2023.5月開催予定の弘前24時間走(公認申請中)が公認大会となった場合、第2選考指定大会として「記録ポイント+順位ポイント」10ポイント以上を代表候補とする。
→弘前24時間走が公認大会となった場合は、1位、2位なら男子247km以上、女子217km以上、3位なら男子248km以上、女子218km以上、4位なら男子249km以上、女子219km以上
*順位ポイントがあるため、少し優遇措置がとられている。
⑤ 2023.06.01において、②、➂、④のポイント上位者から①に加えて計4名までを追加内定とする。
→神宮外苑で2名決まった場合には、②、➂、④のポイント上位者で2名決定する。4人目の選手が同ポイントで並んだ場合の決定方法は今回の選考詳細には掲載されていないが別途判断するのであろう。
⑥ ①~⑤で内定者が3名に満たない場合は、10ポイントに満たないポイント獲得者を選考対象として検討する。
→低調な記録になった場合には10ポイントに満たない選手も選考対象に加えるとあります。特に大会開催時の気象コンディションによって記録は大きく落ち込むこともあります。
こちらの項目が追加されました。
※ ②、④は、それぞれの当該大会における記録と順位がリンクされたポイントとする。
→神宮外苑は6位以内、弘前は4位以内で順位ポイントを獲得することが必要となります。
以下の⑦が削除されました
⑦ 2023.06.01において、①~⑤の未内定者のうち、22ポイント以上の者を計6名となるまで追加内定とする。
→原則男女それぞれ4名を予定しているが、ハイレベルな記録を出す選手が続出した場合は6名とすることもある。
順位ポイントなしの場合で、男子262km以上、女子232km以上の記録を出せば、ポイントが6番目であっても代表選考される。
整理すると
①神宮外苑で1位で男子250km、女子220km、と2位で男子252km、女子222kmを超えたら内定
②上記①の人数に加えて、以下の代表候補者のポイント上位者2名まで追加内定する。
順位 | 神宮 男子 | 弘前 男子 | その他 公認 | 神宮 女子 | 弘前 女子 | その他 公認 |
1位 | 247km以上 | 247km以上 | 270km以上 | 217km以上 | 217km以上 | 240km以上 |
2位 | 247km以上 | 247km以上 | 270km以上 | 217km以上 | 217km以上 | 240km以上 |
3位 | 247km以上 | 248km以上 | 270km以上 | 217km以上 | 218km以上 | 240km以上 |
4位 | 247km以上 | 249km以上 | 270km以上 | 217km以上 | 219km以上 | 240km以上 |
5位 | 248km以上 | 270km以上 | 270km以上 | 218km以上 | 240km以上 | 240km以上 |
6位 | 249km以上 | 270km以上 | 270km以上 | 219km以上 | 240km以上 | 240km以上 |
それ以外 | 270km以上 | 270km以上 | 270km以上 | 240km以上 | 240km以上 | 240km以上 |
例えば(男子で説明します。女子は30km差し引いてイメージください。)
神宮外苑 1位A選手270km、2位B選手265km、3位C選手260km、4位D選手258km、5位E選手256km、6位F選手255km
弘前 1位G選手270km、2位H選手265km、3位I選手260km、4位J選手258km
その他公認大会 K選手270km
選手 | 記録 | 順位P | 記録P | 合計P | 選考順位 |
A | 270km | 10 | 30 | 40 | 即時内定 |
B | 265km | 8 | 25 | 33 | 即時内定 |
C | 260km | 6 | 20 | 26 | 5 |
D | 258km | 4 | 18 | 22 | 6 |
E | 256km | 2 | 16 | 18 | 8 |
F | 255km | 1 | 15 | 16 | 9 |
G | 270km | 4 | 30 | 34 | 1(内定) |
H | 265km | 3 | 25 | 29 | 3 |
I | 260km | 2 | 20 | 27 | 4 |
J | 258km | 1 | 18 | 19 | 7 |
K | 270km | 30 | 30 | 2(内定) |
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代表内定レベル
コロナ禍以前は男子250km超、女子220km超が代表選考の一つの目安になっていましたが、選手層の厚い男子は260kmは超えないと厳しいと感じています。以前は男子は270km、女子は240km超えたら世界選手権で優勝争いできるレベル感でしたが、男子の世界記録が319km超、女子の世界記録が270km超となった現在においては、そのレベルでは勝負できません。
今回の代表選考の過程で男女とも驚くような記録が生まれるかもしれません。