2023年弘前24時間走選手権有力選手と日本代表の行方

2023年IAU24時間走世界選手権日本代表最終選考会でもある『弘前24時間走選手権』の有力選手を紹介します。全てのエントリー者を確認できていないので漏れがあるとは思いますが、今回紹介した選手を軸に優勝争いが進むでしょう。

<スポンサーリンク>

有力選手と記録一覧

<スポンサーリンク>

男子レース展望

神宮外苑24時間チャレンジで前半2位以下に大きく差をつけ独走するもレース中に故障し、終盤歩きを交えて距離を伸ばして3位に入った曽宮選手が優勝最右翼です。スパルタスロン歴代3位、そして今回の神宮外苑で苦しみながらも250kmオーバーするなど200kmオーバーでの強さもさることながら、100kmも6時間前半、フルマラソン2時間16分台のスピードの兼ね備えた世界基準のウルトラランナーです。故障の状態を確認するために出場したチャレンジ富士五湖62kmはほぼ4時間で走り2位になりました。このレースで痛みが出なかったことで本大会への出場を決めたとメッセージをいただきました。

曽宮選手を追うのは、参加者選手中一番の記録をもつ楢木選手。復帰戦となった神宮外苑では厳しい戦いになりましたが、世界レベルで様々な経験をした選手ですから修正してスタートラインに付くでしょう。同じく日本代表経験者の小谷選手も数年ぶりに24時間走への挑戦となります。数年がかりで本大会に向けて調整しており256kmの自己ベスト更新に意欲を示しています。そして自己ベスト更新できれば順位や日本代表内定もついてくるでしょう。

そして、24時間走デビュー戦ながら神宮外苑で6位に入った石澤選手や、24時間走の経験はないが1月のジャパントロフィーで石澤選手を抑えて優勝した高橋和之選手、神宮外苑で8位に入った神宮選手や表に掲載した選手が上位争いの核になると予想します。

<スポンサーリンク>

女子レース展望

神宮外苑では思うような走りができなかった仲田選手は、4月のチャレンジ富士五湖118kmでは男子優勝者と大差ないタイムで優勝(大会記録)しました。2位に1時間差、3位に2時間差をつける圧巻の強さでした。また昨年の東呉国際24時間走で256.024kmのアジア記録を出しました。今回も男子選手と上位争いをする展開になるでしょう。

上位を狙う選手として神宮外苑で3位の廣澤選手、そして5位の松本選手に、昨年の弘前優勝者の佐藤選手、そして昨年の小江戸大江戸230kで優勝するなど200km以上のレースで廣澤選手同様抜群の強さを見せる高橋選手など、表に掲載した選手が核となってレースは進むでしょう。

<スポンサーリンク>

日本代表の行方

神宮外苑後にこちらの記事を書きました。

(男子)

男子は現時点では神宮の1位石川 佳彦選手と、2位小野 喜之選手が内定しています。(両選手とも今回は招待選手として100kmに出場します。)

日本代表は4名であり、残り2枠については現時点で曽宮 道選手が19ポイントと大きくリードし、今回はエントリーしていないが高橋 伸幸選手が13ポイントで続いています。

弘前に関しては順位点が1位4点、2位3点、3位2点、4位1点となりますが、現時点で残りは2枠のため曽宮選手以外は最低でも2位に入る必要があります。

仮に曽宮選手が優勝すると、2位の選手がどこまで記録を伸ばすかによって暫定4位の高橋選手との勝負になります。13ポイントを取ると高橋選手と並びますが、2位の順位ポイント3以外に記録ポイント10を取るには250km以上が必要になります。

曽宮選手が日本代表を逃すのは曽宮選手以外に2人が優勝争いをし256km以上のハイレベルな記録を残した場合であり、2位の選手が256kmを下回ると曽宮選手の日本代表は内定します。

今回の参加選手を見ると256kmを超える力を持つ選手は複数いるので、気象条件にもよりますが十分そのような可能性もあります。

距離による内定者はこちらの一覧になると多います。

曽宮選手が1位の場合

距離曽宮選手
(神宮結果)
高橋(伸)選手
(神宮結果)
1位
(曽宮選手)
2位
251km以上19p
(内定)
13P15p以上14p以上
(内定)
250km19p
(内定)
13P
(内定タイ)
14P13P
(内定タイ)
249km以下19p
(内定)
13p
(内定タイ)
13p以下12p以下

曽宮選手が2位の場合

距離曽宮選手
(神宮結果)
高橋(伸)選手
(神宮結果)
1位2位
(曽宮選手)
250km以上19p
(内定)
13P14p以上
(内定)
13p以上
249km19p
(内定)
13p
(内定タイ)
13p
(内定タイ)
12p
248km以下19p
(内定)
13p
(内定)
12p以下11p以下

曽宮選手が3位以下の場合

距離曽宮選手
(神宮結果)
高橋(伸)選手
(神宮結果)
1位2位
257km以上19p13P21p以上
(内定)
20p以上
(内定)
256km19p
(内定タイ)
13P20p
(内定)
19p
(内定タイ)
255km19p
(内定)
13P19p
(内定)
18p
250-254km19p
(内定)
13P14-18P
(内定)
13-17P
249km19p
(内定)
13p
(内定タイ)
13p
(内定タイ)
12p
248km以下19p
(内定)
13p
(内定)
12p以下11p以下

*上記表以外の結果になる事例などありましたら教えてください。

シンプルに257km以上走って2位以内なら確実に日本代表になれるということで、そして248km以下であれば1位でも日本代表になれないということです。

(女子)

女子は現時点では神宮1位の兼松 藍子選手のみ内定です。ただし仲田 光穂選手の40ポイントを抜く選手(249km前後)が今回3人以上誕生するとは考えにくいので、仲田選手は実質内定と考えます。

そうなると、残りは2枠となりますが、現時点19ポイントの楠瀬 祐子選手(現時点出場せず)が有利な状況となっています。そして現時点4位の廣澤 志保選手は13ポイントで今回出場します。

男子のようにシュミレーションをする上で難しくなるのは、実質内定の仲田選手の結果です。1位に入ることで優勝ポイントの4ポイントを仲田選手以外は獲得できなくなるのです。

そこで仲田選手の順位によってどう変わるかを計算してみました。

仲田選手が1位の場合

距離楠瀬選手
(神宮結果)
廣澤選手
(神宮結果)
2位3位
228km以上19p13p21p以上
(内定)
20p以上
(内定)
227km19p
(内定タイ)
13p20p
(内定)
19p
(内定タイ)
226km19p
(内定)
13p19p
(内定)
18p
221-225km19p
(内定)
13p14-18p
(内定)
13-17p
220km19p
(内定)
13p
(内定タイ)
13p
(内定タイ)
12p
219km以下19p
(内定)
13p
(内定)
12p以下11p以下

仲田選手が2位の場合

距離楠瀬選手
(神宮結果)
廣澤選手
(神宮結果)
1位3位
228km以上19p13p22p以上
(内定)
20p以上
(内定)
227km19p
(内定タイ)
13p21p
(内定)
19p
(内定タイ)
220-226km19p
(内定)
13p14-20p
(内定)
12-18p
219km19p
(内定)
13p
(内定タイ)
13p
(内定タイ)
11p
218km以下19p
(内定)
13p
(内定)
12p以下10p以下

仲田選手が3位以下の場合

距離楠瀬選手
(神宮結果)
廣澤選手
(神宮結果)
1位2位
227km以上19p13p21p以上
(内定)
20p以上
(内定)
226km19p
(内定タイ)
13p20p
(内定)
19p
(内定タイ)
220-225km19p
(内定)
13p14-19p
(内定)
13-18p
219km19p
(内定)
13p
(内定タイ)
13p
(内定タイ)
11p
218km以下19p
(内定)
13p
(内定)
12p以下10p以下

まとめると

現在内定候補選手が代表になれないケース(同ポイント含む)

仲田選手・・・自分以外の3位までが248km以上の場合

楠瀬選手・・・仲田選手が1位・2位の場合は3位が227km以上走った場合、それ以外の場合は2位が226km以上走った場合

廣澤選手・・・仲田選手が1位の場合は2位が220km以上走った場合、仲田選手が2位以下の場合は1位が219km以上走った場合

今回出場の選手目線に立つと、仲田選手の順位や距離は考えずに、とにかく仲田選手を除いて1位かつ220km以上走ること。仲田選手を除いて2位であれば227km以上を超えるしかありません。代表候補の廣澤選手は仲田選手以外の選手が220kmを超えそうであれば、その選手に勝つしかありません。そして追いつけないのであれば楠瀬選手のポイントを超えるために227kmを目指すことになります。

今回、あえて細かいことを書きましたが、日本代表を狙うならまずは男女とも2位に入れるようなレース展開から落ちないように走る。その上で男子は250km以上、女子は220km以上を最低線として上乗せを図っていく。出場していない見えないライバルもいますが、今回は実際に同じコース上に多くのライバルがいるのですから、まずは見えているライバルとの戦い。そして自分自身との戦いに勝ちましょう。

<スポンサーリンク>

エントリーは本日まで

24時間走以外に、48時間走、公認100km、12時間走も4月28日までエントリーできます。上記記事を読んで、日本代表を目指したいと思った方だけではなく、有力選手と同じコースで24時間戦いたいという方、過去の自分を超えたい方、24時間走は流石に長いのでその練習として100kmや12時間走を走りたいという方、とにかく一番長い時間走れて参加費を競技時間で割ったコストパフォーマンスが高い48時間走に魅力を感じる方(48時間で28,000円 1時間あたり583円)など走りたいと思ったらエントリーしましょう。

『あの時エントリーしていればよかった』というやらなかった後悔をするより、スタートして『なんでエントリーしちゃったんだろう』という後悔の方が先々に繋がります。山岳地帯を走るオーバーナイトのトレイルレースは滑落など命に関わるリスクはそれなりにありますが、街中の公園で開催される大会はその心配はありません。何か最近物足りない。このまま人生終わらせたくない。など何か変えたいと思う方お待ちしています。

大会概要はこちら

エントリーはこちら(4月28日まで)

私は前年に続き、100kmに出場(前年は優勝)し、その後は大会役員として主に記録関係やレース展開などの情報提供をしていく予定です。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA