信越五岳トレイルランニングレース〜完走対策その1〜

トレイルレース

2015年9月22-23日に開催される信越五岳トレイルランニングレースは、2012年、2013年と完走しました。タイムはたいしたことはないのですが、レース前にいろいろ調べレース計画を立てたことから上手に走れました。

上位入賞を目指す方の参考にはならないと思いますが、完走を目指す方には参考になると思います。


*この記事は過去に書いたブログを利用し、再編集いたしました。当時の原文を見たい方は、 ブログカテゴリー:信越五岳トレイルランニングレース をご参照ください。複数の記事がございます。

また大会ホームページは こちら です。

大会ホームページから地図等を引用させていただきました。

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コース概要と高低図

トレイルレース

まず、コース紹介をします。

(コース図と、高低図は大会ホームページ掲載  信越五岳トレイルランニングレース  コースマップ印刷用をベースに加工させていただきました。印刷にはこのPDFを使用するとよいでしょう。)

トレイルレース

距離は110kmで、累積標高4,670mのこのコースを完走すると、UTMB・UTMFポイントが3ポイント取得できます。

しかし、このレースに参加する大半のランナーはUTMFに出るためのポイントが欲しくて、このレースに出るのではなく、このコースを走りたいからエントリーしたと思います。

私が走った2012年は気温が高く、また2013年は台風の影響で、気持ち良い条件の中で走ることは出来ませんでしたが、私が最も好きなトレイルレースです。

理由は、テクニカルな下りが少なく走れるトレイルが多いからです。また怖いと思う箇所が少ないからです。他にもありますが、この部分が大きな理由です。

距離に関しては、トレイルレースでは当たり前ですが、実測値は110キロを超えていると思いますが、数キロ程度ですので気にされずに素晴らしいコースを楽しんでください。

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スタートから3Aまで

トレイルレース

スタートからしばらくはダラダラと登っていきます。アップダウンを繰り返して1A(18.5km)に到着しますが、この区間は走りやすく、1A手前の下りは無理して抑えることはありません。余裕を持って走ったが、下り基調だからペースが上がったくらいが良いと思います。また天気が良ければ、1Aからコース全容がみえます。

その後、斑尾山頂目指します。そこからスタート地点付近の2A(23.9km)まで下ります。1A過ぎて山頂に登ったあとの下りは傾斜がキツイのでゆっくり降りてください。ここで飛ばすとダメージが身体に蓄積します。それとコース全般に言えることですが、ダラダラ上りをどれだけ走れるかでタイムは大きく変わってきます。

2Aから3Aの袴岳までは細かいアップダウンが続きます。袴岳のピークまでは3ピークあります。いわゆるエセピークがあるので、ここを登ったらピークと思うとガッカリするので、高度計を活用して位置を確認してください。

また3A(38.5km)まではウォーミングアップと思ってください。そこからがレースです。前半を飛ばさないのが完走のポイントです。

参考までに私が初めて走った2012年大会前に予想した設定タイムと実際のタイムと当時の感想を紹介します。また下段に2013年のタイムも記載しています。


《スタート~1A 18.5km地点》

設定タイム 1時間50分 エイド滞在5分

実際のタイム 1時間58分04秒(53秒)  ( )内はエイド滞在時間

感想・・・この区間は予想した時には涼しい中を走れると思ったが、かなり蒸し暑く厳しかった。ただエイド滞在時間を含めるとほぼ予定どおりであった。

参考 2013年区間タイム 1時間56分50秒(32秒)

   

《1A~2A 23.9km地点》

設定タイム 40分 エイド滞在5分

実際のタイム 56分28秒(6分9秒)  ( )内はエイド滞在時間

 

感想・・・上りも予想以上にキツい勾配で、下りもキツい坂なので足の爪先が痛く、スピードは出せず予想タイムを16分以上超えてしまった。

参考 2013年区間タイム 58分56秒(2分21秒)


《2A~3A 38.5km地点》

設定タイム 1時間30分 エイド滞在5分

実際のタイム 1時間54分51秒(3分30秒)  ( )内はエイド滞在時間

 

感想・・・暑さにバテて早歩きを多用してしまったので設定よりタイムは遅くなってしまった。ここも24分遅れ。ただし1時間40分では行ける。

参考 2013年区間タイム 1時間57分14秒(1分38秒)


3Aから6Aまで

トレイルレース

3Aから4Aの関川沿いはダラダラとした上りが続きます。気温の高い日はこの区間は日差しを遮るものがないので、頭や首筋に水をかけながら進むのが良いでしょう。ここは頑張って走るかどうかでタイムは大きく変わってきます。もし歩くならダラダラ歩かないで、例えば30m歩いたら走るとか決めて歩きましょう。ここでダレてしまうと、この先のレースに響きます。

途中コース図には掲載されていませんが、充実した私設エイドもあります。

4A 第一関門51.5km

4Aから5Aは前半の山場です。時間的に暑い時間帯を走るので、気象の影響も大きい区間だと思います。九十九折りの急傾斜はもちろんきついのですが、登りきってからの牧場周辺が非常に暑く、そこから第二関門の5A(66.6km)までが非常に長かったのを記憶しています。

5Aはペーサー投入箇所となります。私はペーサーを使ったことないけど、いると心強いと思います。

しかしペーサーが選手をつぶさないようにしてください。選手はそこまででかなり疲労が溜まっています。ペーサーは元気ですので自分のペースで走ってしまうと選手はつぶれる可能性があります。ペーサーの位置どりは、前を走らずに選手の後ろを走ったほうが良いと思います。そして選手が苦しい時や、夜間にライトで周囲を照らす時にはペーサーが前に出たら良いと思います。

5Aはドロップバッグを受け取ることができる地点であり、しっかりした食事もあるので、休めばリフレッシュできますが、居心地が良いと無駄に長居をしてしまうので、時間を決めておいてスタートしたら良いでしょう。

距離的にはここで60%ですが、実質ここで半分と思ってください。

5Aを出発してから6Aまでは14.4kmで、黒姫山西側を走ります。中盤の頑張りどころです。2012年から2013年にコースが変わり、走りやすくなりました。


《3Aから4A 51.5km地点》

設定タイム 1時間40分 エイド滞在5分

実際のタイム 1時間53分14秒(1分51秒)  ( )内はエイド滞在時間

感想・・・ここはもっと走れる区間だけど一番暑い時間で厳しかった。13分遅れ。ここは設定タイムで行ける。

参考 2013年区間タイム 1時間50分05秒(2分16秒)


《4A~5A 66.6km地点》

設定タイム 1時間55分 エイド滞在15分

実際のタイム 2時間31分20秒(23分35秒)  ( )内はエイド滞在時間

感想・・・この区間は厳しかった。九十九折りの急傾斜はもちろんきつかったけど、牧場が暑くて長い。。。36分遅れ。この区間タイムは無理がありました。ただし2時間15分では行ける。

参考 2013年区間タイム 2時間27分10秒(18分14秒)


《5A~6A 81km地点》

設定タイム 1時間40分 エイド滞在15分

実際のタイム 2時間28分47秒(7分24秒)  ( )内はエイド滞在時間

感想・・・この区間も設定タイムに無理がありました。ただ2時間くらいでは走れる。48分遅れ。

参考 2013年区間タイム 2時間08分23秒(1分10秒)


6Aからゴールまで

トレイルレース

6A〜7A区間、7A〜8A区間は距離が短めです。

パワースポットの戸隠神社を走る区間であり、私は大好きです。

ほとんどのランナーはこの区間は夜間走行になりますが、凛と静まり返った中を走ると心が洗われるような気持ちになります。

この区間はアップダウンが少なく、舗装路も多いので、ここを頑張って走るとタイムや順位は大きく変わります。体力的にキツイと思いますが、8Aから瑪瑙山山頂までは歩き倒すと考えて、8Aまで頑張ったらいかがでしょう。

8A(92.3km)は第三関門です。ここからが、このレースで一番厳しい区間です。瑪瑙山ゲレンデの直登はかなり傾斜も厳しいです。瑪瑙山頂後もアップダウンあります。下りのゲレンデは凸凹があるので転倒に気を付けてください。ラスト7kmほど林道は走ればゴールですが、ここがまた長いです。


《6Aから7A 87km地点》

設定タイム 42分 エイド滞在18分

実際のタイム 59分14秒(2分)  ( )内はエイド滞在時間

感想・・・こここはサボってしまった。早歩きが身体に馴染んでしまっていた。設定タイムで行ける。

参考 2013年区間タイム 55分00秒(3分00秒)


《7A~8A 92.3km地点》

設定タイム 50分 エイド滞在10分

実際のタイム 52分45秒(3分3秒  ( )内はエイド滞在時間

感想・・・ほぼ設定タイムどおりだけど、ここは40分で行ける。

参考 2013年区間タイム 59分00秒(5分00秒)


《8A~ゴール 110km地点》

設定タイム 2時間25分

実際のタイム 3時間22分52秒

感想・・・設定タイムに無理がありました。ただ終盤の林道も早歩きになってしまったことから3時間では行ける。

参考 2013年区間タイム 3時間34分00秒


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2012年大会後に上記区間タイムを考察しました

全体を通して予定より短縮できたのはエイド滞在時間でした。

予定は1時間18分でしたが、実際の滞在時間は48分25秒でした。

現時点で再度区間タイムを作るならこんな感じでしょう。

1時間55分→55分→1時間40分→1時間40分→2時間15分→2時間→45分→40分→3時間(+エイド50分)

合計 15時間50分

今走れば、当時より走力もトレイルの慣れもあるので、もう少し速いタイムで走れると思います。

(参考) 2012年 17時間46分00秒→ 2013年 17時間19分42秒

エイド滞在時間について

トレイルレース

2012年と2013年の結果を検証すると、ざっくりですがスタートから3Aまでの序盤はほとんど変わりません。3Aから6Aまでの中盤は頑張っています。そして6Aからゴールまでの終盤は遅れたというレース展開でした。

着目して欲しいのはエイド滞在時間です。

トータルで2012年より2013年は26分少しタイムを短縮しましたが、そのうちエイド滞在時間で少なくとも15分短縮してるのです。

2012年はざっくり49分。これだって長くはないと思います。それが2013年は34分未満です。2013年の5A、7A、8Aは正確なデータが取れていないので推測で書いてますが、上記で記載したほどエイドに滞在してなかったので滞在時間は30分くらいでしょう。

この年は仕事が多忙で練習ができませんでした。走力は前年より落ちていました。しかしレース前に自己ベストは出せると思っていました。その根拠はエイド滞在時間で確実に短縮できると思っていたからです。

速く走るのは難しくても、止まっている時間を短くすることは誰でもできます。

例えば同時にエイドに到着したAさんとBさん。エイドに2分滞在して、その後キロ8分で走るAさん。エイドに10分滞在して、その後キロ7分で走るBさん。何キロ地点で追い付くかと言うと。

Aさんがエイドを出てから8分後にBさんはエイド出発。この時Aさんは1キロ先にいます。その1キロの差をうめるのは56分後です。エイドから8キロ地点となります。短い区間だと追い付く前に次のエイドについてしまいます。

エイドに10分どころではなく20分くらい滞在した方は多いと思います。そうすると2分で出た方より18分遅い。2分で出た方が平均キロ9分で走ったり歩いたりすると2キロ差がついてしまうのです。これを詰めるのはかなり厳しいです。

エイドの多いウルトラトレイルやウルトラマラソンはエイドの滞在時間により結果は大きく変わってきます。もちろん補給は大事だけど補給だけならそんなに長い時間は要らない。長い時間休んだらしっかり走れるようになるかと言うと逆に走る気がなくなることもあります。

レースについての考えは様々ですが、少しでも速くゴールしたい方、もしくは制限時間に間に合いたい方はエイドの使い方を考えると大きく変わってきます。

しかし1~2分でボトル2本に水を入れ、サプリをいれ、食事して、ドリンクも飲んで、場合によってはトイレにいくのは我ながら速いと思います。

そのために細かいこともしています。エイド50m前からボトルをキリアンザッグから出して、蓋を開けて手に持ってエイドに入る。入ってからボトルを出して蓋を開けて水を入れるより20秒は短縮できます。また食事も口に入るだけ入れたり、手に持ってエイドを出て歩きながら食べました。エイドで食べるより2~3分速くスタートできます。止まったらゴールに近づかないけど、歩けばゴールに近づきます。


信越五岳トレイルランニングレース〜完走対策その2〜につづく