ウルトラランナー紹介
永田 務(TSUTOMU NAGATA)
プロフィール
プロランナー、チームSALMING所属、新潟県出身の元自衛官。2010年に不慮の事故により右腕が自由に使えない状態になるも走ることを諦めることなく障害を負う前からの目標であった100キロマラソン日本代表の座を掴んだ自称日本一諦めの悪い男。
2015年サロマ湖100キロウルトラマラソンにおいて6時間36分39秒の自己ベストで2位入賞を果たし、9月に開催される2015 IAU100km世界選手権を日本代表として日の丸をつけて走る。またロードレースだけではなくトレイルランニングレースにも強い。
永田務のランニング人生については
『 ランニングタウン ランナーリレー 』
に掲載しているので是非お読みいただきたい。彼の苦悩の人生を綴りました。
以下一部抜粋です。
中高校生時代、本番に弱く"練習チャンピオン"と呼ばれていた永田だったが、自衛隊に入り、監督に言われた言葉が永田を吹っ切れさせたのだという。
『本番が弱いなら、もっと練習で強くなれ』
リタイアした永田は親にそのことを電話で伝えたところ「何しにいったんだ?そんなんもうやめてしまえ!」と怒鳴られたという。そして、そのときあまりにも中途半端であった自分に呆然としていて、虚しさだけが襲ってきたという。練習の時から何もやってこなかった、という後悔だけが残ったのだ。
機械を動かしていると缶が下に落ちず、ずっとカランカランいってる音が気になりました。そして停止ボタンを押さず、叩き落とせば終わると思い、缶を右手で叩こうとしたのです。その一瞬の出来事でした。なにか物凄い力に引っ張られ、気付いたら聞いたこともない音とともに腕が巻き込まれていったのです。
この頃は再び走れるようになれるとか考える余裕は全くなく、腕がなくなったらどうしようとか、これからどうするのかとか考えれば考えるほど暗くなっていきました。
たくさんの虚しさ、歯痒さを感じました。ですが、ゲームをしている気分でした、『レベル0からの・・・』 あまり走ることに対して努力とかそういう風には考えていませんでした。走りたいから走る。走れないなら走れるようになるまで練習するだけ。
昔は優勝しか頭になかった。その目的が達成できないと分かると諦めました。今は調子が悪くても絶対に止めません。意識がなくなるなど意思と反して終わるなら仕方がないが、止めることは自分の存在がなくなることと重く考えています。応援してくれる人に対して止めることは許せないことです。
(インタビュー・文章 新澤英典)
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主な戦績
大会名 開催日 | 距離等 | タイム | 結果 |
---|---|---|---|
2015年6月30日現在 | |||
サロマ湖100キロウルトラマラソン 2015.6.28 |
100km | 6:36:39 | 2位 |
えちご・くびき野100kmマラソン 2014.10.12 |
100km | 6:58:30 | 優勝(大会記録) |
チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン 2014.4.20 |
72km | 4:52:59 | 優勝 |
Coldwater Rumble 100(アメリカ・アリゾナ州) 2014.1.25-25 |
100マイル(トレイル) | 16:14:XX | 2位 |
サロマ湖100キロウルトラマラソン 2013.6.30 |
100km | 6:44:33 | 3位 |
自己ベスト
種目 | 記録 | 大会名 | 開催年 |
---|---|---|---|
2015年6月30日現在 | |||
ハーフマラソン | 1時間09分36秒 | 焼津ハーフ | 2015年 |
マラソン | 2時間23分21秒 | 古河はなももマラソン | 2015年 |
100キロ | 6時間36分39秒 | サロマ湖100キロウルトラマラソン | 2015年 |
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2015サロマ湖100kmウルトラマラソンの報告
昨日の今日ですがそろそろ切り換えようと思い報告をさせていただき、次に目を向けようと思います。
6時間36分39秒 PB 2位
日本代表に選ばれ9月にオランダでおこなわれる世界選手権に出場します。
これまでの自分の自己ベストを8分の更新となりました。自分だけをみれば成長に嬉しい部分だとおもいますが自分は競技者であり、順位を争っています。
一位と二位の差はでかいです。
今回は自分のつめの甘さがでました。
ラスト5キロ
それでもこれが今の自分の実力です。昨日は昨日の精一杯の走りをしました。
そして、去年から1年 今の自分のできる練習をし、大会3ヶ月前からは自分の耐えれるギリギリの練習をしてきたと思います。
弱い
それを受けとめ、次のステージに向け頑張ります。
たくさんの暖かい言葉は今の自分には慰めに見えてしまいます。
もっとだ!もっと
不器用な自分だから悔しい思いをたくさんして強くなっていきます。
Facebookにたくさんのコメントを書いていただきありがとうございました。
9月の世界選手権、応援していただけましたら嬉しいです。m(__)m
今後の目標
ケガのせいもあるかもしれないけど、(ウルトラマラソンかトレイルランか)1本だけにこだわるのが勿体ないのです。また、日本だけにこだわるのも勿体ないのです。日本で活躍してから世界に出るべきだとか、物事には順番があるとか言われるけど、自分は興味を持ったことからやっていきたい。やってみないと分からないことはあります。自分の中ではスパルタスロン、ウエスタンステイツ、24時間走世界選手権、バッドウオーターウルトラマラソンと、様々なカテゴリーで活躍するスコット・ジェレク氏が完成形であるとイメージしています。
またウルトラマラソンが盛り上がれば、今まで(ウルトラマラソンには)出場しなかったランナーが参入してきます。そうすればレベルが上がるから面白くなってきます。(フルマラソンの)トップランナーが参入してきたら100キロでは戦えなくなってきますが100マイル(=約161km)なら分からない。24時間走になればさらに分からない。ウルトラマラソンは100キロだけではないのです。ロードだけではないのです。日本だけではないのです。今年9月に100km世界大会を走るのでまずはここで自分をアピールしていきます。
少し話は変わりますがサロマ後、ある新聞の取材をうけました。そこでこんな質問を受けました。
『100キロマラソンの大会は日本にあるのですか?』
『ウルトラマラソンとはなにかすみませんが教えていただけますか?』
ウルトラマラソンってまだこんな存在なのかと知りました。
『100キロって24時間かけて走るんですか?』って3年前にも言われた。
何も変わってない
もっと伝えなきゃ
激しさ、厳しさ、面白さ
そして結果を出して伝えれる人間になろうと思います。