インターバル走について

ランナー

私は陸上経験がないので、インターバル走という言葉自体聞いたのは、ランニングを始めてしばらくしてからです。

インターバル走、もしくはインターバルトレーニングという言葉を聞いた後も、私には関係のない練習と思っていました。

実際、私は3時間15分までは本格的なインターバル走はしませんでした。しかしスピード練習をしていなかったわけではありません。皇居で15キロビルドアップを中心にしていましたが、2周までは余裕のあるペースでしたが最後の1周は切り替えて仲間と真剣勝負でした。

私が初めて本格的なインターバル走をしたのは、谷川真理さんが指導していたハイテク塾に入会した2011年初旬のことです。

その時の感想を含めて以下に紹介していきます。

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インターバル走とは?

ランナー

今更という方が多いでしょうから、ざっくりとインターバル走について紹介します。

定義等詳しく正確に知りたい方は、ネット検索をすればたくさん出てきますのでご参照ください。

簡単に書くと、速く走ることと、ゆっくり走ることを交互に行う練習です。このゆっくり走る部分を完全休息する練習をレペテーションといいます。

【スピード練習=インターバル走】というイメージを持たれている方もいますが、インターバル走もスピード練習の一つであり、ビルドアップ走、変化走、レペテーション、もしくはタイムトライアルのようにガッツリ1本走るのもスピード練習です。

そしてインターバル走にも、様々な種類があります。

どれだけの種類があるかと言えば無限にあります。なぜなら様々な組み合わせがあるからです。

インターバル走の設定はスピードを出す区間の距離と時間、繋ぎ区間の距離と時間、そして本数により決まります。

一番ベーシックな組み合わせとして、1000mスピードを出して、200m繋いでを5本行う。そしてスピードを出す時のタイムを4分とすると、こんな風に言います。

1000m ×5本 4'00 リカバリー 200m

リカバリーのペースは一般的にはキロ6分くらいですが、そのリカバリーのペースが速いと練習強度は増します。

また、こんな風に言うこともあります。

1000m ×5本 4'00 6分まわし

これは、スピードを出す時にはキロ4分ペースで走って、次のスタートは、最初のスタートから6分後ということです。

参加メンバーの設定タイムに差がある時は、この方式が使われます。仮にこの場合だと、3'30で走ったランナーは、次のスタートは2'30後ですが、4'00秒で走ったランナーのリカバリーは2分です。

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スピード練習は必要か?

ランナー

イベント等でランニングコーチからスピード練習は必要ないと言われた。もしくは雑誌にスピード練習は必要ないと書いてあったから、私はスピード練習はしないという方は少なからずいます。練習を決めるのは最終的には自分なので、何が正しくて何が間違っているのかは分かりません。自分で決めたら良いと思います。

ただ、スピード練習は必要ないといっているランニングコーチが、言っているスピード練習と、その言葉を聞いたあなたのスピード練習の認識が同じだとは限りません。思っていることを正しく伝えることは難しいことなのです。コーチにスピード練習は要らないと言われたら、どのようなスピード練習は要らないのか、具体的に自分の場合ならどの程度の練習なのか聞いたら、自分の認識とかけ離れていたなんてことはあると思います。

私は速くなるためには、スピード練習は必要だと思います。

例えばマラソンを4時間で走るための、1キロペースは5'41です。

そのランナーが1キロを5分で走るのは、そんな無理なペースではないでしょう。また身体に大きな負担がかかることもないでしょう。

これだってスピード練習です。

サブ4ランナーに、キロ4分切るようなペースで走るインターバルは必要ないと思いますが、マラソンペースより速いペースで走ることは必要だと私は思います。

仮にマラソンを4時間で走る方なら、5キロは25分で走れるでしょう。それなら1キロを5分で走るのはさほどキツくはなく、心拍数を落ち着かせながら5本走るのは可能だと思います。

もちろんスピードを出すわけですから、体への負担は大きいです。距離が短ければ短いだけスピードを上げることはできますが、3時間30分レベルに達していない人は、短距離走のようなスピードは出さないほうが良いと思います。

その場合の、スピード練習の目安は、自分の5キロタイムを5で割って、そのペースで1000mを5本走ったり、2000mを3本走るなど工夫したら良いと思います。

例えば5キロ23分であれば、1000m4'36設定で良いと思います。

そして、そのペースで5本走れたなら、設定ペースを上げるのではなく、繋ぎの時間を短くしたり、本数を増やしたら良いと思います。

もちろん、スピード練習だけではマラソンは速くなれません。ペース走など長い距離を走る練習を組み合わせる必要があります。

私の初めてのインターバル走

ランナー

上で、ハイテク塾で初めて本格的なインターバル走をしたと書きましたが、その時のことを思い出すと本当きつかったです。

過去のブログを探してみたけど、見つからないので記憶で書くと、その頃は5キロ19分台で走っていたからキロ4分切って1000mを走るのはさほどキツイことではないと、5本走ったのですが、楽だったのは2本までで、3本目からは本当キツかったです。

真理さんから、最初は慣れていないからキツイけどすぐに慣れますよ。と言われたのを今でもよく覚えています。

インターバル走を始めてから、5キロ19分後半だったのが19分切れるようになり、サブスリーが視野に入ってきました。

インターバル走の設定目安

ランナー

インターバルの設定ペースについて、よく聞かれるので、少し自分なりに考えてまとめてみました。大きくは狂っていないと思いますが、参考程度にしてください。

ペース

例えば、フルマラソン3時間で走れる方、もしくは目標にしている方なら、1000mは3'40を目安にすれば良いと思います。

本数やリカバリーは書いていませんが、ベースとしては、2000mなら3本、1000mなら5本、800mなら7本、400mなら10本をイメージされたら良いと思います。またリカバリーは200m、もしくは2分程度でしょう。

3時間30分より遅い設定は書いていませんが、その理由は上で書いた通りです。

ただし、2000mや1000mなら、表を参考に設定を決めてやったら良いです。

例えば3時間45分なら、表の1000mインターバルの3時間30分と3時間15分の設定タイムの差18秒を3時間30分の設定タイムの4'16に加えて4'34です。

また、私が到達不可能な2時間30分なんてタイムまで記載していますが、これは計算式をそのまま用いて記載しただけです。ただし、速い友人の練習内容等がFacebookに記載されているのを見るとだいたいこのくらいの設定になっているので大きくはずれていないと思います。

この設定タイムを基準にして、暑い時期であれば、リカバリーを長くしたり、設定タイムを落とせばよいでしょうし、強度を上げたいと思えば、『設定タイムを上げる』、『本数を増やす』、『リカバリーを短くする』の3種類の方法があります。

設定目安の修正など

ランナー

一般にマラソンのタイムが同じなら、女性は男性よりスピードがありません。

例えば、マラソンで3時間を切るレベルの男性はだいたい5キロを18分台では走りますが、女性の場合は19分30秒くらいでもサブスリーします。もっと極端な例はあるけど、ここで言いたいのはマラソンのタイムが一緒であれば女性の方がスピードがないということです。

ですから、上記設定タイムは、女性には少々厳しいと思います。1000mなら5秒、400mなら2秒ほど足したら良いと思います。

また練習会であれば、上記表で書いたような都合の良いグループはできないと思います。

アトミクラブの場合は1000mであれば10秒間隔ですから、例えば表で3'46の方であれば、自分はスピード型と思えば3'40グループに入って、持久型と思えば3'50グループに入れば良いでしょう。

また前の組に入って先頭が見える位置で頑張るのも良いと思います。

設定ペースがない場合の練習

ランナー

クラブによってはグループが3'30、4'00、4'30なんてこともあります。

例えば3'45ペースがちょうど良い方にとって、3'30は速すぎるし、4'00では遅すぎます。

その場合は大きく3つの方法があります。

一つは、自分が走りたい設定ペースを自分で作って一人で走る。もしくは同じくらいのレベルの仲間を誘って一緒に走ることで、ペースメイクが上手になります。本来速いグループで走る中に調整時期の仲間がいれば3'45で引いてもらうのも良いと思います。当然ですが、その場合はコーチには断りを入れましょう。

二つ目は3'30グループで走る方法です。速いペースにチャレンジして3本だけ頑張るとかで良いと思います。付いていけなくてもグループが見えるところで粘るのも良い練習になります。付いて行けるはずがないと思うペースでも予想外に走りやすかったりすることもあります。

また、400mトラックなのか神宮外苑周回路のようなコースなのかによっても変わりますが、次の合流が問題なければ距離を800mにして、リカバリーを伸ばせば3'30ペースで走れると思います。

もしくは、3本目か4本目を中抜きして4本にすることで対応可能でしょう。

最後は4'00グループで走る方法です。トラックで走るのであれば、一番外側を走れば良いのです。もちろんトラックの状況にもよりますが、2レーンで1周7.8m距離が長くなります。1000m走れば20m長くなるのです。3レーンを走れば1000mで40m長くなります。4分で走ったとしてもキロ3'50ペースになります。最後少し抜ければ実質3'45で走れるでしょう。

トラックでなければ、練習前にコーチに伝えておくことが前提ですが、600mもしくは800mまでコーチについて走って、そこから緩やかにペースアップ、もしくは切り替えて走れば結果的に3'50もしくは3'55くらいでゴールできるでしょう。変化走のような練習になります。

3'30はありえないと、楽に走れる4'00グループで普通に走っていてはスピード練習になりません。少し工夫することで効果的なスピード練習ができると思います。

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インターバル設定で5キロのタイムを予想する

ランナー

5キロや10キロのタイムに係数をかけてフルマラソンのタイムを予想する方法はありますが、大半の方に当てはまると思います。

同様に1000mのインターバルの設定で5000mのタイムをある程度予測することもできます。

例えば1000mを6もしくは7本設定(リカバリー200m)で走れるペースであれば、5000m走れると言われています。

例えば4分で出来れば20分です。もちろんリカバリーが長すぎて心拍数が完全に戻った状態ではダメです。3分台の設定であれば繋ぎは60秒、4分設定なら70秒設定など短めです。

目標とするマラソンタイムからこんな風に逆算することもできます。

例えば大阪国際女子マラソンの参加資格は3時間13分以内です。このタイムをクリアするためには5000mを少なくとも20分20秒で走らないと難しいでしょう。実際は20分を切っている方が多いです。

5000mを20分20秒であればキロ4'04ペース。20分であればキロ4ペースです。

もちろん、スピード練習だけではなく、ペース走等もすることが前提ですけどね。

最後に

ランナー

スピード練習は故障しやすいと言われています。どんな時に故障するかと言えば、状況は様々ですが、よく聞くのは疲労が溜まっている時に、無理してしまったというケースです。

もちろん疲労が溜まっている状況であれば、どんな練習でも故障するリスクは高まりますけどね。

また、無闇に設定ペースを上げないことです。特に300mや400mのショートインターバルであれば、サブ4レベルの方でも、キロ4分切って走れてしまいます。また数本の流しなら良いですが、100mや200mのショートインターバルは走り慣れていないランナーだと結構危ないです。100mを20秒で走ることは普段走っている方なら出来てしまいますが、これってキロ3'20ペースです。ペースが上がればそれだけ大きな負担がかかります。

マラソンタイムが3時間30分を切れていない方が、インターバルをするのであれば、1000mでも400mでも5キロの平均ペース程度の設定より速くはしない方が安全です。

5キロ22分の方であれば1000mの設定は4'20程度にとどめて、負荷が低いようであれば、設定ペースを上げるのではなく、繋ぎの200mを速めてみたり、本数を増やすなどした方が良いと思います。

また、スピード練習が嫌いな方は結構います。もしタイムが伸びているならそのままの練習で良いと思います。ただ伸び悩んでいるようであれば、今までしていない練習をオススメします。その時に自分の得意な練習・好きな練習をするのではなく、苦手な練習・嫌いな練習をしてください。

そこに伸びしろがたっぷりあると思います。


最後の最後になりますが、スピード練習をする際には、まず安全にできる場所で行ってください。見通しの悪い場所だったり、混んでいる場所は自分自身が怪我をするばかりか、周りを巻きこんでしまいます。スピードを出すということは自分が制御できるギリギリのスピードなのです。また思考能力や判断能力が欠如しやすい状況でもあります。

トラックを使うのであれば、トラック使用ルールをしっかり把握した上で走ってください。たまに逆走するランナーがいて驚くことがあります。またかなり密集した集団で走ることになるので、前後ランナーの脚や腕がぶつかることがあります。特に余裕のないペースだと置いて行かれないように前のランナーに接近し、足が接触し転倒事故に繋がることがあります。第1レーン密集していて危ないと思ったら、距離は長くなりますが第2レーンを走ったら良いと思います。大会であれば長い距離を走るのはもったいないですが、練習ですから良いと思います。

また、キツイ練習をしているのですから苦しいのは仕方がないですが、身体に違和感を感じたら練習途中でも止めたほうが安全です。脚と書かずに身体と書いたのは、変な鼓動を打ったとかありましたら危ないです。

スピード練習は限界を打破するのに良い練習ですが、怪我や事故のないように行いましょう。