富士登山競走5合目コース 五郎谷選手優勝(大会記録34年ぶり更新)
5合目コースは、五郎谷俊選手(コモディイイダ)が1時間17分5秒で大会記録を34年ぶりに更新し優勝しました。
優勝した五郎谷俊選手は、2016年箱根駅伝において、東洋大学の5区ランナーとして、2015年に続き2回目の山上りに挑み、青学大の「3代目・山の神」神野大地選手に36秒差の区間3位と健闘したランナーです。
卒業後は地域密着型スーパーマーケットのコモディイイダに入社し、責任ある業務を行いながら練習しています。
今回はレース前から、コモディイイダ陸上競技部 会沢監督から五郎谷選手が5合目コースを走ることを聞いていたので、五合目ゴールに大会記録を上回るタイムで飛び込んだ五郎谷俊選手の走りには感動しました。
いろいろとインタビューができたので紹介します。
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結果
1位 1:17:05 五郎谷 俊(スタート〜馬返し 42分56秒 馬返し〜五合目 34分09秒
2位 1:23:49 斉藤 拓也(スタート〜馬返し 46分52秒 馬返し〜五合目 36分57秒
3位 1:25:08 土井 洋志(スタート〜馬返し 46分54秒 馬返し〜五合目 38分14秒
4位 1:25:48 村田 稔明(スタート〜馬返し 47分23秒 馬返し〜五合目 38分25秒
5位 1:26:11 和田 優一(スタート〜馬返し 47分37秒 馬返し〜五合目 38分34秒
6位 1:26:25 飯塚 淳司(スタート〜馬返し 47分07秒 馬返し〜五合目 39分18秒
馬返しまでに後続に4分差をつけ、馬返しからのトレイル区間も差を広げてゴールしたのが分かります。
レース前の戦略
私がおんたけウルトラを走るために東京から王滝村に向かう前日から会沢監督とのやりとりは続きました。
初めての富士登山競走五合目挑戦に際し、可能な限りの情報収集をしようとする会沢監督の熱意から、私にできる分析結果などはお伝えさせていただきました。選手に頑張って欲しいと、初めての登山競走の情報収集に奔走する会沢監督は私が抱いていた実業団チームの監督像とは違いました。自分のプライドなどより選手やチーム、会社を愛しているのだなと感じました。
五郎谷選手の目標と前週の試走について
会沢監督より翌日夕方連絡が入りました。
「今日、五郎谷がひとり、リュックと携帯でコースを確認しながら試走にいってきました。 『前半のロードのペース配分と山に入ってからの登り方で大幅に変わります。』 と言う感想から、昨日のペース目安を身体で感じられたようです。テーピングもこのコースであればいらないとわかったようです。ありがとうございました。本人曰く、1時間20分はいけるとおもいますとのことですので、アドバイスを活かして大会記録を狙わせたいとおもいます。初挑戦ですが、10キロあたりまでは、ある程度のペースで逃げ切りたいですね。」
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なぜ富士登山競走を走ろうと思ったのか
「高校2年でインターハイ5000で決勝進出、全国高校駅伝1区10位(29分38秒)で走れていましたが、東洋大学にはいり、スピードでは全く敵わないライバルばかりで、得意な登りで勝負!と5区だけを狙い練習してきました。卒業後は、世界で戦いたいという気持ちはあるものの大学時代の同級生たちに唯一勝てるものは、トレイルしかないと思っていましたので、入社前からその第一段階として出場を希望していました。」
監督は富士登山競走についてどう思っていたか?
「勧誘時に、トレイルで世界を目指したいというのを聞いていたので、挑戦の場を提供するという約束で入社しました。
監督としては、ニューイヤー駅伝を目指すには、向かい風にも強い馬力のある選手はかかせませんので、怪我だけには気を付けて頑張ってほしい気持ちです。」
どのような練習をしてきたか?
会沢監督より
「基本は練習後に、登りの感覚を忘れないために坂ダッシュをいれること。あとは直前ですが、トレイルまではいきませんが、ロードの登りを利用した距離走と走力に任せて出たとこ勝負にせず、実際に試走をしたことが大きかったです。
出場するにあたり、色々な方からのアドバイスを富士登山は素人であるという認識で素直に聞き挑んだことも大きいです。
ラスト4キロは、36分は疲れていてもいなくてもかかると話し、馬返しまでの11キロを箱根5区のイメージで稼ごうという作戦でした。」
レース展開
「スタートから大会記録を意識し、馬返しを43分前後でいくことだけを考えて走りだし、結果として独走状態に。あとはひたすら、滑らないように前に進ませました。
ラスト4キロも目標をうわまわる34分9秒と上出来でした。ゴールが見えたときは足ががくがくだったので、とにかく早くゴールしたかった。ゴール後はとにかくほっとしました。」
大会新記録 1時間17分05秒 (従来の記録 1時間19分19秒
スタート〜馬返し 42分56秒 馬返し〜五合目 34分09秒
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今後の抱負
「この大会で自分の甘いところもわかったので、学んだことを生かして8月7日の十和田八幡平駅伝の登りの5区で頑張ります。」
箱根駅伝5区との比較
市民ランナーにとって興味深いことですが、箱根5区(例えば最高点まで)と、五合目コース(例えば馬返しまで)では、どちらがキツかったかを質問しました。
「スタートから9キロまでは箱根の方がきつかったですが、9キロから11キロは、箱根よりかなりきついです。さらに馬返し以降はやばいです。」
コモディイイダ 会沢監督より
五郎谷選手について
「練習と競技にひたむきな選手です。暑さにも強いので、スピードに苦手意識をもたず、まず、走力をあげてから、将来は夏場のマラソンで勝負できる選手になってほしいです。また、彼はもともとトレイル、ウルトラをやりたいということで実業団を考えていなかった選手ですので、異色のランナーとしてトラックからウルトラまで頑張って欲しいとおもいます。」
コモディイイダ陸上部について
「実業団登録はしていますが、仕事と競技の両立をはかり、仕事もそれぞれのセクションで、責任ある業務をこなしています。走る時間をつくりだし、よい練習をできたときに感じる達成感は、市民ランナーの方とも気持ちをわかりあえるのではないかとおもっています。地域密着型スーパーマーケットの陸上競技部として、より、市民ランナーの方々と近いチームでありたいとおもっています。また、コモディイイダは1919年創業で東京、埼玉、千葉、茨城に81店舗を展開する食品スーパーマーケットです。 創業以来、完全無借金経営を貫く堅実な会社で、安売りだけでなく、高齢化社会に向き合い心のふれあいも提供できる店づくりをコンセプトにこれからも営業して参ります。ぜひ、ご来店ください。」