サロマ湖100kmウルトラマラソン エントリーについて

(画像は大会公式ページです。)
日本最高峰の100キロマラソンであるサロマ湖100kmウルトラマラソンの2016年大会のエントリー日が発表されました。
詳細はサロマ湖100kmウルトラマラソンの大会ホームページをご参照ください。
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エントリー開始日

サロマンブルー、地元優先エントリー
2016年1月20日(水)20:00から
一般エントリー
2016年1月27日(水)20:00から
サロマンブルーの優先エントリーは条件が非常に厳しく、以下2つの条件を満たす必要があります。
・サロマンブルーメンバーであること
・直近3年間(2013年、2014年、2015年)の3大会を連続3回、時間内完走していること
サロマンブルーとは10回完走しているランナーですが、もう一つの条件があることで相当数のサロマンブルーメンバーは涙を飲んでいます。
2013年〜2015年の3年間すべて完走しているのが条件なのですが、2014年は気温が上がり完走率が例年になく落ち込んだ年です。
仮に2014年にリタイアしたサロマンブルーメンバーはこの条件が変わらない限りは、2015年、2016年、2017年のエントリーをクリック競争で勝ち取った上で、完走する必要があります。もしエントリーできなければ優先エントリーはまた先に延びます。
個人的には、まだウルトラマラソンの人気がない時代から、参加しウルトラマラソンを盛り上げてきた先輩方のわけですし、3550人の定員に占めるサロマンブルーメンバーは少ないので、もう少し緩和しても良いと思っています。
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以前から疑問に思うこと

この大会の正式名称は、第31回サロマ湖100kmウルトラマラソン兼IAU100km世界選手権2016日本代表選手選考会です。
そう、この大会で4位までに入ると、世界選手権に日本陸連派遣選手として出場できるのです。その切符を争う日本代表選考会なのです。
2016年大会については追加が出る可能性もありますが、少なくとも2015年大会までは、日本代表を争うことができるレベルのランナーもクリック競争でエントリーを確定させないと、スタートラインにつくこともできませんでした。
私が知る限りでも、過去50キロや24時間走などのウルトラマラソンで日本代表経験のあるランナーや、トレイルやマラソンで非常に強く日本代表を目指して参加しようとした何人もの選手がエントリーできませんでした。
第31回サロマ湖100kmウルトラマラソンであれば、構わないと思いますが、兼IAU100km世界選手権2016日本代表選手選考会が付く以上は非常におかしいと思います。
例えると、世界陸上やオリンピックのマラソン選考レースに、エントリーしようとした、川内選手がクリック競争に敗れ選考レースに参加できないのと同じことです。
もしくは川内選手のような日本を代表するランナーが、100キロにチャレンジしようとしたが、クリックで敗れスタートラインにつけないということです。実際、川内選手が出るような場面があれば、もちろん変わるのでしょうが、現時点でも日本代表選考なのです。
なぜ、参加標準タイムを設けられないのか疑問です。
今年のエントリー後にも、ブログやフェイスブックにこの点について書きましたが、従来まではエントリーがすぐに埋まるというのは想定外だったようです。ただ2016年からは参加標準タイムができると思っていましたが、最初の発表時にはありませんでした。
もしかすると、近日、参加標準についてのニュースが流れるかもしれません。期待してます。
私が考える参加標準

もちろん、8時間26分程度の私が得られるような参加標準タイムではありません。具体的な数値を上げるとこのようなタイムです。
男子
100キロ:7時間30分以内
マラソン:2時間30分以内
女子
100キロ:8時間30分以内
マラソン:2時間55分以内
もちろん公認記録です。対象者は非常に絞られるでしょうが、日本代表を争う選手の訳ですから、このくらいのレベルになるでしょう。
なぜマラソンのタイムを入れたかというと、実業団選手がエントリーできるようにです。世界で戦うには実際のところマラソンで2時間25分くらいのスピードがないと勝負になりません。
少人数ですから、3550人のエントリーには大きな影響は与えません。
もちろん賛否両論はあるでしょうが、代表選考レースという以上は絶対に必要だと思います。
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(追記)追加エントリー枠

12月24日に募集要項がアップされ、その翌日に追加エントリー枠が発表されました。
概要は以下の通りです。
本大会は「IAU100km世界選手権2016日本代表選手選考会」と兼ねているため、前回大会で素晴らしい実績を収められた下記ランナーに、一般枠とは別に、エントリー枠を与える。
●2015大会の100kmの部(登録男子/女子)で3位以内に入った方
●2015大会の100kmの部(一般男子/女子)で総合3位以内に入った方
●2015大会の100kmの部(登録男子/女子)で4~10位の方
12月24日にこの記事をアップした際に、記載した内容の半分は盛り込んだ形になりましたが、Facebookにそのことを書くと、こんな鋭い意見がありました。
要約すると、『自ら一般枠でエントリーしたランナーを救済する必要はない。一般男子3位より登録男子11位の方がタイムが上であることを考えるとおかしい。』というもの。私自身の考えは、登録、一般関係なく良いタイムを出した選手に優先枠を与えれば良いと思います。
そう言えば、登録男子だけではなく、登録女子の11位に記憶があったので、調べたところ、なんと、本サイトのトレイルランナー紹介に登場した、(小原 将寿(Masatoshi Obara) 選手と、ウルトラランナー紹介に登場した、楠瀬 祐子(YUKO KUSUNOSE)選手でした。
2人のタイムを一般の上位選手と比較してみました。
登録男子11位 小原 将寿 7:08:46
一般男子1位 6:47:51
一般男子2位 7:20:42
一般男子3位 7:30:19
登録女子11位 楠瀬 祐子 8:47:38
一般女子1位 7:43:16
一般女子2位 8:48:23
一般女子3位 9:06:27
2人とも一般2位よりタイムは上なことが判明しました。
「IAU100km世界選手権2016日本代表選手選考会」と兼ねているからこその追加エントリー枠であることを考えたら、趣旨に反していると思います。
なぜなら、日本代表選考対象になるのは、登録の部にエントリーした選手のみです。仮に一般部門の1位が全体の1位だったとしても、日本代表にはなれません。
また素晴らしい実績を残したという観点で選出するのであれば、登録、一般関係なく全体の順位で上位選手を選出すべきだと思います。
今までなかった優先枠ができたことは素晴らしいことだと思いますが、この点は残念でした。また、今まで100キロは走ったことはないが、フルマラソンや50キロで素晴らしいタイムを持っている選手が参加できない可能性があるのも課題だと思います。
先週の神宮外苑24時間チャレンジと同時開催された、50キロ世界選手権代表選考会の優勝は3時間を切っています。素晴らしいタイムだと思います。
1998年に砂田貴裕さんが出した世界記録 6:13:33や、2000年に安部友恵選手が出した世界記録 6:33:11はしばらく破られていません。このタイムを破るには、フルマラソンを男子なら2時間10分、女子なら2時間25分くらいの力を持つ選手が走らないと難しいと思います。
そのためにも、標準タイム設定は必要だと思います。