サロマ湖100kmウルトラマラソン攻略法 その2(ペース設定)

サロマ湖

日本最高峰の100キロマラソンであるサロマ湖100kmウルトラマラソンについて、いろいろな情報をまとめていこうと思います。サロマ湖100kmウルトラマラソンの大会ホームページを見れば簡単に見つかるようなデータもありますが、それだけでは作る意味がないので過去走った経験等も含めて紹介します。


攻略法その1はこちら

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サロマ湖100kmウルトラマラソンのペース設定について

私が初めて走るコースのペース設定を考えるときによくやる方法を紹介します。

まず最高気温が高くなり完走率が低かった2014年大会の男女上位10人の10キロ毎ラップを分析してみましたので、まずはご覧ください。

スマホだと見にくいと思いますのでパソコンで見ることをおすすめします。もしくは広げて見てください。

自分はサブ10を狙うのだから(完走を狙うのだから)上位選手のラップなんて関係ないと思われる方は多いと思いますが、それは間違いです。確かに男子の上位選手は序盤10キロ36分台なんて驚くようなペースで走りますが、サブ10狙う方にそのペースで走りなさいと薦めるわけではありません。
着目して欲しいのはゴールタイムに占める10キロ毎ラップの比率です。

上位選手は大崩れしないからこそ上位に入っているのです。サブ10狙うランナーも完走を狙うランナーも最初から大きく崩れることを前提にレース運びは考えていないと思います。レースで良いタイムを出すには自分の持っている力を上手に出すことが必要となります。

ゆっくりとはどのくらいゆっくり?

ウルトラマラソン初挑戦の方に、走ったことがある人がするアドバイスとして『ウルトラマラソンはゆっくり走れ』『序盤から飛ばしすぎるな』があります。もちろん間違っていませんが、漠然としていてよく分かりません。同じ走力の人でも聞いた人によってゆっくりの感覚は違うのです。例えばサブスリーのランナーであってもゆっくりの感覚はキロ4分45秒であったり、キロ6分30秒であったりします。

違う項目で詳しく書こうと思いますが、サブスリーランナーがゆっくり走れと言われてキロ6分半で走ったらかなりキツイと思います。遅すぎるとフォームが崩れて効率良いフォームで走れません。おそらく気持ちよく走れるのはキロ5分から5分半くらいだと思います。私がサブスリーランナーが初めて100kmに挑戦するときにアドバイスするのは序盤はキロ5分から5分15秒で40〜50kmまでは楽に走り、そこからは大きく失速しないように徐々に落としていきゴールを目指せばサブ10は出来るということです。上手に走ればサブ9だってできます。

完走狙いのランナーであっても同様です。普段のジョグよりも遅いスピードで走るのはロスなのです。序盤ゆっくり走ったって後半楽に走れるわけではなく、結局コース上にいる時間が長くなればなるほど疲れてくるものです。そのあたりも含めて上手なペース設定をして、その設定をトレースするように走ればきっと気持ちよく走れると思います。

話を上位選手のラップに戻しますがなぜ上位10人にしたかといえば、1人や2人だとそのランナーが序盤を速めに走るランナーなのか、序盤を抑えるランナーなのかによっても変わってきますし、後半失速している場合だってあります。今回は女性10人を加えて計算したことでより平均化しました。

まずゴールタイムにおける50km通過タイムの比率をみてください。20人の平均は47.59%です。この選手の中には6時間台も、7時間台も、8時間台も、9時間台もいるのです。もちろん中には前半速めに入って失速したランナーもいますが、それでも前半50kmの比率は44.81%で、前半抑えて後半勝負にいったランナーで49.73%というランナーもいますが多くは47〜48%に入っています。

ちなみに昨年の私は暑さに負けて終盤失速しましたがそれでも前半50kmの比率は45.19%です。当日はスタート時から暑かったけどサブ9を狙ったペースで入ったけど50kmを前にして保てなくなりました。しかしそこからも大失速しないでゴールをすることはできました。

次にこの47.59%をベースに7時間から13時間のペース設定を作ってきましたのでご覧ください。

私の経験上で9時間目標と10時間目標を考えるとこの50キロ通過タイムではギリギリです。持久力の強いランナーであればいけると思いますが一般的には少し厳しいと思います。感覚的には50キロ通過を46%くらいで走れれば後半も余裕を持って走れると思います。

そこで前半50kmの通過を46%に修正してみました。

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前半46% 後半54%%のペース配分

例えばサブ10狙いなら前半50kmを4時間36分で走れば後半50kmを5時間24分で走れば10時間です。別の言い方をすると前半より後半は48分遅くても良いのです。1キロあたり1分近くペースが落ちても良いのですから楽に走れると思います。また先に触れていますがこのレースは10時くらいから日差しが非常に強くなり厳しくなってきますのでサブ10レベルでも1分近くは落ちると考えてペース設定をしたら良いと思います。もし50キロを過ぎても余裕があるなら可能な限りペースダウンを抑えれば10時間目標だったのが9時間50分や9時間40分でゴールできるかもしれません。

また完走狙いのランナーにとって大事なのは関門です。上記の表だと後半はホントギリギリになりますが、前半を46%で走るようにすればある程度余裕を持って走ることができます。最初の10キロは1時間11分45秒の設定ですがスタート位置によってはロスが5分くらいはあるでしょうから完走狙いのランナーは前半の走っているときはキロ6分半を意識したら良いと思います。そうすればエイドで給水したりトイレに行く時間を織り込んでも表のペースで走れると思います。50キロ以降は10キロあたり80分以上の設定になっているので平均キロ8分を超えても良いペースです。これなら多少歩きが入ってもキープできるペースです。

しかしこうやってみると8時間を狙うのはかなり厳しいです。フルマラソンの通過が3時間04分くらいですから今の私には完全にオーバーペースです。やはり当初予定どおり8時間30分切りを狙うペースで序盤は入るようにします。その場合の設定タイムは8時間と9時間の中間になるわけですから最初の10キロは46分55秒で50キロ通過は3時間54分36秒ですからイメージはつきます。

この計算式は一例ですから自分の走りに合わせてアレンジしてみてください。設定通りなんて走れっこないのだから考えるだけ無駄っていう人もいますが、長いレースになればなるほど計画を立てる行為が大事になってくるのです。漠然と走るとメリハリがなくなりますしペースが落ちた時にこのまま走ったらどのくらいのタイムになるかも分からなくなり目標を失います。設定ペースを考えた方ならたとえペースが落ちたとしても何とか目標タイム+30分でゴールしたいとペースを修正し大崩れをしなくなります。まずは考えることをお薦めします。

サロマはフラットと言われていますが多少のアップダウンはあります。上位選手であっても登り基調の区間はペースダウンしますが上位選手の平均タイムをベースにしていることからアップダウンによるタイム変動も織り込み済みです。


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