ウルトラはトラブルがあって当たり前。対処できた者が勝つ。

先月開催された神宮外苑24時間チャレンジ関連の記事をいくつか書きましたが、その中で1時間ごとの周回数を一覧表にした記事も作りました。

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赤が速くて、色が薄くなると遅くなり、グレーはほぼ歩きの時間帯で、白は止まっていて周回していないことを表しています。

全体をパッとみただけでも、スタート直後の時間はみんな元気に周回を重ねているけど、4時間もするとペースが落ちてきて、夜になると歩く選手、走るのを止める選手が続出してくる。そして終盤になると元気になる選手が増えてくるのが分かります。

個別選手の周回数を追っていくと、この辺りからキツくなったんだな。とか、ここで少しペースを落としたら、ここまで失速はしなかっただろう。とか、24時間走の経験のある方なら、数字をみただけで、その選手の走りや精神状態まで想像できたりします。

今回、私は24時間走の前半12時間は同じコースにいたので、選手の状態を目にしているし、気温などの変化も感じています。そしてラスト2時間は観戦していますが、自分が見ていない空白の時間帯の記録を見ると良くも悪くも予想通りの方もいれば、12時間まではかなり調子良さそうだったけど、深夜の大失速は何が起こったんだろう?と感じたこともあります。

元24時間走日本代表の小谷さんにこの表を見せて、上位選手はどんな走りだったと思うか?と聞いたらレースを半分見ていた私とほぼ同じ感想でした。これは特別なことではなく、24時間走で距離を伸ばそうと試行錯誤している方で、参加選手の力を知っている方なら同じように感じるはずです。

ある意味、共通言語です。

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今回思ったより記録が伸びなかった

上位は力のある選手ばかりですが、上位に入れなかった選手の中にも力のある選手がたくさんいます。選手の実績や走力を考えると今回の気象条件でも230kmを超える力を持つ(可能性がありそうな)選手は少なくとも30人はいましたが実際230kmを超えた選手は8人。

私の自己ベストは214km台(2017年男子17位)ですが、参加者リストを見た時に、私より力が明らかに上の選手に、同じくらいと感じた選手を足すと50人はいましたが214kmを超えた選手は13人。

また、2017年大会は200km超えが男子で29人いましたが今回は21人です。

選手の顔ぶれは2017年大会より今回の方が明らかに揃っていたので、特に210-230km辺りの上位争いには絡まないけど、力がないと走れない距離の選手があまりにも少なかったことが予想外だったのです。

力が出せなかった理由

力のある選手が思ったように走れなかった理由はさまざまでしょうが、私が思うところ・感じたことを書き出すと

  • 24時間走など周回レースに不慣れであった。
  • 過去の目立つ実績を出した頃より走力が低下している。(持久力、筋力低下、体重増加など)
  • レース前から故障など万全な状態ではなかった

この3つはそもそも記録を出せる状態ではなかったということですが、そうでなくて走れなかった選手の大半は以下いずれかの理由だと思います。

  • スタート直後から気温が高くなり、暑さから熱中症気味になった
  • 前半実力以上のペースで有力選手に着いていった。(オーバーペース)
  • 胃腸障害
  • ガス欠
  • 全身疲労
  • 睡魔
  • ランニングフォームの崩れ、左右バランスの崩れが原因で痛みが生じた
  • 靴擦れ、股擦れなど
  • 転倒などケガ
  • 精神的疲労
  • 目標が困難になり走る意味を失った

今回私自身、走っていて危ないと感じたのは序盤の日差しの強さと、左右バランスを崩しやすい状況だったことです。その理由は以下の通りです。

  1. 歩道が水捌けのためにコース右側(道路側)が下がっている。
  2. 点字ブロックの上を走ることもある。
  3. さほど広くはない歩道をレースゾーンと一般歩行者用にセパレートされていることから狭く、そこにスピード差のある選手が走っているので、速い選手の場合は常に抜きながら走ります。当然ながら左右に動きながら前に進まざるを得ません。
  4. 足首につけた計測チップがついたアンクルバンドが大きく重い。

特に4に関しては、過去の大会でもアンクルバンドを付けましたが、こんな大きく分厚く重かったかな?と曖昧ながら感じました。私は3時間ほどで擦れ以外にもバランスが崩れるのを感じたのですぐに逆に足に付け替えて、その後も3時間ほどで付け替えました。通常の大会は軽量な計測チップをゼッケンやシューズにつけるのでこのような大きなアンクルバンドを付けた経験がある選手は少ないでしょう。特に速い選手ほど左右バランス含めて絶妙な走行バランスを保って走っているので、普段と違う重量物をつけるとバランスを崩しやすくなります。イメージしにくいかもしれませんが左右のシューズで重さが40gとか違ったら走りにくいと思います。。アンクルバンドがどの程度の重さだったのかは計測していないので分かりませんがそれなりの重さでした。

それでもレース中もレース後も左右バランスを崩さなかったのは、アンクルバンドを付け替えたのと、Kernelランニングネックレスを付けていることで軸を保ちやすかったことが要因だと感じています。

今回上位に入った強い選手も大なり小なり上記トラブルはあったと思いますが、トラブルに対処できたから大きく失速せず上位に残れた。また回復はしないが諦めずにその時できることを愚直に続けたのでしょう。

24時間走や200kmを超えるレース経験がある方なら分かると思うけど、トラブルがトラブルを生み、負のスパイラルに巻き込まれると気持ちはポキっと折れます。

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100kmなどウルトラマラソンも同様

今回24時間走について書いてますが、100kmなどウルトラマラソンでも同様です。

24時間走を走る方は少ないけど、100kmを走る方はたくさんいます。過去なかなか完走できない方は、走力不足でなければ何かしらのトラブルで先に進めなくなったと思いますが、その原因は上に書いたことで説明がつくと思います。

私自身、それぞれについて準備や対策をして走りますし、ウルプロメンバーや、ウルトラセミナー参加者に伝えています。それぞれ対策は多岐に渡りますが、今回ふと思ったことを書いておきます。

それは上で書いたようなメッセージのやりとりを小谷さんとしていて、そう言えば上記ウルトラマラソンのレース中に発生するトラブルの半分以上は小谷さんが開発したサプリメントやアイテムを使うことで対処や軽減できそうだと思ったのです。

それはレース中に使う即効性のあるものもあれば、準備段階から使うものもあります。

・持久力向上、筋持久力向上、体重減少など

CCP(Catalyst Cardio Performance) Catalyst WHEY PROTEIN  (主にレース前の準備段階で使用)

・ランニングフォームの崩れ、左右バランスの崩れが原因での痛みや故障

Kernel  (練習時・レースともに有効)

・胃腸障害

CAE(Catalyst Athlete Enzyme)  (レース前の準備段階でも有効だが、レース前日からレース中も有効)

・全身疲労 

CR(Catalyst Recovery) (レース前の準備段階でも有効だが、レース前日からレース中も有効)

・睡魔

→今はないがCNC。新商品を開発中と聞いています。 (主にレース中に使用)

精神的疲労、諦めない心

CS(Catalyst Spirits) (主にレース前の準備段階で使用)

その他、アスリチューンなどエネルギー補給や、塩タブレットなどによる塩分補給、また擦れ対策用のクリームやテーピング、そして暑さ・日差し対策としてアグレッシブデザインの日焼け止めなどで防げるトラブルはあります。

小谷さんは5月の弘前24時間走で日本代表を狙う一人ですが、こうした視点に立つと、彼のプロダクツは彼自身が本気で過去の自分を超えるために必要なものを形にしたものだということがよく分かります。

睡魔対策や胃腸障害を軽減した

今回、前半148km以上走りダントツの1位だった曽宮選手は100km走りテントで一休みした再び走り出した時に痛みが出たと話しています。厳しい時間帯はリタイアも脳裏に浮かんだそうですが、歩きも含め故障を悪化させないように前に進むことを選択しました。

順調に走れている時は睡魔などに襲われませんが、歩きが入ると一気に睡魔に襲われることはよくあることです。また日中の暑い時間帯にもかなり速いペースで走っているので胃腸への負担も大きかったと思いますが、レース後にこのようなメッセージをいただきました。

アスリチューン・ポケットエナジーブースト(カフェイン入り)は以前使用した事があったので抵抗なく摂取できました。ただ夜間3回キツい睡魔に襲われた時は眠気どめなども併用しました。それでも1.5〜2時間位で効果が切れるので睡魔対策は課題だと思います。

CAEはレース中に5回飲み助けられました。摂取タイミングは胃の具合が悪くなる度に飲んだので多分2時間おき位だと思います。CAEのお陰で胃の不調で苦しむ時間は最小限に抑えられたので今後もレースで使用したいと思います。

睡魔に襲われやすい時間帯に歩くと強い睡魔になりカフェインをとってもどうにもならず、しばらく寝る選手が多い中、曽宮選手はレースを継続できたのは絶対に諦めないという気持ちと、その時自分にできることを行ったからです。

アスリチューン・ポケットエナジーは、エネルギー補給とともに、足攣り防止を狙いマグネシウムを配合し、また体脂肪をエネルギーに変えやすくするために中鎖脂肪酸を配合したエナジージェルです。ポケットエナジーブーストはそこにカフェインを配合した商品です。味も食感もデザートのコーヒーゼリーのようで非常に人気があり、次回入荷は今月中旬と聞いています。美味しくストレスなくエネルギー補給をしたい方は試してみてください。

また、CAEは胃薬ではなく胃の消化・吸収能力をサポートするサプリメントです。レース前日や当日の食事前やレース中は3-4時間ごとに摂取することで食事やエナジージェルなどが胃に入ったら素早く消化吸収するようサポートし、長時間消化されないなど胃に負担のかかる状態を防止するために私は使用しています。

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ウルトラはトラブルがあって当たり前

ウルトラマラソンは長時間に及ぶレースのため、気象変動も激しく、体力・気力も限界域で走るのでトラブルはあって当たり前です。そしてトラブルが発生した時に冷静に対処できるかどうかで結果は大きく変わってきます。

冷静に対処するために何が必要かというと、一番は事前に起こるトラブルを想定して、発生した時の対処法を考え・準備しておくことです。アイテムが必要であれば準備しておく、もしくはどこで入手できるか調べておく必要があります。またそのトラブルがそもそも起きないようにするにはどんな準備をして、どう走れば良いかなど、経験はなくても起こりうることを事前に考えておくとそれが準備になります。

「トラブルがなかったら儲けもの」くらいに思っておけば、少々のトラブルがあっても動じないし、大きなトラブルになる前に芽を摘むこともできます。

ウルトラセミナーは3月末から2回開催しましたが、参加者からも過去にメンバー向けに行ったオンラインより、明らかにたくさんの情報が頭に入ってくるし集中して聴けたと話しています。また近日3回目を開催したいと思います。

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