トレイルランナー紹介
上田 瑠偉(Rui Ueda)
プロフィール
まず一人目は2014年ハセツネで驚愕の大会新記録で優勝した上田瑠偉選手です。
佐久長聖高校駅伝部を経て現在早稲田大学在学中(早稲田大学陸上競技同好会所属)のトレイルランナー モントレイル/マウンテンハードウェアサポートランナー 長野県出身 中学時代に都道府県対抗駅伝で当時の大会記録で優勝したメンバーの一員。高校時代は高校駅伝の名門校である佐久長聖高校駅伝部のキャプテンを務めたが故障続きの苦悩の3年間を送り、箱根駅伝を目指すか悩んだ末に走ることを純粋に楽しみたいと陸上競技同好会に入った。
その後トレランと出会い、2014年10月のハセツネでは驚異的な大会新記録で優勝し脚光をあびる。現在トレイルランニング、スカイランニングで世界一を狙っている。
上田瑠偉のランニング人生については
『 ランニングタウン トレイルランナー 上田瑠偉』
に掲載しているので是非お読みいただきたい。
以下一部抜粋です。
“ 転機が訪れたのは中学3年の秋。高校進学を考え始めた上田は、毎年県大会ベスト8に残る県立高校でサッカーを続けたいと考えていたが、11月頃、当時佐久長聖高校監督であった両角監督、コーチの高見澤コーチにスカウトされたのだ。サッカーを続けるか、陸上に専念するか心が揺らいでいた上田に、父親は一言「陸上とサッカー、選ぶなら日本一を目指せるところに行ってこい。」と背中を押してくれたのだ。 ”
“ 都道府県対抗駅伝であれだけ走れたのだから自分に走る力があることは間違いない。貧血や故障さえ克服すれば走れるはずと信じてできることをしました。また、学年責任者に立候補して選んでもらったのだから途中で投げ出すなんて絶対にできませんでした。 ”
“ 最終学年の都大路は過去ワーストタイムとワースト順位でした。僕自身は補欠にも入れなかったがキャプテンとしてチームを作れなかったこと、入学時の『日本一』の目標に遠く及ばない結果に終わってしまったことが、非常に悔しかった。キャプテンとして、注意したり怒ったりすることもあったが、競技力のない自分が何を言っても説得力がなく、どう伝えれば良いのか葛藤することもあった。 ”
“ 自分自身故障することなく継続して練習できれば結果は出せると思っていましたし、佐久長聖高を卒業したら箱根駅伝を目指すのは当たり前のことだと思ってました。父親も箱根駅伝を目指せとアドバイスしてくれました。また、担任教諭は大学で箱根駅伝を目指して頑張れば、仮に走れなかったとしても就職に有利になるから頑張るべきだと奨めてくれました。しかし、高校時代は故障でほとんど走ることができなかったから、大学では故障せずに走ることを純粋に楽しみたいという気持ちが次第に強くなってきました。 ”
“ 人生でいつが一番辛かったかと問われれば間違いなく高校時代と答えます。高校時代の3年間は怪我の連続で、陸上を止めようと何度考えたか分かりません。一緒に入った同級生はもちろんのこと、後から入ってきた下級生も順調にタイムを伸ばす中で自分は満足に練習できない日々は辛かったです。 ”
(インタビュー・文章 新澤英典)
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主な戦績
大会名 開催日 | 距離 累積標高 | タイム | 結果 |
---|---|---|---|
2015年7月28日現在 | |||
志賀高原マウンテントレイル 2015.7 |
40km | 3:48:10 | 優勝 |
ROCKIN’BEAR黒姫トレイルレース 2015.6 |
36km | 2:59:34 | 優勝 |
菅平スカイライントレイルレース 2015.6 |
42km 2,400m |
3:59:48 | 優勝 |
スリーピークス八ヶ岳トレイル 2015.6 |
38km 2,700m |
3:44:40 | 優勝 大会新 |
Sean O’Brian100K 2015.2 |
31.5km | 9:43:41 | 5位 |
ハセツネカップ 2014.10 |
71.5km 4,582m |
7:01:13 | 優勝 大会新 |
ハセツネ30K 2014.4 |
32km 2,328m |
2:37:18 | 優勝 |
武田の杜トレイルランニングレース 2013.12 |
31.5km 2,328m |
2:13:17 | 優勝 大会新 |
ハセツネカップ 2013.10 |
71.5km 4,582m |
7:45:27 | 6位 |
三原白竜湖トレイルレース 2013.9 |
35km | 3:18:34 | 優勝 大会新 |
自己ベスト
種目 | 記録 | 大会名 | 開催年 |
---|---|---|---|
2015年7月28日現在 | |||
5000m | 14分26秒 | ||
10000m | 29分57秒 |
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ハセツネ大会記録で優勝
2014年10月12日(日)、日本山岳耐久レース(ハセツネカップ)のゴール地点にいた大会関係者、取材陣および応援者に衝撃が走った。2013年大会で東徹選手が7時間19分13秒という驚異的な大会記録で優勝したが、そのタイムを18分も上回る7時間01分13秒というその場にいるすべての関係者の想像を超えるタイムで上田瑠偉選手(Montrail / MountainHardwear)がゴールに飛び込んできたのだ。
日本山岳耐久レース(通称:ハセツネ。以降「ハセツネ」という)は、東京奥多摩山域を走る総距離71.5キロ、累積標高差4,582mの山岳レースである。制限時間は24時間と長いことから完走率は比較的高いが、トップランナーは7時間前半でゴールに飛び込む。今では、国内でUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)等の160キロを超えるレースも開催されているが、ハセツネの注目度は非常に高くレベルも高い。
その歴史ある大会で上田瑠偉は驚異的な大会記録で優勝したのだ。
上田瑠偉はこうレースを振り返った。
「大会前から優勝は意識していました。しかし、レース直前の水曜日に自転車で転倒し膝を強打し、大会前日に軽く走っても膝が突っ張る感じがしたので、苦肉の策で大会当日、普段はしないテーピングをしました。
このような状態でしたが、優勝するために考えた戦略は、昨年脚が攣ってしまった三頭山付近はペースを抑えて攣らないように気をつけ、第2チェックポイントは先頭が見える位置で通過。第3チェックポイントを先頭と5分から10分差で通過できれば、ラスト10キロで逆転できるというプランでした。
ただ膝への不安もあり、優勝するか途中棄権するか、一か八かの勝負になると覚悟していました。
しかし、いざ走ってみると、膝の違和感はなく、むしろ数日休んだからか快調に走れました。課題だった三頭山も落ち着いてクリアし、三頭山の下りから少しスパートして後続を引き離しました。余裕を持って第二チェックポイントに到達しました。
第3チェックポイントに着いたときは、第2チェックポイントのときと疲労感は変わらないくらい調子は良く、この時点で大会記録より11分ほど速かったので、ラストの下り基調のセクションは転倒しないよう足元に気を付けながらラストスパートをかけゴールしました。
ハセツネは一番取りたかったタイトルです。ここを制した人が海外でも活躍されているイメージがあり、また昨年優勝された東さんは、その後の雑誌を中心としたメディアへの露出が高く、やはりそれだけ価値のあるタイトルだということで絶対に欲しかったです。また、男子では春のハセツネ30Kと同年で両方優勝を成し遂げたランナーはいないと聞いていたので、その点も意識して走りました。」
4戦連続優勝
3月開催された伊豆トレイルで捻挫したことから、2連覇がかかっていたハセツネ30Kや、同好会記録更新を狙っていた長野マラソンなどを欠場した上田であったが、6月に入ると快進撃がスタートした。
まず7日のスリーピークス八ヶ岳トレイルを大会記録で優勝すると、翌週13日の菅平スカイライントレイルレース(スカイランニング日本選手権)で2週連続優勝を飾った。この大会で優勝した上田は来年の世界選手権出場を決めた。
さらに27日開催のROCKIN’BEAR黒姫トレイルレースも優勝し、なんと6月に走った3レースすべてに優勝したのだ。
月が変わって7月11日の志賀高原マウンテントレイルでも優勝し、4戦連続優勝を果たした。
ほぼ1ヶ月間にミドルクラスのトレイルレースを4本走ること自体容易ではないが、その全てに優勝した上田瑠偉の気力、体力、そして技術は突出している。
スカイランニングや、スカイランニングシリーズ戦に関しては以下をご参照ください。
今後の目標
トレイルラン、スカイレースで世界の頂上を目指しています。
スピードがあるうちにスカイレースでキリアン・ジョルネやフランソワ・デンヌと勝負して勝ちたい。そして、20代中盤まではハセツネの距離を主戦場にして100キロレースで戦える耐性をつけたうえで経験を積み上げ、UTMB(ウルトラトレイル・デュ・モンブラン)やUTMF(ウルトラトレイル・マウントフジ)の100マイルレースで戦えるようになりたいです。
まずはハセツネで前人未到の3連覇と6時間台を達成したい。そのためにも今年のハセツネで二連覇します。
そして、私より若い世代が、僕の走りや活動を見てトレイルランをやってみたいと思われるような選手、応援されるような選手になりたいです。
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トレランの魅力
一つは達成感
もう5000mとかの距離では満足できなくなってしまいました。ハセツネを走り終えたときは、たまらなく快感でした。
二つ目は爽快感
下りを駆け下りる時のスピードは自分が獣になったかのようです。キツい上りを登りきったあとに見える大パノラマにはいつも感動します。それまでのきつかったことがぶっ飛びます。
三つ目は景色
季節によって色が変わり、ロードランニングにはない美しい景色の中を走るのは最高に気持ちいいです。また実家が長野県だけに山にいると落ち着きます。
最後に繋がりです
トレランをしている方の多くは30~40歳代であり、そういった方々と知り合えることでランニング以外のいろんな経験談を聞くことができます。まず、普通の大学生活ではこんな知り合いはできません。
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