ウルトラプロジェクトメンバー7人全員 えちごくびき野100キロマラソン完走

えちご

10月9日開催のえちごくびき野100キロマラソンに参加したウルトラプロジェクトメンバー7人全員完走しました。私のレース展開につきましては別に書きますが、ゴール地点で待っていた私の前に現れるメンバーの顔は充実感で一杯でした。今回はメンバーそれぞれのチャレンジについて紹介します。これから100キロなどウルトラマラソンにチャレンジしたい方は是非お読みください。

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T.Nさん 自己ベスト!!

40歳代 男性

11時間28分59秒

今年4月のチャレンジ富士五湖で100キロデビューを果たしたT.Nさんは、7月、8月に左右の足首を登山などで相次いで捻挫するなど万全な準備はできませんでしたが、自己ベストを更新しました。

本大会にエントリーしたきっかけ

えちご・くびき野100キロマラソンの存在を知ったのは去年11月に参加したウルトラプロジェクトの初練習会終わりの懇親会でした。みんなが口を揃えてとても良い大会と言っていたのが印象的でした。当時ウルトラマラソン未経験の自分は会話に出てくる耳慣れないレースの多さと果てしない距離の長さにウルトラマラソンの奥深さを知ってしまった瞬間であり、猛者の集いに足を踏み入れ、若干の不安を感じた夜でした。

レース展開

今回のレースで、苦しんだポイントは雨・風・坂でした。雨はゴアテックスジャケットなど装備のおかげで冷えることなく、どうせなら楽しんでしまえと開き直っていたので気になりませんでした。風はそのうち落ち着くことを祈って前傾を保ち何とかやり過ごしました。坂はトレイルや実家の坂道に比べたらマシと自分に言い聞かせ、ほとんど歩くことなく登りきれました。坂練の効果も出たのかもしれません。80キロまでは常にポジティブ思考で進めました。

しかし、峠越えと向かい風で消耗したせいか84キロで足が止まりペースが上がらなくなりました。そんな苦しい場面で、中盤から割と近い所を走っていたウルプロメンバーに声をかけてもらい一緒に終盤を走る事になり本当に助かりました。そして、レース終盤に自己ベスト更新が手に届きそうと分かり、ラスト3キロをロングスパートし、ゴールまでスピードを緩める事なく駆け抜けられました。不思議とレースの長さは感じず、充実感に満ちていました。

故障明けのレース

今回は、怪我明け後のロードでのロングレースでしたが、9月に白馬国際トレイルラン50キロでゆっくり9時間走っていたし、二週間前の信州駒ヶ根ハーフでも不安なく走れていたので、それほど不安は感じずにスタートしました。レース中は怪我の場所を気にすると、かばってバランスを崩すので極力気にせずに走りました。もちろんテーピングで予防はしました。練習だけでなく、実戦のレースを幾つかゆっくりリハビリペースで走っておいたのが良かったのかもしれません。

大会運営について

コースはちょっとタフだけど、溢れるほどのホスピタリティ満載でとても温かい大会、お勧めです。

M.Hさん トラブル発生も完走!!

40歳代 女性

12時間54分26秒

チャレンジ富士五湖118キロや雁坂峠など完走しているM.Hさんは、レース中に古傷に違和感が出るも、すぐに諦めずに、その時自分にできる走りをすることで制限時間35分前にゴールしました。

レース展開

峠越えが4つありほかにも細かなアップダウンのあるタフなコースでした。当日は雨に風もありレインウェアが最後まで手放せませんでした。キロ6分を超えないように前半進み順調だったのですが40キロ過ぎの一つ目の峠の下りで古傷の左足/腸脛靭帯(膝の外側)に違和感が出てしまいその後勾配のキツイ下りは痛みで走れなくなりました。

44.5キロ地点の救護でテーピングをもらい応急処置。自分で貼って先に進みましたが、ダメかも…とDNFが頭をよぎりましたが、コース途中そして荷物預けのレストポイントで仲間に会いエール交換。みんな頑張ってる!とパワーをもらいました。

そして、50.5キロ地点で、ふと“マッサージ”の看板が目にとまり症状を説明してお尻周りをほぐしていただきました。レース中にマッサージを受けたのは人生初ですが、なんとか完走したい。諦めたくない。という気持ちがあったからマッサージの看板に目が止まったのだと思います。痛みが少しでも和らげはまた走れると思いました。

その後も平地と上りは走れるけど下りは力が入らず痛くて走ることはできず、歩きになりましたが、58.2キロ、69.0キロ、78.4キロ、92キロと5ヶ所でマッサージのお世話になりテーピングや全身のバランスを整えてもらったりと最善を尽くしてもらったことでゴールすることができました。本当にありがたかったです。

また、給水やエイドポイントが短い間隔であり次まで次まで…と目標を持って足を進め、完走したい!いつしかDNFから関門で止められるまでは進もうと決意し前を行く仲間の背中を追いかけました。短い間隔である給水、エイドポイントでは地元の方や学生さんたちの温かいおもてなし。そして誘導係の方々たくさんの沿道応援の皆さんから声をかけていただきなんども助けられました。ラスト97.1キロのエイドポイントからカウントダウン。あとたった2.9キロが長った。でも完走できることを確信して足は痛いけど元気になりました。ゴール少し手前で学生さんにお礼を言って反射板を返却。レインウェアを脱いで腰に巻きゼッケンがわかるようにしました。

仲間の応援そしてハイタッチしてゴールへ!!長く痛い旅だったけど諦めないで前に進んでよかったです。ゴールできてホッとしました。そして苦しんだけど終われば楽しかったです。たくさんの方々の応援やサポートがなければ難しかったと思います。感謝の気持ちでいっぱいです。ありがとうございました。また2年後走りにいきたいです。

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J.Oさん 初100キロ完走!!

50歳代 男性

12時間32分54秒

今回初めて100キロマラソンにチャレンジしたJ.Oさんはほぼ予定通りのレース展開で完走しました。

100キロマラソンチャレンジに向けて

入会前は100キロ完走について具体的なイメージがありませんでしたが、入会してウルトラセミナーを受けたことにより、目標設定やペース配分、走り方についてイメージを持って臨むことができました。

苦しい場面で何を考えたか?

実際に100キロを走った気持ちは、初ウルトラだったので完走を第一目標に出来るだけ脚を残せるように走りましたが、距離が長いことから、腸脛靭帯や足底に違和感がでるなど苦しい展開となりましたが、そんな時には、ゴールゲートをくぐり抜け、完走メダルと完走証を手にしている自分の姿をイメージして自分自身を奮い立たせました。

フィニッシュした時の気持ち

辛い場面でも諦めることなくゴールを目指して走りましたので、フィニッシュゲートが見えてテープを切った時は、達成感で一杯でした。

R.Fさん 自己ベスト!!

50歳代 男性

11時間28分53秒

50歳代それも後半のR.Fさんが自己ベスト更新しました。フルマラソンでもサブ3.5を狙って一生懸命スピード練習をしています。

50歳代であっても、しっかり目標を定め、そのために必要なことは何かを考え、実行することで、まだまだ伸びることを証明してくれました。

ウルトラプロジェクトに入会して変わったこと

今年5月の野辺山100Kでの途中リタイヤを受け、リベンジの大会として当大会を目標設定し、走力アップと理論的な対策を期待し、7月よりウルトラプロジェクトに入会しました。

走力的に少し上のレベルの人も多く、練習会でよい刺激を受け、夏の暑い時期のスピード練習で走力的にもワンランクアップできた感触は持っていました。また、コーチ陣の理論的な指導や継続的なFBへの記事アップ等により、大会当日に向けモチベーションをさらに高めることが出来ました。

キツイ場面で頑張れた理由

エイドでウルトラプロジェクトのメンバーと励ましあい、また、84キロ以降は、メンバーの一人と一緒に走れたことで、気分の切り替えができ、強い気持ちを維持することが出来ました。また、今回初めてアスリチューンの黒を使ったのですが、50キロ以降、固形物を受け付けなくなった胃でも摂取でき、エネルギーを維持することが出来ました。

ゴールが見えた時、ゴールした時の気持ち

100Kレース4回目で初めて目標タイム設定やペース設定して臨みました。昨年の隠岐の島100Kの記録から12時間は切れるとは思っておりましたが、あわよくばと思っていた11時間30分も切ることが出来ました。最後5キロでスパートし、ゴールを目指しましたので、ゴールが見えた時は、あそこまでいけば解放されるという気持ち、ゴールした時は出し切ったという気持ちで爽やかな幸せ感に包まれた感じでした。

M.Kさん 2年前のリタイアを超える

50歳代 男性

13時間27分26秒

2年前は78キロ地点でリタイアしたM.Kさんが制限時間2分前にゴールに飛び込んできました。ランナーズアップデートがない本大会では途中経過が一切わからないので、M.Kさんがどこにいるのかも分からず、私自身不安でしたが、絶対に完走すると制限時間7分前からフィニッシュゲイト付近で待ち構えていた私の前に精魂尽き果てながらM.Kさんが飛び込んできました。

長い距離のレースを連戦していることもあり、ちょうけい靭帯の痛みにスタート前から悩まされ、終盤は脚が攣り動かなくなるなど苦しいレース展開となりましたが、ラスト5キロ、残り時間37分からロングスパートをしてゴールに駆け込んだとのこと。おめでとうございます。

M.Kさんのレース展開に関しては追記します。

K.Eさん 初100キロ完走!!

40歳代 男性

11時間54分XX秒

初めて100キロにチャレンジしたK.Eさんは、業務が多忙になり平日は睡眠時間を確保するのも苦慮する中で、自分にできることをしっかり行ってきました。1週間前にレース展開について打ち合わせをしましたが、そこで決めたことをしっかり守って絶対にゴールすると頑張りました。

フィニッシュ会場でK.Eさんの姿を見たときには本当嬉しかったです。

K.Eさんが話す言葉の中には、私自身凄く参考になる言葉も含まれています。これはウルトラマラソンに限った話ではなく、マラソンに限った話でもないと思います。是非参考にしてください。

100キロのゴールが見えた瞬間、ゴール後の気持ち

最後のコーナを曲がってゴールが見えたとき、多くの方々が迎え入れてくれる姿が見えたとき、頭が真っ白になって記憶がありません。気付いたらゴールテープを切っていました。最高の瞬間の記憶がないのが残念ですが、記憶がなくなるほど最高の瞬間でした。

苦しい場面をどう乗り越えたか

・目標の再確認のセルフトークをしました。

いま自分は、なぜ高いエントリー費、宿泊費、交通費を払い、貴重な休日を使ってここにいるのか。サブ12のため。いま踏ん張らないで、いつ頑張るのか。そして痛みがあるときのセルフトークもたくさんしました。→痛いのは気のせい。痛いと思うから痛い。痛いと思わなければいい。脳が楽をしたいから、痛くないのに、痛いと指示をしているだけ。怠け者の脳に騙されるな。

・辛い時、痛い時、笑うことも心がけました。

・時計を見ないようにしました。正確には、時計を2つ持っていたのですが、2つとも、トラブルで計測に失敗してしまい、わかるのは現在時刻のみ。でもそれがよかったです。前に進むだけ。時計を見ると、余計なことを考えてしまうので。だた前に、前にと考えていました。あと何キロ、いま何キロ、ではなく、今を走るようにしました。

・ボランティアの方、沿道で応援してくださる方、他のランナーとの、コミュニケーションをできるだけ大切にしました。みんなが自分を応援してくれていると思い込むと踏ん張りがききました。

二人で考えたペースと実際のペースは同じだったか

結果(ゴールタイム)は同じでしたが、ゴールまでの過程は違いました。

まず、スタート後にキロ7分くらいの集団のペースに馴染んでしまい、そして20キロくらいからチョウケイ靭帯が痛くなり、35キロには平地でも歩きが入るようになってしまいました。この二点は想定外であり、前半50キロが5時間51分と、かなり遅くなってしまいました。

それでも事前の計画では、後半をキロ8分くらいで走ればサブ12ができる計算だったので、気持ちさえ切らさなければ、ウルトラの復活があるはずで、必ずリカバリできると確信を持つことができました。

結果、前半5時間51分(スタートのロスタイム2分含む)、後半6時間03分と前後半差は実質10分の差で走ることができました。前半がだめでも、事前の計画を、焦らずその時の状態でうまく調整できたのがよかったです。

目標達成のポイントになったこと

レース前に決めたことの中で特に重要だったのは、すべての上りは歩き、エイドは止まらないことです。この二つがサブ12の大きなポイントになりました。長い時間を走るウルトラマラソンであっても、一分一秒を大切にした、その積み重ねがサブ12に繋がったことは間違いありません。今回は35ヶ所のエイド、給水所があり、もし10秒ずつ長居をしたら、サブ12はできなかったのです。

月間70キロという準備不足で挑まなければならなかった焦りなどを、どう切り替えたか

一番気を付けたのはセルフトークです。自分はネガティブトークをしてしまいがちの認識があるので。例えば「ぜんぜん練習できなかった」→「十分に休脚ができた」というように、考え方をリフレーミングするように心がけました。

一晩寝てどんな気持ちですか

レース直後は達成感を満喫しました。翌日になって充実感はある一方で、冷静になって記憶が鮮明なうちにレースを振り返り、今後の課題整理を始めました。100㎞を経験したことで、たくさんの学びがありました。次はもっと上手に走れるように、今回の学びを練習にフィードバックしていきたいです。次のレースが楽しみです。

時間が取れない中で目標達成を目指すために必要と思うこと。そして楽しさは。

適切な目標の設定が大切だと思います。簡単に達成できず、でもちょっとがんばればできる、という目標を設定することは、とても大切だと思います。今回は、ちょうど良い目標を設定できたと思っています。そして、限られたリソース(時間だけでなく、いまの自分の身体的な能力もあると思います)を、いかに上手につかって結果を出すのかを、考えること・分析すること・工夫すること、それを楽しむこと、が必要だと強く感じました。


K.Eさんのコメントを見て、気持ちが非常に強いから達成できた。結局ウルトラマラソンは根性か。と読まれた方もいると思います。もちろん最後は気持ち・根性だと思いますが、それはしっかり計画をたててできる準備を行った上でのことです。

最初からウルトラマラソンは根性だ、頑張ればなんとかなる。と思考を止めてしまうランナーも少なからずいると思いますが、それでは目標達成はできないと思います。特に練習時間が確保できないランナーは考えることが凄く大事なことです。

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平均年齢50才のチャレンジ

今回、私以外に6人のウルトラプロジェクトメンバーが、アップダウンの厳しいタフなコースにチャレンジしました。サブ10ランナーであれば晴れて暑くなるより、雨であっても気温が上がらないことを歓迎しますが、それ以上かかるランナーにとっては雨や風で身体が冷えるレース展開は厳しかったと思います。その状況で初めての100キロチャレンジとなった2人は、レース前に学んだレースマネジメントを貫き通しほぼ目標タイムでゴールしました。また2人のランナーは自己ベストを更新しました。そして1人は2年前はリタイアでしたが、今回も終盤万事休すの状況からロングスパートして制限時間ギリギリでゴールしました。ただ一人の女性ランナーは自己ベストには遠く及ばないタイムでしたが、古傷にトラブルが発生する中、諦めずにゴールしました。

私を含めた7人の平均年齢を計算したところ、ちょうど50才でした。50才といえば一般には成長期とは無縁の年齢だと思いますが、みんなウルトラプロジェクトに入会してからも成長を続けています。

優勝や入賞などをするランナーは素晴らしいと思います。でも過去の自分を超えようと一生懸命何をすべきか考え、実行し、目標達成を目指すランナーも同じくらい素晴らしいと思います。

ウルトラプロジェクトは、過去の自分を超えるために頑張るランナーを応援します。

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