3月11日11時スタートの神宮外苑24時間チャレンジのエントリーリストが発表されましたが、ちょっと目を疑うくらい有力選手が勢揃いしました。男子は85選手(1名は欠場)ですが過去ないくらいのレベル感で240km走らないと上位20位にも入れないかも?という感じです。
ちなみに私が初めて走った2010年は非常に気温が高く過酷なレースでしたが178.036kmで12位、自己最高記録を出した2017年は214.472kmで17位でしたが、今回のメンバーを見る限り214kmでは半分くらいの順位になるのではないかと感じました。
選手の故障などコンディションが分からない中で私が名簿を見て、過去の記憶やDUVウルトラマラソン統計の記録などから注目選手を紹介します。
過去何回か参加選手の紹介をしましたが、今回は紹介するレベル感が大きく変わりました。また今回紹介していない選手の中にも強い選手はたくさんいます。
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世界選手権代表選考方法
こちらに代表選考方法につき解説記事を書きましたが、順位ポイントは6位まで、そして記録ポイント満点(40点)は280km以上で、最小ポイントは247kmで7点です。246km走って7位に入ってもポイントを獲得できないのだから厳しいです。ただ世界選手権で上位争いをするのであればこのレベル感は絶対に必要です。
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世界記録は319.614km
神宮外苑が開催されていた2018年までは250kmを超えれば日本代表として世界選手権を走れるかもしれない。世界選手権で260km超えれば入賞できるかもしれない。と言ったレベル感でしたが、ここ数年で一気にハードルが上がってしまったのです。今年の世界選手権も300kmを超えるところで優勝が争われると思われます。
神宮外苑は実質的に距離が短くなる
本大会では1周1324.56mで計算されますが、東京オリンピック前に大会のコースとなる歩道に点字ブロックが設置されたために、ストレスなく走るためには、点字ブロックの外側を走る必要があり、概ね1周1330mくらいになります。したがって距離に関しては0.4%ほど短くなります。例えば実際には280km走っているのに278.88kmと1km以上少ない距離になります。
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満点(280km)を期待する有力選手
今回、実力者が勢揃いしましたが、その中で優勝争いの軸になるのは以下の4選手と私は考えています。
- 石川 佳彦 2019年東呉国際24H 279.427km 2017年24時間走世界選手権1位 2018スパルタスロン1位
- 曽宮 道 2022年スパルタスロン2位 21:18:15 2022年柴又100K 6:28:37
- 小野 喜之 2022年弘前24H1位 251.027km 2022年東呉国際24H(12H通過)154.8km
- 山口 純平 2022年100km世界選手権2位 6:17:19
石川選手は説明の必要がないでしょうが、その石川選手に今年のスパルタスロンで勝った曽宮選手、昨年初の24時間走で250kmを超えて、東呉国際の12時間通過で154.8kmを走った小野選手。そして24時間走は初挑戦ですが100km世界2位の山口選手は走力的には抜けています。曽宮選手、山口選手はフルマラソンも2時間16分台で走るスピードもあります。ただし両選手とも東京マラソン(エリート)を走って中5日で走るのでどこまでパフォーマンスが戻るのかも影響すると思われます。
250kmを超えて日本代表を狙う注目選手
先ほどの4選手を追う選手もタレント揃いです。ブランクのある選手もいるので難しいところですが、私が注目している選手はこちらです。もう少し絞り込みたいところですが絞り込んでこちらです。ウルトラマラソンに詳しい方なら納得すると思います。
24時間走世界選手権元日本代表
- 高橋 伸幸 2018年神宮外苑 268.783km
- 楢木 十士郎 2017年東呉国際24H 261.605km
- 木曽 哲男 2013年神宮外苑 259.708km
- 安孫子 亮 2012年神宮外苑 255.487km
- 古北 隆久 2011年神宮外苑 252.177km
- 鈴木 誠 2007世界選手権4位 244.465km
高橋選手、楢木選手は少しブランクがありますが、数年前に世界の舞台で戦った経験は大きな力になります。木曽選手、安孫子選手、古北選手は最近でもさまざまなウルトラマラソンで上位に入っています。(*代表経験者が漏れていることもあります。)
240km以上の経験のある選手
次に24時間走で240kmオーバーを記録した選手がこちらです。
- 野本 浩礼 2020年台北24H 252.989km
- 高橋 健吾 2018年神宮外苑 246.526km
- 高橋 浩一 2017年神宮外苑 243.051km
- 竹内 剛博 2019年台北24H 242.008km
- 神宮 浩之 2018年神宮外苑 240.778km
- 岩立 幸一 2019湘南24H1位 240.500km
ウルトラマラソンが得意な選手でも周回コースで開催される24時間走は難しいと話す選手も多く、世界のレベルは上がったとしても240km以上走ることは非常に難しいことです。
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24時間走の実績もあり、その他のレースで実績のある選手
こちらの6選手は24時間走で220km以上走った実績があるだけではなく、国内外の200kmを超えるウルトラマラソンで実績を残している選手です。
- 小野塚 稔 2019年台北24H 233.171km
- 森下 輝宝 2018年神宮外苑 231.312km
- 渋谷 一秀 2015年神宮外苑 228.755km
- 小田 克矢 2018年神宮外苑 226.842km
- 谷水 強 2015年神宮外苑 226.599km
- 荒井 秀次 2022弘前24H 223.898km
スピードランナー
100km速くても、「時間にしてその3倍以上走る24時間走」は別物ではありますが、100kmを速く走れるということは24時間走で好記録を出す高い可能性を持っていると言えます。例えば100km10時間かかる選手が24時間走で250km走ることはできません。
こちらは以前作った記事です。
- 土橋 晋也 201年サロマ湖ウルトラ(8位)6:48:48
- 田中 秀和 2022年秋田100km(1位)7:15:28
- 太刀川 晋平 2019年サロマ湖ウルトラ 7:20:45 2021ジャパントロフィー24時間 199.5km
土橋選手はフルマラソン2時間19分台で走る整形外科医とM高史さんのラジオで紹介されています。また起伏のある秋田で7時間15分を出した田中選手も以前から24時間走を走ったら相当走りそうと思っていた選手です。
またスピードランナーと言えば、青山学院大学駅伝部出身の選手が出場します。今年卒業ですが今年フルマラソンにもチャレンジし後半失速するも2時間19分台で走りました。ジョグペースでも相当速いでしょうから、スピードに自信のある選手は特にペースを乱されないでください。
- 畦地 貴斗(22才)ハーフマラソン1:03:02 初フルマラソン2:19:51
69才でサブ10のランナー
今回記録を調べていて驚いたのは73才の吉越選手です。2019年のサロマで69才ながら9時間半を切ったのです。同年のさくら道国際ネイチャーラン250kmを33時間56分で完走しています。70-74才カテゴリーの世界記録は205.938kmです。
- 吉越 修(73才)2019年サロマ湖ウルトラ 69才時に9:26:22
バックヤードやトレラン、200kmオーバーで活躍する選手
他にも上位を狙う力の選手はたくさんいますが、何人か紹介します。今年1月のジャパントロフィー(200km)で上位に入った石澤選手、宮崎選手、200kmオーバーの大会で多数優勝している赤松選手、100マイルトレイルなどで活躍する小林選手、そしてバックヤードウルトラで86時間(576.716km)走って優勝した芝脇選手がどんな走りをするのか注目しています。
- 石澤 毅士 2023年ジャパントロフィー(2位)19:55:00
- 宮崎 親一 2023年ジャパントロフィー(3位)20:34:57
- 赤松 亮 2018年小江戸大江戸230K(1位)23:17:55
- 小林 遼志 2022年会津磐梯山ウルトラ 8:34:49
- 芝脇 大貴 2022年バックヤードウルトラ 86h 576.716km
しかし、86時間(3日と14時間)もの長い時間において1時間に数分の休憩・仮眠・食事をしながら動き続けるとは、人間の心身の限界ってどこにあるんだろう?と考えさせられました。
バックヤードウルトラのルールについてはこちらを参考にしてください。
女子注目選手
私は同じ競技会場で半分だけ楽しみます
私は当面は中距離から100kmまでの記録を伸ばすことを目標にしているので24時間走には出場しません。ただ12時間走の記録を更新したいことから12時間走にエントリーしました。こちらにも強い選手がいるので入賞など難しいと思いますが、24時間走に出場する凄い選手と同じ空間を半分の時間だけ共有させていただきます。
また、応援に来る際に気をつけてほしいことがあります。
選手へのサポートは禁止されていることと、記録など貼り出されているエリアには立ち入りができないことです。サポートなどすると選手が失格になることもあるので注意してください。