サブ3率が上昇した理由〜男性のサブ3率4.5%〜

少し前までは、男性のサブ3は3%程度と言われていましたが、コロナ禍を挟んで変化が出てきました。

月間ランナーズ7月号別冊「全日本マラソンランキング」は、そこに掲載された自分や友人の名前を見つけるのも楽しいですが、私は羅列された数字を見てあれこれ考えるのを楽しみにしています。

色々気づくことはありますが、男性のサブ3率は4.5%という点について少し考えてみました。

単年度の比較だと見えてこないこともあるので、コロナによる大会中止の影響を受ける以前の2018.4から2019.3のデータと比較してみます。

こちらは4年前に書いた記事です。

その記事に掲載している表と同じ項目の表を作って横に並べてみました。

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サブ3率の4年前との比較

この表だけでも、いろいろ気づくことはあると思いますが、その辺りを書き出してみるとこのようなことが気になりました。

  • 完走者数は昨年一昨年と比べると増加してきたが、まだ4年前の水準には達していない。
  • 50代、60代の完走者数は大きな変化はないが、40代以下の人数減少が大きく、特に30代は半分近くに減少している。
  • サブ3達成者数は微増
  • 年齢が高くなるとサブ3率が低下するのは変わらないが、各年代でサブ3率は高くなっている。

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サブ3率が3.1%から4.5%に上昇したが簡単になった訳ではない

サブ3率が高くなったという数値を元にサブ3が簡単になったと単純に考えてしまう方もいると思うが、2018-2019年シーズンにも既に厚底カーボンシューズは広がっており、それらの影響でタイムが大きく伸びたとは思えない。サブ3達成者の総数はほとんど変わっていないのだから、私はこの点に関してはこのように考えます。

コロナ禍で大会が中止になり、ランニングをする習慣がなくなった方は少なくないようですが、サブ3レベルの方は大きなフルマラソンが中止になっても、河川敷のハーフマラソンなど草レースを走ったり、トラックで5000mレースを走るなど走力を落とさない工夫をされていたように感じます。4年前と比較して完走者数が男性で9万人近く減少した大半は、そこまでランニングに対しての順位付けが高くない方々と思ってます。

そうすると、分母は減って分子は減らないのだから、サブ3率は高くなります。

30代の完走者が減少した理由

一番の理由は、そもそも人口統計的に30歳代の人数は減少しています。総務省統計局発行の年齢各歳別人口をみると令和3年の数値で、男子は40歳77.3万人、41歳80.7万人、42歳82.7万人で、30歳64.4万人、31歳65.5万人、32歳66.5万人とあります。ランニングしているしていない関係なく、毎年20代から30代になる方より、30代から40代になる人が2割も多ければ30代の人口は減少します。こちらは日本のさまざまな分野で問題になっていることですが、現在の30代の完走者数をみると、何もしないとこの先マラソン大会の高齢化は一気に進むでしょう。

30歳から39歳までの完走者数を1歳刻みでこちらに書きますが、それをみると容易に想像できるでしょう。

2858-2933-2919-2880-3338-3663-4006-4356-4682-5050 なんです。今回の完走者は来年も完走すると仮定しても、次回資料作成時には、5050人いた39歳が40歳になり、新たに30代に入る現在29歳の完走者は2803人と2200人も減少するのです。

参考までに一番完走者が多い年齢ゾーンは46歳から52歳で7000人を超えていますが、以前は多い年齢だと10000人を超えていたので全体的に減少しているのは間違いないでしょう。

なぜ、若い人はマラソン大会に出なくなったかは、話が広がりすぎるので別の機会にします。

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50代のサブスリー難易度

20代、30代ではサブ3率が9%にも達する年齢はありますが、50代の年齢別サブ3はこのように推移しています。もう分かりすぎるくらい毎年サブ3率が減少しています。

また、上位1%のタイムを年齢別に調べてみると多少前後する年齢はあっても落ち続け、10年間で8%程度タイムは落ちています。よく1年に1%タイムは落ちると言われていますが概ねその通りになっています。

ウルプロには50代で初めてサブ3したメンバーは複数いますし、トレーニング方法などによって達成できるタイムではありますが、50代になると難しくなることは統計的には間違いないようです。

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56歳で50位

今年、私は2時間57分25秒で56歳の部50位でした。コロナ禍で大会が少なかった昨年の29位を除けば過去最高順位でしたが、1位はダントツの2時間29分51秒、2位は2時間32分48秒、3位は2時間39分59秒と2時間40分を切っていますが、4位は2時間45分57秒と間隔があき、2時間50分切れば11位、2時間55分を切れば33位、サブ3すれば78位となります。1位の方は40代後半50代前半の1位ともほぼ同じようなタイムなので突き抜けていますが、2時間50分を切るとTOP10が見えてくるのです。ちなみに45歳あたりだと2時間50分を切ってもTOP100にも入れません。

中距離にもマラソンにも突き抜けた方はいますが、全体的に年齢が上がればタイムは落ちていきます。その中で少しでもタイムを伸ばしていけば順位は大きく上がっていくので試行錯誤していきます。

月間ランナーズ7月号

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