その1 暑さと強い日差し、そして高い湿度

アテネ

245.3kmという距離は未体験の距離であり、安易に完走できるとは決して考えていなかった。しかし81km地点のコリントス到着は、8時間43分(キロ6分27秒ペース)と思うように走れないばかりか、この時点でかなりダメージを受けてしまった。

81km地点といえばサロマ湖ウルトラマラソンではワッカに入った辺りである。今年8時間26分で走った私の81km通過タイムは、6時間42分02秒(キロ4分57秒ペース)であることを考えれば、暑さやアップダウンはあるにしろキロ6分では余裕を走れると思っていた。コリントスのアップダウンより厳しく、今年は刺すような日差しであった野辺山ウルトラでさえ、81km地点の通過タイムは、約7時間50分(キロ5分48秒ペース)であった。

アテネ

アテネ

(上記表はチェックポイント毎になっています。ガーミン920XTJをウルトラモードにしたので、信号を受け取る間隔が1分間に一度であるため3%弱距離が短く表示されています。例えば81km到着時に78.5km程度)

戦略的にゆっくり入った訳ではなく、途中からキロ6分でも走れなくなったのです。その原因の一つ目は暑さと強い日差し、そして高い湿度でした。

スポンサーリンク

現象

アテネ

レース前から暑く、日差しが強いことは予測していたので、普段はかけない濃いサングラスや、キャップの下には首筋を日差しから守るために筒型のバンダナを被り、直射日光を肌に当てないようアームカバーもした。

予想外だったのは蒸し暑さでした。序盤はキロ5分45秒ペースをイメージして走っていたが、このペースでも余裕はなかった。そして50キロをこえたエーゲ海の横を走るアップダウンではペースはガタ落ちし、知り合いのランナーから『安全運転過ぎないか。』と声をかけられ抜かれたが、安全運転どころではなく、キロ7分がやっとの状態であった。

そんな状態の自分が悔しかったが、涼しくなれば走れるようになると耐える時間帯であった。

原因(仮説)

スパルタスロン

原因は様々であるが、湿度が高いことから軽い熱中症になったのであろう。25Km辺りでおでこを触ると非常に熱く、そこから体に水をかけたり、エイドで氷をもらって、帽子に入れたり、ベスト型バックパックの背中に入れたりして体を冷やしたが遅かったと思う。

また湿度が高いので、身体にかけても中々冷えなかった。カラッとしていれば水をかければ気化熱で身体は冷えるが、湿度が高いのでそうはならなかった。気温は高くあれだけ日差しが強いのだから、水をかぶって濡れたウエアはすぐに乾きそうであるが、終始濡れたままであった。

また、直前まで迷っていたが、スタート時からサロモンの軽量バックパックを使ったが、これは失敗だった。涼しいレースであれば問題はないが、今回は体温を上げてしまった。アンダーにファイントラックを着用し、ウエアの上にバックパックであるから暑いのは当たり前である。

またこの軽量バックパックは背中の部分が2枚の生地になっているので、背中に関しては、4枚のウエアを着ているのと同じ状態を作ってしまったのです。表面積の大きい背中は体温を放出する大事な箇所ですので覆ってしまったのは失敗であった。

もう一つ、通常であればキャップか、バンダナを被りますが、今回は首筋を日差しから守るためにバンダナを被った上からキャップを被りました。これも失敗でした。日本陸軍のようなヒラヒラがついたキャップが一番良いかもしれませんが、嫌いであればバンダナが良いです。バンダナを被った上に帽子は風通しが悪く熱がこもりました。また頭から水を被っても、水が頭にたどり着きませんでした。

スポンサーリンク

対策

毎年、気温・湿度、日差しなどの気象条件は変わるだろうが、可能な限り涼しいウエアを選ぶべきである。また直射日光を避けるために可能な限り肌の露出も避けるべきです。風通しのよいサラッとした生地のロングスリーブなども良いと思う。また濃いサングラスは涼しく感じる効果があるので、この点は正解であった。

また、少し気温が上がったと思ったら、早めに水をかけるなどして体温を下げる努力をするべきであった。

スパルタスロン

バックパックに関しては、途中から背中に氷を入れるという技が使えたのは良かったが、日が落ちる区間までは使わずに、ボトルは違和感を感じないウエストポーチを見つけて使ったほうが良いでしょう。

また、ボトルに関してな水をかけられるよう、噛んだら出るタイプではなく、押したら出るタイプは良いです。また氷を入れられるよう間口の大きいタイプが良いでしょう。

だいたい3.5kmに1箇所エイドがあるのだからボトルは不要と思われるかもしれません。日本なら不要でしょう。ただ一部の速いランナーを除いて私はあったほうが良いと思います。

キャップとバンダナに関しては、キャップに冷涼効果のあるバンダナの生地を背面に縫い付けてしまうのが良いでしょうか。そうすれば頭の部分はキャップのみになります。

これらすべて私の事前準備が足りなかったということです。まずは日本で十分なシュミレーションを行った上で使うべきでしょう。

スポンサーリンク