65歳で5000m21分台自己ベスト〜多忙な時もランニングを忘れなかったから今がある〜

月刊ランナーズ1月号に『生涯ベストは47歳までに狙うべし』と言う記事がありました。そもそもタイトルの根拠になっている海外論文の試験はランニングじゃなくて固定式バイクでの計測で心肺能力にフォーカスしたものだと思われますが、ランニングのタイムって心肺能力だけで決まるわけではありません。また欧米人と日本人は寿命や体型なども違うわけだから、欧米人の実験結果が日本人にそのまま当てはまるとも思わないから、それを根拠にしたタイトルと内容には違和感を感じると投稿した。

すると、編集部から、3月号にその反論記事を作るので、現在でも自己ベスト更新している新澤さんにも取材させて欲しいと連絡があったので、お受けしました。たくさん話しましたが、紙面の都合で1ページにまとめていただいたので、話した内容の5%くらいですが、お伝えしたいことはキチンと書いていただきました。

この辺りについては、元々、50代でも自己ベストは出せるという記事を書いているので、ちょうど良い機会なので、自分のことだけではなく、ウルプロメンバーの取り組みを定期的に紹介していきます。

今回紹介するのは65歳の高橋敏雄さんです。

1月22日に開催されたM×Kディスタンス5000mで21分47秒を出し自己ベストを更新しました。

今回高橋さんを紹介する理由は、50代、60代だって自己ベストを出せると言うことだけではなく、30代、40代のランナーにも伝えたいことがあるからです。

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5000mの推移

まず高橋さんに5000m(5km含む)のタイム推移を教えてもらいました。

  • 2012年12月16日 22’42” ランネットコーポレート駅伝
  • 2019年1月6日 21’51” 赤羽駅伝
  • 2020年12月25日 23’48” 練習会TT
  • 2021年6月27日  23’03” 川崎月例マラソン

ここまでは全て5kmで、以下は5000mです。

  • 2022年2月11日 23’52” OTT
  • 2022年5月5日 24’21” 駒沢ランニングチャレンジ
  • 2022年5月15日 22’43” OTT
  • 2022年7月10日 24’23” ONE TOKYOタイムトライアル
  • 2022年10月22日 22’39” M×Kディスタンストライアル
  • 2022年12月25日 22’00” M×Kディスタンストライアル
  • 2023年1月22日 21’47” M×Kディスタンストライアル

55歳(2012年)の時に22’42で走り、ウルプロに入会してから61歳(2019年)で駅伝の5kmですが21分51秒で走ったのが高橋さんにとっての自己ベストでした。その後コロナ禍だけではなく、仕事や家庭の事情で思うように走れない時期がありました。

昨年から定期的にトラックレースに参加するようになり、当初は24分ほどかかっていたタイムが、昨年12月には22分00秒まで伸び、4年前の5kmのタイムに迫ると、今回一気に自己ベスト更新しました。

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フルマラソンのベストなど

高橋さんのレベル感を把握してもらうために、フルマラソンとハーフマラソンのタイムを掲載します。

フルマラソン

  • 2009年11月8日 4:51’09″ 湘南国際マラソン(初フル)
  • 2012年11月3日 3:58’17″ 湘南国際マラソン(初サブ4)
  • 2018年11月25日 3:47’28″ つくばマラソン(自己ベスト)

55歳の時にサブ4を達成しましたが、そこから中々タイムを伸ばすことができない時期が続き、60代でウルプロに入会してから出した3時間47分28秒が自己ベストです。フルマラソンもこれからチャレンジしていきますが、私から見て十分に記録を更新していける走力になっています。

ハーフマラソン

  • 2018年11月11日 1:41’54″ いわい将門ハーフマラソン(自己ベスト)
  • 2023年1月15日 1:45’46″ 東京・赤羽ハーフマラソン(直近)

ハーフマラソンはフルマラソンで自己ベストを出した直前に自己ベストを出しました。こちらも60代になってからのタイムです。今年久々に走り1時間45分46秒で走れたので、だいぶ長距離も走れる身体になってきました。

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今回自己ベストが出せた理由

フォーム改善

走力アップの直接的な要因は、ウルプロ練習会の基礎作り練習会(効率よく走るためのフォーム作り)に定期的に参加し、様々な動き作りを繰り返すことにより、これまで弱点である腰が折れたポジションの改善と腰高のポジションによる縦の動き、片脚にしっかりと乗り込み身体の真下に着地できる感覚が体得できたことが大きと思います。それらにより、大きな筋肉であるハムストリングス、中殿筋、大殿筋を使って、スピードを楽に出せるピッチとストライドのバランスがとれてきました。

環境の変化

間接的な理由としては、2年間以上続いていたランニングを阻害する様々な要因(仕事の多忙さ、家族など環境等の問題、故障など)が軽減し、練習できる環境が整い、ランニングに対するモチベーションが取り戻せて、またランニングを習慣化できたことです。

レース展開

今回は、ペーサーの方が正確にラップを刻んでくれたので気持ちよくクルージングスピードを保て、ラスト700mでペースアップしました。第3コーナーを曲がってからは無我夢中で呼吸も荒く思い切り脚を動かしましたが不思議とフォームがぶれている感覚はなく、ゴールの計時が見えた際に行けたと感じました。PB更新した喜びとともに更に行けるように感じて、そういった気持ちになっていることにまた喜びを感じました。

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年齢による影響

高橋さんにこんな質問をしました。

『タイムは様々な+-の要素により決まりますが、具体的に感じている、年齢により-に働く要素は何で、+に働く要素は何ですか?』

今回の5000m記録向上においては、年齢による+-の要素は、あまり感じてはおらず、練習を積上げていけばまだ伸びていける感覚があります。つまり、フォーム改善や心肺機能の向上でまだ走力が向上していけるのではと思っています。

更に長い距離の記録向上はこれからの取り組みになるので年齢による+-を具体的に実感する可能性があるかと思われます。

自分自身の伸び代について

現時点の自分の伸び代について(具体的に、どの部分をどうすれば、どう変わりそうか?)

スピードは回復してきているので、ペース走、持久走などを積極的に取り組みスピード持久力を強化するとともに、フォーム改善を更に定着させ、長い距離を楽に走れるように変わりたいと思います。

ウルプロ入会による変化

ウルプロ入会前を思い出して、現在と変わっていることを教えてください。

入会前との変化で一番感じることは、チームメイトの存在です。チームメイトが年齢、性別関係なく皆それぞれのランニングの目的を持ち、目標をもって取り組んでいる姿に触発されています。ロード、トラック、トレイル、ウルトラ、超長距離などいろいろな取り組みをする仲間をお互いが尊重、尊敬しながらともにランニングを楽しみ、成長していく環境が心地よいです。

そして、技術的な面では、振り返りをしっかりすることで改善点を自分で考え、実行できる力が付いたように感じています。

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最後に一言

最近走れるようになってきたのも、ウルプロ®︎Rebootプランを受けたことが私の中では大きいと感じています。その最大の理由は、『ランニングを忘れないように意識づけしていただいたことも走力回復の大きな要因の一つ』だからです。

もっと具体的に書くと、仕事と介護と故障が集中して大変な時期でしたから、ランニングを継続するのは心身ともに厳しい時期でしたが、『出来ることを継続することが大切だ』とアドバイスを受け、環境が良くない中にあってもランニングを忘れてしまわないように少しでも走ることを勧めいただきました。あの時に完全に走ることをやめてしまっていたらもう走っていないと思います。

確かにあの頃の高橋さんはかなり厳しい状態でした。私より10歳近く先輩でもありますが、私自身金融機関に勤務していた時には仕事の多忙さから練習時間を作れない時期を経験しているので、高橋さんの仕事の状況やストレスはある程度感じることはできました。高橋さんはそこに家族の問題も重なったのだから大変だったでしょう。私自身、最低限の練習しかできなくても環境が変われば戻せることを経験しているので、ランニングから離れないで短時間でも走ることをアドバイスしました。

高橋さんは、ランニングどころではなかったと思いますが細々とでも続けることで心身のバランスをとり、健康を保てたからこそ自己ベストを出せるまでになったのです。

自己ベスト=過去最速の自分です。自らの成長を感じることが出来る非常に嬉しい瞬間です。

冒頭書いた30代40代のランナーにも伝えたいと書いたのはこの部分で、仕事などで練習時間がとれなくなっても、走ることが好きであれば完全にやめることなく、出来る範囲で続けて欲しいのです。仮に今まで楽に走れたペースで走れなくなったとしても、その時走ることの阻害要因になっていることがなくなれば以前のように走れるようになるかもしれません。そのためには細々とでも続けることです。

高橋さんおめでとうございます。

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