安全に確実に給水をとる方法

ウルトラプロジェクト

1月9日の"ウルトラプロジェクト"練習会については、【ウルトラプロジェクト練習会】給水練習+30キロ走でご紹介しましたが、30キロ走をする前に、給水の取り方についての注意点や練習を行いました。

練習の意図

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フルマラソンには給水は必要不可欠です。一回も給水しないで走りきるランナーがいないとは断言しませんが、レベルに関係なく給水は必要です。それほど大事な給水でありながら私自身ランニングクラブ等で改まって教わったことはありませんし、取る練習をしたことはありません。

一番良い練習は、数多くレースに出て、実際に走りながらコップを取ることですが、ウルトラプロジェクトのメンバーは皆、速くなっているので、従来とは違うスピード感の中で走ることになります。

その中を、安全に走るため今回練習を行いました。もちろん給水地点でのペースダウンによるタイムロスを減らす意味もありますが、後続ランナーに追突されたり、前のランナーに追突しないよう、注意点を伝えながら練習しました。

給水地点は非常に危ない

ウルトラプロジェクト

給水を取るのに慣れているランナーが一定のペースで等間隔で走りながら、給水地点で紙コップを取るのであれば、さほど危なくはありませんが、ペースに関係なく、給水に不慣れなランナーがいると危険地帯になります。

サブ3ランナー

ウルトラプロジェクト

3時間を切るランナーの割合は少ないので、エイドステーションが大混雑することはありませんが、ほとんどのランナーはスピードを落とさないで紙コップを取っていくので、紙コップを取るために急にペースを落とすランナーがいると非常に怖いです。

3時間をギリギリ切るランナーであっても1キロ4分少々のペースで走っています。普段の練習をイメージして欲しいのですが、このスピードで走っていて前のランナーが急にスピードを落としたり、右から自分の前に割り込んできたら非常に怖いです。予測していれば避けることは可能ですが、不意にやられてしまうと避けようがありません。

サブ3ランナーにそんな人はいないと思うかもしれませんが、実際は結構いるのです。サブ4ランナーから徐々にステップアップしてサブ3ランナーになったランナーであれば、幾多のレースで経験を積んでいますが、トラックレース出身の若いランナーはレース中に給水を取ることはないので苦手なランナーがいます。

私はハーフでもほとんどの給水地点によりますが、陸上経験者は暑い時期でなければ給水なしで走りきります。給水なしで走りきるということはレースで給水の練習はできていないということです。

給水に慣れていないランナーが紙コップを取るのは相当なストレスです。その結果、紙コップを取ることに集中し、周りのランナーの動きが見えていないランナーもいます。

サブ3.5ランナー

サブ3.5ランナーは、1キロ5分ペースで走りますが、このクラスになると止まって給水するランナーはほとんどいなくなってきます。

また、サブ3ランナーと比べてボリュームゾーンとなってくるので、ゆっくり確実にコップを取りたいランナーと、1秒でも速く通過したいランナーが交差します。

サブ4ランナー

大会にもよりますが、サブ4前後の給水所はかなり混雑します。立ち止まって給水するランナーも増えてきます。


立ち止まって給水をするのが良い・悪いではなく、周りのランナーと同じようなペースで走っている時と違って、それぞれのランナーが様々な行動をとる給水地点は危ないのです。給水地点は危ないと思うだけでも防げる事故はあります。

安全に確実に給水をとる方法

ウルトラプロジェクト

良いペースで走っていたのに、給水地点でコップが取れなかったり、他のランナーと接触・転倒してしまったら、後悔するでしょう。

そのようなことを防ぐためのポイントをいくつかご紹介します。

スタート前に場所を確認しておく

5キロごとに1箇所など分かりやすい大会だけではないので、事務局から送付された大会案内や、公式ページで確認しましょう。大会によっては、テーブルの配置や数なども記載されています。

後続ランナーに自分の動きを伝える・急な変化はしない

給水テーブルに入る際には、前後のランナーに気をつけて入る必要があります。また自分の動きを周りのランナーに分かってもらいましょう。周りのランナーが想定できないような動きをするのがもっとも危ないです。

周りの動きと同期する

上記で書いたように、走るペースによって、ほとんどのランナーがペースを落とさずに紙コップをとったり、歩いて紙コップをとったりします。どちらが良い悪いではなく、周りの動きと同期しましょう。

ペースによっては手渡しは取りにくい

大会によってはボランティアスタッフが取りやすいようにという気持ちから、手渡ししてくれることがありますが、私は基本テーブルのコップを取ります。理由はある程度スピードが速いと手渡しは取りにくいからです。取りにくいと感じる方は、感謝の気持ちを持ちつつテーブルのコップを取りましょう。

テーブルは1個ではない

給水テーブルで一番混むのは手前のテーブルです。大会によってはテーブルが長く続くので、一番手前のテーブルは避けた方がスムーズに給水できます。ただし、一番奥のテーブルで取ろうとして失敗すると戻るか、諦めるかしかないので、真ん中あたりのテーブルが良いと思います。その際の注意点は、手前のテーブルで給水をしたランナーが走ってくるので接触しないよう気をつけて下さい。上記で書いた”後続ランナーに自分の動きを伝える・急な変化はしない”です。

コップに指を突き刺す

取り方は様々です。コップの横からさらうように取るランナーもいれば、上から突き刺すように取るランナーもいます。私はコップに人差し指と中指を差し込み、その他の指で挟むコップを挟むようにしています。昔は横から取っていましたが、倒してしまうことがあり、上から突き刺すような取り方に変わりました。どちらがとりやすいかはスピードによっても違いますので練習等で試してください。

目標のコップを決める

給水テーブルには多くの紙コップが並んでいますが、ペースが速くなるにつれ、漠然と取ろうとすると失敗の確率が高まります。たくさん並んでいる中から自分が取る目標を決めましょう。前を走るランナーのコースや目線などから、目標となるコップが一緒にならないようにしましょう。

下記の動画でサブ3のスタッフがどのように目標を定めているか見てください。

足元に注意

ボリュームゾーンになると、足元には多くの紙コップが落ちていることがありますので、滑らないようにしてください。紙コップの捨て方については様々な考え方がありますが、後続ランナーの安全を考えると、コース上には捨てないでください。またゴミ箱自体が小さかったり少ない大会もあるので、確実にゴミ箱に入れようと急にスピードを落としたり、入らなかったから拾おうと急に止まると非常に危険です。

もちろん歩道を走るウルトラマラソン、交通規制はしているがコース脇が田畑の場合などは、確実にゴミ箱に入るようなペースで走りましょう。もし水を飲んでいるうちにゴミ箱がなくなってしまったら、次のエイドまで握って走るか、ポケットにしまいましょう。

非常に多くのランナーが走る都市型マラソンは、全員がゴミ箱に確実に入れるように走るのは現実的には難しいと思います。その場合も、後続ランナーの安全のためにコース上には捨てない。またゴミ箱周辺に紙コップが集まるように捨てるようにしたら良いかと思います。

ジェルやサプリメントの取り方

サプリメント

エナジージェルは一般にベトベトして飲みにくいので、ジェルを飲んだ後で水を流し込みたいと考え、給水テーブルについてから立ち止まって、封を切ってジェルを飲んでから給水する人がいますが、参加人数の多い都市型マラソンでは極力立ち止まらないようにしましょう。

アスリチューン・ポケットエナジーを使うようになってからは、給水所に関係なくジェルの補給ができるようになりましたが、それ以前の私は給水所が見えてくると、ジェルを全部口に入れてしまってから給水テーブルにいき水を取り、走りながら流し込んでいました。止まらないと飲めない方は、給水所で水を取ったら少し先に行って安全な場所で飲むようにしたら良いでしょう。

紙コップの水を飲むときの注意

せっかく取った紙コップですが、そのままだと中身が全部出てしまいます。また飲むときに鼻に水が入って噎せることもあります。それを防ぐために紙コップを掴んだらすぐに、水が溢れないように口を半分に潰しましょう。その状態にすれば水を少しづつ飲むこともできます。

給水の取り方を動画で撮りました

サブ3.5のメンバーから、現在4時間台のランナーまで

レースでもこんな感じでしょう。

サブスリーのスタッフ3人

テーブルが小さいので、ストライドやタイミングを合わせて取るのが難しかったですが、スタッフ三人はこのくらいのペースでも確実に取っています。

練習方法

テーブルがなくても、ちょうど良い高さでコップが置ける場所があればできる練習ですので、紙コップを持って行って練習してみてください。

また、仲間と二人でする練習方法として、一人が手のひらを上に向けてテーブルの高さの位置にセットし、そこに水を入れた紙コップを置いて、もう一人が取る練習をしてみてください。

失敗したら仲間に水かかかりますので集中した練習ができます。

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